■9月4日(日)の午後3時55分発のウラジオストク航空機で沿海州に向かおうと成田空港のターミナル1のHカウンターに行ったところ、機材のやりくりがつかなくなったという理由で、翌5日(月)の午前9時出発に変更となりました。
↑台風12号の真上を飛ぶウラジオストク航空の中古のエアバス320型機。↑
台風が予想より西側のコースを辿ったため、フライトには影響がないと安心していたところ、全く別の理由なので、肩すかしをくらった感じです。
いずれにしても、台風が一層日本から離れて、月曜日の成田の天候はさらに良好でしたが、予定通り成田を飛び立ったエアバス320型機は間もなく分厚い雲の上に出ました。明らかに台風12号による雲です。
通常、高度1万メートル以上の成層圏は、台風の場合でもほぼ安定した気流ですが、さすがに大量の雨を降らせた台風12号の空気の流れは成層圏の下側まで届いているらしく、ところどころに下から吹き上げる雲の塊が見えます。
そうした場所に差し掛かると、比較的小さなエアバス320の機体は大きく揺れ、各コップのお茶が一部こぼれだす程でした。あとから台風のコースをチェックしてみると、ちょうど日本海の真ん中あたりで一番揺れたので、台風の目からかなり近いところを飛んでいたと思われます。
■やがて、そこを過ぎると飛行は再び安定し、間もなく降下体勢にはいり、雲の切れ間から沿海州の森林が見えましたが、通常は、ウラジオストク航空に進入する場合、東側から着陸態勢に入るのですが、今回は珍しく西側から東側に向かって進入しました。明らかに台風が近づいてきている証拠です。
現地時間9月5日午後2時(日本時間正午)の着陸時も、かなり機体が左右に揺れましたが、無事に着地しました。ターミナル前の駐機場で停止後、外に出ると相当強い風が吹いていましたが、まだ晴れ間が見られました。ウラジオストク市内に向かううちに、雲の流れが次第に激しくなり、雨もぱらついてきました。
午後6時過ぎになると風が次第に強くなり、雨も激しく降り出しました。その夜ナホトカに移動しましたが、雨は断続的に降り出していました。
↑ウラジオストク市内の石炭火力発電所の煙突の煙も強い風で横にたなびく。5日日本時間午後4時40分。↑
■6日の朝8時(日本時間6時)にナホトカの近くの町に向かいましたが、風雨はかなり強くなりはじめていました。
↑ナホトカ郊外の道路。6日日本時間午前6時32分。↑
そのあと、湾内を船で見物しましたが、海上は風波が強くフード付きの合羽を着ていても、横殴りの雨で顔に雨粒が当たりびしょ濡れになるほどでした。
↑横殴りの雨に煙るナホトカ近郊の湾内。6日日本時間午前9時16分。↑
6日の夕方までナホトカ地方は風の影響が残り、地元の人に聞くと、沿海州の南側はさほどではなかったが、北部では雨が沢山降り、日本と同じく洪水の被害が出たそうです。
↑風が次第に収まり始めたナホトカ港内。6日日本時間午後3時54分。↑
■これまでは、日本を通過した後はほっとしていましたが、実は日本を通過後も、こうしてロシアに被害をもたらしていることに気がつかされました。沿海州の人たちは、テレビで日本の被害のことをよく知っており、台風12号の北上に非常に関心を持っていました。
報道によれば、台風12号による日本での被害は、6日午後8時現在、12道県で死者48人、行方不明者58人の計106人に上り、死者・行方不明者計99人を出した2004年の台風23号を上回って台風災害としては平成最悪となったことが報じられました。
ロシアの沿海州での被害状況は現時点ではまだはっきりしませんが、9月4日の現地の新聞には次の報道がありました。
Currently, the typhoon left the territory of Japan is moving toward the Khabarovsk Krai and Primorye, where authorities have declared a storm warning. It is expected that "Talas " come to Russia in the night from 5 to 6 September and bring heavy rains and wind speeds of 20-25 meters per second. MOE urged local residents not to leave the settlements, not to travel by car and out into the open sea in boats and motor boats. In some regions of Primorye and Khabarovsk possible shortages of electricity.
■台風12号のアジア名はタラス(Talas)です。台風の被害は複数の国々に跨ることがあるので、各国の受けた被害を総合してみるのも歴代の台風の被害ランキングを比較する上で、興味深いかもしれません。
【ひらく会海外取材班】
↑台風12号の真上を飛ぶウラジオストク航空の中古のエアバス320型機。↑
台風が予想より西側のコースを辿ったため、フライトには影響がないと安心していたところ、全く別の理由なので、肩すかしをくらった感じです。
いずれにしても、台風が一層日本から離れて、月曜日の成田の天候はさらに良好でしたが、予定通り成田を飛び立ったエアバス320型機は間もなく分厚い雲の上に出ました。明らかに台風12号による雲です。
通常、高度1万メートル以上の成層圏は、台風の場合でもほぼ安定した気流ですが、さすがに大量の雨を降らせた台風12号の空気の流れは成層圏の下側まで届いているらしく、ところどころに下から吹き上げる雲の塊が見えます。
そうした場所に差し掛かると、比較的小さなエアバス320の機体は大きく揺れ、各コップのお茶が一部こぼれだす程でした。あとから台風のコースをチェックしてみると、ちょうど日本海の真ん中あたりで一番揺れたので、台風の目からかなり近いところを飛んでいたと思われます。
■やがて、そこを過ぎると飛行は再び安定し、間もなく降下体勢にはいり、雲の切れ間から沿海州の森林が見えましたが、通常は、ウラジオストク航空に進入する場合、東側から着陸態勢に入るのですが、今回は珍しく西側から東側に向かって進入しました。明らかに台風が近づいてきている証拠です。
現地時間9月5日午後2時(日本時間正午)の着陸時も、かなり機体が左右に揺れましたが、無事に着地しました。ターミナル前の駐機場で停止後、外に出ると相当強い風が吹いていましたが、まだ晴れ間が見られました。ウラジオストク市内に向かううちに、雲の流れが次第に激しくなり、雨もぱらついてきました。
午後6時過ぎになると風が次第に強くなり、雨も激しく降り出しました。その夜ナホトカに移動しましたが、雨は断続的に降り出していました。
↑ウラジオストク市内の石炭火力発電所の煙突の煙も強い風で横にたなびく。5日日本時間午後4時40分。↑
■6日の朝8時(日本時間6時)にナホトカの近くの町に向かいましたが、風雨はかなり強くなりはじめていました。
↑ナホトカ郊外の道路。6日日本時間午前6時32分。↑
そのあと、湾内を船で見物しましたが、海上は風波が強くフード付きの合羽を着ていても、横殴りの雨で顔に雨粒が当たりびしょ濡れになるほどでした。
↑横殴りの雨に煙るナホトカ近郊の湾内。6日日本時間午前9時16分。↑
6日の夕方までナホトカ地方は風の影響が残り、地元の人に聞くと、沿海州の南側はさほどではなかったが、北部では雨が沢山降り、日本と同じく洪水の被害が出たそうです。
↑風が次第に収まり始めたナホトカ港内。6日日本時間午後3時54分。↑
■これまでは、日本を通過した後はほっとしていましたが、実は日本を通過後も、こうしてロシアに被害をもたらしていることに気がつかされました。沿海州の人たちは、テレビで日本の被害のことをよく知っており、台風12号の北上に非常に関心を持っていました。
報道によれば、台風12号による日本での被害は、6日午後8時現在、12道県で死者48人、行方不明者58人の計106人に上り、死者・行方不明者計99人を出した2004年の台風23号を上回って台風災害としては平成最悪となったことが報じられました。
ロシアの沿海州での被害状況は現時点ではまだはっきりしませんが、9月4日の現地の新聞には次の報道がありました。
Currently, the typhoon left the territory of Japan is moving toward the Khabarovsk Krai and Primorye, where authorities have declared a storm warning. It is expected that "Talas " come to Russia in the night from 5 to 6 September and bring heavy rains and wind speeds of 20-25 meters per second. MOE urged local residents not to leave the settlements, not to travel by car and out into the open sea in boats and motor boats. In some regions of Primorye and Khabarovsk possible shortages of electricity.
■台風12号のアジア名はタラス(Talas)です。台風の被害は複数の国々に跨ることがあるので、各国の受けた被害を総合してみるのも歴代の台風の被害ランキングを比較する上で、興味深いかもしれません。
【ひらく会海外取材班】