ノルウェーのノーベル委員会は、2024年のノーベル平和賞を日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授与すると発表した。授賞理由については「核兵器が二度と使われてはならないと、証言をしてきた」とし、「『ヒバクシャ』として知られる広島、長崎の原爆被害生存者による草の根運動である日本被団協は、核兵器なき世界を実現するために尽力し、核兵器が二度と使われてはならないと、証言を通じて示してきた」とした。
日本被団協理事の箕牧智之長は記者会見し、2021年亡くなった坪井直前理事長らの名前を挙げ、「本当に嘘みたいだ、核兵器廃絶・恒久平和の実現を訴える大きな力になる」と喜んだ。
国内では各都道府県の組織で構成され、国外の会議に出席者を送るなどの活躍をしている。核兵器禁止条約の締結を世界各国に迫っている。CNN放送はこれまで草の根の活動をしていた団体の受賞を称賛している。2017年に受賞した核兵器廃絶キャンペーン(ICAN)手放しで歓迎している。
今年なんとしても広島と長崎の原爆投下の日の、平和祈念式典に出席したと出かけたが、その年にこんな大きな賞を被団協が受賞するとは驚きと喜びを実感している。
被団協の地道な活動と、国への核兵器禁止条約批准を広島市長、長崎市長などなどが強く訴えた。ところが、岸田文雄首相は両市の挨拶で、一言もこのことには触れなかった。昨年一昨年より大きく後退した挨拶であった。
日本政府は別の道から核兵器をなくし働きをすると、繰り返し発言しているが何もやっていない。
核兵器禁止条約批准国は70か国に及んでいる。世界唯一の被爆国日本は、核兵器の拡散に何の働きかけもしていない。被団協のノーベル平和賞受賞が何らかの作用を、この国に及ぼすことがあればと願うばかりである。現状を見ると望みは薄いが、自民党支持者でも核兵器廃絶を望んでいないとは思えないのであるが。
授賞式はノーベルの命日にあたる12月10日にオスロで開かれる。