今年の2月初頭にニュー・ジャズ・オーケストラを取り上げたのだが、あれからもう
3か月近くが経つのか。意識していないと時間というのものは、どんどんと過ぎ去って
いくものだ。あの時、瞬間最大風速的(笑)に英国ジャズをもっと聴きたいと思い、
改めて幾つかの盤を手にしたのだが、掲載写真もそんな中の1枚。
ロニー・スコットが設立し自身の名を冠したジャズ・クラブで68年に録音した
ライブ盤「LIVE AT RONNIE SCOTT'S」(リリースは69年)は、ロック者にも
わかりやすく熱気に満ちた盤だと思う。
ロニーのテナーを含めた5管編成というのが何とも重厚である。昨年亡くなったケニー・
ホイーラーや、ジョン・サーマンという人の参加や、ゴードン・ベック、トニー・
オクスレイといった聞き馴染のある名前があるのも門外漢が敷居をまたぐ助けになった。
5管で一斉にテーマを演奏し、ソロを回し再び合流するときには混沌とした音を出す。
1曲における流れとしてジャズにおける予定調和なのかもしれないが、そうだとしても
そこにオルガンやドラムスも戦いを挑んでくるのだから、これはスリリングである。
現行CDはオリジナルのアルバムに4曲を追加してあり、そのどれもがLP制作時に
漏れた理由がわからないくらい良い演奏であり、長時間再生メディアの存在を今更ながら
有り難く思う。この時期の英CBSの懐の深さを表す1枚。
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