鳩山由紀夫元首相が、尖閣諸島を巡って様々な発言をして、物議を醸しだしている。鳩山由紀夫氏は、。本当に善意の人だと思うが、わざわざ物議が大きくなるように、香港や中国に行って発言している。
まず、「尖閣諸島は日本固有の領土ではない」という発言であるが、これはどうも変な発言である。尖閣諸島はあえて言えば、琉球王国の領土だったと言える。それを武力を持たないことをいいことに、薩摩が明治政府の命を受けて併合させたのである。
尖閣諸島は琉球王国に一番の権限がある。国家の形成がそれぞれ不均等に出来上がっている時代に、現在の国家感で判断することは正しくはない。日本も中国もその地点に立ち戻って考えていない。
「固有の領土」とは、国家の形成が未熟な時代を経て、継続的に自国の領土であったと主張するため、現在の国家の利害保全のために生まれた言葉である。
そもそも、固有の領土などというものは人類には存在しない。国家という権力機構が生み出した、利害保全の虚構の言語でしかない。ミトコンドリアなど遺伝子分析が進んだ人類学は、僅か2万年前までほとんどの日本人のルーツは、中国平原に住んでいた。
鳩山氏の「尖閣諸島は盗んだと言われても仕方ない」という発言であるが、これは日清戦争で、尖閣諸島を日本が清国からとったということが前提になる。これは事実ではない。盗んだと言われてもいいのは、琉球である。それは日本に対してである。ルーピー鳩山の面目というところか。
尖閣諸島には、明らかに領土問題が存在する。そのことを日中が認識しているからこそ、田中角栄と周恩来の間で棚上げにされたのだ。後程大平とと小平が確認している。領土問題が存在しないなどとは、国家間で通用するものではない。