ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/10/06 「世界遺産パリ」、「フラガール」に続け泣き(T-T)

2007-10-07 23:05:38 | テレビ

3連休初日は久しぶりにまとまった時間の睡眠をとれた。秋の花粉による喘息用の薬を飲むと日中のだるさが半端ではない。ブランチを食べたらまた猛烈な眠気に襲われる。ドリンク剤を飲んでしばらく横になっていたら覚醒してきた。少しかたづけものをして、夕方久しぶりのスポーツクラブへ。
土曜日のボディーヒーリングの女性コーチが前のコーチよりも若手に変わっていた。動きの説明はわかりやすいが動きのラインナップが少しハードになっていてきつかった。深い呼吸をと言われるが苦しいのでハッハッと短い呼吸になってしまう。なんとか60分ついていった。身体のだるさは少しラクになったようだ。

夜はTVで続け泣き。まずNHKの世界遺産スペシャル「花の都・パリ」。ブログ記事を書きながら見ていたら後半に泣かされた。パリのナビゲーター役のイゼーという女性はアルジェリア人の父とフランス人の母の間に産まれたがパリで育ちパリを愛し、この番組の募集にすぐに応募したという。パリの歴史にも深く触れながら案内していく。ルイ14世がベルサイユ宮殿に移ったのはパリの不衛生さを嫌ったからだったという。糞尿がまかれた道路の話は知っていたが国王がそれを嫌って逃げ出していたというのがまたすごい。街をきれいにすることにお金を使わずに自分たちだけ気持ちよく暮らせればよかったというのだ。その延長線上にあの革命が起こっていく。
「自由・平等・博愛」というスローガンがあちこちの建造物に刻まれている。共和制→王制→共和制→ナポレオンの帝政→共和制→第二帝政→......と政治のありようは大きく変化していった。第2次世界大戦ではナチに占領され、レジスタンスも地下に組織された。その地下の施設も訪れる。その壁にはいろいろな文字が刻まれ、「7月14日」という言葉もくっきり。革命記念日=フランス人の誇り!革命記念日のパレードやお祭り騒ぎも映し出される。

しかしパリの抱える問題点もあぶりだされる。イゼーは就職活動中だが、不採用が続いている。ファーストネームに父と母の姓を続けて名乗っていることでアルジェリア人の血が入っていることがわかることしか問題は思い当たらない。移民の受け入れには寛容な国だが、最近は移民政策が改悪されようともしている。ベトナムから入国し3年間高校にも通ってフランスに馴染んできた高校の同級生が当局に訴えられた。裁判で闘っているが敗訴すれば強制送還されてしまう。イゼーは彼がフランスにとどまれるようにするための署名活動にも取り組んでいる。判決の日、大勢の同じ高校の生徒たちが裁判所にかけつける。何のために来たのかという質問に「同じ学校にいて他人事とは思えない」「連帯感よ」と自然態の答えが返ってくる。この年にしてこの意識の高い子達がこんなにいる国なのだ。勝訴!ともに喜び合う姿に涙腺がゆるむ。

移民政策改悪に反対する行動が提起され、人々が街にあふれて5000人にもなった。デモ行進のことを「街に出る」というのだそうだ。その参加者の言葉=「何かあったら街に出よう。数が多ければ政府は動く」!なんという感覚だろう。マイケルムーアの映画「SiCKO(シッコ)」で若年労働者を解雇しやすくする政策反対のデモや集会の映像があったが、こちらでもフランスの人々のパワーにふれてしまった。
イゼーは言う。「自由と平等は待っていてもやってこない。自分でとりにいかなくちゃ」というようなことを。高校の高学年の生徒にこんなことをサラッと言われてしまう。さすがに大統領選挙投票率85%の国だ。選挙権も18歳以上だったかもしれない。

フランスによく遊びに行く方に聞いた話。ホテルのTVをつけると「朝まで生テレビ」のような討論番組を頻繁にやっているとのこと。硬い討論番組だけでなくいろいろなタイプの討論番組があるのだろうと推測。いくら消費税が高くても使い途をしっかり国民が監視しているのだ。
ミュージカル「マリー・アントワネット」では革命の暴走という醜い部分も描かれたが、世の中の変化は理想的にまっすぐに進まないということを教えてくれる。左右に振子がふれるようにジグザグしてでも前進していければいいのではないか。フランスの社会のありようはそんなことも思わせてくれる。果たして日本はどうなっていくか。私も監視の目をきっちり持ってやれることをやっていきたい。
まさにそういった意味でも「世界遺産パリ」といえる番組だった。制作したNHKのスタッフに感謝と応援の意を表したい。

続けてフジTVの映画「フラガール」オンエア。NHKドラマ「ジャッジ」を観る予定が娘がどうしても観たいというのでそちらにチャンネル変更(ビデオ録画をする予定が忘れる(T-T))。
「フラガール」は去年の10月に映画館で母娘ともしっかり観て泣いている。そして今回!また泣いてしまっている。娘に質問。「なんで炭鉱が閉山になったかわかる?」→「石炭とれなくなったから?」→「国で石油への転換政策をとったからだよ。あとのストーブを集める場面しっかり見てご覧」→しっかりチェックしていた。
そしてこの一年間でしっかりわかるようになった出演者がいた。植物係になって「ストーブ貸してくんちぇ」と土下座し、椰子に上着を着せていた役の三宅弘城。「ロープ」でも渡辺えりとともにTV番組制作会社スタッフをやっていたのに全く気づいていなかったが、「宝塚BOYS」でしっかりと印象に残っていた。こういうのは嬉しいものだ。

椰子を寒さから守ったストーブは炭鉱長屋に住む家々の石油ストーブだった。この皮肉!ハワイアンセンターは500人の雇用を作り出したが、解雇者は4400人。
多くの人々が産業構造の変化で辛い目にあってきているのだが、こういう頑張った女たちの存在に力をもらえる気がする。
私もやれることをやっていくしかない。

連休後半でお茶会2回とヴィスコンティの「山猫」鑑賞、新聞の切り抜き整理→束ねて資源ごみへという作業などもやるつもりだ。
写真は「フラガール」のDVD。映画は日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか5冠達成、他多数の映画賞を受賞したという。納得の作品だ。


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3 コメント

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Unknown (hitomi)
2007-10-08 09:33:27
BBSありがとうございます。「花の都」のアルジェリア系の女性は切なかったです。日本でもよくある話。さすがの革命の伝統の国ですが。

「フラガール」の蒼井優の「オセロー」はご覧になりますか。
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m(_ _)m (hitomi)
2007-10-08 21:26:15
URLを毎回打ち込んでも、ここではすぐ出来るのですが投稿すると消えてしまいます。goブログにはそうなってしまうのです。m(_ _)m

蜷川さんファンのぴかちゅうさんには愚問でした。お友達の感想はいかが。今日の特番ではイアゴーの描き方が今までとは違うそうです。階段も出ます。
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★hitomiさま (ぴかちゅう)
2007-10-08 23:48:03
そうです、蜷川「オセロー」は千穐楽の観劇を予定しています。今日も昨日も「オセロー」を観た友人とさいたま芸術劇場近くでお茶会していました。
高橋洋さんのイアゴーの様子を聞いて、昔TVのオンエアで観た木場勝己さんのイアゴーのイメージとずいぶんと違うという話になったところでした。特番の情報を有難うございました。それなら納得です。階段も4つ出るそうですね。
ますます楽しみになってきました(^O^)/
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