これまで二回見たことのあるブレヒトの『三文オペラ』は今回の原作をもとにしたものだという。一回目は1970年代の蜷川幸雄演出の初演で平幹二朗主演。二回目は数年前のやはり蜷川演出で鹿賀丈史主演。一回目はわけがわからなかったが、二回目ではようやく作品をクルト・ワイルの音楽ともども味わうことができた。
そして今回、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)が1992年に初演した『ベガーズ・オペラ』が日本で初上演となった。初演の演出をしたジョン・ケア―ドは『レ・ミゼラブル』の日本上演を初演から演出をしており、そのジョンの肝いりの企画ではないかと思われる。概要は以下の通り。
原作:ジョン・ゲイ、脚色:ジョン・ケア―ド、作曲:イローナ・セカッチ
出演:内野聖陽、嶋政宏、村井国夫、橋本さとし、金田龍之介、島田歌穂、笹本玲奈、森公美子、入絵加奈子、高谷あゆみ、他東宝ミュージカルでお馴染みのアンサンブルさんたち。
美術担当の島川とおるが担当したオペラ・シアターを模した舞台装置は早くからHP上で公開され、帝劇にも早くから模型として公開され話題となっていた。客席に張り出した舞台、ステージサイド席のお客さんは舞台に巻き込まれるようになっている。これはなかなか見事なものだった。(写真はHPより)
今日は2階の最前列で観劇ブログ仲間の5人での総見。舞台も3階までの構造を生かしたものだったので、とても全体が見渡せたよい席だった。
劇中劇という入れ子構造になっている。2回休憩の入る三幕物だが、それぞれの幕の終了時にはソロの終わったキャストが役者に戻って拍手をもらうお辞儀をして劇中劇をしていることを強調。劇場での乞食一座の一夜限りの芝居上演を許可したという設定の老俳優役の金田龍之介が最初と最後で舞台をグッと締めているのがさすがだ。
さらに重たいメッセージが伝わってきて重苦しく終わらせないためにもこの設定が幸いした。明るい気分で盛り上がって帰れるのはよかった。
ブレヒトの作品が二幕物だったのに比べて冗長に感じてしまった。台詞でいいところを歌で運んでいるような感じあり。さすがの私も筋を知っているだけに油断して途中で何回か舟をこいでしまった。もう少しストレートプレイ的かと思っていたが、予想以上に歌が多かった。ミュージカルというよりもオペレッタ的なのかな?キャストはみな頑張って歌っていたなとは思ったが、ちょっと記憶に残るようなナンバーがなかったという印象。残念ながら一曲も頭に残っていないのは寂しい限り。最初の長い幕間でベガーズさんたちが客席にきてくれるのだが、戻ったら私の席に若いおにいさんが座っていた。しっかり握手して「頑張ってくださいね」と激励。後からプログラムで原田優一くんと確認。元ガブローシュだったという。二幕目にいい声を響かせて歌っていた。
これまで観た東宝ミュージカルでのキャストが豪華に出演してそれぞれの見せ場をつくっていて、なんとなく「お祭り」のよう。昨年に観た『天保十二年のシェイクスピア』も蜷川シェイクスピアの舞台に出演してきた豪華キャストによる「お祭り」のようだったのと同じような印象をもった。
両方とも今の時代を問うような重たいメッセージを観客につきつける作品だったが、両方とも「お祭り」のようだった。観客を重たい気分のままで帰す作品というのは日本ではどうも多数派になれないような気がする。もちろん今回の作品は英国初演の作品だから日本だけの話ではないのかもしれないが。
ヨーロッパの階級対立を踏まえた内容で権力批判がたっぷりきいていて、そのメッセージ的な台詞を叫ぶ橋本さとしがよかった。しっかりズシンと響いたよ。
その雰囲気をガラッと変えて明るく盛り上げた髭面の内野聖陽の新たな魅力を発見した。本当に芸域が広い!あのトート閣下と同じ人と思えない!!鹿賀丈史と違った女たらしの雰囲気もよかったなあ。なあに、あれ、濃厚な接吻シーン満載だし。うっちーファンはたまらないでしょうなあ。
それと、疑問しつも~ん。東宝では舞台のDVDは発売してくれない方針があるのだとばかり思ってきたが、今回はDVDの予約販売コーナーが設けられていて、いつもは帝劇の売店にいるおじさんが大きな声を張り上げていた。『SHIROH』の時は劇団☆新感線だからかなあって思っていたが、今回は何故なぜ~??『レ・ミゼラブル』の2000回記念のスペシャルウイーク版は何故DVDつくってくれなかったの~。あのキャストだったら、今の若いキャストバージョンと競合しないから発売してくれると予想していたのに全くそんな動きもなかったのでがっかりしていたのだ。もっとみんなで要望出せばよかったのかしら~。今からなんとかならないかなあ。
真聖さんとも席が近くて幕間にご挨拶。終演後は5人でオフ会。かつらぎさん、yukariさん、けろちゃんさん、お茶屋娘さん、楽しい時間をありがとうございました。次は何を総見しましょうかねえ。『ジキル&ハイド』の次回上演には皆様ぜひ是非おつきあいくださいませ。
さて、来週1/22はステージサイド席での観劇の予定。最後ベガーズさんたちと是非舞台で踊りたいなあ。
そして今回、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)が1992年に初演した『ベガーズ・オペラ』が日本で初上演となった。初演の演出をしたジョン・ケア―ドは『レ・ミゼラブル』の日本上演を初演から演出をしており、そのジョンの肝いりの企画ではないかと思われる。概要は以下の通り。
原作:ジョン・ゲイ、脚色:ジョン・ケア―ド、作曲:イローナ・セカッチ
出演:内野聖陽、嶋政宏、村井国夫、橋本さとし、金田龍之介、島田歌穂、笹本玲奈、森公美子、入絵加奈子、高谷あゆみ、他東宝ミュージカルでお馴染みのアンサンブルさんたち。
美術担当の島川とおるが担当したオペラ・シアターを模した舞台装置は早くからHP上で公開され、帝劇にも早くから模型として公開され話題となっていた。客席に張り出した舞台、ステージサイド席のお客さんは舞台に巻き込まれるようになっている。これはなかなか見事なものだった。(写真はHPより)
今日は2階の最前列で観劇ブログ仲間の5人での総見。舞台も3階までの構造を生かしたものだったので、とても全体が見渡せたよい席だった。
劇中劇という入れ子構造になっている。2回休憩の入る三幕物だが、それぞれの幕の終了時にはソロの終わったキャストが役者に戻って拍手をもらうお辞儀をして劇中劇をしていることを強調。劇場での乞食一座の一夜限りの芝居上演を許可したという設定の老俳優役の金田龍之介が最初と最後で舞台をグッと締めているのがさすがだ。
さらに重たいメッセージが伝わってきて重苦しく終わらせないためにもこの設定が幸いした。明るい気分で盛り上がって帰れるのはよかった。
ブレヒトの作品が二幕物だったのに比べて冗長に感じてしまった。台詞でいいところを歌で運んでいるような感じあり。さすがの私も筋を知っているだけに油断して途中で何回か舟をこいでしまった。もう少しストレートプレイ的かと思っていたが、予想以上に歌が多かった。ミュージカルというよりもオペレッタ的なのかな?キャストはみな頑張って歌っていたなとは思ったが、ちょっと記憶に残るようなナンバーがなかったという印象。残念ながら一曲も頭に残っていないのは寂しい限り。最初の長い幕間でベガーズさんたちが客席にきてくれるのだが、戻ったら私の席に若いおにいさんが座っていた。しっかり握手して「頑張ってくださいね」と激励。後からプログラムで原田優一くんと確認。元ガブローシュだったという。二幕目にいい声を響かせて歌っていた。
これまで観た東宝ミュージカルでのキャストが豪華に出演してそれぞれの見せ場をつくっていて、なんとなく「お祭り」のよう。昨年に観た『天保十二年のシェイクスピア』も蜷川シェイクスピアの舞台に出演してきた豪華キャストによる「お祭り」のようだったのと同じような印象をもった。
両方とも今の時代を問うような重たいメッセージを観客につきつける作品だったが、両方とも「お祭り」のようだった。観客を重たい気分のままで帰す作品というのは日本ではどうも多数派になれないような気がする。もちろん今回の作品は英国初演の作品だから日本だけの話ではないのかもしれないが。
ヨーロッパの階級対立を踏まえた内容で権力批判がたっぷりきいていて、そのメッセージ的な台詞を叫ぶ橋本さとしがよかった。しっかりズシンと響いたよ。
その雰囲気をガラッと変えて明るく盛り上げた髭面の内野聖陽の新たな魅力を発見した。本当に芸域が広い!あのトート閣下と同じ人と思えない!!鹿賀丈史と違った女たらしの雰囲気もよかったなあ。なあに、あれ、濃厚な接吻シーン満載だし。うっちーファンはたまらないでしょうなあ。
それと、疑問しつも~ん。東宝では舞台のDVDは発売してくれない方針があるのだとばかり思ってきたが、今回はDVDの予約販売コーナーが設けられていて、いつもは帝劇の売店にいるおじさんが大きな声を張り上げていた。『SHIROH』の時は劇団☆新感線だからかなあって思っていたが、今回は何故なぜ~??『レ・ミゼラブル』の2000回記念のスペシャルウイーク版は何故DVDつくってくれなかったの~。あのキャストだったら、今の若いキャストバージョンと競合しないから発売してくれると予想していたのに全くそんな動きもなかったのでがっかりしていたのだ。もっとみんなで要望出せばよかったのかしら~。今からなんとかならないかなあ。
真聖さんとも席が近くて幕間にご挨拶。終演後は5人でオフ会。かつらぎさん、yukariさん、けろちゃんさん、お茶屋娘さん、楽しい時間をありがとうございました。次は何を総見しましょうかねえ。『ジキル&ハイド』の次回上演には皆様ぜひ是非おつきあいくださいませ。
さて、来週1/22はステージサイド席での観劇の予定。最後ベガーズさんたちと是非舞台で踊りたいなあ。
昨日は、ありがとうございました。
これから働きに行くので、ご挨拶だけ。
次の企画が楽しみです。
はせ参じまする~
はて、ここしか見つからずぴかちゅうさん、この場を借りてよろしいでしょうか?
「昨日は、皆さんにお会いできて嬉しかったです。
次回は是非参加させてくださいね。」
私は、あのあと歌舞伎でぐったりして帰宅しました~
それでは、またね
TBよろしくお願いします♪
私はあまりノリがいい方ではないのだけれど、皆楽しそうに体を動かしていたのを見て幸せな気分になりました。
また楽しいレポお待ちしています
私は先日前方席の下手サイドで観て来ました。本編よりベガーズさん達を追っかけました。個性が有って面白いですもん。私のオススメのベガーはペチコートチャーリーです。
とってもラブリーです!見かけによらず!
ステージサイド席の感想をお聞かせくださいね。私は最終週まで行けないので。
TBさせていただきました。
明日飽きずに?2度目をもう一度見てきます。
当日は楽しい時間をありがとうございました。皆さんにお会いできると本当に観劇の楽しみが倍増以上のものになります。また面白そうな舞台の時にオフ会いたしましょう。よろしくお願いします。
★♪~様、ゆき様、harumichin様
TB、コメント等ありがとうございましたm(_ _)m
1/22も観たのですが、その後1/24国立劇場、1/26歌舞伎座夜の部と続いたのですっかり『ベガーズ・オペラ』あとまわしにしてしまっております(^^ゞ先に藤十郎さん襲名に敬意を表して(ホンマカイナ?)そっちを仕上げてしまおうと2本アップしました。次はいよいよ「先代萩」~。
ベガーズ2回目は残念ながら舞台で踊ってこれませんでした。ステージサイド席といいながら下の方だし真ん中で誘われにくい席でちょっと残念~。なんとか書きたいと思っているのだけど~。頑張ります。
TBありがとうございました。すぐにTB返しをしてコメントもさせていただいたのですが、なぜか貴ブログの該当記事にコメントがつけられません。そこでTBだけになってしまっています。2回目を観た記事もTBしましたので、よろしくお願いします。
http://blog.goo.ne.jp/pika1214/d/20060211
この作品は群集劇で主役が軽いので求心力が小さくて集中しにくいですよね。私は2回で満腹しました。
2回目の記事、ようやく書いたのでTBさせていただきました。だいぶたっててすみませんm(_ _)m
>ミュージカルとしての音楽的な魅力を感じさせる効果を上げていない。(作曲=イローナ・セカッチ)
とありましたが、イローナさんは作曲じゃないんですよ。ほとんど原作当時ロンドンで上演されていたオペラの替え歌か俗謡。それをオーケストレーションしてくれたのが彼女です。江戸時代の替え歌に私たちがなじめないようなもんじゃないかなあ。
再演があったら最後に一緒に踊れそうな席なら行くけど、そうじゃなければパスすると思います。
こちらにお返事コメント残しておきますね。