そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

身動きが取れなくなったエジプト

2013-07-14 | 政治と金

せっかくアラブの春で国民投票で選んだ大統領が、民衆の不満が広がりこれを軍部が抑え、事実上の軍事クーデタを起こしてしまった。大統領を軍部が拘束した以上これは、軍事クーデターと言える。たった一年で、エジプトは民主主義の原点を放棄した。

モルシが大統領としての器でなかったかどうか、問われる部分は確かにあるが、明らPhotoかにこのクーデターはアメリカの意向が強い。エジプトの軍部は、アメリカが財政的にも人的にも握っていると言ってよい。

モルシが、イスラエルとの対峙政策をとるのは時間の問題であった。ムスリム同胞団は、エジプトでもっとも大きな政治団体である。福祉団体でもある、同胞Photo_2団の支持層は極めて厚い。歴史的な成果もある。イスラム原理主義者たちがいずれ、けきかけてイスラエルと緊張関係になるとアメリカは判断したのである。

民衆はモルシの経済政策の不満と、アラブの春支持者たちのイスラム化への不満を街頭に持ち出した。これは、一旦行った自らの民主化への否定にもなる矛盾を抱えている。

そもそもアラブの人たちは論争が苦手である。非主教的なことへの我慢も得意でない。政治への不満は、これまでの多くの政権がやっていたように、武力による強権Photo_3
的な抑圧を、為政者が独裁者として選択肢したのにもそうした背景もある。

アラブの春は、そうした抑圧に対する不満であったはずである。開かれた民主化を取り込むことが不得手で、再度街頭に飛び出したのである。次回選挙まで待てない、民主化の放棄ともいえる。

今度はモルシ派(ムスリム同胞団)の逆襲が始まる。100万人デモを行うというのである。彼らに法的主張の根拠がある。周辺国家の支持も真っ二つに分かれている。

エジプトは、食糧自給率が極めて低い国家である。穀物の生産がほとんどなく、主食のパンの原料はアメリカに握られたままである。親米軍部とイスラエルの脅威も相まって、どう動いたとしても、エジプトはアメリカの罠・トラップから、エジプトは逃げ出すことはできないのである。日本のように。

左のフォトアルバムに<根室の初夏>アップしました。

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

羅臼港

春誓い羅臼港