1977年生まれの安藤祐介の「本のエンドロール」を読んだ。2018年3月に刊行。
この本を呼んだ後では、安藤祐介の・・・ではなく、多くの方々の手を経てと付け加えなければならないと思ってしまう。エンドロールとは奥付のこと。最後尾のページに著者の略歴とともに、本に関わった企業などが列記されている。発行所、印刷、製本。社名の陰には、多くの従業員の方々がおられる。
豊澄印刷を舞台に、本を作りたい、印刷会社はメーカーだと、大手印刷会社ワールドから転職してきた営業の浦本の成長と多くの関係者の本の出版にかける情熱を描いた作品。
営業の先輩、仲井戸。印刷工場の野末や特色作成職人のジロさん、印刷の版を組むDTPオペレーターの福原、ブックデザイナーの臼田。浦本の理解者で恋人、妻の由香里。仕事は生きるための手段だという同期の印刷製造部の野末との対立。野末の家庭での悩み。
5冊の本が世に出るまでを通して、業界の実態と未来、そして関わっている群像を描いた。
一文字の誤植「スロウスタート」、出版社の担当がいなくなった「長篠の嵐」、作家がこれで売れなければ引退すると宣言「ペーパーバック・ライター」、アナログ対デジタル対決「サイバー・ドラッグ」、売れそうもないが世に出したい本「本の宝箱」。
本の流通は確実に減っている。でも消えることはない。本が世に出るまでを丁寧な取材で構築する。
薄利多売で仕事は増えるが、工場の人員は減っている。書籍や雑誌の印刷からデザインや企画提案へシフトしていく印刷会社。
物語はソフト、本はハード。魂と肉体だ。
作家と出版社、そして本という形にしていく印刷社、製本社。本を書く人、企画する人、作る人、配本する人、売る人。普段はかかわりがないが、一本の線でつながっている。
電子書籍と本の未来。
悲壮感はあるが、達成感は何物にも代えがたい。今をどう生きているかということ。
この本を呼んだ後では、安藤祐介の・・・ではなく、多くの方々の手を経てと付け加えなければならないと思ってしまう。エンドロールとは奥付のこと。最後尾のページに著者の略歴とともに、本に関わった企業などが列記されている。発行所、印刷、製本。社名の陰には、多くの従業員の方々がおられる。
豊澄印刷を舞台に、本を作りたい、印刷会社はメーカーだと、大手印刷会社ワールドから転職してきた営業の浦本の成長と多くの関係者の本の出版にかける情熱を描いた作品。
営業の先輩、仲井戸。印刷工場の野末や特色作成職人のジロさん、印刷の版を組むDTPオペレーターの福原、ブックデザイナーの臼田。浦本の理解者で恋人、妻の由香里。仕事は生きるための手段だという同期の印刷製造部の野末との対立。野末の家庭での悩み。
5冊の本が世に出るまでを通して、業界の実態と未来、そして関わっている群像を描いた。
一文字の誤植「スロウスタート」、出版社の担当がいなくなった「長篠の嵐」、作家がこれで売れなければ引退すると宣言「ペーパーバック・ライター」、アナログ対デジタル対決「サイバー・ドラッグ」、売れそうもないが世に出したい本「本の宝箱」。
本の流通は確実に減っている。でも消えることはない。本が世に出るまでを丁寧な取材で構築する。
薄利多売で仕事は増えるが、工場の人員は減っている。書籍や雑誌の印刷からデザインや企画提案へシフトしていく印刷会社。
物語はソフト、本はハード。魂と肉体だ。
作家と出版社、そして本という形にしていく印刷社、製本社。本を書く人、企画する人、作る人、配本する人、売る人。普段はかかわりがないが、一本の線でつながっている。
電子書籍と本の未来。
悲壮感はあるが、達成感は何物にも代えがたい。今をどう生きているかということ。