ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

09/08/06 広島原爆の日に思う+岡本太郎「明日の神話」

2009-08-06 01:47:43 | 美術・本

今日8/6は広島原爆の日。
昨日8/5、それに関わる報道にいろいろ考えさせられた。
以下、2つの記事をコピペで引用。
(1)「原爆症訴訟 勝訴は認定、敗訴は基金で決着」
8月5日22時16分配信 産経新聞
 麻生太郎首相は5日夜、原爆症認定集団訴訟をめぐる被爆者救済問題に関し、訪問先の広島市内のホテルで舛添要一厚生労働相と最終協議し、306人の原告全員を救済することで合意した。内容は、1審で勝訴している原告は高裁判決を待たずに政府が原爆症と認定し、敗訴している原告には基金を創設して手当てする。
 麻生首相は6日に広島市で開かれる「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)の後に被爆者代表との懇談で救済策を発表。同時に政府声明を出し、これまでの政府の取り組みが遅かったことを謝罪することにしている。
 河村建夫官房長官と舛添氏、森英介法相が5日午前、首相官邸で救済策を協議した後、協議内容を首相に報告した。首相は広島市に入った同日夜も、原告側と協議してきた舛添氏と合意に向けた調整を続けた。
 政府は、原爆症と認定する場合には控訴を取り下げる。基金の創設は議員立法化を検討、民主党など野党にも協力を呼びかける。
 政府内では、河村氏が全面解決に近い形での解決を目指しているのに対し、敗訴した原告への救済に法的な整合性の理由から難色を示す厚生労働省や財源の問題を理由に消極的な財務省とが対立していた。(以下省略)

原爆症認定集団訴訟は全国で約300人が起こし、国は18連敗中だった。1945年の原爆投下から多くの被爆者が亡くなり、60年以上も原爆の後遺症で苦しみ続けてきた高齢化した被爆者たちが必死に裁判を起こして闘ってきた。それが今年の広島原爆の日に急転直下の解決を図るというのは麻生首相の総選挙対策という感が強いが、とにかくようやく被爆者の方たちが救済されるということにホッとした。
厚生省の役人の中には税金を使って救済措置をとることに国民の多数の納得が得られていないと抵抗する向きがあるというのも何かで報道されていた。国民の多数の納得を得るための努力は原告側がすべきだというのだろうか。法制度の秩序を守ることが優先というお役人の感覚を正すことこそ人間を大事にする社会づくりに不可欠だと思った。

(2)「原爆投下『正しかった』が6割 米世論調査」
2009/08/05 10:38更新 産経新聞のサイト「イザ!」
米キニピアック大(コネティカット州)は4日、第二次大戦末期の米軍による広島、長崎への原爆投下について、米国内で61%が「正しかった」と回答し「間違っていた」は22%だったとの世論調査結果を発表した。
 それによると、党派別では「正しかった」は共和党支持者の74%で、民主党支持者の49%を大きく上回った。「間違っていた」は、共和党13%、民主党29%だった。
 年齢別に見ると「正しかった」は55歳以上が73%だったが、35~54歳が60%、18~34歳が50%と、年齢が下がるほど原爆投下への支持は低下。男女別では「正しかった」は男性72%、女性51%だった。(共同)

アメリカでは国家の歴史教育として原爆投下は正しいことだったと教えているのだから、それが多数を占めるのは当たり前。それなのに「間違っていた」が2割を超していることが大したものだと思った。さらに若い世代ほど原爆投下への支持率が低いということに希望を感じる。(8/9追記=オバマ大統領のプラハでの演説の影響もあるかもしれない)
ドイツでは自国の歴史教科書の内容を周辺国と協議することを積み上げてきている。アメリカと日本ではそういう取り組みはしないのだろうなぁ。日本はアジア諸国とそういう協議をすることになったはずなのだが、進捗はどんなものだろうか。
ただし、歴史認識が一致させることはなかなか難しいが、今後は同じことを繰り返さないということで一致していくことに重点を置く方が有効だろうとは思っている。

写真は渋谷駅の連絡通路で公開されている岡本太郎の「明日の神話」をBunkamuraに行く途中に携帯で撮影したもの。メキシコで行方不明になっていたのが発見されて修復され、誘致合戦の末に渋谷に恒久設置された。この場所は見てくれる人も多く、若者の街の渋谷にあるのはいいことだと思う。反対から見るとこんな感じ
岡本太郎の「明日の神話」の公式サイトはこちら


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
★……てぬぐいぶろ……様 (ぴかちゅう)
2009-08-08 00:57:43
拙記事で思い出していただき、てぬぐい……さんに本格的な記事をアップしていただいて嬉しいです。ご紹介もしていただいて有難うございますm(_ _)m
>この絵のある場所には、雑踏、るつぼがふさわしい。それでないとバランスがとれない気がします。......確かにこの爆発的なエネルギーを発する絵にふさわしい場所に恒久設置されたのは必然だったような気がします。
岡本敏子さんの「壁画について」のコメントがまた素晴らしいです。
>燃えあがる骸骨の、何という美しさ、高貴さ。
......本当にそう、アグレッシブなんですよね。通るたびにパワーをもらえるような気がしています。
返信する
お邪魔します (micotan)
2009-08-08 01:13:44
こんばんは、お邪魔します。
岡本太郎の壁画につられてやって参りました!

>国民の多数の納得を得るための努力は原告側がすべきだと
>いうのだろうか。法制度の秩序を守ることが優先という
>お役人の感覚を正すことこそ人間を大事にする社会づくりに
>不可欠だと思った。

まったく同感です。もう、は?って感じで、憤りを感じます。
人のための法制度のはずですよね。人のためにならないと
意味がありません。


>ドイツでは自国の歴史教科書の内容を周辺国と協議することを
>積み上げてきている。

初めて知りました。とてもいいことですね。
強制収容所の跡に行ったことがありますが、環境や資料を
きちんと保存してあり、非常に感銘をうけました。
ドイツは平和を志し続けるという信頼感が、そこには
ありました。

我が国日本は、危うい感じがあるなあと感じます。

いつまでも、「あったなかった」「どっちが正しい悪い」・・・
とやり合うのではなく、ひとまずぴかちゅうさんの仰るように
同じ事を繰り返さないということで一致するよう努めるのが
いちばんの打開策になるかもしれませんよね。

私もいろいろ考えさせて頂きました。有り難うございました。
たいへん失礼致しました m( ..)m
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★micotanさま (ぴかちゅう)
2009-08-09 23:42:03
コメントいただきまして、本当に有難く嬉しく存じます。
>強制収容所の跡に行ったことがあります......それは貴重な経験をされましたね。私は文献などで見たり読んだりするばかりですが、行かれた方のお話を聞いて厳粛な思いをもったこともあります。
>ドイツは平和を志し続けるという信頼感......その一つの方法が歴史教育の内容について侵略して犠牲を強いた国との協議をしているということのようです。そういう努力を積み重ねてきたからこそ、EUの中でも大きな位置を占めることができているのだと思います。
アメリカでもオバマ大統領がプラハでの核軍縮演説の中で広島・長崎への原爆投下を指す「核を使用した唯一の保有国としての道義的責任」にふれ、「核のない、平和で安全な世界を米国が追求していくことを明確に宣言する」と述べていることを今日の長崎原爆の日の慰霊式で被爆者代表が言及されて評価していました。そこであらためて調べて本文中にリンクを追加しておきました。
少しでも世の中がいい方に進んで行って欲しいです。そういったことを考える記事もたまに書いていこうと思っています。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
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オバマの演説読みました (micotan)
2009-08-10 20:52:17
ぴかちゅう様

度々お邪魔いたします。
オバマの演説のリンク、大変興味深く、再度のコメントおゆるし下さい。

巷では、オバマの支持率低下が話題にのぼったりしますが、
現実的に核兵器のない世界・平和な世界を目指すためには、
とても良いリーダーなんだと感じました。

恥ずかしながら、勉強不足でこの演説のことも知りませんでしたので、
お教え頂いた事に心より感謝します。

これから「世界中の無防備な核物質を4年以内に安全とする国際的な試み」の行方、
それと、ロシアとの協力を、注意深く見守っていきたいです。

これからも、時々、私も大好きな映画の感想と、勉強のため、
お邪魔したいと思いますが、どうぞおゆるし下さい。
こちらこそ、これからも宜しくお願い致します。
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