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HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

恋は悩殺

2007-03-19 23:40:27 | SOUL
バイヤーズ・ガイドとしてある程度の認知を得た本の中でも
ソウル・ミュージックのファンが必携なのが、「U.S.BLACK DISK GUIDE」だろう。
原盤番号ではなく、「あの本の○○番」というほうが通りがよかったりするケースが
あるのは、編集者冥利につきるだろう。

掲載写真はモーメント・オブ・トゥルースのシングル盤『恋は悩殺』。
付けも付けたりの邦題が最高である。アルバムも件の本の「276番」として
紹介されている。ノリはいいのだが、75,6年以降のこの手の音あたりから
自分の好みと少しずつ距離が出来始めるのも事実である。
全く嫌いではないのだが、例えば77年のウィンディ・シティの「レット・ミー・
ライド」や78年のセブンス・ワンダーの「ワーズ・ドント・セイ・イナフ」は
いずれも名盤の称号を得ている認知度の高い盤だが、それほど聴き込んではいない。

モーメント・オブ・トゥルースのアルバムも出来のいいスロー・ナンバーや、
フィリー・サウンド風の耳あたりのいい曲があるものの、通して聴くと
印象がぼやけてしまう。
しかし、アルバム冒頭に配され日本でシングルにもなった『恋は悩殺』は
その馬鹿馬鹿しい邦題に相応しく、お手軽に盛り上がってしまう。
ホーンが「ダンシング・イン・ザ・ストリート」のフレーズを軽くかまし、
なんとなく一昔前のサラ金のCMソングを彷彿させる感じもして
ニヤニヤしながら聴いてしまうのであった。

それにしても。このジャケットでどうしようというのだ。
何かの秘密結社か、それとも悪の組織か?。
なんとなく、正義のヒーローにパンチやチョップで倒される戦闘員のような
感じが情けない。
アルバムより先にこのシングルを買った私も私なのだが・・・。(笑)
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THE REFLECTIONS / LOVE ON DELIVERY

2006-05-11 23:33:15 | SOUL
最近、ワイド・ショーにおいてとある事件を取り上げる際に
「デリバリー・×××」という言葉をよく耳にする。
略してデリ・××なのだが、デリバリーという言葉を聞いて、
即座にテリー・ハフ&スペシャル・デリバリーや、リフレクションズの
このアルバムを想起する私は、「ああ、助平ながらも音楽好きの
側面のほうが強いだけ、ましかな。」なんて思ったりする。

今回とりあげるのは、リフレクションズが75年に発表した唯一のアルバム。
71年にグループを結成、当時の人気歌手メルバ・ムーアのバックで
コーラスをつけながら、実力をつけ自らのレコード発表に至った。
アルバム発表枚数が少なかったり、写真資料が極端に少なかったり、
変名で吹き込んだりで情報が不明な点が多いのがコーラス・グループの
常なのだが、実にリフレクションズもメンバーの名前はわかっていても
どの曲で誰がリードをとっているのか、いまいちよくわからない。

だが、ほとんどの曲でリードをとるシンガーがコーラス・グループの
中では非常に特徴のあるもので、ちょっとしゃがれた感じの声が私好み。
コーラス・スタイルもスピナーズやトランプス(!!)と並んで語られる
スタイルで、これも私好みなのだ。
メンバー自身が曲つくりを担当したものもあるが、ソウル・ミュージックの
好きモノのチェック・ポイントとしては、J.R.ベイリーがプロデュースに
力を貸し、4曲を提供していることもあげられる。

個人的に最大の聴きどころはメンバー4人の手になる珠玉のバラッド、
「ONE INTO ONE」とベイリーの手も加わった軽快な「TELEPHONE LOVER」という
2曲の流れである。このコーラス・グループの力量が対照的な二つの
曲を聴くことで、素晴らしいことがよくわかるのだ。
それにしても、私は効果音や「語り」に弱い。(笑)

このCD、とっくに廃盤で定価を上回る値つけをして売られているのを
よく見る。人気盤であるので、仕方ないがそろそろ再発して欲しいものだ。
広く聴かれるべき盤がいつまでも入手困難なのは、犯罪であるとすら
思う。パッと見て印象に残りにくいジャケットではあるが、
気にとめておいて損はないと思う。いや、このサングラスの4人は
覚えやすいか・・・・。(笑)
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君はオーティス・レディングを聴いたか

2006-02-01 20:42:16 | SOUL

一昨日、忌野清志郎がオーティス・レディングの故郷やゆかりの
地を訪ね、オーティスに思いを馳せる番組が放送された。
当時のマネージャー(白人!)や、オーティスが通った安レストランの
オーナーの話に聞き入る清志郎の姿は、私たちと同じ「一音楽ファン」で
あり、その嬉しそうな顔がなんとも好かった。
過去に清志郎とアルバムを制作したことがあり、オーティスのバックで
ギターを弾いていた、スティーブ・クロッパーと「オーティスに捧げる歌」
を共作する場面は興味深かった。
RCサクセション屈指の名バラッド「スロー・バラード」のイントロの
ピアノのあのフレーズが、静かに私の頭をよぎった・・・・。

私がオーティスに興味を持ったのは、もちろん清志郎の影響である。
清志郎が好きだというオーティスってどんな声をしているんだろう・・・。
田舎者の修学旅行のメインは「東京一日自由行動」だったのだが、
皆が思い思いの買い物をする中、私は「ヨーロッパのオーティス・
レディング」というLPを大事に抱えていた。
早く家に帰り、そのLPを再生したくてその後は観光どころではなかった。

家にかえるやいなや、何度もそのレコードを再生した。
なるほど、清志郎の出自の一端がわかったと同時に、とんでもない
宝の鉱脈にぶちあったような気がしてならなかった。それからずっと
オーティスを聴き続けているというわけである。

掲載した写真の右が「AT THE WHISKY A GO GO」左が「GOOD TO ME」。
1966年4月8日から10日までの3日間、ウイスキー・ア・ゴー・ゴーでの
7回のコンサートから選曲されたライブ・アルバムである。
オーティスの死後、最初に「AT THE ・・・」がリリースされ(68年)、
ついで82年に「OTIS REDDING LIVE」が登場した。
82年の「OTIS REDDING LIVE」に3曲加える形でCD化されたのが
「GOOD TO ME」である。

トランペット奏者のピッチが狂っているということで、レコーディング
したものの発売が見送られていたもので、オーティスの死後、少々の追悼の意味と
「THE DOCK OF THE BAY」の大ヒットの余熱が冷めぬうちに、
もう一商売というわけで、発売された。
余り耳のよくない私が聴けば、確かに音が外れている箇所に気が付かない
わけでもないが、この熱気の前では大した問題ではない。

清志郎が片山広明、林栄一のユニットである「デガショー」と競演した
アルバムのライナーで吾妻光良はこんなことを書いている。
「ピッチがちょっと悪くないかって?。ピッチはプライバシーの問題だ
という名言もあるくらいで、ここには現代商業レコーディングが置き忘れて
来てしまった『自由』がドカーンと存在しているという事の証なのである。」
なるほど。この吾妻さんの素晴らしい文章を読んで、なおさら私は
酒がすすみ、オーティスの2枚のライブ盤をより愛するようになったという
わけである。

もし、ウイスキー・ア・ゴー・ゴーでの録音に最初から「GOサイン」が
出れば「ヨーロッパのオーティス・レディング」(66年3月録音)は
陽の目を見てなかったかもしれない。もちろん、オーティスには長生きして
今も歌っていて欲しかったと思うが、今となっては残された音を
何度も聴き返すのみだ。昨年はアレサ・フランクリンの素晴らしい
4枚組がライノからリリースされたが(即完売)、オーティスの4枚組は
まだか?。

オーティスがストーンズのカバー「(I CAN'T GET NO)SATISFACTION」を
リリースしたのは66年2月15日。なんだよ、あと3日ずらせば最高だったのに。

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ドン・ブライアントを入手

2006-01-22 14:49:32 | SOUL
昨年の7月にドン・ブライアントのことを記事にした。
その時に93年に国内発売された2枚のCDのうち、1枚を
買い逃したことを書いたのだが、昨日入手することができた。
嬉しげに2枚のジャケットを並べてみたのだが、金色に
輝く「PRESCIOUS SOUL」のジャケットがもう眩しくて・・・(笑)

SONY盤「PRESCIOUS SOUL」は全18曲収録。頭5曲と最後の
曲に挟まれるかたちで、当時の唯一のオリジナル・アルバムである
「プレシャス・ソウル」がそのまんま収録されている。
シングルはオリジナルを吹き込んだのに、唯一のアルバムが
カバー集というのは、なんとも不思議であるが今回初めて聴くことが
でき、驚きの感嘆符を三つほど・・・。

何の偶然か、ウィルスン・ピケットの当たり曲を3曲もカバーしていた
のか・・・。ピケットの記事を書いた翌日だけになんとも胸に
くるものがある。最も最初から所持している人には「なんのこっちゃ」な
感想なのであるが、なにしろ入手した日が昨日なもんで少々大袈裟な
気分にもなる。
アナログでいうところのA面がジャンプ・ナンバー、B面がスローな曲と
分けていたこともはじめて知った。
ちなみにピケットの歌唱で有名な「SHE'S LOOKING GOOD」「FUNKY BROADWAY」
「LAND OF 1000 DANCES」はもちろんA面収録。
他にもサム&デイブ、マービン・ゲイ、クラレンス・カーター、
ジェームス・ブラウン、タイロン・デイヴィスでヒットした曲の
カバーを収録している。どれもオリジナルの印象の強い曲ばかりだが
ドンは見事にそれらを歌い上げている。
ジャニス・ジョプリンの熱唱でロック者には有名な、ガーネット・ミムズ&
ジ・エンチャンターズの「CRY BABY」のドンのバージョンは必聴かも。
カバー集だからと、軽く見ていたつもりはなかったのだが、
私の愚行を知ってか、なかなか出会う機会が与えられなかった
このCDがピケットが亡くなったことを知った日に届いた偶然を
静かに喜びたい。
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ラスト・ソウル・マン

2006-01-21 22:33:43 | SOUL
「ラスト・ソウル・マン」と名乗る男が二人いた。
過去形なのは、そのうちの一人、ウィルスン・ピケットが
亡くなったからだ。ちなみにもう一人はボビー・ウーマック。

掲載写真は68年発表の「I'M IN LOVE」。
66年の名盤「THE EXCITING WILSON PICKETT」でボビーの
「SHE'S SO GOOD TO ME」を」とりあげたピケットだが、
このアルバムで二人の「ラスト・ソウル・マン」が
共闘することになる。

当時のボビーはサム・クックの未亡人と結婚したことで
メディアやファンから非難を浴びていた。サムの死から
それほど間があいていないことがその原因である。
様々な非難をバネにボビーはピケットととのアルバム制作に
力を注ぎ込み、完成したのがこのアルバムだ。
曲の提供だけでなく、ギタリストとしても全面参加し
アルバムの完成度の高さに貢献している。

ピケットの歌唱も冴え渡る。それまでのシャウターとしての
側面を残しながらも、ミディアム・テンポの曲を多く収録した
ことが歌い手としての成熟と貫禄を感じさせる。
ボビーが提供した「JEALOUS LOVE」「I'M IN LOVE」の
2曲は当時の彼の状況を反映したものだが、それを見事に
歌い上げたピケットは、ボビーの良き理解者だったのだろう。

ボビーはサム・クックに背信したわけではない証拠に、この
アルバムでサムの「BRING IT ON HOME TO ME」を取り上げることを
ピケットに進言している。どちらが先に名乗ったかは知らないが
「ラスト・ソウル・マン」とは、なんとも格好いいキャッチ・
フレーズである。それを他人が名乗ったら喧嘩になりそうなものだが、
この二人には、そんなことは問題ではなかったことが
このアルバムを聴くとよくわかる。
そうそう、キング・カーティスのサックスも華を添えていることを
忘れてはならない。

「THE EXCITING WILSON PICKETT」では真っ赤なスーツでジャケット写真を
飾っていたが、このアルバムでは、よりお洒落な雰囲気を出している。
”WICKED PICKETT"・・・今いるところは「ダンス天国」。
男前の登場にご婦人方は、気もそぞろだろう。

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THE 8TH DAY / SAME

2006-01-07 23:03:26 | SOUL
PヴァインからHDHコレクションと銘打って5タイトルの
ソウル名盤が紙ジャケ復刻された。どれもインヴィクタス・レーベルを
代表する盤ばかりだ。HDH絡みでインヴィクタス・レーベルなのに
その中からなぜか漏れてしまったのがこの「THE 8TH DAY」。
ジャケットの悪趣味なデザインが災いしたか?。

有名な話だがTHE 8TH DAYのオリジナル・アナログには
別のグループの曲が2曲紛れ込んでいた。共にデトロイトを活動の
基盤にしていた「100 PROOF」の2曲が紛れ込んでいたのだ。
もともとその2曲は「THE 8TH DAY」のシングル盤として
リリースされたものだが、歌っていたのが実は「100 PROOF」で
アルバムにもそのまま収録されてしまったわけである。

それもこれもH=D=Hが同じ曲を別名を使って配給会社に
送りつけていたから始まった混乱だと思うのだが、なんで
配給会社が違うのに、こんなことになったのだろう?。
「THE 8TH DAY」はインヴィクタス(キャピトル配給)、
「100 PROOF」はホットワックス(ブッダ配給)だったというのに。
フィル・スペクターの「フィレス」では同じレーベルだから
こういうことがあっても「ああ、やりそうなことだ」と思うのだけど。

このCDは今でも入手は可能である。アナログから「100 PROOF」の
曲を削り、シングル曲などを加えた決定版として捉えて差し支えない。
8人組で演奏とボーカルをこなすグループの中心人物は、ドラムと歌を
担当するメルヴィン・デイヴィス。7分におよぶ「JUST AS LONG」の
美しいメロディとコーラスの素晴らしさ、語りも入った8分の長さを
全く感じさせない「I'M WORRIED」といった2曲のバラッドを
聴くためにこの盤を入手する価値があるというものだ。
サム・クック丸出しの「LA-DE-DAH」も、耳を捉える傑作だ。

もちろんストーンズ・ファンにもお楽しみはある。
ストーンズ・ブートレグで、アウトテイク物の定番となった曲に
「TOO MANY COOKS」という曲がある。謎の多い曲でミック・ジャガーが
歌っているのは間違いないが、おそらく演奏はストーンズではないだろう。
ジョン・レノンと共に演奏しているといわれたり、ドラムスは
リンゴ・スターだという人もいる。リンゴにあのリズムは叩けまい?。
ともかくミックが歌っているのだけは間違いなく、演奏もファンク・マナーに
則ったなかなかの出来である。
この「THE 8TH DAY」のアルバムでも、もちろん演奏は違うが
「TOO MANY COOKS」を聴くことが出来る。これがオリジナルだろう。
ミックのバージョンは格好いいイントロから始まるが、歌と演奏が
同時にいきなり始まる「THE 8TH DAY」バージョンも素晴らしいので
ストーンズ・ファンは気にとめていただきたい。

それにしても、ジャケットは何とかならなかったか・・・・。
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JOHNNY ROBINSON / MEMPHIS HIGH

2005-08-28 11:23:12 | SOUL
ロックの再発盤がカタログに残っている期間というのは
意外なほど短い。定番物なら企画変更で数年置きに再発されるが、
マニア向けのものはそうはいかない。ロックより購買者が限られる
ソウル物なら、尚更だ。
世界初CD化を日本で成し遂げた後、しばらくして入手困難状態が
続いたこのアルバムが紙ジャケで、近日発売されるらしい。

ジョニー・ロビンスン一世一代の名盤、その名も「メンフィス・ハイ」。
タイトルからしてもう、キている。レーベルはエピック。
録音はハイ・スタジオで録音されていることから「HI」と「HIGH」を
掛けているのだが、内容はタイトルに劣らない充実振りである。
ハイ・サウンドの本質は72年~74年のアル・グリーンや
アン・ピープルズのアルバムにあると思っているのだが、
このアルバムの発表は70年。
94年版CDの解説で鈴木啓志氏がいみじくもこう書かれている。
「一番近しいのはドン・ブライアントではなかろうか。」
洗練される一歩手前の豪気さと、バラッドの表現力。実に納得のいく
比較だと、素人ながらうなずくことしきり。

ジャンプとバラッドが均等に配され、11曲中4曲が自作。
ソウル好きには有名な曲のカバーが多いと思われるかもしれないが、
わずか4曲の自作曲が素晴らしい。アルバムのラスト・ナンバー。
「DON'T TAKE IT SO HARD」こそ、誰もが耳にすべき曲で
これ1曲のために買ってもいいくらいだ。歌詞も歌唱も曲も
素晴らしく、この曲でのアプローチがプロデューサーの
ウィリー・ミッチェルにとって、後のアルやアンの諸作へと繋がって
いるのでは・・・と勝手な思い込みさえ可能にしてしまう。
更に勝手に思い込みをすれば、キース・リチャーズさんもきっと
このアルバムを聞いているんじゃないかなぁ。
1STソロでハイ・サウンドに大接近した、キース・リチャーズの
アルバムからのシングル第一弾は「TAKE IT SO HARD」。
このジョニー・ロビンスンの素晴らしいバラッドから何らかの
インスピレーションを受けていたら、なんて考えるだけでも楽しい。

先日、ジョニー・アダムスのベスト盤CDが格安で売られていたのを
スルーしてしまった愚かな私ですが、これを読んでいる皆様には
そういったことがないように・・。
ジョニー・テイラーやジョニー・アダムスに負けない、ジョニー・ロビンスンの
名盤を是非とも聞いてください。



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JAMES BROWN / IT'S A MAN'S MAN'S MAN'S WORLD

2005-07-17 23:16:35 | SOUL
タイトルが長い!
「IT'S A MAN'S MAN'S MAN'S WORLD」がタイトルで
66年のシングル・ヒット曲をタイトルにしたもの。
アルバムの発売は明らかにこのシングル・ヒットの余勢を
かってのもので、純粋な新曲は3曲のみ。他は
古くは59年の録音もあり、大多数の曲は60年から62年の
録音の寄せ集め。
適当な編集のアルバムを出しまくるところが、モンキーならぬ
ファンキー・ビジネス。(笑)しかし、この粗雑さが、ローリング・
ストーン・レコード・ガイドに「どのアルバムを買っても
満足させられることが無い」と書かれた理由でもある。

64年録音の最初のファンキー・ソウルといわれる「OUT OF SIGHT」
以降、JBはファンキー路線を歩みはじめるが、このアルバムは
バラッドの秀逸な曲が収録されているのでとりあげた。
ファンクではない。「SOUL BROTHER #1」なのである。

私が最初にJBの名前を意識したのはザ・フーのアルバム、
「マイ・ジェネレーション」によってである。このアルバムには
「I DON'T MIND」「PLEASE PLEASE PLEASE」の2曲のJBナンバーが
収録されている。特に前者がことのほか気に入ってしまった私は
JBなる名前を頭にインプットすることになる。単調に思えた
後者はJBのデビュー曲であり、曲構造の斬新さに後に気づくことになる。
レコード会社の意向が、アルバムを売るために「PLEASE PLEASE PLEASE」
のような有名曲を収録することであったのとともに、ロジャー・
ダルトリーがJB好きだったことで2曲もとりあげられたのだが、
JBが後にファンキーに移行するのと歩をあわせることなく
ザ・フーは歩みをすすめることがロジャーからピートへ完全にバンドの
主導権が移ったことを思わせ、興味深い。

その「I DON’T MIND」は60年の録音。ブルーズともバラッドとも
つかぬ入魂のボーカルが聞ける。オリジナルのクライド・マクファスター
の「泣き」を再現したカバー・ソング「ザ・ベルズ」、「カム・
オーヴァー・ヒア」は「プリーズ、プリーズ・・・」や「トライ・ミー」の
歌詞も歌いこまれる隠れた名曲。そしてなんといっても
タイトル曲の「マンズ・マンズ・ワールド」だ。

”この世は男の世界。男は世界中に行けるように車をつくり、
重い荷物を運ぶために列車をつくり、夜を照らすために電灯をつくる。
戦争のために銃弾をつくる。だけど、世話してくれる女がいなけりゃ
虚しいものさ”
意訳で申し訳ないが、もとの歌詞はを読めばもっとイマジネーション
豊かにいろいろなことが読み取れる。JB最後のバラッドでの
ヒット・ナンバーということで忘れることができないものだ。

順番が逆になったがアルバム・オープニングの「ザ・スクラッチ」は
インストで軽快なジャンプ・ナンバー。そういえば、ザ・フーは
映画「さらば青春の光」のサントラにJBのインスト・ナンバー、
「ナイト・トレイン」を収録していたなあ。
というわけで、今回はザ・フーのファンの視点とバラッド・ナンバーという
2点に着目しての紹介となった。
JBは何度でもとりあげなければならないだろうから、
今回はこのあたりで・・・。


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DON BRYANT / I'LL GO CRAZY

2005-07-07 12:41:27 | SOUL
幻のソウル・シンガーと形容されることが多い
ハイ・レーベルきってのソウル・マンでコンポーザー、
それがドン・ブライアント。
アルバムとしてレーベルに残したものは「プレシャス・ソウル」
1枚でそれがカバー曲中心のアルバムだったためにアルバムとしての
評価は低い。そこで、日本では「MEMPHIS SOUNDS ORIGINAL
COLLECTION」というLPが編集され、決定版との評価を得ることになる。
なにせそのアルバムはシングル10枚の中から14曲が
選りすぐられたものである、悪いわけが無い。

そしてCD時代では・・・。
先のLPが擬似ステレオだったのに比べ、ブルース・インター・アクションが
92年に「カミング・オン・ストロング」のタイトルの下、オリジナルの
モノラル録音で20曲入りのシングルを中心としたアルバムを編んだ。
最高のアルバムだが、LPの「MEMPHIS SOUNDS ORIGINAL COLLECTION」
を再現するには数曲欠ける。ここで個人的に悔やまれるのが
同時発売の「プレシャス・ソウル」を入手できなかったことだ。

1年後・・・。
あのLPと同じデザインで「I'LL GO CRAZY」のタイトルでドンの
編集CDがリリースされた。このジャケットを見て感動に
打ち震えるソウル・ファンは多いのではないだろうか?
おまけに未発表曲も7曲ある。
そして何とも
嬉しいことにこのCDと先の「カミング・オン・・・」をあわせれば
LP「MEMPHIS SOUNDS ORIGINAL COLLECTION」の再現が
可能なのだ。これが一番嬉しかったりして。
と、ぬか喜びの私。またまた同時発売の「プレシャス・ソウル・ミーツ・
グルーヴィー・ヒッツ」というカバー中心のアルバムを
買い逃す・・・。歴史は間抜けにも繰り返される。

内容なのだが、ごちゃごちゃ書きたくない。
バラッド、ジャンプ共にこれぞディープ・ソウルの極み。
入手困難なものをあえて紹介するのはいつもなら気がひけるのだが
今回は違う。気合を入れて探していただきたい。
銀色の背景にコラージュされたドンの写真、太字のロゴ、
味のあるヘタウマな山?の絵。うーん、ジャケットも最高だ!。


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SMOKEY ROBINSON AND THE MIRACLES

2005-06-28 10:02:35 | SOUL
またまた長くなってタイトルが入らなかった。
タイトルは「GOING TO A GO-GO」。

どんなジャンルにも、通好みの盤があるのと同じように
一般的な意味で「常識盤」「必聴盤」というものもある。
今回紹介するスモーキー・ロビンスン&ミラクルズのこのアルバムは
典型的な「常識盤」といえるのではないだろうか。

モータウンの天才といえば、スティービー・ワンダーであり、
モータウンの枠内では異端ともいえるマービン・ゲイであることに
異論はないが、スモーキー・ロビンスンのボーカルの魅力は
なんともいえない。このアルバムは65年に発表されたもので
ベスト盤もいれると9枚目の作品。まずは冒頭の4曲にやられる。

「THE TRACKS OF MY TEARS」は切ないメロディと共に、アレンジも
絶妙だ。スローな中にも緩急があり、絶妙のブレイクもある。
続く「GOING TO A GO-GO」は私のような後追い者にとっては
もちろん、とっかかりはローリング・ストーンズである。
タムでビートを刻むイントロに、メロディ・ラインといってもいい
ベース。残念ながら現行CDにもバック・ミュージシャンの
クレジットはないのだが、このベースはジェイムス・ジェマースン
なのだろうか?。まさにわくわくするリズム・セクションだ。
そして「OOO BABY BABY」。もちろんトッド・ラングレンの流れで
知ることとなった。イントロのドラムスの音でもう参ってしまう。
そしてもちろんスモーキーの、絶妙のボーカル。
高音の少しかすれたファルセットのなんと魅力的なことか。
この曲に関しては服役囚コーラス・グループの録音として有名な
「エスコーツ」のカバー・バージョン(71年)も忘れられない。
「MY GIRL HAS GONE」もヒット曲だ。
「FROM HEAD TO TOE」は初期のモータウンの作風が感じられる
楽しいダンス・ナンバー。

これらの優れた曲はほとんどがスモーキー自らが手がけアルバムの
プロデュースも自身が行っている。もともと10代で100曲を超える
自作曲があったといわれるが、これらの曲のクレジットには
他のミラクルズのメンバーの名前が連名になったものも多い。
彼らのことは余り語られないので、詳しくわからないのだが
どのくらい曲つくりに貢献していたのか、気になるところだ。

このアルバムの次は当たり曲の2匹目のなんとやらを狙ったような
タイトルの「AWAY WE A GO-GO」なのだが、ここでは
収録曲の3分の2以上が外部ライター(もちろんモータウンお抱えの
ライターも含む)の作になりる。これはどうしたことか?。
と、いうようなことを考えると、ボーカル、楽曲、音作りの
全てにおいて、スモーキー・ロビンスンの天才を確認できる
最適のアルバムといえる。もちろん、上質のポップスなので、
ひたすら気持ちよく楽しむのが、一番正しいのはいうまでもない。



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GIL SCOTT-HERON / PIECES OF A MAN

2005-01-11 21:52:06 | SOUL
相変わらず新譜というものを
買わない、後ろ向きなロック者
なのだが、ポール・ウェラーのカバー集
にはやられた。シングルカット第一弾が
ギル・スコット・ヘロンの「ザ・ボトル」
で、これが異常に格好よかった。
久しぶりにギルのCDを引っ張り出す
いいきっかけになったので、ここで取り上げることにする。

これは71年発表の2枚目。
元々は詩人、小説家であったが、音楽活動にも手を染め
70年に1ST「SMALL TALK AT 125TH AND LENOX」を
発表。これは同名の詩集と連動していて、パーカッションを
バックに詩を朗読するアルバム。ジャケットが滅茶苦茶
格好いいのだが、音楽として聴いた場合なかなかつらい物がある。
それでも、パーカッションに乗せて時に激しくアジるように
言葉をのせる様は、1STとは思えないほど堂に入っている。

一転、この2枚目はソウルフルな演奏をバックに詩にメロディを
つけて歌の形でメッセージを届ける。
なんといってもリズム・セクションが豪華である。
ベースがロン・カーター、ドラムスがバーナード・パーティ
なのだから、グルーヴするというものである。

ギルのカタログは93年に日本でもCD化された。
フリー・ソウルとやらのブームのおかげである。
フリー・ソウルという言葉自体、嫌いな言葉であるのだが、
CD化された時は喜んだのであった。
しかし。フリー・ソウル的音楽の聴き方というのは、
「アルバムの中にいいトラックが1曲あればOK、
もちろんフロア対応で」
「ごちゃごちゃ細かいこといわずに、気持ちよければそれで良し」
という側面が強かった。そのため折角の国内発売にもかかわらず
対訳はおろか、歌詞さえ掲載されていなかった。
気持ちいいに越したことはないが、これではギルの音楽に
深く切り込んだことにはならない、という思いが今もある。
幸い「大意」はわかるようになっていたが、少々残念であった。

話が脱線したが、黒人が都市生活(だけではないが)を
生き抜くことのハードさは間違いなく伝わってくる。
「アーリー・イン・ザ・モーニング」とこそ歌わないが、ジャズの
イディオムを借りた1971年における、ギルのブルースがここにある。
有色人種をとりまく状況なんて、大して変わってないかもしれないが
当時よりぬるい時代といえる2005年にこの歌詞は、
ヘヴィーである。が、残念なことに今だ、的外れでないのが
実情なのである・・・。



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THE MOMENTS / ON TOP

2005-01-08 20:36:30 | SOUL
71年発表の2枚目。
「ON TOP」ということで
所属レーベル「STANG」社屋上?で
万歳するジャケットがいい。
左から、ハリー・レイ、アル・グッドマン、
ビリー・ブラウンの伊達男3人が
モーメンツである。

が、この3人はオリジナル・メンバーではない。
1STに収録された、シングル「NOT ON THE OUTSIDE」を
吹き込んだ際のメンバーにはこの3人は誰一人としていない。
オリジナル・メンバーからまず2人抜け(ドラッグ使用で解雇)、
ビリーとアルが加入。更にもう一度のメンバー・チェンジを
経て、ハリーが加入しゴールデン・トライアングルが完成する。

スイート・ソウルの第一人者、ジョージ・カーとシルビアの
援助により、コーラス・グループの文字通り頂点に立つ。
ファルセットはコーラス・グループには欠かせないのだが
主にリードをとるビリー、地声は実にいなたい。
「SWEETER AS THE DAYS GO BY」ではファルセットを使わない
歌唱を聞かせるが、これがかなりゴスペル風でこのアルバムからは
浮いている。もともとこの時代のソウルのアルバムは録音年代も
バラバラなものを寄せ集めてリリースしているものが多く、
バックの音もトラックによってかなり違ったりする。
で、件の曲はスイート・ソウルのファンからは
ほとんど無視されているが、私は好きだったりする。(笑)
フェイバリットは冒頭の「ALL I HAVE」。
カー&シルビアの手になる甘口のスロー・ナンバー。
ボーカルは勿論いいが、バックの乾いたスネアの音とタンバリンの
音が田舎くさくていい味をだしている。

後にボーカルの多くをハリーがとるようになり、グループは
13枚のアルバムを発表して「STANG」を離れる。
モーメンツの名前が使えなくなって彼らは各人の名前を
グループ名にした「レイ・グッドマン&ブラウン」として
その後も活動する。
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DYSON'S FACES / DYSON'S FACES

2004-12-06 19:35:50 | SOUL
何をきっかけにダイスンズ・フェイシズという名前を知ったかは忘れた。
最初、クリフトン・ダイスンの写真を使った
ベストCDを購入し、その後、ダイスンズ・フェイシズ
の2枚のアルバム全曲を収めたCDを
購入したという順番は覚えている。
ダイスンズ・フェイシズは4人組のコーラス・グループで
バックバンドは「HARD TIMES BAND」と名づけられた
ミュージシャンが担当している。

モータウン、スタックス、ハイ、フィラデルフィア・インターナショナル、
ゴールドワックス等々の著名レーベルではない、全く無名の
レーベルから発表されたいわゆる「インディ・ソウル」の名盤である。
ダイスンズ・フェイシズは75年と77年に2枚のアルバムを発表、
いずれのタイトルも「ダイスンズ・フェイシズ」であり、しかも前者と
後者では2曲だぶっている。掲載写真は75年の1STのほうである。

ファンク・ナンバーは演奏がいま一つだが、バラッドの演奏はなかなかである。
しかし、いずれのタイプも主役はクリフトン・ダイスンの
素晴らしい歌唱でありどのメジャー契約アーティストと比しても
何ら劣るところは無い。
2枚のアルバムのダブり曲に「WELCOME TO ALL THIS LOVE AGAIN」という
曲がある。ジャンプ・ナンバーにホーン、コーラスが効果的にかぶり、
サビではギターが1コードを弾き続ける実に格好いいナンバーである。
当然1STアルバムは売れなかっただろうから、2年後に
「もう一度聴いてくれ」ってなもんだったのだろう。
同じタイプの曲「WE'RE TWO FOOLS IN LOVE」も実に素晴らしく、
このグループにはこういう曲が向いていたことがよくわかる。

95年にCD化され(マスター消失のため板起こし)、
入手は難しいかもしれないが、
多分プレミアはついていない(それほど知られてない?)ので
見つけたら即購入をお勧めする。

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SOUL GENERATION / BEYOND BODY AND SOUL

2004-11-28 17:56:07 | SOUL
70年から活動を始めたニュー・ジャージーのグループが
72年に発表した唯一のアルバム。
ファルセットが実は大好きである。
ビーチ・ボーイズ、フォー・シーズンズは勿論、ミック・ジャガーの
ファルセットも実に格好いい。

ジャケ写から伺えるように4人組のコーラス・グループだが、
リードをとるクリフ・パーキンスの田舎くさい
ファルセットが最高である。ライナーを読んで
気が付いたのだが、ベース・パートがない。
だが、逆にそれがこのグループのコーラスの
スィートな部分とシャープな部分という、
本来相反するものを、バランスよく聞かせることに
成功しているのでは・・・と考える。
「スイート・ソウル」のグループは、バラッドが
聞き物であるが、ビートの強い曲も充分聴かせる。
たった1枚しかアルバムが残ってないのが残念だ。

ニュー・ソウルの他のアルバムに
なんら劣らない演奏は、チャック・レイニー(b)以下
腕利きのミュージシャン達(クルセイダーズ)によるもの。
コーラスと演奏、共に最高の1枚。
92年にCD化された際に、シングル曲4曲を含む全14曲の
コンプリート録音集としてリリースされたので
探す価値はある。
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ANN PEBBLES / STRAIGHT FROM THE HEART

2004-11-18 23:12:31 | SOUL
72年発表のアン・ピーブルズの2作目。
女性ソウル・シンガーの中で1番好きな歌い手である。
ゴスペルがかったり、余りに暑苦しい女性シンガーは
趣味じゃないのだけど、アンはバラッドもジャンプ・ナンバーも
ソウルフルかつクールにきめてくれる。

一聴してハイ・レーベルのサウンドとわかる
ホーン・セクションとドラムスの音が気持ちよい。
プロデューサーのウィリー・ミッチェルこそ
ハイ・サウンドになくてはならない人であり、
アル・グリーンの個人的最高傑作「コール・ミー」も
彼のプロダクションである。

ソウル・シンガーでそこはかとなくブルースの香りを
漂わせることができる人はそうはいない。
アナログでいうとA面はジャンプとスローの緩急バラエティに
富んだ作風で聞かせ、B面はグッとブルージーに迫る。
傑作ナンバーは「I'VE BEEN THERE BEFORE」だろう。
ドン・ブライアントとアンの共作である。
最高の声とバックに恵まれながら、アンは全盛期に
ドン・ブライアントと結婚し、あっさり引退してしまう。

このアルバムが気に入ったら4枚目の「I CAN'T STAND THE RAIN」を
聴いて欲しい。プリンスはアンのヴォーカリゼイションに影響を
受けていることがよくわかるだろう。
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