HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 48

2010-05-31 22:30:34 | SOUL

今回の『EXILE ON MIN ST』が既発盤と違っているのはマスタリングやジャケットの色合い
だけではない。クレジットが大きく違っていることには触れるべきだろう。
今まではLPのインナーにわざわざ「HAPPY」「SOUL SURVIVOR」のベースはキースで、
「SHINE A LIGHT」「TORN & FRAYED」のベースはミック・テイラーというクレジットがあった。
今回もそのクレジットはあるが、全ての曲にビル・ワイマン/ベースというクレジットもある。
『EXILE ON MAIN ST』はフランスのキースの家で合宿に近い形で録音された事、メンバーの
中にはキース宅からかなり遠くの家に住んでいた者がいたという事を知っていたので
「ああ、きっとビルが一番遠くに住んでいたのだな。」なんてわかったような、わからないような
解釈で理解していたのだけれど。「みんなで仲良く印税を配分しましょう」なんてノリの
クレジットでなければいいのだが。

「HAPPY」のドラムスはジミー・ミラーのクレジットがあったが、今回はチャーリーの名前も
明記されている。しかしこのアルバムの他のアップ・テンポの曲と比べて聴いても「HAPPY」の
ドラムスはニュアンスが単調な気がするし、72年北米ツアーでの同曲におけるチャーリーの
演奏とは全く異なる。何かを重ねているようにも思えないのでこれも不思議だ。
「TUMBLING DICE」は曲の後半部分でタムを重ねているのは明白なので、こっちにジミー・ミラーの
クレジットがあってもよさそうな気がするのだが。

昔も今も「TUMBLING DICE」のコーラスでしっかりクレジットされているのがクライディ・キング。
数々のミュージシャンのレコードにシンガーとしてクレジットされているのだが、自身が
一員だったブラックベリーズがそのままハンブル・パイのバック・コーラス・グループとなり
来日公演を行ったことを思い起こす人もいるだろう。個人的にはボブ・ディランのアルバムの
中でベスト5に入る83年の名盤『INFIDELS』収録曲の「UNION SUNDOWN」での歌唱が
強烈に印象に残っている。

掲載写真はクライディがまだソロ・アルバムを出す前の65年から68年までの録音を
集めた編集盤。彼女のキャリアの中では76年の「DIRECT ME」が最も有名だと思うが
このアルバムは未CD化である、というか彼女名義のCDは今のところこれしかないのが
現状だ。なんとももどかしいが、多くのロック・ミュージシャンに愛された声の
ファースト、いやセカンド・ステップを確認するのは一興だ。ソウルやゴスペルのカテゴリーで
括る以前のもっとポップな楽曲と歌声に聴き惚れていただきたい。

クライディは73年にその名もブラウン・シュガーという名のグループに参加し
『FEATURING CLYDIE KING』というアルバムを残している。こちらも早期のCD化を希望する
次第である。


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