昨日は新国立劇場で「ヘンリー六世」第1部から3部までを通し観劇。明日は歌舞伎を昼は演舞場、夜は歌舞伎座でハシゴの予定。そのためにさすがに今日は家でのんびり昼寝をしたら、嫌な夢をみてちょっとげんなり。自宅マンションで階上からの水漏れで壁に水が流れているって、もう絶対現実に起きてほしくないという夢。
娘のリクエストの牛鍋でもつくろうと、買い物に出て気を変えて、掃除機かけまでやってしまった!
夜逆転の日が続く娘はいくら起こしてもダメ(T-T)ひとり寂しくを器によそってきて、大河ドラマ最終回を観ながら食べる。久しぶりの家での牛鍋だが(娘の嫌いな春菊と葱をはずしてチンゲンサイを入れてみたので「すき焼き」とはあえていわないでおく)、美味しくて思わず食べすぎてまた胃薬を飲むハメになる。理性の制御がきかないのは困る(^^ゞ
さて、大河ドラマ「天地人」最終回。私にとってガスパッチョのTVCM以外では初ツマブキ(妻夫木聡)となった。背は高くないが、戦国大名家の忠義の家老職という役どころが実にピッタリだった。すぐに泣いてしまう性格で泣き顔が可愛いのもいい。
偉大な謙信公に比べて自信のもてない景勝役の北村一輝とのコンビがよかったので、安心して一年見てこられた。
姉さん女房お船の常盤貴子も気が強そうなところが実によかった。プライベートでも長塚圭史の姉さん女房となられたようで、今後の女優としての成熟も楽しみだ。
しかし、兼継とお船夫婦の子は女の子ふたりを流行病で亡くし、生来虚弱だった景明も最終回で死んでしまう。3人も生んで全員に先立たれるというのは今からすると考えられないが、昔はそんなものだったのだろう。お船は江戸にいる上杉家の跡継ぎの玉丸の養育係をかってでるが、実に夫も妻も忠義の家臣である。こういうのを見ると歌舞伎の乳母の政岡の忠義心もよくわかるというものだ。
松方弘樹の家康も頭頂部のこぶを特徴にした拵えが独特だったが、ねちっこく敵役になっていて実によかった。娘から「遠山の金さん」の人だよねと指摘されてそうだと答えたが、今回初めて爺になった役を見たように思う。
今回も跡継ぎの秀忠と心が通い合わなかった設定だったが、秀忠は義を重んじるような人間に育ったために自分に冷たいと嘆くというのがちょっと変わっていて面白いと思った。死の床についた時に兼継を呼び寄せて、自分が果たせなかった秀忠の父の役割を頼むというのも、まぁ兼継が主役のドラマだからアリでしょう。
その駿府城で若手に関ヶ原の思い出話をせがまれて、大勢の若者たちの参集する中で信長、秀吉の思い出をせがまれて話す。それに継ぐのが大御所様だろうという若手に石田三成だと答え、正義が勝つとは限らないこと、生きて後世に義の心を伝えよという彼の遺言を果たすために兼継は生きたのだと話す。それを隣室で聞く秀忠と伊達政宗というのもうまい!
正義を主張して戦った三成らを滅ぼしてまで天下をとり、世を太平にしたということに父家康の存在価値があることをそこから読み取った秀忠。父の最期を看取る時には素直な息子の姿になっていた。
兼継の最後も父の最期のように妻とともにひなたぼっこをしているうちに眠るように絶命するというのが憎い感じだった。主要な人物の回想シーンもうまくちりばめて、実に癒し的にまとめてくれた。
最後の方で注目したのは秀忠役の中川晃教だ。黒木メイサ主演の「女信長」の舞台で家臣役が評判だったというのは知っていたが、まさにこんな感じだったのかなぁと思った。彼もやはり小柄だが、目が大きく武将役が似合う大人の男の面構えになってきたと思う。低い声を響かせての台詞回しもいいし、これからはこういう方面での活躍も期待できると楽しみになった。
さて、明日の歌舞伎の若手花形→ベテラン人間国宝の舞台のハシゴも頑張ろう!!