HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

THE AFTERNOON OF SEXUALLY AROUSED

2016-01-28 20:47:28 | ROCK

       

掲載写真左はフランク・ザッパ&マザーズ・オブ・インヴェンションがドイツの
テレビ番組ビート・クラブ用に撮影された映像のDVD「THE LOST BROADCAST :
THE BEAT CLUB ' 68」。リハーサルを含めて1時間を超える映像で、オリジナル・
マザーズの動く姿を捉えた貴重な一品。

ビート・クラブのための収録が行われたのは68年10月6日であるが、この映像は
リアルタイムでは放送されていない。65年から72年までのオリジナルのビート・
クラブが放送された期間にザッパは2度出演しているが何れもインタビューとか
スタジオ内での様子が映されたもので演奏シーンのオンエアは無かった。

後年になっての再放送の際に未発表シーンが放送され、そのときの様子は
ブートレグやYouTubeで見ることができたが、リハーサルを含めた映像を流通商品
として手にすることができたのは何とも喜ばしい。

どこまでが素でどこからが演出なのかわからないくらいメンバーはリラックスしている。
スタジオ内に用意された食べ物や飲み物を適当に飲食しているシーンを時間の無駄と
捉えずに全て撮影しているのが素晴らしい。メンバ間で喋ったり煙草を吸ったりと
ダラダラしているようで、特に何の合図も掛け声もなくジミー・カール・ブラックが
ドラムのセットに腰をおろしたあたりから自然に音楽が流れ始めるのが格好いい。

一つ一つの個別の曲をしっかりあわせるというのではなく、インプロを続けながら
そこに曲として明確なリフを埋め込むのをきっかけに次々と進行していく、その
様子が当時のマザーズらしさを伺わせる。

DVDは一応リハーサルと本編のチャプターわけが成されているが、最初から
通してみると区切りなく流れて一時間超えの映像をスムースに見ることができる。
リハの最中に音声が途切れたり音量が小さくなったり大きくなったりするのは
音声の調整をしているからなのだろう。

それにしても、長尺の演奏であるとはいえ何故リアルタイムで流れなかったのか
不思議である。ビート・クラブ特有のサイケに重ねなれた画像処理もしっかりと
完了していたというのに。ともかく本作のリリースは嬉しい。

掲載写真右は我が国におけるザッパ研究の大家が記した「フランク・ザッパを聴く
アルバム・ガイド大全」。FZの公式盤として通し番号が打たれた100枚の
聴き処とその盤にまつわるエピソードや時代考証、FZの他のアルバムとの関連等
実に読み応えのある一冊であった。

比較対象として度々登場するビートルズの存在の大きさを感じずにはいられないのだが
それはFZファンとしての私に不本意なことではない。

ゲイル・ザッパ没後の最初の年となる今年であるが、今後FZ関連でどんな音源や
映像がリリースされるか、楽しみである。

 

コメント
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