■安中市の東南端の丘陵地帯で造成中の首都圏ではトップクラスの発電量となる安中ソーラー合同会社によるメガソーラー建設のための造成工事は、着工後約1年が経過しました。ところが、肝心の東京電力の送電網に連系する目途が立たないまま、群馬県が大規模開発条例による建設許可を出してしまったため、工事はズサンを極め、計画予定地内に5㏊あまり存在する里道や水路などの公有地の払い下げについては、払下げ申請前に重機を入れて造成工事を始める始末でした。さらに、予定地に隣接する市道の占有許可申請をしないまま勝手に排水パイプを敷設するなど、その無法ぶりは、さすがに中国資本の影を引きずる事業者ならではと言えるでしょう。
そうした中、着工後半年が経過した今年の4月に、事業者の意向を受けた東京電力が安中市役所に、送電線を市道の下に敷設して、もよりの高圧送電網に接続させたい、として下話をしたことが、最近になって判明しました。また、群馬県に対しては、県道を横切って送電ルートを確保するために、既に何回か安中土木事務所を訪れて下話をしていることが分かりました。
↑安中ソーラー合同会社「安中太陽光発電設備」2019年完工予定、場所:群馬県安中市、林地開発案件:約137万m2、太陽電池モジュール:63.2MW /PCS:42.8MW。↑
さらに、地元岩野谷地区の4区から6区の区長らや、隣の東横野地区の6区の区長らにも送電線の設置に関わる相談を行ったことが判明しました。
■しかしその際、東京電力は、地元区長らから「地権者がOKするならそれでよい」という言質を得ただけで、送電ルートにあたる地元住民に対して説明会を開催するということは一切、提案していないことが明らかになりました。
そのため、当会では、2017年9月17日に、東京電力のホームページから、次の問い合わせを行いました。
※東京電力のHP:東京電力エナジーパートナー「経営や事業活動に関するお問い合わせ」↓
http://www.tepco.co.jp/ep/support/index-j.html
〇「各種手続き・サポート・お問い合わせ」経営や事業活動に関するご意見・ご要望 ※次ページに記載の注意事項をお読みになり お送りいただきますようお願いいたします。↓
http://www.tepco.co.jp/ep/echo/index-j.html
**********2017年9月17日22時10分送信
https://www4.tepco.co.jp/cgi-bin/cformmail/cformmail.pl.cgi
安中市岩野谷地区で進行中の関東地方で最大級のメガソーラー発電施設の建設工事が、安中ソーラー合同会社により実施されています。事業者によれば、当初、パワーコンディショナーの配置場所を富岡市側に予定し、そこから発電した電力を小桑原地区を通過して、IHIエアロスペースの西側の山にある貴社の磯部線または西毛線の66kV特別高圧鉄塔まで県道に沿って合計8本の45m鉄塔を貴社が新設する計画でしたが、2016年7月に貴社からこの計画を聞かされた小桑原地区の住民の皆さんは、メガソーラー設置による気象変動や森林伐採による生態系の変動、とりわけイノシシによる農作物への被害の不安があるのと、高圧送電線が地区の住宅地の上空を切り裂く状況は到底容認できないとして、臨時総会を開催し、全員一致で「貴社の計画には協力できない」ということを貴社に伝えました。
そのため、貴社では送電ルートを変更し、貴社関連会社である東京電力パワーグリッド㈱群馬総支社用地グループが今年4月12日(月)午前10時に安中市役所を訪れ、安中市側への送電線新設工事に関して地元区長らへの説明結果及び今後の予定について報告しました。また、県道前橋安中富岡線を経由して岩野谷6区の市道に送電線を埋設する件で、県道を管理する安中土木事務所に数回計画説明と県道における送電線埋設工事の相談をしています。
つきましては、次の事項についてお願いがあります。
①地元代表区長や関連する各地元区長に説明したところ地権者がOKならよい、と言われたそうですが、工事で公道の道路占用を行うことから地元住民への説明会の開催の予定はありますか。もし未定であれば、ぜひ各地区の区長に開催の申し入れをしてください。
②現在の送電線の建設計画(工期、費用、ルート、工法などを含む)について教えてください。
ご多用のところ恐縮ですが、折り返しご返事をください。
**********
■これに対して、東京電力ホールディングスの100%子会社の東京電力パワーグリッド㈱群馬総支社(〒371-0805 前橋市南町3-60-3)の用地グループ担当・高橋氏(電話0278-98-4143)から、9月19日(火)18時06分、当会に次の内容の電話がありました。
それによると、「このほど頂いたお取合せに対する回答については、現在社内で検討中なので、折り返しの本日19日の時点では回答できませんので、その旨連絡させていただきます」というものでした。
これに対して当会からは「おおよその回答時期について、教えてください」とお願いしましたが、「検討してからになります」という返事でした。
■高圧の送電鉄塔が立ち並び、送電線が空中を切り裂くような風景は、これ以上、増やしたくありません。しかもそれが、中国の影を引きずるタックスヘイブンの外資会社が設立した特別目的会社=合同会社の事業のためなのであれば、なおさらです。
外資による群馬県内のメガソーラー建設プロジェクトとしては、201ね11月7日に県北部の高山村にスペイン資本によるメガソーラー施設が稼働開始しました。これはスペインのマドリードに本社を持つ建設会社イソルクス・コルサン社が高山村のゴルフ場跡地に34MWのメガソーラーを建設したもので、建設費は9000万ユーロ(106億円)といわれています。詳しくはこの記事の末尾の参考情報をご覧ください。
高山村の場合、このスペイン資本によるメガソーラーは、実在するスペインのゼネコンが、太陽光発電事業に関わる子会社の日本法人GTSジャパン㈱を通じてEPC(設計・調達・建設)作業により建設したものです。実態のある企業が進めていることから、責任の所在は明確です。
しかし、安中ソーラー合同会社の場合は、タックスヘイブンのペーパー会社によって設立されたもので、EPC(設計・調達・建設)作業は全て外部の日本企業に丸投げをしています。しかも、総額140億円という用地買収費(20億円か)と造成費、機器設置・調整費(計120億円か)は、日本のメガバンクの三井住友信託銀行が融資をしたものです。よって、この事業の責任の所在は、一体誰なのか、不安でなりません。
■このように、首都圏の上流部の広大な里山森林地帯が大規模に伐採され、造成され、いままさに太陽光施設が作られようとしていますが、驚くべきことは、当会が計画当初から指摘した国家安全上及び国土保安上の観点からの問題点について、群馬県など行政はもとより、元地権者の日刊スポーツ新聞社やその元締めの朝日新聞、さらに予定地に隣接するIHIエアロスペースや、肝心の日本政府の国家安全保障会議や防衛省さえも、全く無関心であることです。
東電からいつどのような回答説明があるのかどうか、予断を許しませんが、当会は我が国の主権確保の観点から、このメガソーラー施設計画の行く末をきっちりと見極めてゆく所存です。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報
**********「東京電力パワーグリッド株式会社」
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 東電PG
本社所在地 〒100-8560 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
設立 2015年(平成27年)4月1日
業種 電気・ガス業
法人番号 3010001166927
事業内容 一般送配電事業、不動産賃貸事業、離島における発電事業
代表者 金子禎則(代表取締役社長)
資本金 800億円
決算期 3月31日
主要株主 東京電力ホールディングス(100%)
外部リンク http://www.tepco.co.jp/pg/index-j.html
【概説】東京電力パワーグリッド株式会社は、関東地方と静岡県東部を供給区域とする一般送配電事業者である。東京電力ホールディングスの100%子会社であり、2016年(平成28年)4月1日、東京電力の持株会社への移行により、実質的に発足した(会社設立は2015年(平成27年)4月1日)。
東京電力パワーグリッドは、送電用・配電用の設備を維持・運用し、小売電気事業者のような事業者を相手に、送配電のサービスを提供する会社である。
持株会社への移行前の東京電力が、発電・送配電・小売供給の全てを行っていたのとは異なり、東京電力パワーグリッドは、大規模な発電所を持たず、通常の電力小売供給は行わない。ただし、東京都の離島である伊豆諸島と小笠原諸島では、例外的に発電所を所有し、発電・送配電・小売供給の全てを行っている。
コーポレート・アイデンティティについて、東京電力の持株会社体制発足に伴い、持株会社と他2社の事業会社は「TEPCO」をベースとしたロゴマークが制定されたが、東京電力パワーグリッドは、送配電事業の中立性を担保するため、他の持株会社や2つの事業会社とは異なる独自商標を制定した。
常に電気を送り続けることを象徴する「エタニティーマーク」を、安定感がある直線図形で表現。がっちりとした握手にも見える形状は、顧客や事業パートナーの信頼を「絶対に裏切らない」という意思を表している。
**********PressDigitalJapan 2016年11月11日19時48分
スペイン建設会社ISOLUXが群馬県でメガソーラーの建設を完了
スペインの建設会社Isolux Corsan社が日本群馬県東郡高山村ゴルフ場跡地に34Mwhのメガソーラー建設を完了、東京電力の送電網と通電したと発表した。 建設費は9000万ユーロだった。
建設が完了したメガソーラー(大規模太陽光発電所)は、34メガワット毎時の出力を誇り、15,000世帯の電力をまかなうことが出来、12,000トンのCO2排出削減を実現することができる。
ただ、Isoluxの太陽光発電事業者T-Solar社の日本法人GTS株式会社が発電業者となるが、T-Solarは現在20億ユーロの負債を抱えており、経営再建を行っている。
※参考情報
<イソラックスグループ 概要>
会社名 Grupo Isolux Corsan, S.A.
事業内容 EPC(設計・調達・建設)、インフラ事業、電力事業、公共施設運営事業
設立 1928年
本社 マドリッド市、スペイン
<ティーソーラー社 概要>
会社名 Grupo T-Solar Global, S.A.
事業内容 太陽光発電事業
設立 2006年10月
本社 マドリッド市、スペイン
株主 Grupo Isolux Corsan, S.A.
**********日経テクノロジーonline 2016/11/09 15:31
群馬県のゴルフ場跡で31MW、スペイン企業がメガソーラー稼働
↑Isolux Corsan社が手掛けた太陽光発電所の例(出所:Isolux Corsan社)↑
スペインの建設会社であるIsolux Corsan社は11月7日、群馬県において、出力約31.2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)が売電を開始したと発表した。
同社は、電力関連設備も多く手掛けている。日本においては、初めての太陽光発電プロジェクトとなる。同社グループの日本法人、Isolux Engineering合同会社がEPC(設計・調達・施工)サービスを担当した。
発電事業者も、Isoluxグループの太陽光発電事業者であるスペインGrupo T-Solar社の日本法人となる。
群馬県の中北部にある、吾妻郡の高山村に立地する。ゴルフ場の跡地に開発した。敷地面積は約81.65haとなっている。
総投資額は約9000万ユーロ(約103億円)としている。年間発電量は、一般家庭1万5000世帯以上の消費電力に相当する、34GWhを見込んでいる。
太陽光パネルは10万638枚、パワーコンディショナー(PCS)は26台、それぞれ設置した。
Grupo T-Solar社は、スペインをはじめ、イタリア、インド、ペルー、米国において太陽光発電所を開発しており、稼働中・施工中の案件は合計316MWとなっている。稼働済みの太陽光発電所による2015年の合計年間発電量は410GWhとなった。
Isolux Corsan社の太陽光発電所のEPCサービスは、稼働済みで合計出力766MWの実績がある。
(加藤 伸一=日経BPクリーンテック研究所)
**********日経テクノロジーonline 2016/03/16 00:20
群馬の山間部のゴルフ場跡に31MW、スペイン企業がメガソーラー
スペインの建設会社であるIsolux Corsan社は3月14日、群馬県において、出力31.2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設していると発表した。
群馬県の中北部、吾妻郡の高山村に立地する。総予算は約6000万ユーロ(約75億3600万円)としている。ゴルフ場の跡地に開発しており、敷地面積は約80haとなっている。
同社グループにとって、日本において初めての太陽光発電プロジェクトとなる。山間部の複雑な傾斜地に設置する難題に挑んでいるとする。
すでに、発電設備の一部(first line)は、連系用の変電所まで通電しているという。このメガソーラーの変電所は、22kV/154kV対応のGIS(ガス絶縁開閉装置)を備えている。
3月17日には、さらに一部(second line)が変電所まで通電する。10月28日に、東京電力の送電網に連系する予定となっている。
EPC(設計・調達・施工)サービスは、日本法人である「Isolux Engineering合同会社」が担当している。
発電事業者は、Isoluxグループの太陽光発電事業者であるスペインGrupo T-Solar社の日本法人、「GTS株式会社」となる。GTS株式会社は、SPV(特別目的事業体)である、「Shinsen Kankyo Local System」を通じて設立したとしている。
(加藤 伸一=日経BPクリーンテック研究所)
**********O&G LINKS Mar 22, 2016
Shinsen Kankyo to Invest in Solar Power Plant in Japan
Mar 18 - Progressive Digital Media - Deals
Shinsen Kankyo Local System, a solar power generation company, has agreed to invest EUR60 million ( USD66.87 million ) in the construction and development of Takayama - mura mega solar power plant in Takayama city, Gunma prefecture, Japan . The total installed capacity of the power plant will be 31.2 MW. The investment per MW will be USD2.14 million. The solar power plant will be connected to the national grid through Tokyo Electric Power Company, Inc., (TEPCO) and is expected to become operational on October 28, 2016 . The engineering, procurement, and construction services for the project will be provided by Isolux Engineering G.K. Shinsen Kankyo Local System is a joint venture between Isolux Corsanand GTS KK.
<Related Press Releases>
Jul 04, 2017 : Isolux Corsán applies for bankruptcy proceedings
Jun 21, 2017 : Grupo Isolux Corsán, S.A.’s 2017 General Shareholders’ Meeting: availability of the resolutions’ proposal..
Jun 02, 2017 : Isolux has formulated full year 2016 accounts and advances in the sale process of its EPC business
May 22, 2017 : Isolux takes part in the Civil Engineering Week of Madrid
May 17, 2017 : Isolux completes its first road project in Slovakia
Apr 10, 2017 : Isolux has hired Alvarez & Marsal as advisors for the restructuring process
Mar 31, 2017 : Isolux Corsán avoids the declaration of bankruptcy by filing the communication foreseen under rule 5 ..
Mar 28, 2017 : The Board of Directors of Isolux delay the formulation of its annual account until March 31
Mar 01, 2017 : Isolux colaborates fully with the justice system in the investigation of allegedly irregular behaviour..
Jan 19, 2017 : Isolux awarded contracts in Argentina for a total value of 148 millon euros
<Related News>
Aug 14, 2017 Indiana completes takeover of I-69 extension section
Jun 29, 2017 Kenya Says Major Wind Power Line to be Ready in Three Months
Apr 05, 2017 Bolivia Demands Spanish Firm to Resume Work on Hydroelectric
Nov 30, 2016 Soltec to provide single-axis trackers for 38MW project in Navajo Nation
Nov 29, 2016 Argentina: 516 MW of solar awarded at USD 54.95 per MWh
Nov 29, 2016 Soltec to supply tracking systems for 38-MW solar project in Navajo Nation
Oct 25, 2016 Isolux Corsan sells a wind farm in Argentina for 25 million dollars to Sideli and Sidsel
Oct 08, 2016 Argentina expects $1.8 billion investment from renewable energy auction
Mar 22, 2016 Shinsen Kankyo to Invest in Solar Power Plant in Japan
Mar 15, 2016 Isolux Corsan participates in a Mega Solar PV project in JapanRelated Articles
**********日経BP 2016/09/12 15:59
関東最大規模の63MW、群馬県安中市のメガソーラーが着工
米国企業が出資、EPCは東芝プラントシステム
↑「安中太陽光発電所」の完成予想図(出所:東芝プラントシステム)↑
群馬県安中市大谷野殿地区に計画されていた出力63.2MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)プロジェクトが今年9月に着工に向け、動き出した。発電所名は、「安中太陽光発電所」で、2019年内の営業運転開始を目指す。
事業用地は、日刊スポーツの計画していたゴルフ場建設予定地。連系出力は42.8MW、太陽光パネルの設置容量63.2MWとなり、関東地方で最大規模のメガソーラーとなる。事業区域は136.98haで、このうち71.53haの森林を開発する。造成対象は約92.1haとなり、盛土と切土はそれぞれ327万7000m3に達する。調整池は3基で総容量6万2770m3を設置する。
今年7月15日に開催された群馬県森林審議会でこうした建設工事計画が了承され、8月8日に群馬県が林地開発許可を出した。
発電事業者は、特定目的会社(SPC)の安中ソーラー(東京都港区)で、同社には米デラウエア州に本社のあるグレート・ディスカバリー・ホールディングス社が出資する。EPC(設計・調達・施工)サービスは、東芝プラントシステム(横浜市)が担当する。太陽光パネルとパワーコンディショナー(PCS)の製造企業は未公表。
東芝プラントシステムは、2010 年度からメガソーラーの建設を手掛け、これまでに受注した累計総発電量は約 600MWに達する。V字-三角形状の基礎一体型架台「KiTy システム」を独自開発したほか、ドローン(無人小型ヘリコプター)を使用した地形計測・3D レ ーザー計測技術なども運用している。
(金子憲治=日経BPクリーンテック研究所)
**********