ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

09/09/12 歌舞伎座夜の部②高麗屋×播磨屋の「勧進帳」

2009-10-04 23:59:47 | 観劇

歌舞伎座さよなら公演として2月に吉右衛門×菊五郎の「勧進帳」を観たので、今回はまさに「またかの関」!
「七代目松本幸四郎没後六十年」をうたい、孫の幸四郎・吉右衛門、曾孫の染五郎が揃う「勧進帳」ということでまぁ、ありなのかなぁと・・・・・・。
2007年1月歌舞伎座で幸四郎の弁慶を観ている。私はどうも苦手である。
今回は吉右衛門の富樫を楽しみに観る。
【歌舞伎十八番の内 勧進帳】
今回の主な配役は以下の通り。
武蔵坊弁慶=幸四郎 富樫左衛門=吉右衛門
源義経=染五郎 亀井六郎=友右衛門
片岡八郎=高麗蔵 駿河次郎=松江
常陸坊海尊=錦吾

吉右衛門の富樫が登場して語り始めると、もうそれだけでぐっと世界に入ってしまうような台詞に聞き惚れる。義経主従の登場を待ちかねる気になってくるが、花道での主従のやりとりで、幸四郎弁慶大丈夫かなぁという感じになる。
本舞台に登場して吉右衛門富樫と対峙すると、うーんもう位負けしているかなぁと(^^ゞ
吉右衛門富樫に促されての勧進帳の読み上げ。勧進帳をのぞきこもうとする吉右衛門富樫の気合の入った極まりに見惚れる。

幸四郎弁慶も負けじと対峙してからの読み上げなのだが、残念ながら慣れている台詞を上滑りするような感じでここから既に眠くなる。これは困る。
続く吉右衛門富樫との問答でまた意識が集中!富樫も疑いを晴らして偽物ではない東大寺勧進の一行であれば布施をして関を通すことにするが、番卒の咎めで富樫が義経の強力を呼び止めて一気に緊迫!!
ところが金剛杖で義経を打つ幸四郎弁慶、今回も彼のこだわりの一礼をしてから打ち据えるものだから、一気にしらける。ここが私にはまずダメ。

それでも吉右衛門富樫が主人を打ち据えた弁慶の姿に腹をくくり、通関をゆるし、泣き上げてのにじり口からの退場。泣き上げの形も美しく立派なのに目をこらす。

義経が弁慶の機転を褒めて泣かぬ弁慶が泣く場面もまぁ、こんなもんでしょう。染五郎の義経はなかなか美しく待ち受ける悲劇の予感が漂う感じがある。

無礼を詫びに酒をもって富樫と家来たちがやってきての場面。酒を大杯で飲もうと葛桶の蓋をもってこさせ、満たさせてむしゃぶりついて飲み干す場面を注視・・・・・・。また今回も蓋まで上下に旋回させてしまっている。それじゃ酒がみんなこぼれる飲み方だって。

あとから昼の部の「馬盥」で吉右衛門光秀が酒を飲む場面で、先に観たこの幸四郎弁慶の葛桶の蓋の場面を思い出してしまうくらい、私としてはこだわりがある。両手で持った「馬盥」はそんなに揺れなかったぞ。

舞を一指し所望されて「延年の舞」を舞う中で一行を先に出立するように促し、弁慶も続いて花道の方に去っていくつけ際で富樫へ深々と頭を下げる。
本舞台で見送る吉右衛門富樫が腕を回して大きな袖を巻きつける、その動きの切れがよく勢いよく全部がくるくるっと巻きついての立派な極まりにまた舌を巻いた。

弁慶の引っ込みは3階B席ではほとんど見えず。幕外の引っ込みだから仕方がない。吉右衛門の富樫が台詞もしみとおり、動きも極まりも立派で文句なし。これを観ることができただけで今回はOKである。
染五郎も叔父の吉右衛門の富樫をしっかり習って、父の幸四郎弁慶の相手役を立派につとめてもらいたいものだ(幸四郎が元気なうちは染五郎には大歌舞伎ではなかなか弁慶が回ってこないだろうから、まずは富樫を極めることが先になるのではないかと推測)。

写真は歌舞伎座ロビーにあった「勧進帳」の特別ポスターを携帯で撮影したもの。
9/23昼の部①「竜馬がゆく-最後の一日-」
9/23昼の部②「名残惜木挽の賑 お祭り」
9/23昼の部③「時今也桔梗旗揚」は南北劇だと実感!
9/23昼の部④幸四郎の「河内山」
9/13夜の部①「浮世柄比翼稲妻」


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