一昨日のNHKスペシャルは食料問題を取り上げてくれた。特にバーチャルウオーターという、ことに特化した感じの内容であった。
先進国の畜産は大型化する一方である。特に日本は政権が農業の大型化を積極的に推進している。外見的にはまるで崩壊した社会主義国のコルホーズのように巨大である。内容的には生産の目的が農民に理解されず収支を求められ、国家による資金投資による巨大化した農場である。それに特化しているのが、畜産である。それを支えているのが、アメリカ産の穀物である。8割のトウモロコシと2割の大豆である。これ等の穀物は(大豆は穀物ではないが)1970年代から無関税である。最近はほぼすべてが遺伝子組み換え作物である。しかもどのような肥培管理をしているか、つまり農薬も化学肥料も灌漑も何ら情報がないまま、日本の家畜は食べさせられているのである。
この番組ではそれを水に特化して、アメリカで消費する水を日本や輸入しているようなものだと(だからバーチャルであるが)述べているのである。穀物を輸入して家畜に与えているというのより、消費者にはとても分かりやすい。
こうして日本は家畜用穀物をほぼ2000万トン輸入している。因みに人間向けには、1000万トンを輸入しているるが国内生産量もお米などでほぼ1000万トン輸入している。日本では人と家畜はほぼ同量の穀物を消費している。穀物自給率はほぼ25%とということになってる。この数字はここ20年ほどあまり変わっていない。
こうして日本は国内で消費する水とほぼ同量の水を輸入していることとなる。死k氏現実にはアメリカの水を消費した穀物の輸入である。アメリカでは、特に中西部の水は、ミシシッピー川の地下水、オガララ滞水層と言われる水資源を吸い上げ灌漑しているのである。この帯水層も年々減少している。更に農薬や除草剤などによる表層の水汚染や、土壌改良に寄す問題も起きている。
21世紀の農業は、他産業と同様にあるいは環境に依存す分それ以上に、大量投資、大量生産、大量廃棄そして環境汚染という形態を選択してはならない。21世紀の農業は、家族型小規模農業による、有機農業こそが求められるのである。そして基本は食糧の自給である。日本はこの動きに真っ向から対峙しているといえる。バーチャルウオーターはその指標になるものといえる。