自民党は党総裁と幹事長室名で、「電気事業法改正法案など重要法案の廃案の責任がすべて与党側にあると視聴者が誤解するような内容があった」として、TBSに抗議をした。番組はニュース23で、今後TBSの取材は拒否するというのである。
10日以上前のことで、報道内容は詳細に記憶していないが、一方的に自民党を批
難していたわけではない。たとえそう受け止められたとしても、政権与党である受け止めるべきなのである。
安倍自民党にはそうした寛容性を著しく欠く政権であることは、安倍自身のこれまでに行動に見て取れる。NHKに故中川昭一たちと慰安婦問題で抗議に行って、放送内容を変更させたことは知られている。内容を変えたNHKにも抗議の声が上がったが、NHKはこれを認めなかった。
安倍はFacebookでも、北朝鮮との交渉の過程での行為を、当時の田中均外務審議官を名指しで無能呼ばわりしている。国家の権力者となった安倍が、何とも醜いことである。先日の公開の党首会談では、記者の質問に居直って何が悪いか、ただしだけであると発言している。
今回電気事業法などが、廃案になったのは安倍の憲法63条違反に対する問責決議である。63条は総理大臣など閣僚は、議院で出席を求められたら拒否できないという内容であるが、このことへの釈明は全くない。
そして今回の報道への抗議である。安倍晋三が持っている他者を受け入れない、非寛容性と威圧性そして、憲法軽視がここにある。
今回のことも、自民党は日本最大の公党である。公開の場で堂々と反論すればいいことである。放送は許認可制度のもとにあり、政府にその権限がある。与党の抗議は報道に対する威圧になり、報道の自由も中立性も損なうことになる。
首相となった安倍晋三の国粋主義思想は、他者に対する寛容性もなければ論争する余地さえ与えようとしないのである。