6/29のNHK「あさイチ」の特集「イチからわかる 内部被ばく」で懐かしい安斎育郎先生(放射線防護学)が専門家ゲストとして出演していた。チェルノブイリ原発事故の後で食品の放射能汚染についての学習会の講師としてあちこちで活躍なさっていた方だ。昔と違うのは髪が真っ白になってお年を召されたことで眼鏡の奥の大きな目は同じように力がこもっていた。
今回の福島原発の事故の後、書店に行ったら当時の先生のブックレットの改訂版が並んでいたのでちょっとびっくりしたっけ。確かにチェルノブイリ原発事故の問題と今回の問題は原理的には同じだから、今の状況を踏まえて改定すればいいわけだ。
見かけたのは→『かもがわブックレット12 放射能そこが知りたい 改訂版』と『かもがわブックレット14 原発そこが知りたい 増補版』
このTV番組を見て勢いづきネット検索の上で、娘に頼まれた『ヘタリア』最新刊の初版特装版と一緒に安斎先生の本を書店に買いに行き、以下の本をGET!電車の中で居眠りしながらようやく読み終えた(笑)
『家族で語る食卓の放射能汚染 増補改訂版』
以下、目次を同時代社のサイトより引用。
福島原発事故危機の中で
第1章◆はじめに――私がやってきたこと
第2章◆放射能って何だろう?
1、原子の名前の表し方
2、放射能って何物か?
3、放射線のいろいろ
4、放射能の強さの単位
5、被曝線量の単位(シーベルト)
6、半減期
7、有効半減期
8、体内汚染はどこまでふえるか?
9、自然放射線による被曝
第3章◆放射線の人体への影響
1、放射線障害の歴史
2、放射線障害の二つのタイプ
3、放射線障害の非特異性
4、放射線防護の原則的考え方
第4章◆食品の放射能汚染にどう対処するか?
1、厚生労働省の規制基準
2、食品汚染の実態はどうか?
3、汚染食品による放射線被曝は?
4、食品汚染にどう対処するか?
おわりに
Wikipediaの「安斎育郎」の項はこちら
セブンネットショッピングでの著者情報が最新のものを反映している。
アマゾンでのレビューにあるように、放射線の基礎的な説明が私のように理系が苦手な者にもわかりやすい。放射性核種によって人体への影響がずいぶん違うし、カリウム40などは自然界にあって既にいろいろなものから体内に入ってしまっていて内部被ばくもしているという。それに今回の原発事故で環境中に放出されてしまった放射性物質にどう対応するか、わかりやすく論理的に指摘されている。
特に最後の「食品汚染にどう対処するか?」で以下の5点を提起しているのがストンと胸に落ちた。
①食品汚染の実態を知ること。
②たとえ、放射能汚染が国の許可基準以下のものであっても、それなりに放射能が含まれている食品は、あえてその消費を奨励しないこと。
③汚染の実態はできるだけ公表し、最終的には消費者の選択の自由を保証すること。
④汚染食品、体内摂取にともなうリスクを評価する際には、いたずらに「放射能に対する恐怖感」といった感情に溺れず、科学的な評価結果をふまえること。
⑤食品の放射能汚染に対する関心を持続し、供給者との間に好ましい緊張関係を保つこと。
安斎先生は「感情的にこわがるな、科学的にこわがれ」が持論だが、今回ちゃんと本を読んでみて「科学的に」というところにあらためて確信をもつことができた。
私は自分で食べるものの放射能汚染については産地で忌避したりすることはしていないし、多少食べても調理方法で気をつけたり、身体に貯めこまないようにしたりすればいいという考え方をとっている。
気を使って産地限定品を手に入れている人についてはそれもありだとは思うが、周囲に強要はしてほしくない。自分の子どもだけ汚染の給食を食べさせないでお弁当を持たせるお母さんも報道されていたが、子どもはそれを嫌がってはいないのかということの方が気になるし、自分の子だけよければいいという考え方も私はあまり好きになれない。
冒頭で紹介したTVでも「放射性物質を減らす調理術」のコーナーがあって、まぁそんなところだろうと私もやれる範囲でやっている。
職場でお子さんをもつ方の情報ネットワークで紹介されていた資料が今回の本の中でも紹介されていた。以下の資料なので、関心のある方はご活用ください。
財団法人 原子力環境整備センター発行の『食品の調理・加工による放射性核種の除去率』
自分の子供だけでもいいじゃないですか。
世間一般はまだまだ安全だと思っていますから理解されませんしね。
署名活動やブログでの参加呼びかけ、行政への抗議などかなりお母さん達もかなり動いてますよ。
マスコミや自治体が無視してつぶしてますが…。
みんな助かればいいですが、非常事態ですから一人でも生き残ろうとする気力がないと日本人が共倒れになってしまうと思います。
福島市は給食を断る家庭に承諾書を書かせる圧力をかけていますから問題があります。
逆につくば市ではOKしたら、ある学校では5月の時点で200人以上牛乳の断りがあったそうです。
給食を断った人も25人以上。
きっかけになる人がいると変わってくると思います。
友人も牛乳大好きな小さい子供がいますが、放射能対策で断りました。
きちんと家庭で説明していれば子供でもなんとなくわかるのでしょう。
安心素材なら今はおにぎりでも十分ですし。
参考になる動画記事にしました。
もちろん、なるべく放射線被曝は避けるべきですが、そのことで汲々とするつもりはないのです。死生観の違いだと思いますが、私は今回の事態を防ぎきれなかった責任をとるつもりです。hitomiさんの記事で小出先生も「原子力をここまで許してきた日本人の大人は、責任をとってそれは食べるべきだ」とおっしゃっていると知って同じように考えているのだなぁと共感していました。
http://blogs.yahoo.co.jp/shishi5235/32683487.html
確かに子どもには食べさせたくないという気持ちはわかりますが、自分の子だけ安全にというのはやはり共感できません。お金をいくら払ってでも難病の子どもに臓器移植を受けさせても生かしたいというのも私は積極的に支持しないのですが、それと同じです。
病気や事故という運命は嘆いてもいいけれど受け入れなければならないこともあるし、それを防ぐためのしくみをつくるように努力するのは当然ですが、個々の命を無理をしてまで救えというのは違うと思うのです。
子どもの被曝も可哀想だし、なんとかしたいけれど、日本民族が大きな過ちを犯したのであれば、それが次の世代まで代償を負うことになるのは仕方がないのではないかと思います。もちろん最大限の努力は必要ですが、自分の子どもだけに度を越した努力をするよりももっと他にすべきことがあるだろうとバランス感覚的には思ってしまいます。
もちろん、思想や行動の自由は認めますが、それを批判的にみる自由も認めてほしいです。そういう緊張感も大事だと安斎先生が書いていたことに共感したのでした。
三菱原子炉跡地の情報は感謝しています。そちらはまた別記事でアップしました。
小出氏や他の学者はもっと厳しいので、その差だと思います。
関東でも外部被曝だけで年間1ミリシーベルトを超える地域がたくさんありますから、汚染食材を避けたり逃げる人がいるのは普通だと思っています。
チェルノブイリ基準では東京も避難区域ですから、今は戦争みたいなものでしょう。
それに病気になってから後悔したり、大変だと言わないで全うするのは難しそうだし(笑)
まぁ給食は義務ではありませんから、自分達だけというのにはならないと思います。
福島で牛乳をやめた女の子が「自分だけ助かりたいのか」と同級生に言われて、「生き残りたかったらあんたもやめればいいじゃん」と言ったそうです。
周りに流されないのが大事ですし、それぞれよいと思って選択しているのですから他人のことは気にしなくてもいいかなと。
週刊金曜日の記事で『安全な食べ物なんてもうないから子供を守るために大人は食べてください、大人は福島の産物も食べて支えてください。」
ちょっと驚きましたが生協でも東北の産物にはがんばれマークがついています。
第一次産業をつぶしてきたつけのようにも思えます。この期に及んでも経済、輸出と叫んでる人たち。儲け、電気より将来ある子供の命が大事と思います。
睡眠不足と疲れで眠くてたまりませんが若松監督の小さな映画館で原発特集やっていたので見逃していた六ヶ所村ラプソディ,ナージャの村、アレクセイと泉を観ました。まだ一本見逃してしまいました「ANPO』もそうですがこういう映画はレンタルがないので困ります。
特に六ヶ所村ラプソディの監督や最後まで反対して過激だと、弾圧排除する側から言われた漁師さん、今も米やチューリップを作り運動している女性たちには頭が下がります。あの時にもっと全国的な大きな反対運動起こさねばならなかったのに。
チェルノブイリ事故の頃はまだ社会科資料集に原発はトイレのないマンションと危険性明記していましたが、
其の後は安全と子供たちに教え込んだようで驚きました。
安斎育郎先生はチェルノブイリ原発事故後の学習会などでお世話になったので、TVで久しぶりにお見かけして、著書をさっそく買ってきて読みました。私は自分で食べるものの放射能汚染については産地で忌避したりすることはしていないし、多少食べても調理方法で気をつけたり、身体に貯めこまないようにしたりすればいいという考え方をとっているので、そのことにも確信をもつことができました。
自分のエネルギー配分でより安全な食材を確保をすることにそんなに重点を置いていられないです。
一応仕事も定年までいまの職場で続けるしか続けられると思えませんし、仕事を通してまだなんとか自分の主張も盛り込んでいく余地があると感じていますから、そこが第一重点、いろいろな情報を得る中で自分で協力できるところに協力していくことが第二重点です。娘もいますが、そこは第三重点くらいで、実家の母親はその次ですね(^^ゞ
それが今の私の頑張れるバランスだと思ってます。
こちらのコーナーに特に書き込みするのは、先日、赤旗日曜版で安斉先生の記事を読んだばかりだったから。
本記事もコメントも、それぞれの主張にはみな同感するところが多々ありました。
良識ある人々が分断されず、一致できるところで足並みを揃えて、体制側と戦う~~
そういう時期だと思います。
他にも問題は山積み。選挙もあるし。まずは自分の回りからなのでしょうね。
私自身は、四月から週半分は実家で母との二人生活。仕事を削ってしまったところです。熊谷から成田のそばの酒々井という町へ向かう電車の中で、読書はできますが、この新生活パターンを何とか作り上げないと。
元気を戴きました。母と歌舞伎でもみてきましょう。
また「いいブログ」とお褒めの言葉をいただき、有難うございますm(_ _)m
安斎育郎先生は、放射線防護学のご専門の立場でわかりやすくお話され、核兵器をなくし脱原発をすすめていく運動を長年取り組まれていますが、実にエネルギッシュな方です。「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産継承の会」設立の呼びかけ人のおひとりでもあります。私もその会を応援しているので、先生をとても身近に感じています。
世の中のことがよく見えてくると悲観論に陥りやすいですが、負けても負けても「いつかは」と信じ、希望を捨てずに自分のできることからやっていくしかないと思っています。
そのために元気を出すのに好きなことを続けることも大事だと思い、観劇にもせっせと出かけます。
歌舞伎座も後援会が押さえていた関係席を直前に松竹に戻すことがかなりあるので、チケットWeb松竹で「空席照会」を毎日チェックしていると安い席の戻りが出ていたりします。
それでもなければ「シネマ歌舞伎」がおすすめです。舞台を高性能カメラを何台も使って撮影しているのでいろいろなアングルからアップも多用されていていいですよ。MOVIXなどのシネコンでもやっているし、GW明けくらいまで歌舞伎座近くの「東劇」では全作品のアンコール上映企画をやってます。
是非、お母様と楽しんできてくださいませ(^_^)/