ローリング・ストーンズは「スタジオ録音よりライブのほうが本領を発揮する。」なんて書かれた文を
昔はよく見たものだ。ストーンズ者の私は、それに賛同したことは一度もなかったけれど。
ストーンズのアルバムでベストの1枚を挙げる時、数あるライブ盤の中から1枚をを挙げる人を
ほとんど見たことがないし。ミックやキースの動きを含めて、絵的に格好良いというのは理解できるが、
レコードという形に残ったものだと果たしてどうか、という疑念の方が強いのだ。
例え、あの「NASTY MUSIC」が正規盤であったとしても、その想いは変わらない。
ことライブにおいて、WORLD GRATEST、もといWORLD GREATEST ROCK AND ROLL BANDの
称号が最も相応しいのはグレイトフル・デッドに他ならないと私は思う。
15歳の時から30年程ストーンズのファンをやっているが、そこは冷静である。(笑)
PICKSやROAD TRIPのシリーズを含めて、数多あるライブ盤のどれを聴いても、均等に多幸感で
満たしてくれるのだから。
デッドのライブ盤を聴くということは、時間の流れをゆっくりとしたものに変え、高揚とくつろぎを交互に
体験すると言う事だ。リラックスという言葉の本来の意図するところの『自分の最良の状態』を
例え短時間でも、もたらしてくれるデッドのライブ盤は手近なリセット装置といったところか。
91年に出た「DEDICATED」はグレイトフル・デッド・トリビュートの体裁をとりながら、熱帯雨林保護の
ベネフィット・アルバムでもある。チャリティー・ソングや復興支援ソング?とやらには、音楽的見地から
みると「なんだかなぁ。」という出来のものが多いのが常だが、原曲が最高のカバー・ソングを集めて
それがベネフィット・アルバムになるなら、実際に買って聴く価値があるというものだ。
「DEDICATED」は志もそうだが、参加した面子も素晴らしかった。オープニングが『BERTHA』というのが
気が利いていて演演奏するのはロス・ロボス。他にはコステロやバーニング・スピア(!)、カウボーイ・
ジャンキーズにウォーレン・ジヴォン&デヴィッド・リンドレー、そしてドクター・ジョン。
『U.S.BLUES』を渋くキメるのは、ダン・ベアードがトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのメンバーらと組んだ
ザ・ハーシェッド・メロウズ。
今となっては個人的に気に食わないヤツらも一組いるが、まあいいか。名前は挙げないけど。(笑)
私がデッドのスタジオ録音盤で一番好きなのが「GRATEFUL
DEAD FROM MARSHOTEL」で、そこから3曲選ばれているのも、このトリビュート盤のポイントが高いところ。
その中でも最高のカバーが、スザンヌ・ヴェガが歌う「CHINA DOLL」。勿論「火星ホテルから来たグレイトフル・デッド」
からの曲。オリジナルはガルシアが感情を込めて切なく歌うのだが、ここでのスザンヌの歌唱も愛おしい。
デッドのカバー・ソングの中から、これを「カバー・ソング100選」に使うことにした。
「あなたを非難はしない。まして否定するなんて。同じ事を尋ね続け(期待し続け)るが、失望が終わることはない。」
死を目前に控えた男の悟りにしては、哀しい歌だ。解釈が間違っているかもしれないが、この歌には
そんな曲解も受け入れる度量があるのだ。
デッドはカバー・ソングの解釈も素晴らしい。ライブでは
それこそ数多のカバー・ソングを披露しているが、スタジオ録音だと、78年に発表した「SHAKEDOWN
STREET」の冒頭に配されたラスカルズの『GOOD LOVIN'』が格好良い。
溌剌としたボブ・ウィアの歌唱と、それに絡むドナ・ゴドショウの声のバランス加減が絶妙で、鳴り物も曲を
楽しく盛り上げてくれ、これも「カバー・ソング100選」に選んだ。
現行CDにはボーナス・トラックが多く収録されていて、その中には『GOOD LOVIN'』のアウトテイクも
含まれている。そこでのボーカルはローウェル・ジョージ。アルバムのプロデューサーを務めた為に
「バンドの肩慣らしを兼ねて1曲歌ってみました」ってところだろうか。完成テイクには及ばないが、
デッドとフィートの双方のファンには嬉しいプレゼントであったのは間違いない。
ライブ・バージョンの『GOOD LOVIN'』は名盤「EUROPE 72」のボーナス・トラックでどうぞ。
早く9月にならないかなぁ・・・。(笑)
赤黒でも注文取ってはいましたが。
China doll良いですよね、大好きな曲です。
9月になれば・・・。
カードの引き落とし額を見て「あ~あ」と思う方が
買わずに後悔して「あ~あ」と思うより、精神衛生上いいかな、と自分を納得させています。(笑)
CHINA DOLL、名曲です。
(確か)最も稼ぐライブバンド的な記事を読んだ記憶があるのですが、一般受けするバンドでもなさそうなのにと。
ちゃんと聴かずじまいなので何ともなのですが。持っているのは、「ブルース・フォー・アラー」のLPだけ・・。もっと聴かなきゃと思いながら膨大すぎて手つかずのままです。
私も20歳くらいの時は「かったるいな」と思い、
22歳の時に初めてアルバム「GREATFUL DEAD('71)」を買ったものの、手に負えませんでした。
それが、いつのまにか泥沼に・・・。(笑)
デッドを聴くのに、早い遅いは関係無いので
たまたま手に取った盤を少しずつ聴いていけば、
そのうち明るい光が・・・・降り注ぐかも
しれませんよ。