映画版「レ・ミゼラブル」のDVD発売が近づいてきて、レミゼファンの友人と関連のDVDやCDを貸したり貸してもらったりしながら視聴している。
「コンプリート盤3枚組」に再ハマリした時の記事はこちら
「レ・ミゼラブル25周年記念コンサート」DVDを貸してくれた友人が、英語版の字幕をつけて見たら英語の勉強にもなったということだったので自分もやってみることにしたが、最初はうまくいかなくてそのまま観てしまった。といっても字幕の切換えがうまくできなかっただけなのだが、やっぱりTVとデッキの方のリモコンをいろいろいじっているうちになんとか英語版字幕への切換えに成功したので、最初からもう一度見直した。英語の能力は高くないので一時停止をして字幕を読みながら少しずつ進む。それだって日本語の歌詞の記憶と照合していく程度でなんとなくしかわかっていないのだが(^^ゞ
【レ・ミゼラブル 25周年記念コンサート】
DVD裏面に表示があった主なキャストは以下の通り。
アルフィー・ボー=ジャン・バルジャン ニック・ジョナス=マリウス
ノーム・ルイス=ジャベール マット・ルーカス=テナルディエ
レア・サロンガ=ファンテーヌ ジェニー・ギャロウェイ=テナルディエ夫人
思いついて昔から持っていた10周年記念コンサートCDのキャストを確認してみる。
10周年記念コンサートのバルジャンはロンドン初演のコルム・ウィルキンソンで、あらためてミュージカルの舞台俳優らしい表現力の深さにしみじみとする。映画版のマドレーヌ司教役での出演が嬉しかったものだ。レア・サロンガは10周年ではエポニーヌ、25周年でファンテーヌ。ジェニー・ギャロウェイは10周年、25周年ともテナルディエ夫人でもう定番の配役だとわかった。
さて、25周年記念コンサート。
バルジャンのアルフィー・ボーは声も綺麗で声量もあってよい。ネット検索情報によるとオペラやオペレッタで活躍とあり、なるほどと納得。黒人でのジャベール役は初見だったので最初はちょっと違和感があった。ブロードウェイ版で話題となったという話は聞いていたが、ノーム・ルイスは男前だし歌もよいしで気に入ってしまった。
フィリピン女優でミス・サイゴンのキム役となって有名となったレア・サロンガのファンテーヌともどもワールドキャストによるコンサートという感じだし、元々舞台は映画などと違ってリアルさはなくてよいのだから、「これはありだな」と思えた。
英語字幕との照合で観ていくうちにあらためて気がついて何箇所かで泣けた。
ファンテーヌの「I Dreamed a Dream」。日本語では「夢やぶれて」となっている。
Now life has killed the dream I dreamed
夢は自分で破れていったわけではなく、今の地獄の中にいるような暮らしによって夢が殺されたのだというニュアンスだったんだとわかって、泣けた。ただ嘆いている歌ではない、何が自分をこういう状況に追い込んだかをちゃんとわかっていてその中で生きている女の歌なんだ(T-T)
エポニーヌの「Little Fall of Rain」。日本語では「恵みの雨」となっている。
A little fall of rain
Can hardly hurt me now
銃弾の雨に貫かれたということ、そこで流された血のイメージじゃないかと気がついて愕然とした。そのことでマリウスが近くにきて守ってくれる中で眠りにつくことができる、そのことを「天の恵みの雨」だと歌っていたのかと滂沱の涙。
エポニーヌのマリウスへの愛は、ここに至るまで気がついてももらえず、彼の使いで出かけたところで被弾。それでも彼の役に立ったことを報告でき、気持ちも伝えることができ、幸薄い人生の最後を彼の腕の中で迎えることができる「恵みの雨」。
マリウスのただの追っかけだったエポニーヌは、革命のための戦士に役立つために死んだことでバリケードの仲間たちによって最初の犠牲者として認められた。その後、ほとんどの仲間は死んでしまったが、マリウスだけは生きてその記憶の中に生きることができる。
もうひとつ気がついたこと!ジャベールが志願兵(当初は義勇兵と書いた)だとしてバリケードに潜入してくるが、彼は「ボランティア」だと言っているのに気がついた。そうか、ボランティアというのも命がけのことも含んだアグレッシブな概念なのかと、変なところで感心してしまった。
最後のカーテンコールではロンドン初演のキャストが登場。初演のコルム・ウィルキンソン以下のバルジャンが「Bring Him Home」を歌い継ぎ、初演のマリウスやアンジョルラスらによる「Do you hear the people sing?」(民衆の歌)は会場から当時の民衆の扮装で登場した高校生たちも加わり、コンサート会場いっぱいの大合唱になる。
この作品をここまでの育て上げたキャメロン・マッキントッシュが口火を切ったトークでは、フランスでの原作者アラン・ブーブリル、クロード・ミッシェル・シェーンベルクも挨拶し、英語版につくり変える際のタフなやりとりもあったというようなことにも言及されていたのが印象的。
こうして25周年記念のお祭りイベントの雰囲気が味わえたのは有難かった。空いた時間に合わせてこま切れにして再生しているところに立ち会った娘が、大学のお友達とともに英語版をつけてちゃんと観たいと言い出した。私が妹2と韓国旅行に行っている間にそのお友達の家に泊りにいくのでそこで観るという。欧米文化学科なんだからしっかり英語を勉強する機会にもなるかなぁ(笑)
ウィキペディアの「ボランティア」項がそれに触れています。
一方、英語版には
http://en.wikipedia.org/wiki/Volunteer
The verb volunteer was first recorded in 1755 from the noun, in C.1600, "one who offers himself for military service," by M.Fr. Voluntaire.
と、最初に記述しています。英単語の最初の記録は1755年なんですね。これは知らなかった。
もともとはラテン語に語源があるようですが、直接はどうも中世フランス語から英語に取り入れられたようですね。
http://www.etymonline.com/index.php?term=volunteer
「義勇軍」という日本語を、英辞郎 on the WEB では
voluntary army, volunteer army, volunteer corps と翻訳しています。
志願兵に対するのが徴集兵 conscript
draftee (米)被徴兵者、 徴兵された者 というコトバもありますね。
ブリタニカには、
Conscript or volunteer という項目が載っています。
http://global.britannica.com/EBchecked/topic/155696/defense-economics/53504/Conscript-or-volunteer
ところで、here は、たぶん hear でしょうか・・・・(文脈から想像すると)
参照していたアマゾンの「10周年記念コンサート」の曲目リストの40曲目をそのままコピペしてしまってました。さっそく修正させていただきました。
>volunteerは、もともとの語義は志願兵......そうそう、日本語版の歌詞も「志願兵」でした。さっそくこちらも修正させていただきました。
日本で外来語のカタカナの「ボランティア」はもっとゆるいイメージの言葉だと思っていました。「青年の家」で宿泊したりすると朝の会などで「ボランティアをしましょう」とか言われて、おしきせのお掃除活動などをやらされたのが「ボランティア」という言葉に接した最初でしたから、ますますそういうイメージを持ってしまっていたようです。
いつもいつも情報を有難うございます。感謝申し上げます。
このミュージカルですっかりとりこになりました。最近ではフランス版ロミジュリ、ノートルダムの鐘が素晴らしかったです。
10周年は録画、25周年記念は持っています。
ロンドンで見たアンジョが10周年では学生でした。
フランスで見た新演出はちょっと期待外れ、これは映画の方が迫力あります。
黒人系のエポがあんまり目いっぱいやってない感じでした。ロンドン在住の日本人もそう言ってました。
レ・ミゼの新演出の舞台は興味がもてず、しばらくは観るつもりがありません。
10周年記念コンサートは2枚組のCDを持っていますが、映像は観たことがありません。いいですねぇ。オリジナル初演のコルム・ウィルキンソンのバルジャンの映像を見てみたいです。