ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

12/07/07 長唄の「如葉会」演奏会を譜本を見ながら鑑賞

2012-07-07 23:41:38 | 観劇

さちぎくさんの長唄の先生は東音の西垣和彦さん。その先生が同人になっている如葉会の第39回例会にピンチヒッターとしてお誘いいただいた。
歌詞が聞きとれないと寝てしまう自信があるのだが、さちぎくさんがお持ちの譜本を見せてくださるということで決断。前日の7/6にコクーン歌舞伎「天日坊」でご一緒した時にお貸しいただき、事前にコピーして参照することにした。

冒頭の写真が「土蜘(上の巻)」の譜本表紙と「二人椀久」の譜面。義太夫の床本は見たことがあるが、長唄の譜面は初めてだった。その説明書きのところに以下のようにあった。
「此の稽古本は・・・文句と節付と三味線の音譜と口三味線との四行から成立って居りますので数字音譜の約束を御存知の方ならば随分独習も出来ませうが成るべく専門の師匠に就きながら此の本を応用せられるが宜しうございます」
なるほど~。私たちが子どもの頃の音楽教育では西洋音楽の五線譜くらいしか見たことがない。このような複雑な譜面では、専門の先生につかないとわからないだろう。音楽教育に邦楽を盛り込んでいるということも聞いているが、このような譜面も教科書に載っているのだろうか?

【第39回如葉会】
7/7(土)午後1:30開演
於:紀尾井小ホール
紀尾井ホールも初めてだったが、JR四ツ谷駅を上智大学正門のある堤沿いにホテルニューオータニ方面に歩いてけっこう近くだとわかった。新日鉄のメセナで作った音楽ホールなんだとあらためて認識(^^ゞ
番組は、「土蜘(切禿)」「三曲糸の調」「小春狂言」「二人椀久」の四曲。
会のリーフレットの解説によると、土蜘はいろいろに変化して源頼光を襲うようで、歌舞伎で2回観た「土蜘」は下の巻に該当すると思われる。残念ながら遅くなってしまい、「土蜘」は着席したら♪赤貝馬のしゃんしゃんしゃん♪(^^ゞもう終盤だった。ごめんなさいm(_ _)m

「三曲糸の調」は「阿古屋」の三曲とのことで、琴も胡弓も使われないが三味線二丁でそれらしく演奏された。
「小春狂言」は1974年の第7回東音創作会で発表された曲ということで、なんとなく現代風な曲だとわかる。田舎住まいをしている狂言師の息子二人が都にいる父のもとで舞いたいという内容だったが、この二人は小さすぎて都に連れていってもらっていないのか、正妻の子でないからなのだろうかとか勝手に推測。どっちでもいい話かな(^^ゞ

休憩のち「二人椀久」。歌舞伎で雀右衛門・富十郎コンビで観たけれど、お二人とも鬼籍に入られた。当時は長唄が聞きとれずに勿体なかったとつくづく思う。
Yahoo!百科事典の「二人椀久」の項
さらにネット検索でみつけた歌詞を載せた「MJQ・日本文化を楽しむ会」さんの記事をご紹介
それにしても連呼されている「按摩けんぴき」の「けんぴき」とはなんだろうか。ネット検索してみたところ、肩凝りを治す按摩の術というところだろうか。
Yahoo!辞書の「痃癖」の検索結果
「お茶の口切」以降が昔の廓話で、その中に登場する按摩さんの話だろうか。「自体 某は東の生まれ」というのもそれなら納得がいく。
などと、歌詞を手に入れると情景を思い浮かべることに傾注してしまう(^^ゞ

西垣先生は「三曲糸の調」の立歌をされていたが、お声に艶があって素敵だった。それにしても人間国宝の堅田喜三久さんの小鼓は素晴らしかった。鼓の面にふれる指先の動きはしなやかで、鼓の音は実にかろやかで聞き惚れた。
かくして、長唄の演奏会デビューを堪能した。

終演後は佐千菊さん、佐汐さんとアトレ四ツ谷でPAULでお茶をしてゆっくりおしゃべりできてよかった。お誘いいただいたことに感謝ですm(_ _)m

(追記)
「赤貝馬」も気になったので検索したら、「こっとんきゃんでぃ当世故事付選怪興」さんのところで解説があった。「赤貝の貝がらにひもを通して、足にはいて乗る子供のおもちゃ」とのことでだからしゃんしゃんしゃんでいいんですねぇ。


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3 コメント

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Unknown (さちぎく)
2012-07-08 00:53:06
早速のアップ有難うございます。流石ぴかちゅうさん、探究心旺盛でおそれ入谷です!歌舞伎が好きなら、長唄は必須ですから、これからも興味を持って頂けたらうれしいです。さあ黒塚が楽しみですね。
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★さちぎく様 (ぴかちゅう)
2012-07-08 02:31:46
「おそれ入谷の鬼子母神」ですね。私はそのあたり=都立台東病院で生まれました!
「赤貝馬」もネット検索して追記しておきました。
「黒塚」の詞章も検索しているのですが、見つかりません。譜本をお持ちではないですか?
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Unknown (さちぎく)
2012-07-08 23:30:58
黒塚は多分本はありません。先生も手書きのですよ。長唄の佐門(佐門会)の四世杵屋佐吉作品集あたりで何かひっかかるかしら?
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