そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

コロナ禍で高騰する世界の食料、パンデミックは食糧の自給の危うさを教訓としてくれる

2021-02-25 | 農協 食料自給率

この表は国連食糧機構(FAO)が表しているもので、今月のものである。左は世界の食料の価格の月毎の推移である。2020年は(黄色線)春から異常な勢いで価格上昇している。今年2021年は左上の高いところから始まっている。
右の表は、品目ごとの一年間の月毎の価格の推移である。貯蔵の利かない、後期に移動ができない野菜の高騰が激しい。日本は比較的野菜に自給率が高いので表とは感覚がずれるが他の食料、乳製品や砂糖それに穀物(Cereals)などは一斉にコロナの時期から上昇している。これ等は他の加工食品の元になるものであり、食料一般の価格を底上げすることになる。
新型コロナによるパンデミックが世界各国に広がって、自国の食料生産に危機感を感じた多くの国が、主食になる生産物の輸出を禁じたりしている。自国の国民を守るのは、ウイルスの治療や予防だけではない。多くの農業生産国家が主食を確保するのは当然の結果といえる。パンデミックや戦争それに大きな災害などがあった時に、国が真っ先に取り組むのは食料の確保である。
日本は食料を人が生きていくために欠かせないものとする捉え方が極めて希薄である。食料を科価格で評価したり、付加価値をつけて輸出しようなどとはもってのほかである。
日本の農政は規模拡大を推進する一方である。政策として国家が規模拡大一辺倒な国は日本だけである。21世紀の農業は、農薬や化学肥料に依存しない有機農業、家族農業を基本とした持続可能な農業になる。食料自給を放棄してきた日本は、国の安全保障を軍事に特化して進めてきた結果自給率は僅か38%になったといえる。
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