■現在、日本で進行している社会現象として必ず挙げられる少子高齢化。96歳の母親を持つ筆者も今年古希を迎えますが、この高齢化率の定義は0~14歳を年少人口、15~64歳を生産年齢人口、65歳以上を高齢者人口とした場合、総人口に占める高齢者人口の割合を指しています。そして、高齢化率が7%以上を高齢化社会、14%以上を高齢社会、21%以上を超高齢社会と呼びならわしています。
総務省が2020年に行った国勢調査の確定値によると、我が国の総人口は1億2614万6099人で、そのうち65歳以上は3533万5805人で、高齢化率は28.01%、平均年齢は47.66歳でした。上述の基準に当てはめると、我が国は完全に超高齢社会に突入している状況にあると言えます。
こうした中、神奈川県の三浦市で、病の父親を介護する54歳の息子さんから、行政による差別的な不正行為とも言える事件に巻き込まれた状況について、情報提供がありました。
↑三浦市役所本館↑
■事件の概要
息子さんは一人っ子のご長男で一人暮らしの父親(2018年末、86歳にて死去)がおりました。しかし市役所の不可解な言動や、地域包括支援センター (高齢者の暮らしを地域でサポートするための拠点として、自治体などにより設置されている機関) の個人情報漏洩など、違法性をもつのではないかとみられる行政側の言動があり、市役所らの意向により息子さんの父親は数年間、病気治療が受けられない状態が続いてしまい、2018年の暮れに高齢者ドライバーの運転する軽自動車と交通事故にあい亡くなってしまいました。
この件の問題点は以下の4点ではないか、と息子さんは考えています。
①地域包括支援センターによる個人情報漏洩
②深刻な薬物依存であるアルコール依存症への認識不足
③市役所などによる特定の市民納税者個人に対する実質的な差別・虐待(偏見)
④全国いたるところどこの地方にもある特異な地縁・血縁の弊害
↑地域包括支援センターは三浦市の特別養護老人ホーム「はまゆう」内にある。↑
■背景と発端
息子さんと、息子さんが介護するはずだった父親の身の上に起きた件は、息子さんたちが昔から暮らしてきた神奈川県の三浦市で起きました。今回の件がもとで父親は亡くなり、息子さんは「社会的な信用」も失い、人生も大きく変えられてしまいました。
今から11年前の2011年当時、息子さんは両親と同居し、病身の母親を息子さんが介護していました。息子さんの父親はアルコールを飲むと暴力をふるうなどのDV問題があり、母親は闘病中も夫からDVを受けていました。
同年6月、残念ながら母親が亡くなり、相談相手を失った息子さんは、アルコールの問題を抱える父親の生活について、地域包括支援センターに相談しました。その直後、父親が体調を崩したため、地域包括支援センターと市役所職員に久里浜アルコール症センター(現・久里浜医療センター)へ父親を入院させるための手配・同行をしていただきました。そして父親は久里浜アルコール症センターに入院しました。
↑独立行政法人国立病院機構の久里浜医療センター。昭和38年に日本で初めてアルコール依存症専門病棟を設立し、以来、現在までアルコール依存症の専門治療を行っている。↑
息子さんの父親はアルコール依存症だけでなく、アルツハイマー型認知症と食道ガンがあると診断されたため、久里浜アルコール症センターで初期治療を受けたあと、同センターに紹介された公立病院で食道ガンの本格治療を行なうために入院することになりました。そして、退院後に老人介護施設に入所して、息子さんと介護施設と久里浜アルコール症センターとが連携しながら、父親のアルコール依存症と認知症の治療を進めるという方針が決まりました。
ところが以前から「不可解な言動」をとる父親の妹弟 (きょうだい) の存在があるため、息子さんは父親の入院に対して久里浜アルコール症センター入院中と同様に、入院の前から公立病院側に注意をお願いしていました。しかし、それにも関わらず、公立病院の不注意から、父親の退院日時の情報が妹弟に漏れてしまい、父親は妹弟に連れ去られてしまったのです。
息子さんの父親を支配した妹弟は、父親を連れて年金事務所や銀行を訪れ、父親の年金口座を確認し、父親を連れ去った後に新たに作った銀行口座に父親の年金の振り込み先を変えたり、他の銀行では「通帳と印鑑をなくした」と父親に言わせて貯金を下ろしたり、父親名義の生命保険を解約しようと企てました。
■事件にまつわる4つの問題点
このような事態を招いた背景について、息子さんは上述のとおり以下の4つの問題点があると考えています。
①地域包括支援センターによる個人情報漏洩
このような事態に至ったのは、地域包括支援センターが、父親の久里浜アルコール症センターへの入院直後に息子さんの許可なく、父親の妹弟らに迫られ、「ご親族はお父さんの妹弟です」と勝手に判断し、息子さんの支援センターでの相談内容などの個人情報をコピーして手渡してしまったことが発端でした。この情報漏洩を息子さんが知った経緯は“受け取ったコピーを息子さんの父の妹弟が息子さんの自宅の近隣の家に持って回る騒動”を起こしたことで判明しました。明らかに同支援センターによる個人情報の漏洩です。
この最初の軽率な対応が、父親の妹弟の身勝手な言動を煽る原因となりました。また同支援センターは、父親の病状を了解しているにも関わらず「息子さんと、お父さんの妹弟、どちらの言っている事が本当なのか分からない」「ご妹弟の許可を頂けなければ何もできません」とも発言しています。息子さんは「父親の妹弟と接触した後の支援センターのこうした言動は、とても高齢者の暮らしを地域でサポートするための拠点として設置された機関の危機管理体制とは思えません」と地域包括支援センターのずさんな個人情報の管理体制に憤りを感じています。
②アルコール依存症への認識不足
地域包括支援センターを取り込んだ妹弟は、今まで以上に悪質な言動をエスカレートさせました。妹弟の言動に苦しめられた息子さんは、心配するご近所のかたからも励まされて、金銭トラブルでも知られた妹弟も加わっているので、保健所や人権擁護委員にも相談しました。また、人権擁護委員からの助言もあり、妹弟の言動や起こった出来事についての記録を取り、父親が妹弟に連れ去られた際は、地元の司法書士の支援を受けて「成年後見人制度」も申し込みました。
成年後見人制度というのは、認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々にとって、財産管理(不動産や預貯金などの管理、遺産分割協議などの相続手続など)や身上保護(介護・福祉サービスの利用契約や施設入所・入院の契約締結、履行状況の確認など)などの法律行為をひとりで行うのが難しい場合や、自分に不利益な契約であることがよくわからないままに契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあることから、このような判断能力の不十分な方々を法的に保護し、支援するための制度です。成年後見制度には、法定後見制度の他、任意後見制度があります。
しかし息子さんは、父親本人に代わり財産管理と身上監護に関する、法律行為を行う者(成年後見人)として選任されるため、長男として申し立てを行ったのにもかかわらず、申し立ての最中に一度も発言の場を与えられることはありませんでした。
それどころか裁判所は、アルコール依存症を患う父親の状況を軽んじて、父親を支配している妹弟の言い分を中心に成年後見人制度の手続きを進めてしまいました。父親の主治医でもある久里浜アルコール症センターの医師が「私が鑑定をします」と書類に署名していても、裁判所は「鑑定医を代えます」と言いだし、息子さんが「鑑定医はアルコールの専門医にして下さい」と裁判所にお願いしても、裁判所はアルコールの専門医に何人も鑑定を断られてしまい、結局アルコール依存症専門の鑑定医を探し出せませんでした。
あげくに裁判所は、息子さんの父親を鑑定した医師が「高齢で二度とお酒を飲まないと言えるのは立派。現在は妹弟の方の家に同居なさっているので、妹弟の方達のお話で十分。息子さんにお話をうかがう必要はない」と、妹弟からの意見を聞き入れてしまい、アルツハイマー型認知症のアルコール依存症者の成年後見申立とは思えない結果となり、息子さんは成年後見(補佐)の選任を受けられなくなってしまいました。
裁判所は、成年後見人の申立人の息子さんを置き去りにしたまま、アルツハイマー型認知症のアルコール依存症者の実情を理解しようとせず、必要以上の関わりを強調して主張する妹弟の言動の信憑性に注目することも無く、後見人制度の本来の目的を見失ったかたちで裁定してしまいました。
その後、息子さんの父親は妹弟に黙って妹弟の家から自宅に戻って来てしまい、酒を飲みだす生活に戻ってしまいましたが、父親の保険証や年金、実印までもが妹弟に持たれたままで、父親の名義の生命保険も(息子さんが自宅を離れた翌月)2014年4月に解約(2020年、弁護士により解約を確認)されてしまいました。息子さんは、そうした一連の事態悪化を防ぐことが出来ず、もし後見補佐が取れていれば、と悔やんでおられます。
③地元市役所などによる差別・虐待(偏見)
困った息子さんは地元市役所に助けを求めました。ところが、「診断書」があるにもかかわらず、医師でもない市の担当者が、「私は何人もアルコール依存症者を見て来たが、お父さんはアルコール依存症ではありません」と決めつけたのでした。
市の担当部署は、病を患い支配されている息子さんの父親の言葉を盾に、“診断書”や“家族”を無視して息子さんを排除し、父親に対して法的・社会的に責任を負えない息子さんの従姉(父親の姪)を「父の保護責任者」と勝手に決定してしまいました。それどころか市役所は、長男である息子さんの相談すら受け付けようとせず、あろうことか、息子さんの父親に関する行政窓口での手続きの制限を各部署に“指示”するなど、およそ「ありえない」対応を息子さんに対して執ったのでした。
息子さんは、更に市内の社協・保健所などの地域資源(自治体、介護事業者、ボランティア団体、NPOなどが提供する介護サービス)にも助けを求めました。ところがこれらの地域資源はいずれも市役所に同調していて、保健所までもが「『何もするな』と市役所から“指示”が出ています」と放置する始末でした。このように、地域資源の中ですら、息子さん父子が直面している事態についての行政対応が問題視されることはなく、何ら変化・改善が見られることはありませんでした。また地域資源からは、不適切な対応についての陳謝もありませんでした。
④全国至る所どこの地方にもある特異な地縁・血縁の弊害
こうした市役所らの対応に疑問を抱いた地元の司法書士は、2012年当時、市の社協主催の“成年後見受任関係団体情報交換会”で、「息子さんの件を議題に取り上げましょう」と地域包括支援センターに持ちかけて、一度は議題に決まった経緯がありました。
ところが地域包括支援センターは、情報交換会当日に突然、「準備不足」を理由に息子さんの件を議題から取り下げてしまい、その後二度と情報交換会で取り上げられることはありませんでした。仮にこの会議で息子さんの件が取り上げられていれば、市役所など地域資源の抱く“先入観”に対して、外部からの目や客観的な意見などで、常軌を逸した妹弟の言動を止められ、改めることが出来たのに、と悔やまれます。
そもそも、市の社協主催の成年後見受任関係団体情報交換会は、このような困難な事案について話し合う会議であるべきです。ところが、息子さん父子の共倒れを防ぐ機会は、地域包括支援センターにより、情報交換会から取り下げられてしまい、息子さん父子の抱える問題は「うやむや」にされてしまいました。なぜ取り上げなかったのか、その理由は未だに釈然としません。
「早く成年後見など、法的にするべきだ」と、専門家である地元の司法書士が訴える状態であるのに、実態はこのありさまです。市役所や地域包括支援センターは、息子さんの父親の久里浜アルコール症センターへの入院の「手配・同行」を行い、入院中の父親に面会しているのですから、父親の病状は了解していたはずです。ちなみにその後、「成年後見受任関係団体情報交換会」は、開催回数も減り、現在は自然消滅しています。
上述のような一連の市内での出来事に直面した息子さんは、父親を支配している妹弟の言動と同調しているかのようだと、違和感を覚えています。そのようなときに、地元司法書士から、父親の妹弟の親戚で地元市役所に勤務している人物が「(息子さんの)父親の妹弟から実は相談を受けている」ことを知らされました。
今回の件で息子さんを支援している地元司法書士は、地元地域の土地柄について、こう述べています。
「この地域は、このあたりの他の町に比べて地域の連帯が強い土地柄です。近隣の旧家では今でも隣組があり、冠婚葬祭等は必ず協力しています。住民同士も知り合いが多く、地縁血縁も濃厚です。これは地域で生活する上で暖かい潤滑油として機能します。ただ、その一方で、親族間で揉め事などが起きてギクシャクしたときは、こうした結び付きの強さが裏目に出ることにもなります。古くからの住民で行政機関に勤務している人も少なくないので、福祉のことなどで行政に相談に行くような場合、担当の職員が知り合いだったり親族だったりすると、担当の職員が気持ちの上でやや引けてしまい、本来の対応が出来なくなることもあります」
■この結果、「支援・相談」を求めても、市役所をはじめ市内の社協・保健所などの地域資源の不可解な言動によって、市内における支援を失った息子さんは、父親を治療に繋ぐための活動のほか、父親の銀行預金の管理や保険の継続に加え、問題解決のための支援探しなど、成年後見制度も使えないまま、次々に起こる事態の収拾に追いまわされるはめに陥ってしまいました。息子さんは、アルコール依存症が“再発”してしまった父親とともに、身動きが取れなくなりました。
何も出来なくなった息子さんは、支援者の方からの助言も受けて、不本意ながら父親を残して、2014年3月、自宅を離れることにしました。
父親は、市役所ら地域資源の意向により、治療も受けることなく、アルコールを好きに飲み、父親の妹弟に支配されて生活する事になりました。この状況は息子さんの再就職活動にも影響しました。さらに息子さんは、働くための環境作りで父親の介護について疑問を抱かれ、面接で酷い質問を繰り返され、就活への向き合い方にまで注意を受けることとなり「介護に振り回される息子」と判断されてしまい、精神的にも辛く追い込まれ、その日常は困難を極めています。
息子さんは、市役所など地域資源を始め冒頭の公立病院に対して、数回「書面での説明」を求めましたが、その回答は“あいまい”な内容でした。地域包括支援センターからは一度回答が来たものの、その回答に対して質問を返すと、それ以上の回答は頂けませんでした。そして市役所からは、一度たりとも回答は頂けませんでした。
■そして2018年12月25日 午前9時32分ごろ、息子さんの父親が高齢者の運転する軽自動車にはねられる交通事故に遭い、5日後の30日に亡くなるという最悪の結果に至ってしまいました。
さらに地元の市役所の対応は、父親のこの緊急事態の時にも弊害と成ったのでした。交通事故に遭った父親の身元がすぐに判らなかった地元警察は、市役所や社協に問い合わせをしました。その際に市役所は、息子さんの連絡先を確認できるのに、「(息子さんの父親の)保護責任者はこの方です」として、息子さんの従姉の連絡先を答えただけでした。
肉親の安否について一刻を争う際にも、三浦市役所は、およそ行政とは思えない言動を繰り返したのでした。そして、警察から息子さんに「お父さんが交通事故にあい危篤です」の連絡が入ったのは、事故発生当日の午後になってからでした。息子さんの父親が「何かあったときは息子に連絡をしてほしい」とかつて交番に伝えていた息子さんの連絡先を、警察がようやく確認した時は、事故発生からすでに数時間以上経っていました。
その後、2019年6月20日、息子さんの事件について協力いただいている地元の市議会議員に同行してもらい、息子さんは地元市役所に「情報開示等請求書」を提出しました。しかし、その際にも市役所からは、父親の成年後見人ではないなど制限を受けて、法定相続人であっても自分自身の個人情報開示請求しか許可されませんでした。
その結果として息子さんに開示された書類は息子さん自身の個人情報であるにもかかわらず、黒く塗りつぶされた部分がたくさんありました。その一方で、黒塗りされていない部分には、以前に息子さんが市役所など地域資源に送った「書面での説明」について、市役所を中心に市内の地域資源が集まり話し合った記録もありました。しかし、その記録から、息子さんの事件について、誰ひとり疑問を抱くこともなかったことが分かりました。
また息子さんのことを、“隠語”のような表記で書類に記載し、処理していたことも明らかになりました。さらに息子さんが父親の年金を当てに生活を考えている様にもとれる記載や、事実確認もせず息子さんのことを「主の病状に問題がある」と、息子さんを“病人扱い”している記録も確認できました。
そこでさらに、息子さんは、上記の地元市議会議員の力添えを引き続きいただきながら、前回開示されなかった息子さんの個人情報に加えて、父親のケース記録 (当会注:介護記録・ケース記録とは、介護サービス事業者が利用者にどのようなサービスをしたのかを記録した介護経過記録のことをいいます、介護保険法では、介護記録の作成と保存が義務付けられています) 、まだ開示されていない情報など、家族を破壊し父親が交通事故で亡くなるに至った行政の言動を追及するために、市役所に対して情報開示請求をしたのでした。ところが、不十分な開示結果であったため、それらの非開示処分に関して息子さんは、地元市議会議員と市役所に審査請求を行いました。すると、審査会(第三者委員会)が、2020年3月から開かれ、同10月に終了したので、市役所より翌11月に裁決書が届きました。
その裁決書の中で、市役所は、「情報開示をしない」とする決定をくだしました。その結果、市役所は、息子さんの父親のケース記録はもちろん、息子さんの黒塗りの個人情報、まだ開示されていない息子さんの個人情報なども含めて、息子さん自身が自分の個人情報を確認できない状態にしてしまいました。つまり、今回の件で息子さんが市役所に対して、何故このような事になったのか、不服申立をする機会をも奪われてしまったわけです。
■「事実と解釈」、地元市役所ら地域資源は、行政と言う公の立場で、息子さんの父親の病を軽んじ、息子さんを排除し、事実確認を怠り、診断書や家族などを無視して先入観で誤った解釈のまま疑問を抱かず突き進みました。
この事件を放置してしまえば、息子さん父子の共倒れは容易に想像がつくと考えた地元市役所ら地域資源は。地元司法書士の警告も聞き入れず、息子さん父子に対し、地域包括支援センターや保健所までもが加わり、アルコール依存症の父親にアルコールを飲める環境を与え、息子さんの計画をしていた父親の治療の妨害を推し進めました。
息子さん父子の共倒れを、あたかも楽しむかの様なこうした仕打ちは、およそ行政とは思えない言動です。こうした仕打ちを繰り返し受けた息子さんの父親は交通事故に遭い、息子さんは人生を大きく狂わされてしまいました。息子さんは、行政に対して書面にて説明を求めても、行政は息子さんに回答しようとせず、責任逃れをはかるために情報開示すら拒み続けました。
息子さんが支援を受けている、元ジャパンマック(多様な依存症からの回復の手助けをする民間の依存症リハビリテーション施設)のワーカーによると、「アルコール依存症は“否認の病”ともいわれ本人は病気を認めたがらない傾向にあり、否認、現実逃避、自己中心、刹那主義、などの傾向がよくみられます」とのことです。そのうえ父親はアルツハイマー型認知症も患っています。
■ここまで述べてきたこの事件の経緯に関して、市役所や地域包括支援センターへの呼びかけなどで息子さんを支援している地元司法書士は、「メディアの方の取材を受けても良いです」と息子さんに伝えています。しかし、メディアはなかなかこうした行政の事務事業に関する事件についてとりあげようとしません。
息子さん父子が受けた、三浦市役所ら地域資源による不可解な言動から浮き彫りになったことは、住民目線とは異質の行政対応の問題性です。アルコール依存症は、ただの「酒飲み」ではなく、その他の依存症と同様に、当事者の家庭を破壊するほどの深刻な依存症のひとつです。
息子さんが何度と訴えても取り合わず、息子さん父子家族を破壊する対応を続けた行政のことを、息子さんは決して許すことができません。
■この問題を寄せていただいた当会では、昨年末に実際に息子さんと面談する機会がありました。
息子さんの在住する神奈川県内のオンブズマン組織では、こうした個々の住民が行政から酷い仕打ちを受けている事案はなかなか取り上げてもらえないということで、群馬県外での事件にもかかわらず、群馬県で活動する当会に情報提供をいただきました。
少子高齢化が世界トップクラスの速度で進行する我が国において、息子さんの直面しているこの事件は、現在の介護福祉行政が陥りかねない問題を提起していると言えるでしょう。
引き続き当会は、この問題を広く社会に伝えるために微力ながら支援を惜しまぬ所存です。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※この記事には続報があります。ぜひ、続報もご覧ください。↓
○2024年9月17日:【続報】高齢化社会と行政の役割・・・神奈川県の三浦市で起きた行政ハラスメントから見えて来る行政の堕落↓