そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

中国の影が垣間見えるミャンマーの軍のクーデターである

2021-02-05 | 石破茂

与党・国民民主連盟(NLD)の幹部ウィン・テイン氏(左)とアウンサンスーチー国家顧問
ミャンマー国軍は1日、多くの与党議員や政府要人を拘束し、放送局機能などを掌握して国家の権力を掌握したと内外に宣言した。ミャンマーは1962年の軍事クーデター以降軍事政権が続き、10年前に民政の移管の合意がなされた。運治政権下では民主化の旗手で圧倒的国民の支持を受けている、アウンサン・スー・チーしは自宅軟禁されていた。
しかし、軍事政権は選挙と全く関係なく軍部の議員数など数多くの地雷を議会に残していた。今回その地雷が作用したのである。
それにしてもこの時期かと思われる。他国に比べて感染者などが少ないとはいえ、新型コロナ蔓延のこの時期とはいかにも唐突である。昨年11月8日の総選挙で与党、アウンサンスーチー率いる国民民主連盟が圧勝したが、これが不正選挙であったというのが、国軍総司令官のミンアウンフライン将軍の軍制圧の理由である。この選挙は国連が、正当な選挙であったと評価を与えているにもかかわらずである。
軍は一年経過したら総選挙をするというのであるが、こちらの方が必ず不正選挙であるのは間違いない。軍は独立後の50年間に得ていた利権を取り戻したいのであろう。武力制圧による恐怖政治の復活を、ミャンマーの人達は恐れている。
ところで世界各国がミャンマーの軍事政権に対して、強い経済制裁を科すことができないであろう。軍は中国により強く接近することになるからである。アメリカはいち早く軍事クーデターと認識して、強気懸念を用命している。おりしも米中経済戦争も真っ最中である。多くの国が選挙を無視し民意にそぐわない軍事政権を非難するであろうが、経済制裁を加えるには限界がある。
中國にしてみれば、民意で動く政権よりも、利権で動いてくれる政権の方がありがたい。中国はバングラディッシュの国境に住む、イスラム教徒のロヒンジャを追い出したい。陸続きでパイプラインを引ける港が欲しいからである。ロヒンジャを巡っては、スーチー氏のNLDを非難する声があるが、中国の意図に沿った軍の圧力で動けなかった結果である。
やっと動き出したミャンマーの民主化は極めて危うい事態に追い込まれている。5年前に比べて、中国が格段に経済力を高めてきたからである。
パゴダに手を合わせるミャンマーの人である。

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