やまがた好日抄

低く暮らし、高く想ふ(byワーズワース)! 
山形の魅力や、日々の関心事を勝手気まま?に…。

阿弥陀堂の桜

2006-05-05 | 櫻探訪



白鷹町の、さくら回廊からはすこし外れた処にあります。
お寺の墓地の阿弥陀堂を守るやうに、大きく枝を広げてゐます。

この樹の満開の時に逢へたのは数年ぶりですが、樹勢もあり、その姿も美しく、
樹齢300年程の江戸彼岸ですが、みごとな咲き振りでした。

春の彼岸を過ぎ、生きながらへてゆく者と、先に逝った者たちに、せめて、一週間ほどの花の姿を見せたい、とばかりに、見る者と死した印とを覆ふやうに枝を揺らしてゐました。
その下で仰ぎ見ると、桜の精が降るやうです。



















見滝寺の枝垂れ桜

2006-05-01 | 櫻探訪

調べものをしてゐて、”高瀬の見滝寺の枝垂れ桜”といふ文字が目に入りました。
高瀬!?
すぐ近くではないか。
さう云へば、以前高瀬で工事をした時に、施主が「高瀬にも、良い桜があるぞ」と仰ってゐましたっけ。

丁度、ハーブの種を買ひにゆくところでしたので、寄ってみました。





     













樹齢は二百年くらゐか。
主幹に少し傷があるものの、見事に咲いてゐました。
鄙の集落の寺の境内ですが、ライトアップもしてゐたらしく、来年への楽しみを残して帰ってきました。













愛染神社の江戸彼岸

2006-04-27 | 櫻探訪

山形市南部の小さな社、愛染神社の江戸彼岸を見てきました。
「オサヤジの種蒔き桜」といふ案内板がありました。














昨年の夏、近くの住宅団地で工事があり、昼の弁当を食べる場所を探してゐる時に
偶然見つけた処です。

山形県内には、置賜地方を除くと江戸彼岸の古木は少なく、眼は県外に向いてしまってゐたのですが、意外や、探せばまだ見知らぬ樹があるとの思ひを強くさせてくれた樹でした。

樹齢600年程の江戸彼岸、です。
おそらく、主幹は落雷か何かで折れてしまったのでせうが、大きく空洞を作りながらも、樹勢のある姿を見せてゐました。










しばし、見る人もゐない古木と静かな対話ができました。

折りしも、朝日新聞に三春町の滝桜の写真が載ってゐて、あの喧騒の模様との落差をほくそゑんでゐました。
滝桜は、14、5年前に2年続けて見に行き(その頃はまだ、片田舎の斜面の枝垂れ桜でしたがー)、年々観光化がひどくなるにつれて、見に行く足は遠のき、それでも友人、知人に「連れて行け」とせがまれ、数年前にも案内がてら数回行きましたが、商魂たくましい三春町の”整備”にほとほと嫌気がさし、まう行くことはないのだらうと思ってゐます。




お達磨の桜

2006-04-25 | 櫻探訪

寒河江市に用事がありましたので、少し早めに出て、
中山町の「お達磨の桜」を見てきました。

やっと山形市内でも満開になった頃なので、公園内の桜はまだ3部咲き程度でしたが、「お達磨の桜」の惨状に目を疑ひました。






確かに、5、6年前から見た目にも樹勢がなくなってきた思ひでしたが、一昨年はまだ花もそれなりに付けてゐたのに、今年の姿は、ただ痛ましいだけでした。

根を痛める原因はあまり見当たらず、近くに高速道路が出来たので、そのせゐで水みちに変化が出来てしまったのかー。

約樹齢600年の古木。
いずれにしても、その姿は、老いた身体に鞭打って毎年花を付けてきたが、
まう、疲れたよ、と云はんばかりに、江戸彼岸特有の小さな花を細い枝先に付けてゐました。




近隣の老夫婦が、言葉少なく「痛ましいー」と見やってゐました。
何とか、再生の手だてはないものだらうか!


公園内には、まう一本の江戸彼岸があり、樹齢が500年ほどらしいのですが、それも少し蔭りのある花の付き方で、若い染井吉野ばかりが、天に向かって枝を広げてゐました。






御衣黄(ギョイコウ)

2005-05-10 | 櫻探訪

白鷹町にある、「御衣黄(ギョイコウ)」です。
まだ咲き始めでしたので、緑色が強いです。
観光客の反応も、賛否なかばでした。

連休を過ぎると、人々の口の端から櫻の言葉が消へてしまひます。
櫻は、本当に面白く、哀しい樹です。特に、街の櫻はー。

まだ咲かぬか、まだ咲かぬか、と入れかはり立ちかはりに待たれて
開花して十日も過ぎると、誰もサの字も云はなくなる。

小生の好きな作家が、行きつく所は山櫻と云ってましたが、
成る程、そんな気がします。
誰に待たれるでもなく、誰に惜しまれるでもなく、
暖かい冬であれば早めに花を付け、今年のやうに遅い春であれば
新緑に混ざりながら早々に花を終へる。
でも、そのいとなみは少しも揺るがない。 

大山桜

2005-05-09 | 櫻探訪

西蔵王の「大山櫻」です。

ずゐぶんと久しぶりに見に行きました。
幸ひにも(!?)、連休中には開花せず、
混雑も差程ではありませんでした。

かつて西行が、
     たぐひなき おもひいではの さくらかな
      うすくれないの 花のにほひは
と詠んだ、色の鮮やかな山桜です。

西行の東北行きには、今ブームの義経とも絡んで
ミステリアスな部分がかなりあり、それは、
西行といふ、武士とも、僧とも、世捨て人とも、失恋男とも云へない
”何者?”といふ興味が尽きません。

とまれ、現在は放牧場になってゐる草原に、
かつては沢山の大山櫻が咲いてゐた、といふ事実に
口惜しさを感じながら、残された木々の凛とした姿に見とれてゐました。

※も少し写真をご覧になりたい方は、サイドのアルバムbからどうぞ。

残花

2005-05-06 | 櫻探訪

「久保(伊佐沢)の桜」です。

地元テレビの、連休中は花を見られるでせう、といふレポートを
固く信じて現地に行ったのですが、葉桜直前でした。
暑い陽気に、一気に咲ききってしまったやうです。

それでも見物客は次々に訪れてゐて、名古屋から来たといふ一行は
「残念!」と樹をおふいでゐました。

花の時期の櫻には、数年ぶりに逢ひました。
長井市で土壌整備をして以来です。
その成果は確かにあったやうです。
花付が数年前に較べ、格段に増へてゐたやうです。
樹自体の風格も、以前の、老ひてかくしゃく姿を見せてゐました。

それでも、樹齢千年を越す櫻に、もっと咲け、まだ咲け、といふのは
点滴をつけられた老人のやうで、複雑な気持ちになります。(-_-)ウーム

御達磨の櫻

2005-04-29 | 櫻探訪

「御達磨の櫻」です。
山形市の隣り、中山町にある、樹齢600年余の江戸彼岸です。

この櫻も、年々、その花付を悪くしてゐるやうな気がします。
県南の「久保の櫻」(樹齢千年?)は以前に樹医の方の指導の元、
大掛かりな手術をし、花付を蘇生させてゐますが、
この櫻は、かつで大きな伽藍があったといふ寺の跡地で、
幹に大きな空洞を持ちながら自らの余命を保ってゐます。

開花時期には、近くの老人達が三々五々集まり、
心配さうな顔つきで花見をしてゐます。
ある意味、幸せな櫻なのかもしれません。

福聚寺のしだれ櫻

2005-04-22 | 櫻探訪
「福聚寺のしだれ櫻」です。
三春町の一角にあります。

黒塀が残る参道をゆっくりと登りつめると山門があります。
立派なお寺です。

”ところで、櫻はどこにある?”と、ぐるりを見渡すと、
竹林をしたがへたしだれ櫻が、滝が落ちるが如く咲き誇ってゐます。
見事な櫻です。(^-^)/

年々有名になりますが、それでも超有名な「滝櫻」に較べれば
まだ人出も少ないやうです。(滝桜は、まう、韓流ブームのノリに
なってしまってゐてーε-(´・`) フー)

三春町内には、名も無い見事なしだれ櫻が沢山あります。
それらを求めて、こじんまりとした街を歩くのは至福のひと時です。
(かつて、三春藩は、戊辰戦争の時に裏切りに走ったのですがー( ;^^)ヘ..)

寝返りの櫻

2005-04-21 | 櫻探訪

「寝返りの櫻」です。

蔵王の麓にある、樹齢250年くらゐの江戸彼岸です。
樹形は素晴しいのですが、残念ながら、樹に勢いがありません。

すぐ側の道路が拡張され、整備されてゐましたから、そのせゐでせう。
間違ひない!(`0`)ノ"

近くには、名も無い江戸彼岸が何本かありました。
樹齢は浅いものの、皆、見事な花をつけてゐました。
100年もしたら、名木になってゆくだらうと思ふと
人間の生命の短さを感じます。