近くのシネコンの開業5周年の記念割引デーの9/18、何か映画を観ようと娘と仕事帰りに待ち合わせ。長い時間の作品で結局はレイトショーの時間帯になってしまうので200円しか違わないのだが、まぁ二人分だし気分ということで(^^ゞ
選んだのは映画「20世紀少年」最終章。浦沢直樹の漫画は「モンスター」を全巻制覇。続いて「20世紀少年」も読んでいたが、途中で失速。最後の「21世紀少年」上下巻のあたりは買ってツンドク状態になっていた。
実写版3部作映画の製作発表から気にはしていたものの、読み直す気力もなかなか起きず、第2章あたりでようやく残りを読んで、最終章くらい映画館で観ようかなという感じ。第1章・第2章のTV2週連続放映も結局見なかった。
Wikipediaの「20世紀少年」の項はこちら
最終章だけ観ても漫画を読んであれば話はわかるよと娘に言ったところ、それなら読んでから観る!ということになり、私もこれを観ようと急遽前日決定!!
12室あるシネコンで2室を使って交互上映しているので上映回をお互いが勘違いをしているということでドタバタしたが、なんとか午後8時からの分に滑り込んだ(^^ゞ
まず嬉しかったこと。T・レックスの「20th Century Boy」を初めてこれだと認識したことだ。聞いたことのある曲だったのでこれがそうだったのかと急速に作品世界がより身近になった。
漫画の役柄を具現化したようなキャスティングや特殊メイクが話題になっていたのもなるほどなぁと思う。大人キャストによく似た子役を探したということにも感心至極。ストーリー展開は膨大な原作を3部作に納めるためにずいぶんと変更してあったが、まぁこんなもんでしょうと許容範囲内と思える。
ケンヂの唐沢寿明、オッチョの豊川悦司、ヨシツネの香川照之、ユキジの常盤貴子、マルオの石塚英彦、ケロヨンの宮迫博之、キリコの黒木瞳あたりはまったく違和感なし。
コンチの山寺宏一は黒眼鏡のせいでプログラムを買うまでわからず。ヤン坊・マー坊の佐野史郎は肥らせる特殊メイクと双子での合成に笑えた。森山未來が眼鏡をかけてイカサない漫画家・角田は、オッチョの生き様に打たれて彼のようなヒーローを描くと熱く語るのが実によい。
遠藤カンナの平愛梨は残念ながらまだまだ芝居は下手くそだったが、目に力があるのでゆるす(^^ゞ
仁谷神父の六平直政、敷島博士の北村総一郎、ジジババのババァの研ナオコ、蝶野将平の藤木直人、その祖父の伝説の刑事チョーさんの竜雷太ってもうハマリすぎ(笑)
最終的に世界をなくそうとした“ともだち”が誰だったかというのが映画版と漫画版では違うのだが、それも違和感がなかった。“ともだち”が世の中を呪う一番大きな原因をつくったケンジへの屈折した思いが、2000年の血のおおみそかやそれ以降の大惨劇を引き起こしたというところは全く共通しているので、最終的な“ともだち”が同じであればいいようなのだ。
とにかく、佐々木蔵之介がロボットのリモコンが動かなくなった時の「やめろ、終っちゃうじゃないか」という時の実に子どもじみた泣きそうな表情が秀逸。
それと漫画ではあまり印象に残っていなかったケンジが東京に向かう乗り物を実写で見てようやくその可笑しさに気がついた。スクーターに改造バイクのようなハンドルがついているのか!こりゃいいや!!
反陽子爆弾による地球の破壊の危機は回避され、ケンジはその変なバイク?でフリーコンサート会場の万博公園を埋めつくす群集の前に登場する。
“ともだち”礼賛の演歌歌手に身をやつしていた春波夫ことチャーリーの古田新太が着流しを脱ぎ捨ててドラマーに早替りするところでは思わず身体が反応するほど笑ってしまった。映画版ならではの醍醐味だ。YMOメンバーの高橋幸宏のビリーがベースで頑張ってくれて、ケンヂの唐沢寿明と若き日のバンドメンバーが3人揃うライブで盛り上がるのもなかなか贅沢なもの。
“ともだち”の圧政をしのぐ民衆の間にコンチがラジオで流すケンヂの「ボブ・レノン」の歌の大合唱になるのだが、これも漫画ではメロディがわからなかったので映画を見てよかったと思うところ。
しかし、スーダララ~♪グータララ~♪ってねぇ。なんでこれがカッコイイ曲名がつくのだろうと考える。しかし、ディランもレノンも実はこういう日常の暮らしの中にある希望を歌っていたのかもと考え直したりもする。浦沢直樹のロック魂のあらわれなんだろうなぁと推測。
エンドロール後も重要なラストシーンがあるので、席を立たないでという案内があったが、席を立つ人がいた。娘と「リピーターかもね」と後で話したが、ここを見ないとわけがわからない。
中学校の放送室を占拠して流した「20th Century Boy」で何も変わらなかったとケンヂはがっかりしているが、実は大きな役割を果たしていた。それからは現実とバーチャルでは違った展開になるというのを見せてくれるのだが、漫画よりもわかりやすく気持ち的に救いのあるラストとなる。
神木隆之介ってやっぱり可愛いなぁ。
実は漫画の方はなんだかラストがわかりにくく、すっきりとした読後感が持ちにくい。プログラムを読むと読者によく考えてもらいたくて、わざとそのようにしたらしい。しかしながらけっこうそれってひねりすぎじゃないかとも思う。読む方も余裕がないとなかなか負担が大きい。漫画でそこまで求めるのはちょっと酷じゃないだろうか。
漫画の執筆の最後の方は映画化も決定していて、浦沢直樹が脚本づくりにも参加していたということも書かれていたが、漫画と映画との相乗効果をねらったのかもしれない。まぁ映画の最終章を観たことで漫画の方の理解も深まり、映画からも漫画からも「20世紀少年」という作品をより堪能できたので、これで締め括れるという区切りがついたのがよかった。
まぁ、こういうこともあるのかなと思っておこう。疲れがたまっていて、こういう重たい作品を観てしまって翌日は知恵熱が出たのだろうか(^^ゞ
ボーっとしていて帰りに食べた店でお気に入りの腕時計をはずしたまま多分置いてきてしまったらしいのが悔しく、落ち込んでもいたが、まぁこういうこともあるだろう~♪と思っておこう。
写真は「20世紀少年最終章」の宣伝画像。
>原作の終わりはなんともいえない後味でしたが、映画の方はもっとすっきりした感じ.......そういった印象を持ちました。
無理をなさらない範囲で映画版も楽しんでいただけたらいいと思います。キャスティングだけでも楽しめるっていう感じですから。
★「ARAIA -クローゼットより愛をこめて-」の麗さま
>ぴかちゅうさんがコミック制覇してた事が、非常に意外......(笑)実は浦沢直樹の漫画は「モンスター」も全巻持ってます。最初に娘が買い始めたのを読んで途中からこれは私が買うことにしてしまうというパターンの作品に該当します。あとは「犬夜叉」もそうなんですが、最後の方の何冊かまだ買ってません。古本屋に並ぶのを待ってます。
映画版は、“ともだち”が「コピーのコピー」というあたりを省略してすっとばしていましたねぇ。漫画ではどこで入れ替わったのかをもう一回確かめたいとは思うのですが、もう一回読み直す気力がちょっと出ないのでほっぽらかすんじゃないかと思います(^^ゞ
TVで2週連続放映した分は特別編集版だったんですね。まぁこの最終章を観て作品としても一区切り満足してしまったので、映画の完全版も機会がめぐってくるのを待つつもりです。
これは観なくて正解だったと思いますよ。
映画版と比べ、カットされまくり&いらんシーン追加されまくりで、
余計に訳わかんなくなりました。
もしこの放送を見て、最終章だけ見てたら、
どんなにつまんない作品になってた事でしょう。
でもコミック読んでたら、大丈夫かな?(笑)
で、ぴかちゅうさんがコミック制覇してた事が、
非常に意外だったんですが。(笑)
キャスティングに関してはもぉ~素晴らしかったですね。
個人的には第一章に登場したドンキー役の子供時代の子役と、
生瀬さんに大拍手です。(笑)
ぴかちゅうさんも機会があれば第一章&二章も見てください。
オッチョがめちゃくちゃ格好いいです♪(笑)
体調の方はいかがですか?
季節の変わり目は、ちょっとしたことで体調が崩れますよね。
どうぞお大事になさってくださいね。
「20世紀少年」、原作の終わりはなんともいえない後味でしたが、
映画の方はもっとすっきりした感じなんですね。
うーん、ちょっと観たくなっちゃったなあ・・・
前2作もTVでしか観ていないのですが、
この映画って、ほんとにキャスティングが素晴らしいですよね。
個人的には、古田さんの波春夫がめちゃくちゃ気になります(笑)。