市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

サンパイ110番の看板が泣く…新里産廃問題の早期対応を求めオンブズマンが桐生市役所で記者会見

2023-05-12 23:56:44 | 全国のサンパイ業者が注目!

※YouTube:「桐生市役所記者会見」20分10秒
リットン調査団(オンブズマン渋川支部)
https://youtu.be/0L6dtjMkjJE

■市民オンブズマン群馬では、地元住民の皆さんとともに桐生市新里町の私有地に山積みされた大量の廃棄物の問題に取り組んでいます。これまでに地元住民の方々が記録してきた情報に加えて、行政側として桐生市からも情報を入手するとともに、こうした県内の廃棄物問題を主管する群馬県に対しても今年2月17日に群馬県知事に「①市民から県に寄せられた60件以上の連絡の一切の内容。②県が建設業者の責任者に適正な処理やこれ以上の搬入を控えるよう注意したことがわかる一切の内容」について開示請求をしていました。その結果、60日も待たされたあげくにようやく368ページの資料が4月17日に開示されました。

 これらの情報を分析した結果について、早期に公表してほしいという声をいただいていましたが、この度、桐生市役所2階の記者クラブをお借りして、本日5月12日(金)13時半から、記者会見を行うことが出来ましたので、その概要について報告します。

 当会からは、群馬県に情報開示請求をした当会代表小川と、地元桐生在住で、逸早くこの問題に取り組んできている副代表長澤が記者会見に臨み、さらに2名のメンバーが支援に駆けつけてくれました。

現在総予算94億6000万円(内訳:調査・設計・工事監理委託費用約4億9,000万円、建築工事約68億7,000万円、解体工事約8億7,000万円、外構工事約7億4,000万円、備品購入費用約1億5,000万円、引越関連費用約9,000万円、ICT関連費用(サーバー及びソフト入替等)約1億5,000万円、その他関連工事等(車両棟整備工事、議会機能移転改修工事、来庁舎用臨時駐車場整備工事、地場産業振興センター使用料、駐車場整理業務委託料等)約1億円)をかけて隣接場所に新庁舎建設工事中

庁舎に掲げられた「ごみのない日本一美しいまちづくり」のスローガンを記した垂れ幕

■記者会見は、午後1時30分から約1時間にわたり行われました。冒頭、当会代表から5分ほど挨拶を行った後、副代表から詳しい説明が25分ほど行われ、その後、質疑応答が交わされました。幹事社はNHKで、その他、読売、毎日、朝日、桐生タイムスなどの報道各社が会見に参加しました。

 副代表による記者会見のレジメは以下のとおりです。

*****5/12会見用資料(要約版)*****
                       2023年5月12日
桐生市役所記者クラブ 関係各位
                       市民オンブズマン群馬
                       副代表  長澤 健二
                       桐生市天神町3丁目14-36 
                       TEL 090-7197-6449

       桐生市新里町の産業廃棄物問題について

 今、皆さんも多大なご関心をお持ちだと思いますが、桐生市新里町に大量の産業廃棄物が不法に投棄された挙句、土地所有者が、母国に帰国してしまい、周辺住民の安心・安全な生活環境が脅かされています。私は市民オンブズマン群馬の会員として、この問題の経緯を各方面から調査し、問題点を検証した結果、「一刻も早く産業廃棄物を撤去すること」が最も必要であると考えております。
 産業廃棄物の不法投棄を巡る問題は古くからあります。その最たる事案のひとつに、香川県の豊島(てしま)を舞台にした産廃不法投棄事件があります。これは豊島総合観光開発(豊島開発)が1975年から16年間にわたり、豊島の西端の海岸近くに産業廃棄物を大量に不法投棄し続けていた問題で、1990年に発覚し、当時は戦後最大級の不法投棄事件と言われました。これを受け、翌1991年には廃棄物処理施設の設置が届出制から許可制となるなど規制が強化されましたが、1999年に発覚し国内最大規模と言われた青森県・岩手県境の不法投棄事件を防ぐことができませんでした。
 豊島事件では産業廃棄物の撤去等に総額820億円(毎日新聞資料)もの税金が使われました。しかし、まだ、土壌汚染問題が残っているそうです。
 群馬県にも県内各地で産業廃棄物を巡る問題が多々発生しています。地元桐生市の新里町で今回発生した産廃不法投棄事件を検証することにより、群馬県における産廃問題の実態を広く県民の皆さんに知っていただければ幸いです。そして、何にもまして、皆さんと共にこの産業廃棄物問題を住民の目線で考えて、群馬県から産業廃棄物の不法投棄を根絶したいと願っております。
 以下に、この問題のポイントについて簡単に説明します。なお、詳細は別紙配布する資料を見て頂きたいと思います。

1.今までの経緯と疑問点
 この問題の元凶は県の不適切な対応にあると言わざるを得ません。それらは次の3点に要約されると考えます。
  ①早期発見後の対応ミス
  ②県の情報隠し
  ③法令無視
 (1) ①早期発見後の対応ミスについて
   県の開示資料によると、令和3年4月21日に埼玉県さいたま市より、情報提供があったとのことです。にもかかわらず、現地調査が行われたのは、同年5月11日と記載され、しかも、違う目的で現地調査に赴いたところ、地元の方からの情報提供でわかった、と記録に残っています。この期間内に産廃が搬入された様子が、同年4月30日の通報記録に記録されています。しかも、同年5月11日の現地調査時に、「現場に居合わせた行為者に産業廃棄物処分業を取得し、又収集運搬業の許可を取得しているものが解体廃棄物を運搬するよう指導した。行為者は素直に指導に従う姿勢を見せた」と記されています。
   その時の県のこうした対応が全ての根源であると考えております。この時点で無許可営業と認めたのですから、すぐに告訴し、罰則を与えれば済んだことです。
   罰則は県のホームページに載っていることから、県は当然承知していることになります。ちなみに、無許可営業の罰則は「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科」とあります。
 (2) ②県の情報隠しについて
   令和4年9月14日に、地元自治会より県に対して「説明会をしてほしい」と要望が出されました。これに対して、県廃棄物リサイクル課は「出せる情報がない」と断っている。しかし、市民オンブズマン群馬の小川賢代表が県に今年2月17日付で情報開示請求をしたところ、通常は14日以内なのに、目一杯の60日も期間延長された挙句、県から4月17日に部分開示された資料には、令和4年9月時点で、十分な情報があったことがわかりました。
   その情報によると、県は、太陽光施設設置目的で造成許可を出しているのに、廃棄物搬入は当然、目的外使用に当たり、しかも、産業廃棄物の廃棄情報が令和3年4月21日にさいたま市から県に寄せられていました。
   事実、令和3年6月2日(水)13:30~14:10の調査記録には、「本事案は、令和3年4月21日さいたま市産業廃棄物指導課から『○○人が群馬県邑楽郡千代田町及び桐生市内において不法投棄するかもしれない』との情報提供を受け、発覚した事案」と、記載されています。
   そして、「その後の調査により行為者は判明、現場も廃畳、廃プラ、廃ボードなどが不適正に保管されていた。後日(令和3年6月9日午後1時00分)行為者立ち合いで現地を確認する予定。行為者は令和3年5月11日の行為者と同様である」と印字で記載されています。
   すなわち、同5月11日の調査者は、情報提供があったことを知らず、6月2日の調査者は、情報提供があったことを知っていたことになります。しかし、情報公開請求があったため、産業廃棄物リサイクル課として見直した結果、最初の産廃110番通報のあった令和3年4月30日の受付簿の備考欄に手書きで慌てて書き込んだ様子がうかがえます。
 (3) ③法令無視について
   前項(2)末尾のように手書きで書き込むことは、公文書偽造にあたるのではないでしょうか。又、県のホームページの産業廃棄物罰則一覧表に基づいて、直ちに警察に告訴して、悪徳業者を逮捕し、損害賠償請求をして、撤去費を捻出すればいいだけの話だったと考えられます。

2.今後の対応
 当会としては、こういう事態が二度と繰り返されないようにする意味から、桐生市に対して、独自で条例を制定するよう強く要望するとともに、今回の事案は明らかに群馬県の対応ミスであることから、市から県に対して、一刻も早く撤去するように申し入れ等を行うよう働きかけたいと考えています。
                           以上
**********

■このほか、もう少し詳しい経緯と疑問点を記した資料も配布しました。

*****5/12会見用資料(準要約版)*****
1.今までの経緯
(1)この問題の端緒は、群馬県環境森林部環境保全課に土砂条例による特定事業許可申請があったことです。この申請では、埋め立ての目的が太陽光発電施設設置であったため、令和元年10月15日に群馬県の許可が出されました。
   その後、令和元年から令和2年にかけて、特定事業許可に基づき土砂が搬入され整地されました。すると令和3年4月16日に土地所有者がこの土地を売却しました。
(2)令和3年4月30日の産業廃棄物110番受付簿(11:45)によると「令和4年4月21日さいたま市産業廃棄物指導課監視係より、県(廃棄物リサイクル課)に情報提供があり、翌4月22日に群馬県警生活環境課に情報提供をおこなった」と記載されています。
   しかし、令和3年5月11日(火)の調査記録には、「別件で近くに行ったら、情報提供を受け発覚した事案である」と記載されていて、さらに「同日、現場は廃畳、廃瓦及び塩ビ管等の解体廃棄物が品目ごとに整理され、保管されており、居合わせた行為者に産業廃棄物処分業を取得し、又収集運搬業の許可を取得しているものが解体廃棄物を運搬するよう指導した。行為者は素直に指導に従う姿勢を見せた」と記されています。
(3)令和3年6月2日(水)13:30~14:10の調査記録には「本事案は、令和3年4月21日さいたま市産業廃棄物指導課から『○○人が群馬県邑楽郡千代田町及び桐生市内において不法投棄するかもしれない』との情報提供を受け、発覚した事案」と、記載されています。そして、「その後の調査により行為者は判明、現場も廃畳、廃プラ、廃ボードなどが不適正に保管されていた。後日(令和3年6月9日午後1時00分)行為者立ち合いで現地を確認する予定。行為者は令和3年5月11日の行為者と同様である」と記載されています。
   ここで「5月11日の同様な指導をした」と記載されていますが、行為者が同じであることから、単なる指導だけでは改善されないことは明白です。
(4)令和3年6月7日10:40~11:10の調査記録では「行為者(カラハン メイト 解体業)及び従業員の2名で作業中であった。解体現場から排出された廃棄物を無許可で収集運搬し、分別保管する行為は廃棄物処理法違反であること。今後現存する廃棄物を適正に処理したら必ず連絡すること等を指導した。指導書を行為者に交付するとともに監視指導を継続する」と記してあります。
   しかし、6月2日の調査記録に記載されている「後日(令和3年6月9日)行為者立ち合いで現地を確認する予定」とした調査の記録は見当たりません。そのかわり、次の調査記録は「行為者から依頼を受けた」として、来課した8月5日付になっています。
   すなわち、この時既に、最初に産業廃棄物を搬入した行為者は帰国してしまったのです。これで果たして「継続して監視指導をしている」などと言えるのでしょうか。
(5)令和3年6月17日(木)11:40~12:00の「地元民の対応記録」を見ると、通話記録の用紙に記載されており、手書きで「対応記録」と訂正されています。内容も手書きで追加、訂正され、曜日も間違っていたので、これも訂正されています。
   このことから推測すると、もともと群馬県が作成していた対応記録には、主監まで稟議のための押印がされてしまっていたので、市民オンブズマン群馬代表より今年2月17日付で公文書開示請求を受けたため、本件対応記録を印字で訂正できず、慌てて手書きで訂正した様子がうかがえます。
(6)同対応記録には「15日にはスカイパトで上空から監視を行った」と記録されていますが、県の開示資料にはその監視記録が見当たりません。又、ダンプが過積載であれば、警察が現行犯で捕まえることができるはずですので、又そのようなことがあれば警察に通報してもらいたいものです。
   桐生警察署の生活安全課長からヒアリングしましたが、「同地について知らなかった」と記録されています。
(7)令和3年7月には、群馬県廃棄物リサイクル課の調査で「土地所有者が○○に帰ってしまったことが判明」と桐生市の記録に残っていますが、群馬県の記録には見当たりません。
(8)同年8月6日(金)9:30~10:15の調査記録では、「行為者から依頼を受けたジュマ工業社長に指導票を渡した」とあります。さらに同年10月20日には「大宮ナンバーのダンプ10台ほど現地に入った」との通報が県にあり、「現場に向かうが作業員と接触できず、電話聴取した。現地ではトラック10台の産業廃棄物がはこばれていた。東部環境事務所及び桐生警察署に情報提供することとした」とあります。
(9)同10月22日には「解体業(ARIN代表取締役)」が作業しており、同10月26日には、「RAMO工業従業員」が廃棄物を運搬しており、荷台には、廃プラ、コンクリート片、木くず、土砂等が混じった廃棄物を積載していました。このため群馬県は桐生警察署に通報し、警察官2名が現地に訪れました。そして、訪れた警察官に状況を説明し、目撃状況を詳細に説明するため、県職員が桐生署に出向いています。以降、「監視指導を行っている」にもかかわらず、廃棄物の搬入が止まらない状況が続きます。
   果たして誰が土地所有者から、廃棄物の搬入や解体作業などの管理の依頼を受けたのか、我々住民にとって知る術はありません。群馬県は、搬入者の行為が果たして正当なのかどうか、しっかりと調査すべきです。
(10)令和3年12月22日に群馬県は行為者(RAMO工業社長)に対して、
  【・持ち込んだ廃棄物を令和4年1月21日までに全量撤去・適正処理すること。
   ・新たな廃棄物を持ち込まないこと。・適正処理であることを確認するため、処理先を当課に報告し、必ず、マニフェストのコピーをすること。
   ・行為者の行為は、産業廃棄物処理法違反(無許可営業、不法投棄:罰則5年以下の懲役若しく1000万以下の罰金又は併科)に該当すること。】
と記載した指導書を交付しました。
   しかしこの後も、群馬県は相変わらず「監視指導」だけで、しかるべく「法的対応」をしようとしません。
(11)桐生市の記録によると、「県廃棄物リサイクル課は令和3年4月末に実態を把握、同5月11日に廃掃法第19条の立ち入り調査を実施し、廃畳、コンクリートくず、瓦くず、鉄パイプ等を収集し一旦この場所に置いて仕訳けて、搬出するため仮置場として使用していると判明。しかし、実行行為者や作業員が巧妙に入れ変わるため現場での指導はほとんど効果がなく、廃棄物の量も増加してしまっているのが実情です」と記録されています。
(12)令和4年9月14日には、地元自治会より「説明会をしてほしい」との要望があったこと、県廃リ課は「出せる情報がない」と断ったこと、そして、桐生市については「さらに説明できるものがないことを説明し、納得して頂いた。又、産業廃棄物に関する許認可は都道府県知事であるため、改善命令や事業の停止・許可の取り消し等の行政処分については県の所管となり、現在までは改善指導を行っていますが改善命令等の行政処分は行われていません。市独自で、本案件のような産業廃棄物は都道府県の所管のため市は行政命令を行うことはできない状況であり、口頭で指導を行っています」という内容が記載されています。
(13)そもそも、この産業廃棄物にかかる事案は群馬県の案件です。令和3年4月21日にさいたま市から群馬県に情報提供がなされて、翌日群馬県警生活安全課へ情報提供してから、1年5か月程が経過する間、産業廃棄物の搬入、指導書の交付、警察官を呼んでの現地確認等を行っています。
(14)令和4年9月26日の県議会の一般質問に対する群馬県の回答では「早期発見が重要である」と認識していることがうかがえます。それにもかかわらず、現在これほどまでに産業廃棄物が積み上がってしまった責任は群馬県にあると言わざるを得ません。
   例えば、令和3年5月11日に群馬県が廃掃法第19条の立ち入り調査を実施し、「廃畳、コンクリートくず、瓦くず、鉄パイプ等を収集し一旦この場所に置いて仕訳けて、搬出するため仮置場として使用している」と認定したのであれば、その判断の根拠を示して頂きたいものです。
(15)廃掃法上では、「仮置き」という言葉は見当たりません。したがって、廃棄物を保管する際に求められる基準を示し、その基準通りに保管させる必要があります。
   次に、「資材置場」とされている場所に保管されているものが、およそ利用価値があるシロモノと思えたのでしょうか。今回の現場を見れば、誰が見ても利用価値がるなどとは思えない場合に当たるのではないでしょうか。
(17)廃棄物の該否判定には、総合的な判断が求められます。令和3年4月21日のさいたま市からの情報提供から2年が経過した今、産業廃棄物は依然として厳然と放置されたままとなっています。当会として、この責任は群馬県の職務怠慢であると考えざるを得ません。群馬県はこの責任をどう取るつもりなのでしょうか。改めて山本知事に問いたいと思います。

2.疑問点
(1)令和3年4月21日さいたま市産業廃棄物指導課監視係より、群馬県産業廃棄物リサイクル課に提供された情報の内容を、群馬県はなぜ公表しないのでしょうか。内容を記録していない、というのでしょうか。それなら、何故、また、どうやって(口頭、それとも書面等)、翌日になって群馬県警生活安全課に伝えることができたのでしょうか。
(2)令和3年4月30日(金)の通報記録に初めて手書きで上記内容が記載されています。情報開示請求があったため、あわてて、記録を整理したものと思われても致し方ありません。なぜなら、開示資料が日付順に記録されていないからです。後になって、日付等の訂正など、手書き記入を行った背景がうかがえます。
(3)令和3年5月11日(火)調査記録(11:30~11:50)によると、「令和3年5月11日○○の土壌検査に行った際、同会社の事務長である〇〇氏より、情報提供を受け、発覚した事案である。」と記載されています。これが事実とすれば、不可思議なことがあります。何故なら、令和3年4月30日の通報記録には、手書きで「4月21日」と追加されているからです。これは、令和3年6月2日の調査記録にはパソコン等により、印字されているので、仕方なく、同年4月30日の通報記録に記入したものと考えられるのではないでしょうか。すなわち、同年4月21日の情報提供から、群馬県は同年5月11日○○の土壌検査に行った際、同会社の事務長である〇〇氏より偶然提供された情報を知るまでは、なにもしなかったことが明らかにされたことになります。果たして警察にすぐに情報提供したかも、疑わしくなってきます。この時の経緯について、群馬県はもういちど時系列的に証拠を示して説明する責任があります。
(4)この土地の埋立て(形質の変更)に際して、群馬県環境保全課に土砂条例による特定事業許可申請がありました。この申請では、埋め立ての埋立て目的は「太陽光発電施設」となっていました。群馬県土砂等による埋立て等の規制に関する条例(認可の取り消し等)第21条二を見ると「偽りその他不正の手段により第8条第一項の許可を受けたとき」とあります。なお、同条例第8条には「特定事業を行おうとする者は、特定事業の用に供する区域ごとに、知事の許可を受けなければならない」との定めがあります。すなわち、群馬県土砂等による埋立て等の規制に関する条例違反であり、罰則が二年以下懲役又は百万円以下の罰金が科せられることになるのではないでしょうか。何故、群馬県はこの条例を行使しなかったのでしょうか。
(5)産業廃棄物は、排出業者にも大きな責任を課しています。これは、平成29年3月21日付環廃対発第1703212号・環廃産発第1703211号の「廃棄物処理に関する排出事業者責任の徹底について(通知)」に明示されています。群馬県がまさかこの通知を知らないわけはありません。その中に「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」と排出事業者の責任が規定されています。このことを群馬県は、承知していないのでしょうか。
(6)同上の排出事業者の責任に関する環境省の通知は、平成28年1月、建設廃棄物について、下請け業者に処理の委託を無責任に繰り返し、最終的に処理能力の低い無許可解体業者によって不法投棄がなされた不適正処理事案が判明したことがきっかけです。この事案の構図は、本案件ときわめて類似しています。群馬県は本案件の処理についてどうするつもりなのでしょうか。
(7)建設工事においては、排出事業者は元請け業者です。排出事業者は産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、許可業者との間で「産業廃棄物処理委託契約書」を締結し、委託した産業廃棄物の引き渡しと同時にマニフェストを交付しなければなりません。しかし、群馬県が令和5年4月17日に当会に開示した令和3年?10月22日の契約書のコピーは黒塗りにされています。群馬県は、なぜこれを黒塗りにしなければならないのか、黒塗り(不開示)とした理由について、当会をはじめ県民に対する説明の必要があります。
(8)群馬県は、「マニフェスト」というものを知っているのでしょうか。マニフェストは、排出事業者が7枚複写のマニフェストに必要な事項を記入し、交付担当者がサインした後、産業廃棄物と共に7枚全部を収集運搬車に渡します。収集運搬業者に産業廃棄物を引き渡す際に、お互いに記載事項を確認します。運搬事業者、最終処分業者に引き渡され、処分終了通知を受け取ります。処分通知書を受け取った日から、排出事業者は5年保管の義務があることを認識していなければなりません。当然ながら、群馬県がマニフェストをもとに排出者責任を追及し、責任の所在の明確化を図れる権限を有するわけですが、群馬県はその自覚があるのでしょうか。
(9)群馬県は、地元からの説明会の要望を、何故断るのか、その理由をわかりやすく住民に説明する必要があるのではないでしょうか。
(10)群馬県議会の一般質問に対する回答として、群馬県は「早期発見が重要である」と答弁しています。このことについて、群馬県は「早期発見したのに、廃棄物が搬入されている」という現状をどう考えるのでしょうか。群馬県には、きちんと県民に説明する責任があるのではないでしょうか。
(11)群馬県は、今後の対応をどうするつもりなのでしょうか。廃棄物排出事業者、無許可業者、搬入者の処分を考えているのでしょうか。
                            以上
**********

■当会の会見の模様は、さっそくその日の午後6時半からのNHK前橋放送局の「ほっとぐんま」で報道されました。

**********NHK News Web 2023年05月12日17:16
桐生市新里町の私有地に廃棄物大量投棄で市民団体が記者会見
 
https://www3.nhk.or.jp/lnews/maebashi/20230512/1060014443.html
 桐生市の私有地に大量の廃棄物が投棄され、生活に影響が出ているとして、12日、市民団体が記者会見を開き、廃棄物の早急な処分を訴えました。
 廃棄物が大量に捨てられているのは桐生市新里町にあるおよそ4400平方メートルの私有地です。
 市民団体や県などによりますと、おととし4月から去年12月ごろまでの間、木片や廃プラスチックなどの廃棄物が大量に捨てられ、現在も撤去されずに放置されています。
 この廃棄物によって悪臭の発生やごみが周囲に飛来するなど生活に影響が出ているとして市民オンブズマン群馬のメンバーが桐生市で記者会見を開きました。
 この中で、市民団体は県の対応の問題点を指摘し、さいたま市から県に対し、情報提供があり、早期に対策することが可能であったことや、関係する業者への指導が不足していることなどをあげました。
 そのうえで、県に対して近隣の住民に対する説明会の実施や、「行政代執行」で早急に廃棄物を処分することなどを求めました。
 一方、県によりますと、おととし4月以降、近隣住民から廃棄物に関する通報が60件以上寄せられているということですが、調査の結果、現状では周辺の生活環境に支障はきたしていないとしています。
 県は継続的に現地調査を行って、現状を把握するとともに、所有者の所在地の確認を進め、廃棄物を適正に処分するように指導することにしています。
 群馬県の須田恵理子・環境森林部長は、11日の記者会見で「新たな廃棄物を持ち込まないことや、少しずつでも廃棄物を適正に処理するよう繰り返し指導してきた」と説明する一方、現時点で、私有地の所有者と連絡が取れていないことを明らかにしました。
 そのうえで、「必要があれば行政代執行なども選択肢として排除せず検討していきたい」と述べ、桐生市や警察とも連携し、継続的に働きかけていく考えを示しました。
 廃棄物が大量に捨てられている桐生市新里町の現場では道路に面した東側に高さ3メートルほどのフェンスが設置されています。
 建築廃材などが山積みになっているのが確認でき、廃棄物の一部はフェンスよりも高く積み上がっています。
 また、私有地の西側は斜面になっていて、大量の袋や木片が捨てられていました。
 近くに住む60代の男性は「庭から見える景観の良さからこの土地に引っ越してきたが、庭と山の間にごみが積まれてしまってとても残念です」と話していました。
 この男性によりますと、おととしの春ごろから廃棄物が搬入されるようになったということで、当時の状況については、「外国人とみられる作業員がダンプカーで1日に何回も運びに来ていた」と話していました。
 また、男性は「風で家の敷地にもごみがたくさん飛んできた」と語り、敷地内に飛んできたごみを集めたという袋には、汚れたプラスチックごみや発泡スチロールが袋いっぱいに詰め込まれていました。
 そのうえで、男性は「風の強い日は洗濯物を干せないので近所の人たちもとても迷惑している。責任問題の追及というよりも、元通りの景観に戻してほしいというのが一番の願いです」と話していました。
**********

■なお、今後、依然としてこの事件に関する重要な状況が未開示となっており、また、新たな疑問点なども生じていることから、今後、当会としても、群馬県に対して更なる情報開示請求や公開質問状の発出が必要と考えております。

※この記事で掲載し切れない関連情報については、別立てで「資料編」の記事としてお知らせします。

【5月13日追記】

**********桐生タイムス2023年05月13日16:30
市民オンブズマン群馬が会見 県に廃棄物の早期処分求める─新里廃棄物問題
 
会見する市民オンブズマン群馬の小川代表㊨と長澤副代表(桐生市役所記者クラブで)
 桐生市新里町鶴ケ谷の私有地に廃棄物が山積している問題で、県に情報開示請求していた市民オンブズマン群馬(小川賢代表)は12日、市役所で会見した。
開示資料では廃棄物の搬入が始まった直後に、県がさいたま市から情報提供を受けていたことが判明。地元住民からの情報提供で分かったとする別資料との矛盾を指摘した上で、同団体は「県はもっと早期に踏み込んだ対応ができたはず」として、県に廃棄物の早期処分を求めた。

★情報提供巡る矛盾を指摘★
 会見には小川代表と長澤健二副代表が出席。同団体が2月17日付に行った情報公開請求を受け、県が4月17日付で開示した資料を示し、県の対応の問題点を指摘した。
 特に強調したのは、廃棄物の搬入が始まった直後の
2021年4月21日に、さいたま市産業廃棄物指導課監視係から群馬県に情報提供があったことを示す文書。「にもかかわらず、現地調査が行われたのは同年5月11日」と県の対応の遅さを批判した。
 さらに別の開示資料について「5月11日に違う目的で現地調査に赴いた際、地元の人からの情報提供で(同問題が)発覚したとの記録が残っている」として、これらの文書には矛盾があると指摘した。
 その上で、「県がさいたま市から早期に除法提供を受けていたのであれば、県はもっと早期に踏み込んだ対応ができたはず」と主張。行政代執行による廃棄物の早期処分などを県に求めた。
 同団体は今後、さいたま市からの情報提供の詳しい内容などについて、県にさらなる情報開示請求を行う考え。併せて県知事宛の公開質問状の提出も検討するとしている。
 県の須田恵理子環境森林部長は11日の記者会見で、「これまで現場の関係者に新たな廃棄物を持ち込まないこと、少しでも廃棄物を適正に処理することを繰り返し指導してきた。現在も週に1回程度、現場に関係者がいれば指導を続けている」とした。
 その一方で、「(市有地の)所有者とは現時点では連絡を取れていない」とも説明。今後の対応については「引き続きどういった状況か確認し、必要があれば行政代執行の前提となる措置命令についても、選択肢としては排除しないで検討したい」と述べた。
 現地は県立ぐんま昆虫の森入り口から約300メートル南の里山西斜面。登記簿によると、市有地は4566平方メートルで、埼玉県川口市在住の外国人とみられる土地所有者が21年5月に購入。同団体などによると、同年4月頃から同地に大量の廃棄物が持ち込まれ、現在も撤去されずに放置されている。

**********上毛新聞2023年5月13日
「早期撤去の措置命じるべきだった」 新里産廃問題でオンブズマン
 桐生市新里町鶴が谷の私有地に廃棄物が山積している問題で、これまでの県の対応について情報開示請求していた市民オンブズマン群馬(小川賢代表)は12日、市役所で会見を開いた。開示記録によって廃棄物の班夕が始まった直後の2021年5月、県が現場をして指導したことが判明。オンブズマンは「早期に撤去の措置命令をすべきだった。県の対応ミスだ」と指摘した。
 開示された県廃棄物・市サイクル化の対応に関する記録などによると、21年4月21日、さいたま市から県に不法投棄に関する情報提供があった。5、6月に県の担当者が廃棄物を確認し、その場にいた解体業者に指導。しかし搬入は止まらず、県の対応は撤去や適正処理を求める指導書の交付などにとどまった。
 長澤健二副代表は「再発防止の為県は排出業者を特定して、市は帰省する条例を設けるべきだ」と訴えた。県は「所有者と連絡を取り、撤去を求めたい」としている。
(三神和晃)
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【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


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