ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

06/06/09 グループハウス?グループホーム?グループリビング?

2006-06-09 23:57:14 | 医療・介護・福祉など
仕事を終えた後、渋谷でうちの労組女性部のセカンドライフ学習会第3弾「老後、どんなふうにくらしたいですか~グループハウスさくらのとりくみ~」に参加してきた。

講師で元市議会議員の小川志津子さんは、認知症となった母上を8年間病院に預けた経験から、さいたま市内の自宅を改造する際に「グループハウスさくら」(入居者6人)を1990年12月に開設。北欧の福祉先進国にならい、日本の厚生省も大型の老人施設中心の政策から高齢者が小規模の共同生活を送る施設を数多くつくるというように政策転換をはかってきており、高齢者グループ支援事業第一号に「グループハウスさくら」が選ばれたのだった。さくらもその後、さくらⅡ(会社の職員寮だったところが競売になったものを改装)ができたり栃木にも4箇所できたりもしている。全国でもこのような施設は100箇所を超えているが、成功しているところ失敗しているところいろいろあるということだった。
土地を持っている個人が先に施設をつくって入居者を募集する方法の方がうまくいかないことが多いようだ。あちこちで高齢者が勉強会を続けてつくる取り組みがあり、それをつなぐ全国のネットワークもできているという。小川さんが紹介されたCOCO湘南台の取り組みも興味深かった。

タイトルにある3つの言葉の違いがわかるだろうか?北欧などに学んでグループホームという言い方はある程度日本にも広まっていたのだが、厚生省がグループホームは認知症の方の共同生活施設と決めてしまった。そうでない高齢者の施設はグループリビングというらしい。後からお役所が勝手に名前も決めてしまったことで名前を変更しなければならなかった施設もあるらしい。そう、グループホームと名前についたら痴呆じゃない人は入れてはいけないのだ。さくらはお役所用語でいうとグループリビングの範疇。うーん、お役所って一体.....。

小川志津子さんは、家族が自分たちを巻き込まなければいいと反対しなかったので始めてしまったが議員仲間にも無理だと言われたことだったという。ご自身がとてもパワフルで魅力的な方だったということも成功の大きな要因だったように思う。日本TVの「ズームイン朝」に取り上げられた時の映像も映し出され、また入居者もおひとりご一緒に来ていただいて、具体的なイメージも持つことができ、本当に自由で必要な時に支え合えるところなんだなあと思った。無駄な延命治療もいらないと一筆書きあい、遺言書もちゃんと書いて入居されているということで「逝き方を考えることは生き方を考えること」とも言われているが、まさにそうだと痛感させられた。
私も家族や親族による介護に頼りたくない。生協で無宗教のお葬式をやってもらってお墓も共同墓に入りたい。そこまでをどう暮らしていくかを考えていかなくてはと思っている。定年後はこういう取り組みに参加して支えあって暮らしていけたらいいなあ。

今日は30人を越える参加もあり、盛会だった。終了後は今日も大衆食堂「かいどう」で美味しいビールと餃子もいただいたのだった。

福祉ネットワークさくらのHPはこちら
グループハウスさくらとCOCO湘南台を紹介した本はこちら
写真はこの本の表紙。
1/20のセカンドライフ学習会第1弾の感想はこちら
追記:
ちなみに「グループハウスさくら」の月々の支払いは自分たちでつくる3食の費用も含めて月々11万円(入居一時金は300万円)。「グループハウスさくらⅡ」は入居者の2人が痴呆の方で24時間常駐の職員が複数いるので月々は17万円(食事は職員がつくる)。グループリビングとしては入居者が9人までの施設しか認められていないらしい。
ビールの上での会話から...「交替の朝ごはん当番でまともな食事をつくる自信がないので私はさくらⅡのタイプの方がいいな」「私も~」。


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4 コメント

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感想 ()
2006-06-10 14:13:43
職場で入力している時間ないと思うのでこれ生かしてくださいね。



「スピードを要求される今の仕事 いつまで働いていけるのか」この日もやっとの思いで仕事を切り上げて参加。悩み続けているこの頃であった。

そこには笑顔の素敵なおばあちゃんがいた。

グループハウスがどんなにいい所なのか物語っているような気がした。

楽しく過ごしていけるそういうものを見つけること、それが仕事につながったらどんなにいいのだろう。

今日の講師はそれを見つけたとも言えると思いました。



ぴかちゅさん職場でメールしませんのでこれで何とかお願いします。
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グループホームは理想ですが (お茶屋娘)
2006-06-10 17:29:57
実際は、各施設のなかで一番費用が高いのです。むしろ、高額の一時金を払う分、有料老人ホームの月額利用料のほうが安いくらいです。

そのため、比較的空きも多く、すぐに入居できますが、費用が安い特養は順番待ち、という現実もあります。

高額の税金や国民健康保険料を払いつつ、グループホームの費用を払っていくのは大変です。

費用の面、税金面など、いい方法を講じていただきたいものですが。とにかく、グループホーム入居者本人の税金、高いです!



今は、子供が親のために費用を負担できるご時勢ではありませんからね。

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皆様コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2006-06-10 23:36:35
★和さま

了解!学習会報告書の感想アンケートまとめ係のぴかちゅうが承りました。講師の小川さんは自分がどういう最後を送りたいかということを考えながら活動されているのがいいです。定年後はこういうところに関わりたいな。うーん、でも家事のボランティアって私できないと思うんだけど何のボランティアでお役に立てるかしら。そこがまだ見えない(^^ゞ

★お茶屋娘さま

今回の話は認知症の方のグループホームじゃなくて家事支援が必要な方のグループリビングの範疇の施設です。わかりにくそうだったので本文中も補筆しました。

援助してくれる家族や親族とともに暮らそうと思っている人はいいけれど、ひとりで暮らしたいけれど支えが必要という時の生活の場をどうするかということなのです。生活保護を受けながらの入居者もいて、そういう方の方が話は簡単なようです。

持ち家はあっても所得が少ない場合がけっこう大変。その家を売って施設に入るという選択もあるけれど、

家族や親族の同意が得られないという場合も少なくない。世間体を気にする場合もけっこうあるらしい。

本人がどう生きたいかということを頭がしっかりしているうちに遺言で表しておくべきだと思いました。

私もこういう所に入りたいけれど、娘がこのマンションを遺産で残せだって!全くもう。

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違いがわかりました (お茶屋娘)
2006-06-11 07:28:00
グループリビング、というのが、厚生省でも認められている施設、というのは、初めて知りました。選択肢が増えるのはいいことですね。



やはり、問題は、半端に収入があるひとたちですよ。(大部分のサラリーマンのひとが当てはまる)



ケアマネさんの話では、収入が少なければいろいろ免除があるのに、なんにも優遇措置がないですからね。

特に、夫婦で、ひとりが施設に入ったら大変。だから、頑張って家でみてるケースが多いようです。

でも、認知症は、幼児と同じだから、周りがしんどいのですよね。寝たきりの方をお世話するほうが、ずっとラクだろうと思います。もちろん、それはそれで大変だと思いますが。)



なにしろ、会いに行っても自分の子供だとわかってない相手ですからね。家族だと、ここでキレますね。

やはり、プロの方にお任せしたほうが、本人にも幸せです。



結論は、もう少し、お手軽な費用で利用できる入居施設を作って欲しいな、ということ。少なくとも、グループホーム、国民年金だけの方は利用できません。
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