ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

06/05/14 團菊祭・夜の部①「保名」「藤娘」

2006-05-14 22:42:37 | 観劇
今日は演舞場昼の部と歌舞伎座夜の部をハシゴした。まずは歌舞伎座夜の部の舞踊2本から感想を書く。演目の流れも無理がなくけっこういい気分で始まって終わることができた。これってけっこうラッキーなのかもしれない。写真は歌舞伎座にかかる「團菊祭五月大歌舞伎」のタレ幕。

1)「保名(やすな)」
「保名」は歌舞伎座での勘三郎襲名公演で仁左衛門で観たのが初めてだった。陰陽師の保名が恋人の死で狂い、形見の小袖とともに春の野をさまよう様子を踊る。
今回は菊之助の初役の舞台。十分美しいが、宝塚の男役が踊っているような印象をもってしまった。大人の男がもの狂いする様を情緒たっぷりに踊るイメージが仁左衛門でできあがってしまったのだ。菊之助だと大人の男にはまだまだ見えない。
また睡魔に襲われてしまい瞼との闘いになってしまった。

2)「藤娘(ふじむすめ)」
何年も前に芝翫で観て寝てしまった記憶がある。今回は痩せて綺麗だと話題の海老蔵初役の舞台。
藤の花房から顔を出す登場から睡魔が吹き飛ぶ。ロンドン公演でこの演目を踊ることになっているからだろうか、見事に痩せて面もすっきりしていてかなりの美人顔になっている。大きな目も終始伏し目がちにしていてなかなか娘らしい表情。顔を伏せ気味にしながらちらっと見上げる表情などは魔性の女の片鱗を感じてゾクっとした。話題のひとつ、手が大きいというのも一箇所花道で藤の花房をもっている手がこちらに向いていた時にちょっと気になったくらいで、そんなに気にならなかった。動きが硬いという話もきいていたが、まあ確かにそういうところもあるなあと思ったが、舞踊を観る目があまりない私はそんなに気にならなかった。けっこう海老蔵、頑張っているじゃないかと見直してしまった。まあ、声があまり好みじゃないからこれは一切しゃべらない舞踊だからというのもあるけれど(笑)
「保名」に比べて舞台装置も派手、衣装も何回も変わるし、小道具もいろいろと使う。イヤホンガイドの説明も今回はわかりやすく眠気が起きずにけっこうちゃんと観ることができた。

なんと、幕間は舞台写真売り場に直行し、「藤娘」は3枚しかなかったのだが、まず2枚を選んだのだがエエイままよと全部買ってしまった。「座布団3枚!」みたいなノリかな。これまで海老蔵は光源氏で1枚、梅王丸で1枚しか持っていなかったのだから、私の今回の海老蔵評価のアップ度はご理解いただけよう。
ふたりのニンからすると逆の方がいいのではという声があちこちから聞かれた。だが実際に観てみると、若いからこそ従来のイメージ外の演目にどんどん挑戦してもらうことは可能性を広げていくなあと実感した。
今回は海老蔵の方が圧倒的に印象に残ったが、海老蔵の「藤娘」はこれからどんどん加齢するとあまり似合わなくなってしまうような気がする(だから写真も買ってしまった)。だからこそ今が大事だったと思う。逆に菊之助の「保名」は再演すればするほどしっくりいくようになるだろう。それも楽しみだ。

さて、今日は2つの劇場で多くのブロガーさんたちとお会いすることができた。同じようにハシゴされたAさん。演舞場で会えたRさん、Kさん、Yさん。昼と夜の間のお茶会に来ていただいたMさん。京都から日帰りでいらっしゃったTさんとは初めてお会いできた。ご紹介しあったりもできて出会いの輪が広がったのが嬉しい。皆様、今日はありがとうございました。今後もよろしくお願いしますm(_ _)m
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