市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

長野高専の手数料不当徴収に太鼓判を押した総務省審査会のトンデモ答申…図らずも垣間見えた同校の内情

2021-07-01 23:01:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■石原時代の長野高専で発生した悪質な電子情報工学科セクハラ退職事件。学校側による対応の実態を明らかにすべく、当会では2020年6月に文書開示請求を同校に提出しました。すると同校は、多数件の該当があったとして、三千円を超える開示手数料を請求してきました。同校のハラスメントの実態を明らかにする情報がそれだけ出されるのだろうと信じ込んで開示手数料を振り込むと、なんとその内実は、請求意図にないただの一般的な公開情報がほとんどでした。すぐさま当会が、文書特定が誤ってなされていることを同校に伝え、決定補正と手数料返金を求めたところ、同校は変な理屈を並べ立てて頑なに拒否してきました。


長野高専の指示に従って11件分✕300円=3,300円の手数料を振り込んだのだが…。

 ささいな齟齬があったのを素直に認めて単純に対応すればそれで済むものを、何のためにここまでムキになって強情を張ってくるのか、もはや理解不能です。高専組織の異常なプライドの高さのせいで本来無用な労力を割かされることに心底ウンザリしつつ、当会では同年8月に決定補正・返金を求める審査請求書を高専機構に提出していました。高専機構側は、いつもの銀座弁護士のアドバイスのもと眉唾物の理屈を並べ立ててきた末に、ようやく受理しました。

○2020年6月11日:【出張!オンブズマン】総務課長コロナ規則破り隠蔽の長野高専に2回目の公開質問&各種文書開示請求提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3174.html
○2020年8月7日:【出張!オンブズマン】長野高専J科セクハラ退職問題&石原名誉教授授与強行問題で同校から届いた開示文書
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3187.html

■その後、11月19日になって、高専機構本部から、総務省の情報公開・個人情報保護審査会に諮問した旨の11月17日付け通知書が送られてきました。これといって難しい争点もないシンプルな問題にも関わらず、審査請求書を3か月も店晒しにした末、ようやく諮問にかけたようです。

*****高機総第92号諮問通知書*****ZIP ⇒ j.zip
様式16号

                            高機総第92号
                            令和2年11月17日

         情報公開・個人情報保護審査会への諮問通知書

 市民オンブズマン群馬
  代表  小川 賢 様

                      独立行政法人国立高等専門学校機構

 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条の規定に基づく開示決定等に対する次の審査請求について,同法第19条第1項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に諮問したので,同法同条第2項の規定により通知します。

                   記

1.審査請求に係る保有個人情報の名称等
(1)平成30年(2018年)9月1日以降,現在に至るまでの間に,長野高専が,内部関係者(教職員,学生を含む)或いは外部の関係者(卒業生,同窓会,保護者を含む)に対して,学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)

2.審査請求に係る開示決定等
(開示決定等の種類)
■開示決定
■一部開示決定
(該当不開示条項)第5条第一号及び第四号
□不開示決定
(該当不開示条項)

(1)開示決定等の日付,文書番号
 令和2年7月13日
 長野高専庶第18号

(2)開示決定等をした者
 独立行政法人国立高等専門学校機構

(3)開示決定等の概要
 令和2年6月10日付けの開示請求に対し,
 1 学生便覧 本科(令和2年度)
  について,全部開示
 2 学生便覧 専攻科(令和2年度)
  について,全部開示
 3 学生支援委員会 令和2年度
  について,全部開示
 4 コンプライアンスに関する文書 令和元年度
  について,部分開示
 5 学生便覧 本科 (2019年度)
  について,全部開示
 6 学生便覧 専攻科 (2019年度)
  について,全部開示
 7 学生支援委員会 平成31年度
  について,全部開示
 8 コンプライアンスに関する文書 平成30年度
  について,部分開示
 9 長野工業高等専門学校における学生の懲戒に係るガイドライン
  について,部分開示

3.審査請求
(1)審査請求日
 令和2年8月7日
(2)審査請求人
 市民オンブズマン群馬
 代表  小川  賢
(3)審査請求の趣旨
  審査請求人は,本件決定中対象文書1ないし9について開示請求権を行使していないため,かかる箇所についての決定の補正と,本決定のための手数料として高専機構に支払った3300円中2700円の返金を求めます。

4.諮問日・諮問番号
 令和2年11月16日
 令和2年(独情)諮問第50号

                    担当窓口
                     独立行政法人国立高等専門学校機構
                     (担当課名)本部事務局総務課総務係
                     (住所)東京都八王子市東浅川町701-2
                     (TEL)042-662-3120
                     (FAX)042-662-3131
**********


■高専機構からの諮問通知から間を置かない同月25日、今度は総務省審査会の方から、審査請求人当会が追加意見書を提出できる旨の同月24日付け通知が送られてきました。また、高専機構側の理由説明書(反論文)も同封されてきました。

●総務省審査会の通知&高専機構側理由説明書 ZIP ⇒ r.zip

*****総務省審査会の通知*****
                         情個審第3456号
                         令和2年11月24日

市民オンブズマン群馬 小川 賢  様

                情報公開・個人情報保護審査会

   理由説明書の写しの送付及び意見書又は資料の提出について(通知)

 下記1の諮問事件について,別添のとおり,当審査会に諮問庁から提出された理由説明書の写しを送付します。
 また,あなたは,下記1の諮問事件について,情報公開・個人情報保護審査会設置法第11条の規定に基づき,当審査会に対し,意見書又は資料を提出することができますが,当審査会において,下記2のとおり提出期限を定めましたので,通知します。

                    記

1 諮問事件
  諮問番号:令和2年(独情)諮問第50号
  事件名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)

2 意見書又は資料の提出期限等
 ① 提出期限
   令和2年12月15日(火)
 ② 提出方法
   任意の様式により作成した書面を,持参するか,郵送又はファクシミリで情報公開・個人情報保護審査会事務局に提出してください。

 また,提出された意見書又は資料は,情報公開・個人情報保護審査会設置法第13条第1項の規定による送付をし,又は同条第2項の規定による閲覧をさせることがあり得ますので,その適否についてのあなたのお考えを,別紙「提出する意見書又は資料の取扱いについて」に記入し,意見書又は資料に添付してください。
 なお,別紙において,諮問庁に対し,送付をし,又は閲覧をさせることにつき「差支えがない」旨の回答のあった意見書又は資料については,調査審議の効率化,争点の明確化等の観点から,特段の事情のない限り,諮問庁に対し,その写しを送付することとしますので,御了承願います。


             総務省 情報公開・個人情報保護審査会事務局
               〒100-0014
                東京都千代田区永田町1-11-39
                  永田町合同庁舎4階
                  電 話03-5501-1739
                  ファクシミリ03-3502-7350
**********


*****高専機構の理由説明書*****
                          令和2年(独情)諮問第50号

               理由説明書

1 開示請求のあった法人文書の名称
 ① 平成30年(2018年)9月1日以降、現在に至るまでの間に、長野高専が、内部関係者(教職員、学生を含む)或いは外部の関係者(卒業生、同窓会、保護者を含む)に対して、学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)

2 開示決定についての考え方とその理由
 審査請求人は,審査請求書において、「本件決定中対象文書1ないし9について開示請求権を行使していないため、かかる箇所についての決定の補正と、本決定のための手数料として高専機構に支払った3300円中2700円の返金を求めます」とする。しかし、情報公開・個人情報保護審査会の過去の答申等を参照したところ、『審査会で審理する事項は,基本的には行政機関情報公開法の不開示情報に照らして開示決定等が適法になされたか』とされており、手数料返還の当否等は、審査会が答申すべき対象ではないとの見解が示されている。そのため、今回の審査請求は情報公開・個人情報保護審査会の諮問の対象ではないと解する。
 また、今回の争点となっている文書は、上記①にかかる開示決定の文書であるが、審査請求人からの開示請求のあった法人文書の名称では、「学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)」とあることから、一般的な概念としての学内のハラスメント行為及び個別事案としてのハラスメント行為も含め、学内で発信及び周知しているものとして、1~9の文書を特定し開示決定を行った。
 この開示決定の前提として、文書を特定する過程においても、「学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)」とあることから、特段の補正を必要とせず、文書の特定が可能であった。
 以上のことから、審査請求人の開示請求に係る文書の特定は適正に実施されたと解する。
 さらに、審査請求人は、上記の1~9の特定した文書については、開示請求権を行使していないとし、開示請求手数料の発生は誤認であるとも主張する。
 しかしながら、開示請求は、基本的には開示請求者の自由意思に基づいて任意に行われるものであるから、制度を利用する者としない者との公平性の観点から、制度の利用者の負担に帰すものとして手数料が設けられており、その目的としては、制度の運営に必要な費用を回収することにある。そのため、開示請求権を行使し、その文書の件数が特定された段階で、件数に応じた手数料が発生するものと解する。
 従って、上記①にかかる文書としては、9件と特定されたことから、開示請求手数料9件分の納付は適正であり、審査請求人へ返金されるべきものではない。
 以上のことから、審査請求人の請求は失当であると考える。
**********


■このように高専機構側の反論は、「審査会の答申対象ではない」なとどする従前の主張を軸に、無茶苦茶を並べ立てているだけです。

 「解する」「失当」といった語句を使う法律家然な書きぶりからして、どこの弁護士事務所が執筆した作文かは明白です。それにしても、当会が「開示請求権を行使していない」と再三主張しているにも関わらず、「開示請求権を行使し」などと無説明で認定してくる有様には、高専機構が頼りにすがる弁護士先生の日本語能力を疑わざるをえません。

さて、審査請求人当会の再反論となる意見書の提出期限が2020年12月15日と定められたため、当会ではこの期限に間に合うように意見書と添付資料を作成し、総務省審査会に提出することにしました。

■提出期限当日となる12月15日、当会担当者が永田町の総務省情報公開・個人情報保護審査会事務局に赴き、添付資料付き意見書を提出するはこびになりました。同審査会事務局が入っている永田町合同庁舎ビルには、これまでも国家機関の情報不開示に関する審査請求(旧・異議申立)に意見書提出のためしばしば訪れています。



 地下鉄永田町駅を降り、少し歩いて、最高裁・国会図書館・自民党本部が地図上で作る三角形の真ん中に位置する同庁舎ビルに入りました。







 そして、庁舎1階の警備室前で担当職員に意見書一式を手渡して、提出を終えました。




永田町から地下鉄南北線で1駅目の四ツ谷でJR中央線快速に乗り換え東京駅経由で高崎に戻る。

 特に特筆すべき出来事は起こりませんでしたが、建物を出るとやはり師走の寒さを感じます。当会が審査請求書を高専機構に提出したのは夏真っ盛りでしたが、審議開始前の意見照会手続きがやっとようやく完了したのが12月も半ばです。高専機構の執拗な手続遅滞ぶりをあらためて体で実感しました。

■当会が12月15日に総務省審査会に提出した意見書の内容は以下のとおりです。
(添付資料1~6については掲載ファイルをダウンロードしてご確認ください)

*****12/15意見書(再反論)*****ZIP ⇒ 20201215ryyt16.zip

              意見書
                    令和2年12月15日
総務省 情報公開・個人情報保護審査会事務局 御中

                審査請求人:
                 郵便番号  371-0801
                 住  所  群馬県前橋市文京町一丁目15-10
                 氏  名  市民オンブズマン群馬
                         代表 小川 賢
                 連 絡 先  TEL:027-224-8567
                         事務局長 鈴木 庸

 下記1項の諮問事件につき,諮問庁の理由説明書に対する審査請求人の反論および追加意見を,下記3項の通り審査会に提出する。

1 諮問事件
  諮問番号:令和2年(独情)諮問第50号
  事件名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)

2 本理由書提出に至る経緯
 審査請求人が諮問庁に対し令和2年8月7日付けで本件審査請求を行うに至った基本的な経緯は,同審査請求書4項に記載のとおりである。その後,諮問庁は同年11月16日付けで審査会に本件諮問を行った。審査請求人は,審査会から同月24日付けで追加意見の照会を受けたことから,本理由説明書及び添付資料を提出する。

3 審査請求人の反論および追加意見
(1)本件に先立つ事実関係について(文言の解釈に関し相互に確たる了解があったこと)

 審査請求人は,平成27年6月26日にも諮問庁(高専機構)に対して法人文書開示請求を行ったことがあり,その際,本件審査請求の元となる開示請求とまったく同様,「学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書」について請求していた。それに対し諮問庁は同年7月23日,「ハラスメント行為が寄せられた申立や相談などがあったという事実の有無を示すこととなる」として存否応答拒否とした(添付資料1)。
  諮問庁において,ハラスメント対応のガイドラインやコンプライアンス規定等が普遍的に設けられており,これら情報が上記応答拒否事由に該当するものでないことは明らかであることに鑑みれば,この時点で「学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書」が特定校における個別具体のハラスメント行為に関する情報であると諮問庁が解釈したこと,また当該記載についてその解釈がなされるという相互了解がこの時点で成立していたことは明らかである。
  また当時,上記存否応答拒否処分について審査請求人が異議申立を行い,諮問庁が審査会に諮問した経緯があり(平成27年(独情)諮問第57号),その際諮問庁は理由説明書においても明らかに「学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書」を特定校における個別具体のハラスメント行為に関する情報であると解釈した主張を行っていた。なお,審査会は上記存否応答拒否処分を違法であるとする答申を行っている(平成27年度(独情)答申第73号)。この事実は,かつて上記のような相互了解が成立していた事実をさらに固めるものである。
  加えて,以後,本件審査請求対象となる開示決定がなされるまで,諮問庁においてかかる文言の解釈を一般的な概念としてのハラスメント行為に関するものまで拡張したということを,審査請求人において認知するに足るような通知や広報その他情報提供がなされたことはない。

(2)請求想定外文書につき開示請求権が行使されていないことについて
  上記経緯からして,「学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書」を特定校における個別具体のハラスメント行為に関する情報であると諮問庁が解釈するという相互了解がかつて成立していたことは明らかであった。その了解をもとに,審査請求人は本件審査請求書4項(1)ないし(2)のとおり,法人文書開示請求を行った。
  本年7月10日に諮問庁より電子メールにて開示請求手数料の振込指示がなされたが,文書件数のみ示されており,開示対象となる文書の概要については一切知らされないものであった(添付資料2)。また,当該開示請求からかかる手数料振込指示に至るまで,請求の意図や解釈について諮問庁から審査請求人に確認がなされたという事実関係はない(なお,審査請求人は諮問庁に対したびたび法人文書開示請求を行っているところ,必要な際には請求の解釈や開示内容について電子メールや電話による調整がおこなわれている。)。本件審査請求書4項(3)のとおり,審査請求人は,すべて請求意図に副った文書であると信じ,この振込指示に従って7月14日に手数料全額を諮問庁の口座に振り込んだ(添付資料3)。
  このように,請求意図や解釈を確認しないまま手数料を徴収し,開示決定を出した諮問庁のかかる対応においては,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」)第23条に定める「保有する法人文書の特定に資する情報の提供」が十分になされていなかったことが明らかである。
  また,法第5条は,「独立行政法人等は,開示請求があったときは,(中略),開示請求者に対し,当該法人文書を開示しなければならない。」と定めているところ,ここにいう「開示請求があったとき」とは,どのような文書を開示してほしいかという開示請求者による意思表示行為がなされることを指すと解され,そしてそれに対応する「当該開示文書」とは,開示請求者が当該請求において目的とした文書であると解されるのは当然である。
  ここに照らせば,本件審査請求書にいう請求想定外文書について審査請求人が開示請求権を行使していないことは明らかである。公文書の開示請求においては,開示請求権の行使対象や開示請求権を行使したか否かについては,開示請求人の意思や認識によるのであって,それらを一切除外したまま開示実施機関が独自に規定してよいものではない。
  まして,本件においては,諮問庁から審査請求人に対して開示請求内容に関する確認連絡が取れないなどやむを得ない状況にあったわけではなく,そうした確認連絡を行わなかった点につき,開示請求対象文書の特定においていささかの懈怠があったことを否定することはできない。

(3)諮問庁が意図的に不当な開示決定及び手数料徴収を行っていること
  本件審査請求書4項(4)のとおり,審査請求人は,本年7月16日に開示決定通知書を受領するに至ってはじめて,諮問庁が開示請求意図に沿わない文書についてまで開示 対象として特定していることを認知した。そして本件審査請求書4項(5)のとおり,審査請求人は,電子メールで諮問庁に対し,本件開示決定の補正と手数料の一部払戻しを申し立てた(添付資料4)。ところが,諮問庁は本件理由説明書と同様の主張で,自己裁量による決定補正を拒否した(添付資料5)。
  こうして,審査請求人は「請求していないものにまで処分がされ,付随して手数料が徴収されている」という状況を申し立て,諮問庁はこの問題を認識したはずにも関わらず当該申し立てを拒否した。この時点で,認識の齟齬や手違いによるやむを得ない瑕疵とはいえなくなり,諮問庁は意図的に開示請求にない文書を開示決定しており,あわせて手数料も不当に徴収していることになった。こうして当事者間での交渉では事態を解決できなくなったことから,審査請求人はやむを得ず,審査請求を行うに至ったものである。
  なお,開示実施方法等申出にあたって,審査請求人は本件審査請求書にいう請求想定外文書について開示及び送付を一切拒否しており(添付資料6),それに応じて諮問庁はかかる文書の開示及び送付を行っていないから,その意味でも権利の行使事実はない。

(4)理由説明書における諮問庁の主張について
  諮問庁は理由説明書において,手数料返還の当否等は審査会の答申すべき対象ではない旨主張する。しかし「過去の答申等を参照したところ」と説明しておきながら,理由説明書においてその根拠の提示はなく,そのような答申についても審査請求人の調べる限りでは見つけることができなかった。したがって,諮問庁の上記説明の根拠は薄弱である。
  また仮に,手数料返還の当否が単体として答申対象事項にならないにしても,そもそも本件は「請求にないものに決定がなされている」という根本的な手続上の問題であり,それゆえ当然,審査請求人は本件開示決定の補正を求めているわけである。
  そして本件開示決定が補正されれば,当然それに附随して,手数料を徴収した意味もまた失われるわけであるから,結果として手数料が払戻しされるべきとなることに変わりはない。
  さらに諮問庁は,審査請求人の「本件審査請求書にいう請求想定外文書について,開示請求権をそもそも行使していない」という主張への反論として,「開示請求権を行使し,その文書の件数が特定された段階で,件数に応じた手数料が発生するものと解する」と説明する。しかしこれは,開示請求権を行使したという前提そのものが不当であるとの指摘がなされているのに,なおも開示請求権を行使したという前提を無条件に採用しているものであり,何の説明や反論にもなっていないことは明らかである。
  公文書の開示請求制度とは,諮問庁自ら理由説明書で言及するとおり,「開示請求者の自由意思に基づいて任意に行われるもの」であり,よって請求を受けた機関が請求者の意思を十分に尊重しなければならないことは明らかである。上述のとおり,開示請求の対象文書とは,開示請求者が当該請求において目的とした文書を指すのであって,開示請求者本人が「これは請求していない」と申し立てているにも関わらず,開示実施機関が勝手かつ一方的に「あなたはこれを請求しました」と認定してよい性質のものではない。

4 結言
  以上より,本件開示決定は,審査請求人の請求しない文書まで対象範囲としたものであって,開示請求者の意思に基づいて文書を開示するという法の趣旨にそぐわないことは明らかであり,ただちに補正されるべきである。また,それに附随して徴収の正当性が失われた手数料についても,払戻しがなされるべきである。

                                  以 上
**********


■その後、総務省審査会での本件審議状況を随時チェックしていたところ、年度が明けた2021年4月9日にようやく第5部会で初審議にかけられていたことがわかりました。次いで5月14日、5月31日にも審議にかけられたようです。

●参考:情報公開・個人情報保護審査会第5部会開催記録(R3.4.9)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000745100.pdf
**********
        情報公開・個人情報保護審査会第5部会
               開催記録
1 日時 令和3年4月9日(金)13:30~16:00
2 場所 情報公開・個人情報保護審査会第1会議室
3 出席者 藤谷俊之部会長,泉本小夜子委員,磯部哲委員
4 議事の項目等
【中略】
(3)事件名:令和2年(独情)諮問第50号「特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)」
諮問庁:独立行政法人国立高等専門学校機構
調査審議の内容:上記新規諮問事件につき調査審議

【後略】
**********

●参考:情報公開・個人情報保護審査会第5部会開催記録(R3.5.14)↓
https://www.soumu.go.jp/main_content/000750188.pdf
**********
        情報公開・個人情報保護審査会第5部会
               開催記録
1 日時 令和3年5月14日(金)13:30~17:30
2 場所 情報公開・個人情報保護審査会第1会議室
3 出席者 藤谷俊之部会長,泉本小夜子委員,磯部哲委員
4 議事の項目等
【中略】
(12)事件名:令和2年(独情)諮問第50号「特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)」
諮問庁:独立行政法人国立高等専門学校機構
調査審議の内容:上記諮問事件につき審議

【後略】
**********

●参考:情報公開・個人情報保護審査会第5部会開催記録(R3.5.31)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000753655.pdf
**********
        情報公開・個人情報保護審査会第5部会
               開催記録
1 日時 令和3年5月31日(月)13:10~17:00
2 場所 情報公開・個人情報保護審査会第1会議室
3 出席者 藤谷俊之部会長,泉本小夜子委員,磯部哲委員
4 議事の項目等
【中略】
(5)事件名:令和2年(独情)諮問第50号「特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)」
諮問庁:独立行政法人国立高等専門学校機構
調査審議の内容:上記諮問事件につき審議

【後略】
**********


■わざわざ3回も審議期日を設けてくれるとは、もしかするとずいぶん充実した調査と議論がなされているのではないか……と期待が持ち上がりはじめていた矢先、6月8日になって、総務省審査会からの特定記録郵便が当会事務局に届けられてきました。

 開けてみると、当会からの審査請求に対する同審査会の6月7日付け答申(令和3年度(独情)答申第3号)が入っていました。ところがその内容は、「高専機構側の対応に一切問題なし」として全肯定し、当会の主張をすべて退けるものでした。

●令和3年度(独情)答申第3号 ZIP ⇒ 0306083.zip

 審査請求書提出から10か月、審議に3回もかけた末に総務省審査会が寄こしてきた不合理なトンデモ答申の内容をさっそく見てみましょう。

*****送り状(当会宛て)*****
              (公印省略)
                             情個審第1205号
                             令和3年6月7日
市民オンブズマン群馬(代表 小川 賢 様) 御中
                       情報公開・個人情報保護審査会

           答申書の写しの送付について

 下記の事件については,令和3年6月7日に答申をしたので,情報公開・個人情報保護審査会設置法第16条の規定に基づき,答申書の写しを送付します。

                記

諮問番号:令和2年(独情)諮問第50号
事 件 名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)
**********


*****送り状(高専機構宛)*****
                  (公印省略)
                               情個審第1204号
                               令和3年6月7日
国立高等専門学校機構御中
                         情報公開・個人情報保護審査会

              答申書の交付について

 独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第1項の規定に基づく下記の諮問について,別添のとおり,答申書を交付します(令和3年度(独情)答申第3号)。

                  記

諮問番号:令和2年(独情) 諮問第50号
事 件 名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)
**********


*****答申書 (令和3年度(独情)答申第3号)*****
諮問庁:国立高等専門学校機構
諮問日:令和2年11月16日(令和2年(独情)諮問第50号)
答申日:令和3年6月7日(令和3年度(独情)答申第3号)
事件名:特定日以降,特定高等専門学校が関係者に対して学内のハラスメント行為に関し発信した文書の一部開示決定に関する件(文書の特定)

                 答 申 書

第1 審査会の結論
   別紙の1に掲げる文書(以下「本件請求文書」という。)の開示請求につき,別紙の2に掲げる文書1ないし文書9(以下,併せて「本件対象文書」という。)を特定し,一部開示した決定については,本件対象文書を特定したことは,妥当である。

第2 審査請求人の主張の要旨
 1 審査請求の趣旨
   独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)3条の規定に基づく開示請求に対し,令和2年7月13日付け特定高専庶第18号により,独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「機構」,「処分庁」又は「諮問庁」という。)が行った一部開示決定(以下「原処分」という。)について,文書1ないし文書9について開示請求権を行使していないため,かかる箇所についての決定の補正と,本件決定の ための手数料として機構に支払った3,300円中2,700円の返金を求める。

 2 審査請求の理由
   審査請求人が主張する審査請求の理由は,審査請求書及び意見書の記載によると,おおむね以下のとおりである。
 (1)審査請求書
   【当会注:当会による審査請求書(冒頭リンク・2020年8月7日付け記事中に掲載)の内容の丸写しであり割愛。確認されたい方は、各自で上掲ファイルをダウンロードの上お願いします】

 (2)意見書(資料は省略)
    審査請求人の反論および追加意見
   【当会注:当会による2020年12月15日付け意見書(上掲)の内容の丸写しであり割愛。確認されたい方は、各自で上掲ファイルをダウンロードの上お願いします】

第3 諮問庁の説明の要旨
 1 開示請求のあった法人文書の名称
   別紙の1のとおり。
 2 開示決定についての考え方とその理由
   【当会注:高専機構による理由説明書(上掲)の内容の丸写しであり割愛。確認されたい方は、各自で上掲ファイルをダウンロードの上お願いします】

第4 調査審議の経過
   当審査会は,本件諮問事件について,以下のとおり,調査審議を行った。
   ① 令和2年11月16日 諮問の受理
   ② 同日       諮問庁から理由説明書を収受
   ③ 同年12月15日   審査請求人から意見書及び資料を収受
   ④ 令和3年4月9日   審議
   ⑤ 同年5月14日    審議
   ⑥ 同月31日      審議

第5 審査会の判断の理由
 1 本件開示請求について
   本件開示請求は,本件請求文書を含む複数の文書の開示を求めるものであり,処分庁は,本件請求文書につき,本件対象文書を特定し,一部開示とする決定(原処分)を行った。
   これに対し,審査請求人は,本件対象文書についての決定の補正と,本件決定のための手数料として機構に支払った金額の返金を求める旨主張する。これは詰まるところ,文書の特定について不服を申し立てていると解されるが,諮問庁は原処分を妥当であるとしていることから,以下,本件対象文書の特定の妥当性について検討する。

 2 本件対象文書の特定の妥当性について
 (1)当審査会事務局職員をして,諮問庁に対し,本件対象文書の特定の経緯等について改めて確認させたところ,諮問庁は,おおむね以下のとおり説明する。
   ア 審査請求人は,審査請求人が意図しない一般的な概念の文書が特定された旨主張するが,審査請求人から開示請求のあった法人文書の名称は,「学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)」であったため,一般的な概念としての学内のハラスメント行為及び個別事案としてのハラスメント行為の両面から,学内で発信及び周知している全ての文書を探索した結果,学生に向けた文書及び教職員に向けた文書1ないし文書9が存在しており,これらを特定した。文書1ないし文書9には,審査請求人が想定していた個別事案の文書は存在していないが,開示請求書にも個別事案に限定するとの記載はなかったため,このような発信・周知文書を特定した。
   なお,この開示決定の前提として「学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)」とあるため,特段の補正を必要とせず,文書の特定が可能であった。
   イ さらに,本件審査請求を受けて,改めて外に開示請求内容に該当する文書がないか,書庫,キャビネット,パソコンの共有フォルダ,メールサーバー等を探索したが,その存在は確認されなかった。
 (2)以下,検討する。
   ア 当審査会において,本件開示請求書を確認したところ,その文言から,一般的な概念としての学内のハラスメント行為及び個別事案としてのハラスメント行為の両面から文書を特定したとする諮問庁の上記(1)アの説明は首肯できる。
   イ そこで,本件対象文書の特定について検討すると,諮問書に添付された本件対象文書を確認したところ,いずれの文書も,開示請求の対象とされた平成30年(2018年)9月1日以降から開示請求時点(令和2年6月10日)までの間の特定高専が学内のハラスメント行為に関し発信した文書であると認められることから,本件請求文書に該当すると認められ,その外に該当する文書を確認できなかったとする諮問庁の上記(1)イの説明を覆すに足りる特段の事情は認められない。
     なお,本件対象文書の中には,審査請求人が主張するとおり,個別事案に関するものは含まれていないところ,他方,本件対象文書に係る開示請求の外の開示請求の対象として,個別案件に係るものとみられる文書が特定されていることから,そのことにつき,当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させたところ,当該案件は,特定高専ウェブサイト内のお問い合わせフォーム(メール目安箱)にメールにより意見のあったものであるところ,そのメールの発信者氏名及び差出人アドレスが未記入であったため,該当する学科の会議において口頭でハラスメントに関する注意喚起を実施し対応を終了したものであり,該当学科の会議の議事録には本件について注意喚起した旨の記録がないため,本件に係る文書は存在せず,当該メールに対して,特定高専として学内外に発信した文書等も存在しないとのことである。
     したがって,機構において,本件対象文書の外に本件請求文書に該当する文書を保有しているとは認めることはできない。

 3 審査請求人のその他の主張について
   審査請求人は,その他種々主張するが,いずれも当審査会の上記判断を左右するものではない。

 4 本件一部開示決定の妥当性について
   以上のことから,本件請求文書の開示請求につき,本件対象文書を特定し,一部開示した決定については,機構において,本件対象文書の外に開示請求の対象として特定すべき文書を保有しているとは認められないので,本件対象文書を特定したことは,妥当であると判断した。

(第5部会)
  委員 藤谷俊之,委員 泉本小夜子,委員 磯部 哲

=====別紙=====
別紙
 1 本件請求文書
   「平成30年(2018年)9月1日以降,現在に至るまでの間に,貴学(特定高専)が,内部関係者(教職員,学生を含む)或いは外部の関係者(卒業生,同窓会,保護者を含む)に対して,学内のハラスメント行為に関し発信した一切の文書(電子メールを含む)。」

 2 本件対象文書
   文書1 学生便覧 本科(令和2年度)
   文書2 学生便覧 専攻科(令和2年度)
   文書3 学生支援委員会 令和2年度
   文書4 コンプライアンスに関する文書 令和元年度
   文書5 学生便覧 本科(2019年度)
   文書6 学生便覧 専攻科(2019年度)
   文書7 学生支援委員会 平成31年度
   文書8 コンプライアンスに関する文書 平成30年度
   文書9 特定工業高等専門学校における学生の懲戒に係るガイドライン
**********

■今回の審査請求において、当会が指摘していたのは、大きく以下の問題点です。

① 従前からいきなり開示請求の文言解釈を変えられたうえ、解釈が正しいか確認もせず手数料を徴収されている。
② 当の開示請求者が『解釈が間違っている』と再三にわたり伝えているにも関わらず、齟齬があったことを認めようとしない。
③ 当の開示請求者の意思を完全に無視し、勝手に『開示請求権を行使した』ことにして、決定補正にも手数料返金にも応じようとしない。

 ところが総務省審査会は、のっけから「開示請求の文言がそのように解釈できるか否か」というところにいきなり焦点をすり替え、審査請求人である当会が特に気にしてもいない論点を勝手に検討し始め、さして争われてもいないところに「諮問庁(高専機構)の説明は首肯できる」などと判断を下して結論につなげています。勝手に問題点をすり替えたあげく、当会が問題視してもいない点についてワラ人形を突っつき出す今回の答申の論理構成は、理解に苦しむと評するほかありません。


■このように、今回のトンデモ答申自体には呆れてものも言えませんが、総務省審査会はなぜか斜め上の方向への審議調査にやたらリソースを割いており、三回も審議期日を要した一因にもなっているようです。とくに注目すべきは、この副産物として、長野高専がハラスメント事案に対処した詳しい経緯が思わぬ形で明らかになったことです。

 というのも、当会の元々の開示請求に対して、長野高専は「一般的な概念としてのハラスメント事案」にかかる文書を9件、「実際に発生した個別のハラスメント事案」を2件(教員の業務計画書・メール目安箱への通報)、特定して開示決定していました(冒頭リンク・2020年8月7日付け記事中に掲載)。

 今回の審査請求は、前者を対象に含めてきたことの取消補正を求めるものであり、後者2件を特定・開示したこと自体はなんら問題にしていません。ところが、ご丁寧にも総務省審査会は、後者をめぐっても長野高専に問い合わせ、文書(メール目安箱への通報)にかかるハラスメント事案の対応経緯をある程度明らかにしてくれています。

 すなわち、昨年8月に全面黒塗りで開示されてきた「メール目安箱への通報」に関する大まかな対応経緯は、以下のとおりのようです。

・長野高専ウェブサイト内のお問い合わせフォーム(メール目安箱)に寄せられたもの。
・ただし、メールの発信者氏名及び差出人アドレスが未記入であった。
そのため、該当する学科の会議において口頭でハラスメントに関する注意喚起を実施し対応を終了した。該当学科の会議の議事録には本件について注意喚起した旨の記録はない。

 普通は、匿名告発であっても、ハラスメントの被害者や被害集団、日時や態様について大まかにでも把握できるのであれば、まずは考えられる関係者に聞き取りを行うなど、事実関係調査に動くものであると考えられます。

 それにも関わらず、いきなり記録も残さない学科会議での口頭注意のみで対応を済ませているとなると、長野高専のハラスメント対応姿勢が極めて異常であるか、もしくは元々のメール告発自体が調査のしようもないほど極めてアバウトなものであったか、ということになります。

 換言すると、後者の場合であれば、このメール通報は、例の電子情報工学科セクハラ退職事件に関するものである可能性は低いことになります。なぜなら、どう通報しても被害者が明らかである以上、初手で聞き取り調査をして事実確認するしか手はないはずだからです。

■あわせて気になることがあります。今回の答申では、元の情報開示請求に対し「個別案件にかかる文書も特定されている」として、総務省審査会事務局職員が高専機構(長野高専)に確認している経緯が読み取れます。ところが、念頭にあるのが明らかに「メール目安箱への通報」だけで、「特定教員の業務計画書」については一切触れられていません。

 当会ではこれまで、この「業務計画書」を、「個別のハラスメント事案」に関するものではないかとみてきました。なぜなら、教員の業務計画書とメール目安箱への通報の2件は、「学内のハラスメント行為について関係者から学校に寄せられた申立や相談などに関わる一切の文書」という枠で同じく開示決定されてきた文書だからです。

 ところが、今回の答申のこのような書きぶりから、これも「一般的な概念としてのハラスメント事案」に関する文書に分類されるものではないかという可能性が浮上してきました。例えば、長野高専のハラスメント対策・対応に関係する何かしらの役目が回ってきた長野高専教員が、ハラスメント対策への抱負や意見を業務計画書に書き綴り、これを「学校への申し立てなど」とみなした可能性が指摘されます。

 もし、以上の推察がある程度的を射たものだとすると、昨年8月に開示された文書のうちで「個別のハラスメント事案に関するもの」とみられていたものの中に、悪質極まる長野高専電子情報工学科セクハラ退職事件に関する情報は含まれていない可能性が高くなってきます。

■ここであらためて、この件に関する経緯を簡単に振り返ってみましょう。

 長野高専電子情報工学科の女性教員が、同僚の男性准教授からストーカー紛いの執拗なセクハラを受け続けた挙句、必死に助けを求めた石原校長(当時)には相手にもされず、最終的に精神を壊して休職状態に陥り、2019年度末の退職へと追い込まれたという「長野高専電子情報工学科セクハラ退職事件」。

 教育者適格など皆無にも関わらず、文科省から性懲りもなく続々と送り込まれてくる天下り高専校長により幾度となく繰り返される悲劇に憤る当会では、その経緯及び学校側の対応や事実関係把握の状況を検証するため、内部文書の開示を請求することにしました。

 その際、具体的に事案を特定して請求すると、「事件の有無や詳細を明らかにすることになる」などとして開示拒否される可能性が高いとみられたため、ある程度期間を限定したうえで「学内のハラスメント事案について作成した一切の文書」として開示請求を行いました。その過程で、この解釈の齟齬をめぐりトラブルが発生し、審査請求と今回の答申に繋がっているというわけです。

 というわけで、「長野高専電子情報工学科セクハラ退職事件」に関する文書が作られていないとすれば、退職沙汰にまでなった悪質事案にも関わらず、同校として一切の文書を作っていないということになります。つまり、事実関係の確認や調査をすることはおろか、記録すら意図的に一切残さないようにしているということになります。

 そうなると、長野高専の体質として、悪質なハラスメント事案を「無かったこと」にして揉み消してしまうような事態が横行していることが強く懸念されます。

■以上のとおり、今回の総務省審査会答申は、滅茶苦茶な論点のすり替えによって、長野高専による不当な開示手数料徴収を全面肯定する呆れたものでした。

 ところが、そうした論点のすり替えが行き過ぎたのか、斜め上の方向に行った調査審議の思わぬ副産物として、同校のハラスメント事案対応をめぐる腐敗した内情も垣間見える結果となりました。

 悪質と隠蔽を極める長野高専電子情報工学科セクハラ退職事件について、当会では引き続き実態解明と調査追及に努めてまいる所存です。ただし、同校が当該事案にかかる記録を残していない可能性が高まったことから、当会では事情を知る関係者からの情報提供やご意見をより一層強く求めております。

【7/3追記】
■今回の総務省審査会答申を踏襲する形で、審査請求を棄却した旨の6月30日付け裁決書も高専機構から送達されてきましたので、ここに報告します。

●R3.6.30付裁決書(高機総第45号) ZIP ⇒ r.zip

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (2)
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元文科省幹部・佐野太の受託収賄裏口入学事件公判のその後…春の一斉反撃作戦に転じた佐野側の言い分とは

2021-05-08 23:24:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■文科省トップ幹部としての権力を濫用し、無能極まる同学同期のお友達・石原祐志を長野高専の校長に押し込んだ立役者と目される佐野太。二人揃って見事に失脚する原因となったのは、佐野太のバカ息子の医学部裏口入学に係る受託収賄事件でした。

 2018年7月に佐野太が電撃逮捕・起訴されてから2年が経ち、公判前準備の遅滞やコロナ禍を何とか乗り越えて、昨年7月6日にようやく東京地裁で初公判が開かれました。当会としても、群馬高専の悲劇にも繋がる文科行政腐敗の象徴的な事件であり、そして長野高専の様々な混乱と崩壊を招いた元凶が起こしたこの事件について、その真相と審理の行方を見定めたいと考えました。

 不都合が重なって初公判から第3回公判までの傍聴は叶いませんでしたが、昨年10月に第4回・第5回公判を傍聴し、佐野太の姿を直接目に納めることができました。

○2018年7月5日:補助金と天下りで教育行政を歪める文科省の官僚とそれに順応して教育の本質を見失った学校組織のトップ
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2686.html
○2020年7月8日:元文科省幹部・佐野太による受託収賄事件で逮捕から2年越しの初公判…開廷からなんと容疑全面否認!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3179.html
○2020年10月23日:元文科省幹部・佐野太による受託収賄裏口入学事件…10月5日第4回刑事公判傍聴記
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3224.html
○2020年10月23日:元文科省幹部・佐野太による受託収賄裏口入学事件…10月19日第5回刑事公判傍聴記
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3225.html

 その後は報道を追いながら公判審理の推移を見守っていたところ、今春にかけて佐野太側が無実を強くアピールする攻勢に出てきていることがわかりました。

■まず、今年3月22日の公判では、佐野太の息子本人が証人として出廷し、「ずっと裏口入学と言われ悔しい」と述べたようです。報道によると、今も東京医大に通っているようです。

 報道によると、浪人期の年末年始にフィリピンのセブ島に行った件については、「日本では気が緩んでだらけてしまう」という理由で、フィリピン人の英語講師から授業を受けたり、過去問を解いたりしていたなどと、一応の説明を付けたようです。しかし、受験本番を目前に、大金を払って国外の有名リゾート地に遊びに行った方が受験勉強に集中できるなどという理屈は、低級な庶民にはまったく理解できません。誰もが知る有名リゾート地なのですから、誘惑は日本の自宅より遥かに多いはずです。

 それに、フィリピン人の英語講師など、わざわざ「本場」に行かずとも、日本中の英語教室にゴマンといるはずです。しかも、現地のネイティブは、多少の英会話指導や英文添削程度こそできるかもしれませんが、日本の大学入試の英語について受験指導するには不向きなはずです。大学入試の過去問をセブ島で解かなければならない意味も分かりません。

 また、「俺ら間違いなく日本で一番幸せな浪人生だわ、受験やめよっかな」と意味深なツイートをした件については、本人がどう説明を付けたのか報道から窺い知ることはできません。

 このように、最高級文科官僚のボンボン息子本人は、一般庶民が理解に苦しむような理屈をおかしいとも自覚できず大真面目に披露しています。佐野太が大金を割いて雇ったという優秀なヤメ検弁護士は、もう少しまともなアドバイスができなかったのでしょうか。

■そして4月に入り、あわせて数日間がかけられる被告人質問が始まったようです。

 4月12日に開かれた公判では、会食の後に佐野太と東京医大理事長の間で交わされたメール内容が焦点になったようです。東京医大の臼井理事長(当時)から「できる限りの配慮をさせていただきます」というメールが送られ、佐野太から「今後ともよろしくご指導お願いします」と返されたという件について、被告人(佐野太)は「儀礼的なもので、言いがかり」と反論したようです。

 4月19日には、会食時の録音データの内容が焦点になったようです。東京医大理事長側が「ぜひうちに予約しておいでになって」と発言したことについては、被告人(佐野太)は「優遇を意味しているとは常人には理解不可能」と反論したようです。また、「文科省の当該支援事業の審査には、官房長といえども口出しや関与は一切できない」という説明をしたようです。

 さらに、4月28日の公判では、東京医大2次試験の前後にわたり、佐野太と東京医大の理事長が個人的に何度も電話を交わしていたことが焦点になりました。ここで佐野太側はより一層濃密に反論し、冤罪被害をアピールしたようです。電話については「一般的な話をしただけ」と説明し、特に合格発表直前に理事長にかけた電話については「理事長の声が聞き取れず会話が成り立たなかった」として、無問題だと強調したようです。

 さらに佐野太は、質問の終わりに「一言言いたい」と切り出したうえで、「誹謗中傷に必死になって耐えているが、精神的苦痛は極限に達しつつある」「息子の大学生活も茨の道になってしまった」「友人も同僚も親戚も失い、収入は激減し、生き地獄だ」と、自身と家族が受けてきたという社会的制裁の苛烈さを訴えたようです。

■しかしそもそも、公務員倫理の遵守に細心の注意を払わねばならない文科省最高級幹部の立場でありながら、自分の息子が受ける大学の理事長と楽しく会食し、「意味深」な会話の録音まで残され、受験前後で緊密に「意味深」な連絡を取っていたのは動かせない事実です。しかも、息子が受験直前にセブ島ツイートや「意味深」なツイートを繰り返していたのも事実です。「李下に冠を正さず」という諺に真っ向から挑戦するこうした行為の数々にはロクに説明も付けずにただ被害者性だけアピールする様子は、少なくとも庶民感情の面において、相当な不信感しか引き起こさないことは明らかでしょう。

 とはいえ、証拠のない部分についての真相は当事者のみぞ知ることであり、その社会的な判定は、検察が固めた主張と証拠を基にして裁判所がどう判断するかに任されることになります。

 何にせよ、「精神的苦痛は極限に達しつつある」「茨の道」「生き地獄」などと被害者性を強くアピールするのであれば、自らの所為で送り込んだ天下り石原祐志校長のせいで極限までの精神的苦痛を受け、茨の道を歩かされ、生き地獄を味わわされた長野高専関係者の方々にもしっかり目を向け、土下座して謝るべきです。

■本件については、引き続き公判の行方を追っていきたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連報道記事
**********テレ朝News 2021年03月22日16:47
「裏口入学と言われ悔しい」文科省音局長の息子証言




 元局長の息子は法廷で「裏口入学と言われ、悔しい」などと話しました。
 文部科学省の元局長・佐野太(61)は大学支援事業を巡り、東京医科大学に便宜を図る見返りに息子を合格させてもらった罪に問われています。
 22日の裁判では、今も大学に通う佐野被告の息子が証人として出廷しました。
 息子は「東京医科大は第3志望で私も父も本命ではなかった」「加点がなくても合格していたのでずっと裏口入学と言われ、とても悔しい」と述べました。
 また、「優遇されていると聞いたことはなく、父の潔白を信じている」と話しました。

**********m3.com 2021年3月22日
「裏口入学と言われとても悔しい」元文科局長の息子が主張
自身への加点「全く知らず」「父の潔白信じる」

 私立大学研究ブランディング事業に関して便宜を図る見返りに、息子を東京医科大学に不正に合格させてもらったとして受託収賄罪に問われている元文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太被告の公判が3月19日、東京地裁(西野吾一裁判長)で開かれ、息子に対する証人尋問が行われた。2018年4月に東京医大に入学し、現在も学生の息子は「裏口入学と言われ続けとても悔しい。自分が優遇されると聞いたことはなく、父の身の潔白を信じている」と主張し、自身への加点については「全く知らなかった」と答えた。
 佐野被告の息子は「自分は現役の時も浪人の時も一生懸命勉強してきた。加点がなくても合格していたにもかかわらず、裏口入学と言われ続けとても悔しい。SNSでの中傷にも必死に耐えてきた」と今の心情を吐露。「公判を通じて真実が明らかになることを願っている」と述べた。
 弁護側から、自身への加点をあらかじめ知っていたか問われると「全く知らなかった」と即答し、佐野被告から自身が優遇されると伝えられたことも、佐野被告と東京医大の臼井正彦理事長(当時)の関係を知っていたことも「全くない」と強調した。
 浪人時代の年末年始にフィリピンのセブ島へ行った理由については「日本で年末年始を過ごすと気が緩んでだらけてしまう」とし、フィリピン人講師から英語の授業を受けたり、過去問を解いたりしていたと説明した。
 東京医大の合格を知った時は「とてもうれしかったが、まだ本命の大学の試験が残っているので気持ちを切り替えた」と説明。その後、昭和大学の不合格が分かった際には「2浪するかどうかを迷った」と言い、佐野被告も2浪を容認する姿勢だったという。結局、正規に合格したのは東京医大だけで、帝京大学と東海大学は繰り上げ合格となった。東京医大を志望し、最終的に入学を決めた理由は「立地がよく、高校の野球部時代の先輩がいたから」などと説明した。
 医師を目指した動機は、野球部時代に何度も怪我を負い整形外科医を受診した経験や、佐野被告が病気を患った際に担当医が「家族にも優しい言葉をかけてくれた」ことだと答えた。
 検察側は、受託収賄ほう助罪に問われている医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司被告の事務所で受験勉強をしていた経緯について質問。佐野被告の息子は、佐野被告と谷口被告の関係について「たまにゴルフに行く友人だと思っていた。詳しい話は聞いたことがない」と述べ、谷口被告から受けた受験に関するアドバイスについては「激励などは受けたが具体的には覚えていない」と答えた。
(小川洋輔:m3.com編集部)

**********産経新聞2021年4月12日18:40
文科省汚職「便宜依頼ない」 元局長、改めて否定
 私大支援事業で便宜を図る見返りに、次男を東京医科大に合格させてもらったとして、受託収賄罪に問われた元文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太被告(61)の公判が12日、東京地裁で開かれた。被告人質問で、東京医科大側からの便宜の依頼を「全くない」と改めて否定した。
 佐野被告は、東京医科大の前理事長、臼井正彦被告(79)=贈賄罪で公判中=と会食した後、臼井被告から「できる限りの配慮をさせていただきます」とのメールを受け、佐野被告は「今後ともご指導お願いします」と返していた。
 このやりとりを便宜供与の証拠の一つとする検察側の主張に対し、佐野被告は「儀礼的な文言で、こじつけや言いがかりだ」と反論した。

*********毎日新聞2021年04月12日20:55(最終更新)4月12日20:56)
文科省元局長「東京医科大に受験優遇求めず」 地裁被告人質問

東京地裁=米田堅持撮影
 文部科学省の私立大学支援事業を巡る汚職事件で、東京医科大に便宜を図った見返りに次男を同大に不正に合格させてもらったとして、受託収賄罪に問われた文科省元科学技術・学術政策局長の佐野太被告(61)は12日、東京地裁(西野吾一裁判長)で開かれた被告人質問で、受験で次男の優遇を大学側に求めたとする検察側の主張を改めて否定した。
 佐野元局長は、文科省官房長だった2016年9月に東京都内の飲食店で東京医科大理事長だった臼井正彦被告(79)=贈賄罪で公判中=と会食。この際に「次男の成績が上がれば東京近郊の医学部を目指したい」とは伝えたが、受験先はまだ決まっていなかったとした。会食後、臼井前理事長に「今後ともよろしくご指導お願いします」とメールを送ったが、検察側が指摘するような受験の優遇に関する趣旨ではなかったとし、「儀礼的なもの。言いがかりだ」と反論した。
 次男は17年2月の受験には不合格となった。佐野元局長は17年5月にも臼井前理事長と同じ飲食店で面会し、18年2月の入試で次男を不正に合格させてもらったとして起訴された。被告人質問は今後数日間予定され、検察側、弁護側双方からこの会合の趣旨や便宜の有無について質問が続くことになる。【遠山和宏】

**********m3.com 2021年4月12日
文科省元局長「東京医大理事長『うちにお越しを』は社交辞令」
息子の医学部受験や補助事業が話題に、加点相談は強く否定

 私立大学研究ブランディング事業に関して便宜を図る見返りに、息子を東京医科大学に不正に合格させてもらったとして受託収賄罪に問われている元文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太被告の公判が4月12日、東京地裁(西野吾一裁判長)で開かれた。佐野被告は、東京医大元理事長の臼井正彦被告と会食した際、息子の医学部受験のことが話題に上り、「うちにぜひお越しください」などと言われたことを明かしたが、「まさに社交辞令の一環だと思った」と述べ、加点などを持ちかけられたことは「全くない」と主張した。
★被告人質問始まる
 公判はこれまで佐野被告の息子ら関係者への尋問が行われていたが、今回から佐野被告本人への被告人質問が始まった(『「裏口入学と言われとても悔しい」元文科局長の息子が主張』を参照)。
 佐野被告の説明によると、佐野被告は立憲民主党の衆院議員の紹介で臼井被告や医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司被告と知り合った。その後、谷口被告から「臼井理事長が佐野氏に会いたがっている」と3人での会食を提案されたため、「官僚として現場主義をモットーとしているので、臼井氏が理事長としてやっていることを勉強したい」との思いで、応じることにしたという。
 2016年9月8日、臼井被告、谷口被告と会食をした際、佐野被告が高校野球で活躍していた息子の自慢話をしたところ、臼井被告から「進路はどうするのか」と聞かれ、「(野球部を引退して)まだ受験勉強を始めたばかりだが、成績が上がれば医学部を目指している」と答えた。すると、臼井被告は「医学部や医師を目指すのはよいことだ。うちもよい大学だからぜひお越しください」と東京医大の受験を勧めたという。ただ、佐野被告は社交辞令だと感じ、「まだ勉強し始めたばかりでどうなるか分からない」と答えた。
 被告人質問で、弁護人から「会食時、合格点に達しなくても臼井氏によって合格させることができるという話をされたのか」と尋ねられると、佐野被告は「全く言われていない」と強く否定。「実質初対面で、不正をにおわせるのは常識では考えられない」と主張した。会食の場に、息子の高校野球での活躍が取り上げられた記事のコピーを持って行った理由は「(スポーツトレーナーをしている)谷口氏が同席するので、スポーツの話題になるだろうと思い、話題提供のために持参した。息子自慢であったことも否めない」と説明した。
★補助事業「一般論を助言」
 ブランディング事業については、その日の会食で、臼井被告から「(東京医大が)申請しているが、どうなったか」と尋ねられ、佐野被告は「全く知らない。私の所管ではない」と答えた程度で、便宜を図るよう依頼されたことはなかったという。
 会食後、臼井被告へのメールに「今後ともご指導お願いします」と書いたことについては、「目上の人へのメールには必ず入れている文言だ」と説明し、息子の受験に関する依頼との指摘に対しては「こじつけ以外の何物でもない。言いがかりだ」と反論した。
 佐野被告は会食後の9月20日、ブランディング事業の担当課長に採択に向けた日程や東京医大の結果を問い合わせた。11月7日には担当課長から東京医大が選定されなかったと報告を受けた。
 佐野被告は、臼井被告と谷口被告の3人で2016年11月11日に再び会食しているが、「公表はまだ先なので(不選定との)結果を話すことはできなかった」とし、一般論として「公募事業は、趣旨を理解しないとなかなか通らない。担当課に聞いて、よく勉強することが重要だ」と述べた。会食時に息子のことは話題に上がらなかったが、後日、臼井被告から、会費の領収証とともに東京医大の願書や要覧が送られてきたという。
★コンサル役員から「結果と合格ライン」
 佐野被告の息子は現役時、5大学の医学部を受験している。佐野被告は、このうち昭和大と東京医大の1次試験について、「谷口氏から、不合格という結果と息子の点数、合格ラインを教えてもらった」と説明。弁護人から、「加点によって合格にできる下限などを説明されたのか」と尋ねられると、「全くない」と強く否定した。佐野被告の息子は1浪して、東京医大に入学した。
 佐野被告は、谷口被告について「純然たる友達。ゴルフ仲間であり、おしゃべり仲間だ」と主張した。
 弁護人側による被告人質問は次回の公判でも続き、佐野被告の息子の浪人後のやり取りを巡って質問が行われる。弁護人側の質問が一通り終わった後、検察側からの質問に入る見通しだ。
(小川洋輔:m3.com編集部)

**********共同通信2021年4月19日 18時44分
東京医科大側の次男優遇を否定 文科省汚職で元局長
 私大支援事業で便宜を図る見返りに、次男を東京医科大に合格させてもらったとして、受託収賄罪に問われた元文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太被告は19日、東京地裁で開かれた被告人質問で、東京医科大側が次男を優遇して合格させたとの検察側の主張を否定した。
 この日は、佐野被告が東京医科大の前理事長臼井正彦被告と会食した際、同席の元医療コンサルティング会社役員谷口浩司被告が録音したデータを基に、弁護側が発言の趣旨を確認する形で進められた。
 佐野被告は、臼井被告の「ぜひうちに予約しておいでになって」との発言は「優遇を意味しているとは常人には理解不可能」と述べた。

**********時事通信2021年04月19日19時21分
元局長、不正入学の依頼否定 会食時の録音「一般論」―文科省汚職・東京地裁
 文部科学省の私立大支援事業をめぐる汚職事件で、受託収賄罪に問われた同省元局長、佐野太被告(61)らの公判が19日、東京地裁(西野吾一裁判長)であった。佐野被告は被告人質問で、東京医科大に息子の不正入学を依頼したとする録音内容について「一般論で、何か特定のことをお願いしたわけではない」と述べ、依頼の趣旨を否定した。
 録音は2017年5月、同省官房長だった佐野被告と同大前理事長、臼井正彦被告(80)=贈賄罪で起訴=の会食時、同席した医療コンサルタント会社元役員谷口浩司被告(50)=受託収賄ほう助罪で起訴=が行った。検察側は、便宜供与の見返りに不正入学を依頼した証拠とみている。
 佐野被告は、会食時に息子の入試成績の優遇を依頼するような発言は全くしていないと述べた上で、録音で臼井被告が「うちに予約しておいでになって」と発言したことについて「息子に対する優遇措置を意味しているとは常人には理解不可能だ」と反論した。
 支援事業制度を説明させるため、文科省の担当者を東京医大側に紹介したことはあったが、それ以外の依頼は受けていないとし、「息子の大学受験と支援事業を関連付けたことは一度もない。公募事業の選考は厳正な審査が行われ、官房長といえども口出しや関与は一切できない」と述べた。

**********m3.com 2021年4月20日
文科元局長「息子は先生のところに」発言を釈明
東京医大元理事長と会食、予約=優遇「常人には理解不可能」

 私立大学研究ブランディング事業に関して便宜を図る見返りに、息子を東京医科大学に不正に合格させてもらったとして受託収賄罪に問われている元文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太被告の公判が4月19日、東京地裁(西野吾一裁判長)で開かれた。佐野被告は、東京医大元理事長の臼井正彦被告との会食時に「息子は先生のところにやっぱり」などと述べたことについて、「先生のところ(東京医大)に受かるくらいの基礎学力をつけなくてはいけないと言いたかった」と釈明し、東京医大への不正入学を依頼したとの見方を強く否定した。臼井被告の「うちに予約しておいでに」との発言を佐野被告の息子への優遇を示唆するものだとの検察側の指摘に対しては、「常人には到底理解不可能だ」と反論した。
 弁護人から佐野被告への被告人質問は4月12日から続いている(『文科省元局長「東京医大理事長『うちにお越しを』は社交辞令」』を参照)。この日は、佐野被告の息子が東京医大などの医学部受験に通らず、浪人生活に入った直後の2017年5月に佐野被告、臼井被告、医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司被告の3人で会食した際の録音データの内容について、佐野被告の認識が問われた。データは谷口被告が録音していたもので、検察側が不正を裏付ける証拠としている。被告人質問では、息子の医学部受験を巡るさまざまなやり取りについて佐野被告の見解が述べられた(以下、< >内は弁護人が示した録音データの反訳)。
<佐野被告:本当に申し訳ございません。またよろしくお願いします>
 佐野被告は臼井被告に謝罪した理由を「受験をがんばれと激励されていたが、現役で合格することができず、ふがいなく思った。役人は高飛車と思われるきらいがあるので、平身低頭を心がけ、謝るところから入るようにしていた」と説明。「よろしくお願いします、は儀礼的なあいさつであり、特定の何かを指しているわけではない。あえて敷衍すれば、息子は勉強をがんばるので見守ってくださいという意味になるのではないか」と述べた。
<臼井被告:あと5点10点はほしい>
<佐野被告:そうですね、本当に申し訳ございません>

 このやり取りについて、佐野被告は「もう少し点を取らないといけないという漠然とした話だと思う」と主張。会食時、息子の東京医大の1次試験の点数や合格ラインは「すっかり忘れていた」という。
<佐野被告:〇〇(※息子の名前)は先生のところにやっぱり、い、帝京をやめたというのは>
 佐野被告はこの発言が二つの文章に分かれていると説明。本当は「先生のところに受かるくらいの基礎学力を身につけなくてはいけない。基礎学力は医学を学ぶ基になる。勉強に対する姿勢も身につけなくてはいけない。(繰り上げで合格した)帝京大を蹴って1浪させたのは、そのためだ」と言うつもりだったところ、息子が浪人したことを臼井被告に伝えたかどうかが気になり、途中で「帝京をやめたというのは(臼井氏に伝えているのか)」と谷口被告に尋ねたという。
 「やっぱり」の後の「い」は、「1浪か医学部と言おうとしたのだと思う」と述べた。
<臼井被告:来年は普通にやってくれれば絶対に大丈夫。ぜひうちに予約しておいでになって下さい>
 この臼井被告の発言については検察側が不正をほのめかすものだと指摘しているが、佐野被告は「息子は現役時もそれなりの点数を取っていたので、励ましの言葉だと思った。東京医大に来てほしいという願望や歓迎と取ることができる。(予約が優遇を意味するとは)微塵も思っていない。常人には到底理解不可能だ」と強く否定した。
★医学部受験と補助事業「関連付けたこと一度もない」
 ブランディング事業を巡っては「公募事業の採択は選考委員会で厳正に審査される。(文科省の)官房長といえども、口出しや関与はできない」と強調。会食時に述べていた申請のノウハウは、(1)文科省の政策の方向性、(2)公募要領に書いてある趣旨、(3)山梨大学副学長を務めていた経験、(4)公然の事実――の4点を基にした発言であり、「許される範囲のものと認識している。述べたのは一般論であり、東京医大の申請に対するコメントではない」と述べた。その上で「息子の受験とブランディング事業を関連付けて考えたことなど一度もない」と強調した。
 佐野被告は2017年6月1日と6月3日、東京医大の申請書案を持参した谷口被告と会っているが、「申請書案の中身は見ていない」と説明した。
 公判は次回も弁護人による被告人質問が続き、次々回から検察側の質問に移る予定だ。
(小川洋輔:m3.com編集部)

**********m3.com 2021年4月28日
文科元局長「息子は正々堂々と合格、えん罪晴らしたい」
東京医大合格発表3日前に理事長と電話「会話成り立たなかった」

 私立大学研究ブランディング事業に関して便宜を図る見返りに、息子を東京医科大学に不正に合格させてもらったとして受託収賄罪に問われている元文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太被告に対する被告人質問が4月28日、東京地裁(西野吾一裁判長)であり、佐野被告は「息子は正々堂々と合格していたのに、いまだに裏口入学と誹りを受け続けている。真実を知っていただき、えん罪を晴らせるよう衷心より願っている」と述べ、改めて不正を否認した。2018年2月の東京医大の合格発表の3日前、当時の理事長の臼井正彦被告と電話をした際の会話の内容については「臼井氏の体調が悪そうで、ダミ声だったので、会話が成り立たなかった」と説明した。
 この日の被告人質問では、4月12日、19日から引き続き、弁護人が佐野被告と臼井被告らのやり取りを確認した(『文科元局長「息子は先生のところに」発言を釈明』『文科省元局長「東京医大理事長『うちにお越しを』は社交辞令」』参照)。
★加点の話「一切出ていない」
 2018年2月7日に東京医大の1次試験の合格発表の直後、佐野被告は医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司被告に電話をかけ、夜には臼井被告にも電話をかけている。佐野被告はいずれも息子が1次試験を突破したことを報告するつもりで電話をかけ、臼井被告にはつながらなかったと説明した。翌2月8日朝、臼井被告から電話が来て「1次試験合格よかったですね」と伝えられたという。佐野被告は一連のやり取りで、加点や優遇の話は「一切言われていない」と強調した。
 2月10日に東京医大の2次試験があった後、2月13日夜に谷口被告から佐野被告へ電話があり、1次試験の合格者が450人いて、2次試験では70番までが正規合格、80番台が補欠合格となることを伝えられた。佐野被告は「息子の順位の話ではなく、一般的な話を伝えられた」と説明した。
 2月14日夕には谷口被告が佐野被告の職場を訪問。佐野被告は「東京医大の結果が出ているのであれば知りたい」などと考え、その場で臼井被告へ電話をかけたが、臼井被告がダミ声で滑舌が悪く、「話している内容がよく分からなかったので、(息子の結果を)聞き直しもしなかった」。最後に臼井被告から「合格発表を見てください」と言われたが、詳細は聞き取れなかったため、「まだ結果は出ていないのだろうと理解した」という。
★発表直後、理事長から「おめでとう」
 2月17日に東京医大の2次試験の合格発表があり、佐野被告の息子は合格。佐野被告が発表直後に臼井被告へ電話をかけ報告したところ、「おめでとうございます」と伝えられたため、「ありがとうございます」と返答した。このやり取りについて、佐野被告は「祝意を伝えられたのでお礼をした。特定の事柄、無論、優遇へのお礼では決してない」と述べた。
 大学側が開示した息子の成績は、加点による優遇がなくても合格圏内に入っていたとして、「息子は正々堂々合格しており、加点が賄賂にはならない」と主張。「人に知られて困るようなやましいことは一切していない」と訴えた。
 佐野被告は、息子の浪人時の秋以降の志望校について、第1志望が東京慈恵会医科大、第2志望が昭和大、第3志望が東京医大だと説明。2018年2月17日に東京医大の合格を知った際は「息子の努力が報われ喜んだが、息子には『さらに上を目指してがんばろう』と声をかけた」と述べた。2月26日には東京医大の入学金を納付した理由は「まだ2浪するかどうか迷いはあったが、とりあえず納めようと思った。(第2期募集の試験を控えている)昭和大に受かったら、そちらに行くつもりだった」と説明した。息子は昭和大の試験直前にインフルエンザに罹ったが、「はってでも(試験に)行ってこい」と言い、息子の健康を案じる妻と言い合いになったことも明かした。
★「息子の大学生活、茨の道に」
 佐野被告は弁護人質問の最後に「犯罪者扱いされ受けてきた社会的制裁について、一言言いたい」と切り出し、家族に対するSNSなどでの誹謗中傷に「必死になって耐えているが、精神的苦痛は極限に達しつつある。息子の大学生活も茨の道になってしまった。(佐野被告自身は)友人も同僚も親戚も失い、収入は激減し、生き地獄だ」と訴えた。
(小川洋輔:m3.com編集部)

**********NHK News Web 2021年4月28日 18時00分
東京医科大学不正合格汚職事件 文科省元局長 改めて無罪主張
 文部科学省の元局長が、東京医科大学に息子を不正に合格させてもらったとして起訴された汚職事件の裁判の被告人質問で、「息子は加点が無くても合格していたのに裏口入学のそしりを受け続け、家族の精神的苦痛は、極限状態に達しつつある」と訴え、改めて無罪を主張しました。
 文部科学省の元局長、佐野太被告(61)は、東京医科大学に便宜を図る見返りに息子を不正に合格させてもらったとして、受託収賄の罪に問われ、無罪を主張しています。
 佐野元局長は28日の被告人質問で、「息子は10点の加点がなくても正々堂々と合格していたので、加点が賄賂だったとは思っていない。立派に合格していたことは、成績開示でも明らかだ」と述べました。
 また、逮捕された後の生活について、「犯罪者扱いされ、息子は裏口入学のそしりを受け続けている。ネットでは、『まだ大学にいるのか』とか、『一家心中しろ』などといまだに書き込まれていて、私たち家族の精神的苦痛は極限状態に達しつつある」と訴えました。
 そのうえで「私は国家公務員の仕事に誇りを持って、粉骨砕身、尽くしてきたが、全うできず無念でならない。えん罪が晴らせるよう願っている」と述べ、改めて無罪を訴えました。
**********

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黒田校長時代の長野高専不正会計事件を振り返る…あの有名な家電量販店が関与?

2021-04-23 01:21:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇

長野高専大規模不正会計事件の舞台となったという「ヤマダ電機テックランド長野SBC通り店」(現:家電住まいる館YAMADA長野SBC通り店)。2017年7月撮影分のGoogleストリートビューより

■黒田孝春校長時代(2012~2015年度)の長野高専で発生・発覚した、虚偽伝票を用いた教員2名による多額の不正会計・公費私的流用事件。あの岩佐達也が高専機構本部監査室から総務課長として送り込まれてくるきっかけともなったこの事件について、学校側の対応と情報統制に対する内部関係者の疑念と不満は根強く、当会では石原祐志前校長時代の2018年にかけて公開質問・文書開示請求などを通じた調査追及を行ってきました。

○2018年4月1日:【群馬高専アカハラ・不審死問題】隣県長野からの情報②…隣県も文科省天下り校長で大迷惑?長野高専の実情
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2603.html
○2018年4月22日:【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に関して同校宛に公開質問状
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2617.html
○2018年5月8日: 【出張!オンブズマン】<速報>長野高専不正会計・着服問題に関して同校から公開質問状への回答書到来
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2631.html
○2018年5月11日:【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に関して同校の公開質問への回答に対し追加質問を発出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2634.html
○2018年5月20日:【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に関して同校への追加質問に対し回答FAXを受信!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2642.html
○2018年6月19日:【出張!オンブズマン】長野高専不正会計・着服問題に係る再追加質問と同校の回答…剥がれ始めた化けの皮?
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2672.html
〇2018年9月7日:【出張!オンブズマン】長野高専に係る諸問題に関して同校から開示された文書(その1)「不正会計関連」
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2745.html

 その後、石原祐志の失脚と土居信数校長の就任を機に、長野高専をめぐる深刻な腐敗問題はさらなる泥沼へと陥ってしまい、遺憾ながら本件方面への取り組みは足止めを喰らい続けています。しかしその折、情報提供があり、この不正会計に加担した取引先は、ヤマダ電機テックランド長野SBC通り店(当時)の法人営業だった事実が判明しました。

 長野高専から3kmほどの場所にあるその店舗について、2021年4月現在、その店名は「家電住まいる館YAMADA長野SBC通り店」となっていることがわかります。

●参考:「家電住まいる館YAMADA長野SBC通り店」(Googleマップ)
https://goo.gl/maps/3KwJHP4FUEPCXGQB9(長野市吉田1丁目21-33)

 そこで、この店舗の沿革を簡単に調べてみました。元々この場所には50年以上にわたりSBC信越放送の本社が所在していましたが、2006年の新本社ビル移転に伴い、空き土地になったようです。この旧本社跡地に「ヤマダ電機テックランド長野SBC通り店」が出店し、2008年オープンしたようです。そしてその後、2018年に「家電住まいる館YAMADA 長野SBC通り店」としてリニューアルオープンし、今に至るようです。

●参考:Wikipedia記事『信越放送』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E8%B6%8A%E6%94%BE%E9%80%81
●参考:小林玲子の善光寺表参道日記『「信越放送」の跡地は「ヤマダ電機」に決定』
http://blog.livedoor.jp/naganoetokino1/archives/1049527.html
●参考:同上ブログ『旧SBC跡地に建設中の「ヤマダ電機」最新情報』
http://blog.livedoor.jp/naganoetokino1/archives/1089796.html
●参考:流通ニュース『ヤマダ電機/埼玉、長野に「家電住まいる館」同時オープン』
https://www.ryutsuu.biz/store/k051012.html

 すると、2012~15年にかけて行われたこの不正会計は、ヤマダ電機テックランド時代の汚点と考えていいようです。数年間にわたって総額数百万円分の架空伝票を作ってやるとなると、それだけで相当な神経と労力を要するはずで、とても「気前のいいサービス」で請け負っていたようには思われません。ヤマダ電機側の担当者が不正教員から何らかのリベートを貰っていたのかはわかりませんが、そうでなければ、何をモチベーションに普段から不正伝票作成の依頼を受けていたのか強く興味がひかれます。

 あわせて、ヤマダ電機側が一大企業としてのコンプライアンスと矜持を自覚し、不正会計調査に積極的に協力したうえで関係社員にきちんとケジメを付けさせたのか、といった点も気になるところです。

5月8日追記:本記事で言及しておりました「内部調査の様子」について、「事実と異なるのではないか」とのご指摘が寄せられたため、暫定的に当該箇所を削除いたしました。裏付け不足の状態にある情報を短慮のままに公表してしまったことは担当者の不徳の致す所であり、極めて重く受け止めております。混乱を招いてしまった読者の皆様、そして何よりも事実とは異なるおそれがある内容を掲載された当該教員の方に、心よりお詫び申し上げます。今後とも再発防止に努めてまいりますので、読者各位におかれましては、お気付きの点がございましたら遠慮なくご指摘をお寄せください】

■石原・土居という二連続の最悪級校長が、アチラコチラで完全に底の抜けた大問題を日々量産してくる時代に至ってしまった長野高専。モグラ叩きの様相を呈している同校について、遺憾ながら黒田時代の不正会計事件にはなかなか手を付けられていないものの、今後余裕があれば本件についてもたびたび目を向けていきたいと存じます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【仰天続報】広島栄転逃亡の岩佐達也…なんとその妻も全国立高専の教育事務に関わる本部責任者に!

2021-04-20 01:02:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■長野高専総務課長として、緊急事態宣言下のコロナ規則破りや長年にわたる常習巨額の旅費着服など悪事の数々をはたらき、隠蔽のために土居信数校長と結託するのは日常茶飯、果ては正当化のため高専機構理事長まで動かして長年の全高専級規則を変えさせた挙句、今年度明けに広島商船高専事務部長へと驚愕の栄転逃亡を決めていった岩佐達也。

 彼については、かつて、「謎の力」によって夫婦共々呉高専から東京の機構本部へと押しかけてきた奇妙な経緯が指摘されていますが、一方その妻である岩佐浩子氏は、機構本部財務課旅費係の専門職員であることが知られていました。当然、妻の側ではその立場を悪用し、夫婦ぐるみの旅費着服を遂行していたものとみられています。

○2021年1月17日:【スクープ】総額40万円!?遂に暴かれた長野高専岩佐総務課長の夫婦ぐるみ常習旅費着服の実態と全貌!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3266.html
○2021年2月18日:【長野高専総務課長・巨額旅費常習着服問題】岩佐夫妻暗躍?…高専機構理事長直々の規則抹消隠蔽劇!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3278.html
○2021年4月2日:【仰天速報】長野高専震撼の悪徳総務課長岩佐達也、新年度人事で広島商船高専の事務部長に栄転逃亡!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3296.html

 その折、この妻の方についても情報提供があり、岩佐浩子は今年度から機構本部の学務課学務係長に配置換されていることが判明しました。


仰天人事連発中の高専機構本部。2020年11月20日撮影。

■本記事執筆時点において、「専門職員 係長相当職」などでウェブ検索すると、様々な国立大学の報酬・給与基準が多数ヒットし、「『係長』には、係長相当職である『専門職員』を含む」という文言が記されています。ここから少なくとも国立大学一般で「係長=専門職員」の扱いであることがわかり、よって国立高専を統括する機構本部でも同様の基準とみられます。

 すると、財務課旅費係専門職員から学務課学務係長への今回の配置換は、夫とは違って「昇進」「栄転」とは言い難く、いわゆる横滑り人事であると考えられます。

 しかし、降格にならず職級据え置きなのはさておいても、全51国立高専の教育事務を統括する機構本部学務課において、学務係長ともなればその全学生約5万名の教育に間接的に携わる重職です。教育機関にも公的機関にもふさわしくない真っ黒不正の片割れを、お茶を濁すように旅費係から外したかと思えば、今度は数万名の学生教育に関する業務の責任者に就けてくるとは、高専機構の神経と倫理観と面の皮はどうなっているのでしょう。

 この報に接した高専関係者からは、「全国の高専生や現場教員に対して失礼極まりない」「岩佐達也の『部長栄転』があまりに異常すぎて相対的にインパクトが薄れているが、十分にとんでもない人事」といった憤慨のコメントが次々寄せられています。

 もっともこれは、より社会で役に立つ実学を全高専生たちへ伝授しようと、「公金着服学」「悪事隠蔽法」などの新科目をカリキュラムに含める布石なのかもしれません。そうだとすれば、腐敗の渦巻く過酷な現代社会で生き抜く術をぜひ学ばせようという高専機構の先見的な教育ビジョンと気概には脱帽せざるを得ません。

■なお、今回の人事を分析した高専関係者によれば、「今回の機構本部学務係長拝命で、岩佐浩子が当面(最低3年間)は東京にいるつもりであることがわかる。すると、現在広島商船高専に栄転逃亡している岩佐達也についても、数年してほとぼりが冷めたころに東京圏に戻ってくる可能性が高くなった」とのこと。悪徳公務員岩佐夫婦としても、せっかく手に入れた夢の大東京ライフをそう易々と捨てるつもりはないようすがうかがえます。

 筆者として、憧れの東京で豊かな余生を送りたいという岩佐夫婦の希望は存分に叶えてやりたいと思います。したがってまずは、これまで公務員倫理に背いて散々に積み重ねてきた大悪事の数々についてしっかり説明とケジメを付け、石原祐志・土居信数と鈴木宏を代表とする取り巻き副校長らと共犯となった悪事も白状し、自分勝手に巻き込んできた長野高専関係者および全国高専関係者に謝罪し、身の丈に合った職位の綺麗な身になったうえで正々堂々と東京ライフを送られるよう勧告いたします。

【2021/10/16追記】
■その後、岩佐浩子の高専機構本部事務局における役職についてとんでもない追報が寄せられました。
 なんと、たった半年で学務課学務係長から外れ、今度は人事課給与係長に配置換えされているというのです。
 予算を好き勝手に扱う『蜜の味』が忘れられず、今度は給与査定等の面から不正を働く心積もりなのかもしれません。
 今後とも、高専機構に巣食う極悪人夫婦について、引き続き動向を追ってまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【仰天速報】長野高専震撼の悪徳総務課長岩佐達也、新年度人事で広島商船高専の事務部長に栄転逃亡!

2021-04-02 18:24:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇

長野高専職員の令和2→3年度切替人事(ZIP ⇒ a3nvnxelpdfihj.zip)。なお、係長以下の職級については、当会の判断において氏名等をマスキングしている

■2017年度より長野高専総務課長の任にあった岩佐達也――緊急事態宣言中の極めて悪質なコロナ規則破りとその悪質隠蔽に端を発し、最低でも過去数年間にわたる常習多額の出張旅費着服事件が発覚したあげく、正当化のため高専機構理事長のシッポを引っ張って長年の出張規則ごと強引に変えさせ、果てはかつて夫婦一緒に呉から東京に押しかけてきた経緯にも闇が指摘されるなど、まさに悪事の大油田と化しています。その悪事の数々をめぐって大波乱となった2020年度の幕が下り、留任かはたまた異動逃亡か、年度切り替わりを挟んでの岩佐達也の進退が大きく注目されていました。

 令和3年度(2021年度)明けを迎え、満を持して関係各所に確認を取ったところ、岩佐達也は今年度から広島商船高等専門学校に異動になり、しかもなんと事務部長に昇格になったことが判明しました。

 「反抗的な」長野高専内部関係者らの監視とオンブズマンの調査追及から離すため、遠方に逃亡させる手まではある程度予測されていましたが、まさかあれほどの重大問題の数々をしでかした御仁を、降格どころか逆に一校の事務トップに昇格させるという驚愕の事態に、一同アゴが外れて地面に付いてしまいました。

●広島商船高専公式HPhttps://www.hiroshima-cmt.ac.jp/
●同校所在地(Googleマップ)https://goo.gl/maps/iT8xoa5tF7steahT7


岩佐達也が晴れて事務部長職を拝命したという広島商船高等専門学校。同校HP・学校紹介ページより。国立高専としては1967年設置ながら、源流は1898年まで遡る伝統校。瀬戸内海に浮かぶ大崎上島に所在し、R2.5.1現在で約700名の学生を擁する。橋のない離島なうえ、船乗りの夢を抱く若者が全国から集うためか、半数以上の約440名が親元から離れて寮生活を送り、「GoToヌクヌク」もせず日々切磋琢磨に励んでいる

■あるまじき悪事と隠蔽の塊がまさかの事務部長栄転という一報に、長野高専の内部関係者多数からは次々「高専機構もついにここまで堕ちたか」「学生や保護者を馬鹿にしている」「不正の塊が栄転なんて自浄作用が皆無で信用丸崩れ」と烈火の如く怒りのコメントが発されています。もはや留まる所を知らない高専組織の腐敗体質の結晶ともいえる今回の異動栄転劇を見せつけられて、果てしない怒りと絶望を覚えるのが常人の感覚でしょう。

 まるで少年バトル漫画のごとくインフレーションを続ける高専組織の破廉恥無法ぶりが、毎度にわたって当会や高専関係者の「常識的な」想定を軽々と超えてくることを、あらためて思い知らされました。


(1)驚愕の岩佐栄転異動劇…背景には機構の超貴族待遇?
■それにしても、なぜ、「広島商船高専」に「事務部長昇格」でなければならないのでしょうか。この事実を紐解いていくと、岩佐達也が高専機構から受けているVIP待遇の異様さがいっそう露わになります。

 まず、長野高専関係者や当会の目と手から逃がすためには、最低でも第二ブロック(関東甲信越)からは出す必要があると考えたに違いありません。ですがそれだけなら、北海道や九州でもよいはずです。

 既報のとおり、岩佐達也の職歴は広島県の呉高専で始まり、以降四半世紀にわたり勤めています。岩佐達也の妻である浩子氏も同様に呉高専職員であり、職場内夫婦であったようです。すると、夫婦の生まれ育った地元が広島県呉市付近にあることが強く推察され、当然その老親も(存命であれば)同県内に在住しているはずです。事実、かつて内部関係者に「呉の実家に帰省する」といった話をしていたこともあるようです。

 さらに情報提供によると、岩佐夫婦には2人の子供がおり、揃って呉高専を卒業しているようです。すると、こちらもそのまま県内で就職し、安定した拠点を持っている可能性が考えられます。

 一方で、岩佐達也が、一週も欠かさぬ「週末GoToヌクヌク事業」に見せた異様な執念は周知のとおりです。ここから、「どうでもいい学校の狭くて汚い教職員宿舎」にとどまっていると精神が崩壊してしまう特殊体質であることが強くうかがえます。そうなると、甘えんぼな岩佐達也が変わらず週末に「GoToヌクヌク」できるようにするためには、上記の通り「おうち」のある広島県(あるいは最低でも中国地方)はマストだった、というわけでしょう。

■それでは、「広島商船高専」であるべき理由はなんなのでしょうか。そこで、同校の令和2年度幹部名鑑を確認してみると、興味深いことがわかりました。同校の昨年度時点での事務部長兼総務課長であった「此枝昇(このえだ のぼる)」氏は、昭和35年(1960年)9月1日生まれとなっています。すると、昨年度末に満60歳を迎えて定年退職し、見事に席が空く予定になっていたことがわかります。令和3年度明けのタイミングで岩佐を移す先としては、まさにうってつけだったことがうかがえます。


令和2年度(2020年度)の広島商船高専幹部名鑑(うち学校長および事務部長兼総務課長の抜粋)

■しかしそれでも釈然としないのは、昇格の必要性です。事務部長と総務課長を兼任していた此枝氏が定年退職すれば、当然に両方の席が空くのですから、広島商船高専に移すにしても総務課長据え置きのまま横滑りにもできたはずです。

 一部の高専関係者の推察によれば、「総務課長のままでは、わざわざ尋常でない遠隔異動をする意味について内外に説明が付けられないので、栄転ということにするため『部長』にしたのかもしれない」とのこと。

 このように、高専機構は、岩佐達也の個人的な快適さに極限まで配慮して逃亡先を広島県に設定してやり、さらにその体面を慮って、事務部長昇格までしてやったことがわかります。不正まみれの一職員に対するこの凄まじい特権VIP優待ぶりには、目の玉が飛び出るといって過言ではありません。もはや、高専機構と岩佐達也のどちらが主でどちらが従なのか、わかりません。

■ところで、並んで気になるのは、「岩佐家」としては今後どうするつもりなのかということです。特に、高専機構本部の旅費係トップを抑えている妻の岩佐浩子専門職員の行方です。

 平成26年にわざわざ夫婦揃って長年暮らした呉から東京へと移り(口利きをして移らせ)、そして居ついていることからすると、夫婦として東京に地盤を持つ心積もりであった可能性は強く想定されます。下手をすると、定年後も憧れの大東京に居座るべく、家も買っているかもしれません。夫婦でまた広島に出戻るのか、夫は広島に移って妻だけ東京に残すのか、どのような選択をするのか興味深いところです。

 ある高専関係者によるひとつの想定としては、「いったん広島商船高専に行っておいて、数年経ちオンブズマンや高専関係者の怒りと追及のほとぼりが冷めた頃合で、東京に戻ってくる想定かもしれない」とのこと。そうだとすれば、高専関係者も当会も、実に心底舐め腐られたものです。


(2)長野高専事務幹部を総チェンジ…機構の思惑は?
■ところで実は、年度替わりに際して長野高専から去ったのは岩佐達也総務課長だけではありませんでした。なんと、昨年度までの小山登事務部長・岩佐達也総務課長・北原斉総務課長補佐(総務担当)に二村光昭学生課長と、事務系の幹部が総入れ替えになったとのこと。

 判明したところによると、長野高専における幹部級の令和3年新年度人事は次のとおりのようです。

<総務課長>
 前任:岩佐達也(いわさ たつや)(人事後:広島商船高専事務部長)
 後任:森田智士(もりた さとし)(人事前:長岡高専総務課総務係長)


<事務部長>
 前任:小山登(こやま のぼる)(人事後:木更津高専事務部長)
 後任:亀井耕治(かめい こうじ)(人事前:鳥取大総務企画部情報企画推進課長)


<総務課長補佐>
 前任:北原斉(きたはら ひとし)(人事後:信州大総合健康安全センター副課長)
 後任:常川陽一(つねかわ よういち)(人事前:信州大財務部経理調達課副課長(経理GL))


<学生課長>
 前任:二村光昭(にむら みつあき)(人事後:信州大農学部事務長)
 後任:富岡裕(とみおか ゆたか)(人事前:信州大学務部学務課長)


 加えて、石原祐志を「石原校長先生」「石原校長前先生」と呼ぶことで有名な総務課人事係長の北澤直樹氏も信州大に帰っていったとのこと。高専機構の意向を抜きに、もともと信州大との交換人事として設定されていた部分もあるでしょうが、まさに全取り換えです。なお、トップの土居信数学校長は続投のようです(あわせて、兼務の機構理事職も続投とのこと)。

 高専関係者によれば、まず高専の事務系統において総入れ替え異動というのがなかなかないケースなばかりか、しかも事務部長が異動するとなれば、混乱を避けるために最低一方の課長は異動しないのが普通のようです。

 実は、岩佐達也の長距離逃亡人事は事前に内部関係者の間である程度予測されていたものの、一方では「長野高専に留まるのではないか」との見方も一部ありました。その理由が小山登事務部長の存在です。というのも、岩佐達也総務課長と小山登事務部長は平成29年(2017年)4月に同時着任しており、慣例的な常識として「セット」の人事が行われるものと考えられていたからです。ところで小山氏は昭和36年(1961年)7月生まれで、2022年3月末をもって定年を迎えます。よって、「定年まであとたった1年の小山事務部長をわざわざ異動させてしまうことになる以上、21年3月末で岩佐を異動させるのも難しいのでは」と推論されたというわけです。

 ところがその予想は外れました。高専機構は、定年まであと1年の小山事務部長まで容赦なく飛ばして、岩佐の栄転異動を優先してきたのです。岩佐と高専機構の保身劇に巻き込まれ、定年前最後の1年間にいきなり他所へ飛ばされる羽目になった小山氏がまったく不憫ですが、なりふり構わない高専機構の必死さが伝わってきます。

■さらに、あわせて注目されるのは、岩佐が去った後の長野高専の陣容です。とくに、岩佐総務課長と小山事務部長の後任がどのような人物かという所が鍵になります。

 長野高専をめぐっては、大問題の数々もロクに決着しないまま、次から次へと爆弾級の問題が積み増されている状況です。相変わらずオンブズマンの調査追及に晒されているだけでなく、「反抗的な」内部関係者からの憤りと注目も日増しに大きくなる中、長野高専はこれからより一層の混乱と激動の時期を迎えることが予想されます。

 そうなると、土居体制・高専機構側としても支配を盤石にするため、同校の事務系トップ級幹部として「選りすぐり」の人材を送り込んでくることも想定されます。

 実際、当会がJ科大規模アカハラ・寮生連続自殺事件を調査追及していた群馬高専では、事態を破滅的にした天下り西尾校長が逃亡したのと入れ替わりに、高専機構選りすぐりの猿田事務部長が機構本部から送り込まれ、自ら陣頭指揮をとってオンブズマン対策と問題隠蔽、時間稼ぎにあたりました。後の調査で、当会から同校後援会宛ての書状もすべて猿田氏が奪い取り、「回答」を書いていたこともわかりました。

○2018年4月1日:【群馬高専アカハラ・不審死問題】隣県長野からの情報①…高専機構からの目付役?猿田事務部長の正体
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2602.html
○2020年9月16日:アカハラ犯雑賀を学科長が担任に“推薦“!?奇々怪々な群馬高専に質問状提出!そして今暴かれる不都合な真実!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3204.html

 このような前例からして、長野高専の事務系統の体制をいっそう盤石にしようと動いてくる可能性も大きく想定されます。事務幹部をわざわざ綺麗さっぱり「総入れ替え」状態にしてくる動きも、そうした不安材料です。

 一方で、さらに不可解な点も指摘されています。実際の後任人事を見ると、森田智士新総務課長は長岡高専の総務係長から、亀井耕治新事務部長はなんと鳥取大の課長からやってきています。新任の総務課長は異例の「二階級特進」、新任の事務部長はこれまた異例の遠距離昇任人事というわけで、長野高専の内部者らは極めて異例なダブル後任人事にただならぬものを感じているそうです。

 高専機構として、何らかの意図が裏にあることは明らかですが、それでも前係長と鳥取大前課長のコンビとなると、「高専機構の選りすぐり」というにはどうも違う気もします。「腕を買った」というわけではなく、むしろ逆に、繋がりやノウハウがない人物をいきなり抜擢することで、高専機構に頼らざるを得なくして支配を盤石にし、万一にも「自分の頭で考えて独自行動する」ことがないよう防止措置を打っているのかもしれません。

 また、これからより一層混迷を深め、追及に晒されるであろう長野高専に、「使い潰しやすく、いざとなったら切りやすい」人材を置いたという側面もあるのかもしれません。


(3)新年度早々情報隠蔽の改造土居体制…悪化どこまで?
■これからの長野高専がどのような「改造体制」の布陣で動いてくるのか、引き続き見極めていきたいと考えておりますが、しかし残念なことに、年度明け早々から同校が異様な情報封鎖を見せてくる事件が起こりました。

 というのも、当会では、新年度明けにあわせて独自に長野高専へ人事情報を問い合わせ、確認を取る予定でいました。しかし年度明け、当会担当者が満を持して長野高専に岩佐達也の人事等を問い合わせる電話を掛けたところ、同校はアレコレ意味不明な理由を並べ立て、回答を拒否してきたのです。

 4月1日の14時10分ごろ、長野高専総務課に電話をかけて要件を伝えると、北澤氏の後任である斉藤人事係長に繋がりました。そこで、まず「昨年度までの総務課長・事務部長・総務課長補佐(総務担当)・学生課長の在籍有無につき回答願いたい」と訊くと、「上司に確認した上で電話をする」と返ってきました。15分ほどしてから電話が有り、「岩佐、小山、北原、二村とも3月31日付で異動になった」とのこと。

 その上で、当方から「『前任者の異動先および職名』『新任者の異動元および職名』をお聞かせ願いたい」と続けて尋ねたところ、「質問の趣旨は分かった。上司にまた確認をとる」としてまた電話が切られました。

■そこで再度待ち続けましたが、一向に連絡がありません。仕方がないので16時35分に当会担当者の方から電話をしたところ、「個人情報だから教えられない」などと信じられないことを言い出しました。仰天して「全員公務員であり、しかも管理職の氏名・役職は個人情報ではありえない」と抗議すると、今度は、「校長が東京に会議で出張中で、戻ってこないと確認が取れない」などと言い始めました。なぜ電話ひとつ答えるのに土居校長を引っ張り出さなければいけないのでしょう。当会担当者からは「話にならない。上司を出せ」と言いましたが、電話も代わりたがらず、埒があきません。

 そのままあれこれ粘り強く言うと、「再び上に相談する」としてまた引っ込みました。そして17時ごろ再度電話をすると、「明日2日の10時に教えることができる」とのこと。

 4月1日を迎えて発令が済んでおり、しかもすべて名鑑で公表される国立高専の幹部級職員の人事情報を、納税者たる国民に教えられないなど、意味がわかりません。まして、それを教えるのに土居校長の裁定を仰がなければならないなど、まして理解不能です。そもそも、いくら長野高専が隠そうと、異動先/元の機関に直接確認を取れば公的に分かるのですから、隠す意味がありません。土居信数体制のもと、ますます情報統制が凶悪化しているのを痛感しました。

■そこで約束されたとおり、4月2日の午前10時きっかりに再度、長野高専総務課人事係に電話をしたところ、女性職員が出てきました。さっそく「斉藤係長をお願いします」というと、「斉藤係長は席を外している」というので、同係長が戻りしだい連絡するよう依頼して待ちました。すると30分ほど経って電話が掛かってきたので、出てみると、なぜかいつものオンブズ対応窓口である総務課総務係白木職員でした。

 白木職員は、「この件については私の方からそちらに連絡するように言われた。本件情報は人事関係情報であり、決めたのは機構本部なので、そちらに電話してほしい」とまた信じられないことを言い出しました。長野高専でまさに行われたばかりの幹部人事について、学校自ら回答することを一切拒絶し、なぜか東京の本部にタライ回しにしてきたのです。前日から再三にわたりオンブズマンに電話をさせ、「午前10時には回答できる」と確約したのは一体何だったのでしょう。

 そこで、あまりの情報隠蔽と横紙破りの連発を浴びて立腹しながらも、直ちに高専機構本部総務課総務係の情報開示担当の電話番号に電話をしました。すると、女性職員が出てきたので、「橋本職員の後任か」と訊くと「いえ、私ではなく小林というものが後任となりますが、本日不在です」と返答されました。

 そこで事情を説明し、「しかるべき担当者と話したい」と告げると、またしばらく待たされたあと、吉川と名乗る職員が出てきました。問い合わせ内容を伝え、「長野高専からの指示で、機構本部事務局に問いあわせるようにというので、こうして電話をしている」と説明したうえで回答を求めると、なんと「本件は情報開示手続きをしてもらわないと……」などとまたまた頭が痛くなることを言い始めました。そのため、「公表情報について、どこまで余計な時間と費用を掛けさせれば気が済むのか」と抗議しました。

 新年度を迎えても絶賛悪化中な高専組織の隠蔽腐敗体質ぶりはよくよく分かったので、次の確認方法に切り替えることにしました。すでに別途把握していた長野高専幹部人事を見ながら、「それでは、長野高専の幹部級人事のビフォーアフターについて、こちら側が入手した情報をじっくり読み上げましょう。間違いがあった場合に限り指摘してもらいたい」と前置きしたうえで、「前総務課長岩佐達也、広島商船高専事務部長……」と異動人事情報をすべてゆっくり読み上げました。

 すると、吉川と名乗る男性職員は「総務課長補佐の件は、手元に情報がないので確認のしようがない」と返してきたので、「では、その他は合っているのだね」と訊くと、ようやく観念したのか、「合っている」と返事してきました。

 このように長野高専と高専機構は、昨年後半にかけ「タライ回し」と「書面手続き強制」という新しい隠蔽時間稼ぎスタンダード戦術を覚えたのか、やたら多用するようになっています。異様に機構本部に依存し、自校の情報すら自校で答えられなくなった長野高専は、もはや独立した学校の体をなしていません。上述の総入れ替え人事の狙いも、やはり恐らくこのあたりにあるように思われます。

 以上のとおり、「改造土居体制」の長野高専は新年度早々から猛烈な情報隠蔽と腐敗体質のパンチを放ってきており、あまりに先が思いやられます。


■今回、あまりにも腐敗のタガが外れた岩佐達也の栄転異動劇を目の当たりにして、これまで比較的穏健な見方をしていた長野高専関係者らですらも、いよいよ怒りと危機感を強めているようです。

 高専機構ぐるみの優遇の甲斐あって広島商船高専に栄転逃亡した岩佐達也「事務部長」ですが、高専機構の職員であることに変わりはありません。すると、物理的には「逃れた」ものの、システム上は逃れきれていないことになります。ある高専関係者の感想によれば、「高専機構も、本当は大学など『高専機構外』に出したかったのだと思いますが、岩佐達也は就職後ずっと高専組織で働いているので、外へ出すに出せなかったというのが正解だと思います」とのこと。

 当会としても、今回の栄転移動劇に動じることなく、引き続き粛々と、岩佐達也と長野高専、そして高専機構をめぐる不正と腐敗の沼に槍を突き入れていく所存です。

 これまで、長野高専の学生・OBの方々には「GoToヌクヌク」の監視報告をいただいておりましたが、今後その任は不要になってしまいました。学校の現状と未来について深い問題意識と危機感を抱き、そしてこれまで精一杯ご協力いただいたことについて、あらためて深く感謝申し上げたいと思います。今後とも、事務系統を「刷新」した長野高専において、相変わらず不正腐敗と隠蔽を極めて甘い汁を吸う土居体制を追い詰めるべく、引き続きご協力賜れれば幸いです。

 一方で今回、思わぬ形で特大の爆弾を背負い込む形になった広島商船高専ですが、こちらも今後の動きが注目されます。同校内部の様子について情報提供いただける方を現在探しております。

 当会では、船乗りの誇りに泥を塗ることにもなりかねない今回の爆弾人事が引き起こす異常事態を強く懸念しております。もしも同校内部関係者の方が本ブログをお読みになっていらっしゃいましたら、シーマンシップの誇りにかけて、ぜひご意見・ご協力を賜れれば幸いです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報:岩佐達也・長野高専前総務課長関連問題の当会ブログ過去記事リンク(2021/04/02現在掲載済分)
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<緊急事態宣言中のコロナ規則破り問題>
○2020年5月26日:【出張!オンブズマン】外出自粛中に長野高専総務課長が車で週末東奔西走?…真偽確認の公開質問提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3169.html
○2020年6月4日:【速報/出張!オンブズマン】長野高専総務課長のコロナ規則破り疑惑問題…同校から驚愕の強硬隠蔽回答!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3171.html
○2020年6月11日:【出張!オンブズマン】総務課長コロナ規則破り隠蔽の長野高専に2回目の公開質問&各種文書開示請求提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3174.html
○2020年6月18日:【出張!オンブズマン】貴族政治に蝕まれる長野高専から届いた第2回新型コロナ公開質問状への厚顔無恥回答
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3175.html
○2020年7月6日:【出張!オンブズマン】長野高専総務課長コロナ規則破り疑惑…同校と機構監査室にダブル公開質問状提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3177.html
○2020年7月26日:【出張!オンブズマン】長野高専総務課長コロナ規則破り疑惑に同校と機構監査室が横並びで隠蔽グル回答
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3183.html
○2020年11月18日:【出張!オンブズマン】地域の要請も蔑ろの長野高専総務課長コロナ規則破り…県は介入に及び腰
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3239.html

<常習多額の出張旅費着服問題>
○2021年1月17日:【スクープ】総額40万円!?遂に暴かれた長野高専岩佐総務課長の夫婦ぐるみ常習旅費着服の実態と全貌!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3266.html
○2021年2月18日:【長野高専総務課長・巨額旅費常習着服問題】岩佐夫妻暗躍?…高専機構理事長直々の規則抹消隠蔽劇!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3278.html
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コメント (18)
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