ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

09/09/12 歌舞伎座夜の部①「浮世柄比翼稲妻」

2009-10-02 23:59:55 | 観劇

12日は上野散策を組合せたお出かけになった。博物館見物を欲張ったため、歌舞伎座夜の部開演に遅刻。「鞘當」の前半は見ることができず(^^ゞ
【浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)】鶴屋南北作
Yahoo百科事典で作品の概略あり。その中から関連の見えにくい2つの場面が並んだ。
<鞘當(さやあて)>:あらすじと主な配役は公式サイトよりほぼ引用。  
桜が満開の吉原仲之町。稲妻の模様の着物の不破伴左衛門(松緑)と、濡れ燕の模様の着物の名古屋山三(染五郎)がやってきます。二人は刀の鞘が當り斬り合いとなるが、茶屋女房お京(芝雀)がそれを留める。

後半から見たので松緑と染五郎の渡り台詞のやりとりになっていたが、申し訳ないが台詞回しで引き込まれることもなく、留女の芝雀が出てきてなんとなく歌舞伎になってはいるなぁと感じて終わり。
二人の恋敵が出会って、やりとりの末に始めた喧嘩を留め立てされるというのは、黙阿弥の「曽我綉侠御所染」(御所五郎蔵)の「五條坂仲之町の場」と似ている。御所五郎蔵ではそれぞれの手下たちも含めた渡り台詞もあってかなり盛り上がるが、こちらはそういうのがないのでシンプル。前半に「丹前六方」などの見せ場があるらしいが、それは次回に観る時を楽しみにしておこう。

<鈴ヶ森>
「鈴ヶ森」は3回目。2004年の七之助・橋之助版はこちら 2008年の芝翫・富十郎版はこちら
今回の主な配役は以下の通り。  
幡随院長兵衛=吉右衛門 白井権八=梅玉
飛脚早助=家橘 北海の熊六=桂三
東海の勘蔵=由次郎
梅玉の白井権八は19年ぶりのようだ。従来の鶸色から黒の着付けに替えたとのことだが、引き締まって十分若々しく見える。襲い掛かる雲助たちを次々に斬り捨てていく場面が工夫された小道具使いで笑える殺し場になっているのが何度観ても楽しい。今回の雲助役者はどれだけうまくやるかなぁとか思って観てしまう(^^ゞ

さて眼目の幡随院長兵衛との場面。駕籠から吉右衛門が登場するともうその存在感だけで嬉しくなる。
吉右衛門の名乗りの台詞にも聞き惚れる。役者が自分のことをひとこと言うところでは、確か「無口で真面目」とか言っていた。きっと一生懸命考えたんだろうなぁと聞いているこちらの顔がほころんでしまう。
吉右衛門の長兵衛と梅玉の権八とのバランスもよくて、「鈴ヶ森」には満足した。

お家騒動やらその途中での闇討ちなどで、不破伴左衛門が名古屋山三の敵だったり、白井権八の敵に相当したりもするようだが、この2つの場面を見ただけでは関連が全くわからない。所詮「見取り」上演なんだからと割り切れば、「鞘当」では若手中心に、「鈴ヶ森」ではベテラン勢の魅力をみてくださいという演目の並べ方なんだろうと推測。南北の演目が昼と夜ともに配置されているのは、今年が南北没後180年にちなんだらしい。まぁ、こんなもんでしょう。

写真は公式サイトよりチラシ画像。
9/23昼の部①「竜馬がゆく-最後の一日-」
9/23昼の部②「名残惜木挽の賑 お祭り」
9/23昼の部③「時今也桔梗旗揚」は南北劇だと実感!
9/23昼の部④幸四郎の「河内山」


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
鈴ヶ森 (さちぎく)
2009-10-10 11:14:00
これだけは観たかった!なかなかチケット買ってないと急に行かれなくて~残念(泣)同じ長兵衛でも全く違う役どころですね。ぴかちゅうさんの謎解き、面白いです(笑)
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★さちぎく様 (ぴかちゅう)
2009-10-13 22:58:06
吉右衛門の夜の部の長兵衛二役はそれぞれ楽しめました。
>謎解き、面白いです......そうおっしゃっていただくと嬉しいです。
演目の並び方ってけっこう企画側の意図をいろいろと推測してしまうんですよね。蜷川さんの舞台を観る時も彼がいま何故その作品に取り組むのかということを事前の情報や最終的にはプログラムで確認しつつ、舞台も観て、こめられたメッセージとかを読み取ろうとしているので、同じように考えてしまうんですよね。
歌舞伎の見取り公演でも玉三郎の座頭の七月公演がきっかけになってそういうことを始めたら、すごく面白くなって毎月いろいろ頭をひねってしまっています(^^ゞ
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