パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

漱石 8 虞美人草

2022-06-12 | book
夏目漱石が、教職を辞し、職業作家として、明治40年1907年に新聞社に入社。その第1作目が「虞美人草」だ。6月から10月まで連載された。

27歳の甲野欽吾、28歳の宗近一の春の京都旅行から物語は始まる。旅館の隣に住んでいたのが、小夜子と父親の井上狐堂。その井上親子は、東京へ帰る甲野と宗近と同じ列車にいた。
甲野の妹、藤尾24歳。付き合っている小野清三27歳。小野は恩師の井上を迎えに駅へ出かける。
若きインテリの甲野、宗近、小野。この3人に、宗近の妹の糸子と藤尾、小夜子が絡みながら物語は動き始める。そこに明治の家父長制のなかでの宗近の父、甲野の継母、小夜子の父の井上狐堂が介在してくる。19の章からなる。会話表現を挟んで、漱石の博学溢れる文章が展開される。

岩波文庫1939年第1刷。2020年第76冊。
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