田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

はじまりへの旅(Captain Fantastic)

2017年04月12日 08時02分14秒 | 日記

 

 Captain Fantastic Movie Poster

Captain Fantastic Poster

ビゴ・モーテンセンが大家族の父親役を演じ、森で暮らす風変わりな一家が旅に出たことから巻き起こる騒動を描いたロードムービー。現代社会から切り離されたアメリカ北西部の森で、独自の教育方針に基づいて6人の子どもを育てる父親ベン・キャッシュ。厳格な父の指導のおかげで子どもたちは皆アスリート並みの体力を持ち、6カ国語を操ることができた。さらに18歳の長男は、受験した名門大学すべてに合格する。ところがある日、入院中の母レスリーが亡くなってしまう。一家は葬儀に出席するため、そして母のある願いをかなえるため、2400キロ離れたニューメキシコを目指して旅に出る。世間知らずな子どもたちは、生まれて初めて経験する現代社会とのギャップに戸惑いながらも、自分らしさを失わずに生きようとするが……。監督は「アメリカン・サイコ」などの俳優で、「あるふたりの情事、28の部屋」で監督としても高く評価されたマット・ロス。第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の監督賞をはじめ、世界各地で数々の映画賞を受賞した。(映画.comより)

 

 

 

 

 なかなかに考えさせられる映画でした。今の消費文化・物質主義に警鐘を鳴らしたい気持ちもわかる。実際、世間や人にかかわらずに人生を過ごせれば楽だろうな、とも思う。しかし、森の中で自給自足の生活を送る限界というか、それだけで生きてゆけない現実も、やっぱりわかる。みんながそうであるような未開の国に住むのならいざしらず、アメリカではやっぱり無理があるのかな、とも思います。それでも、文明に毒されない理想の生活を求める父、ヴィゴ・モーテンセンは、6人(!)もの子供を率いて、体を鍛え、学を授けながら森で一緒に暮らしています。夫婦で描いたはずの理想の自給自足生活はしかし、妻が精神を病むに至り、疎外したはずの文明社会の中の病院に入院する、という結末に至っています。父親と子供たちだけの生活。それはそれで子供たちもなじみ、「ママはいつ帰ってくるのかな」などと思い描きながらも、父の厳しい鍛錬もなかば楽しんでいます。

しかし、あるとき訃報が。ママがとうとう自殺してしまったのです。これは悲しいですね。一緒に理想を追い求めたはずのヴィゴは、どんなにショックだったでしょう。当然、妻の両親(特に父親)からは責められます。こんなに娘を追い詰めたのは、おまえの非現実的な思想ではなかったのか、と。この辺は難しいところだと思います。父親(フランク・ランジェラ)の言うことも一理あるのは確かなのです。社会的に成功している妻の両親は、娘が仏教徒であったにもかかわらず、教会での葬儀を選択します。この偽善がもっとも嫌いなヴィゴたちは、憤懣やるかたありません。妻の遺書にのっとった葬り方を選択すべく奮闘を始める・・・そんなお話です。

もっとも、そこへ行くまでに、反抗的な子供が出てきて祖父母に引き取られてしまったり、ヴィゴの妹は「普通の人」であるがために、子供たちに「自殺」を説明できなくてヴィゴと衝突してしまったり、紆余曲折を経てゆきます。

こういう場合、双方言い分は正しいと思うのです。ただ、自分がどちらに順応できるか・・・そんな感じだと思うのです。しかしながら、子供たちはこれからの人生が長いですから、大人になってから自分の価値観で森にこもったヴィゴと違い、やはりいろんなことに(それが偽善であっても)触れていかないといけないでしょうね。

ということで、ラストは、見方によれば「中途半端」な展開になります。しかし、私個人的にはこれでよかったのではないか、と思います。感想はいろいろだとは思いますが。

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グリーンルーム(Green Room)

2017年04月10日 09時15分11秒 | 日記

 

2016年6月に自動車事故で亡くなったアントン・イェルチンの主演作で、「ブルー・リベンジ」で注目された新鋭ジェレミー・ソルニエ監督によるバイオレンススリラー。パットがボーカルを務めるバンドは、車のガソリン代にも事欠く、売れないパンクバンド。彼らが極貧ツアーの中、ようやく出演することができたライブハウスは、なんとネオナチの根城だった。パットとバンドメンバーは、そこで殺人の現場を目撃してしまい、ネオナチ軍団から命を狙われる事態となってしまう。圧倒的に不利な状況で、グリーンルーム(英語で「楽屋」の意味)に閉じこもったパットたちは、アイデアと反骨精神を武器に極悪非道なネオナチ軍団に立ち向かう。主人公パット役をイェルチンが演じるほか、「マイ・ファニー・レディ」のイモージェン・プーツ、「新スター・トレック」のピカード艦長や「X-MEN」のプロフェッサーX役でおなじみのパトリック・スチュワートが脇を固める。(映画.comより)

 

 

 

 まだまだ将来が楽しみだったアントン・イェルチェンの最後の主演作。考えれば考えるほど残念です。人生って本当にわからない。惜しまれる才能です。

さて、物語はしごくシンプル。SNSなんかで情報拡散して売り込むなんて!と、独自のスタンス(やせ我慢・見栄張りとも言う)を持つパンクバンド。毎日の生活費にも事欠き、ガソリン代もままならずに他車から盗む、という犯罪を犯しつつ、それでもこだわりを持ちながら活動しています。そんななか、なんとかつかんだ仕事は、人里離れた怪しげなライブハウスでの出演。しかしながら、見た目通りの怪しいハウスは、やっぱり事件が起きるのでした・・・そんなお話です。

期せずして目撃してしまった殺人事件。彼ら(ライブハウスに集っていた、ネオナチとおぼしき奴ら)も、見られた以上、ただで帰すわけにはいきません。誰も助けに来てくれない中、素人による脱出劇が始まります。

話の展開は最近の映画「ドント・ブリーズ」に似ています。ただ、主人公たちは盗みに入ったわけではなく、正当に仕事に行っただけなのが悲しいところです。「ソウ」ばりにイェルチェンが怪我をしたり、仲間が一人、また一人とやられていったり、屈強な犬が飼われていたり。はたまた、ライブハウスなはずなのに、地下にある施設が併設されていたり。屈強な彼らに対して、素人のバンドメンバーたちは、まったく救いがありません。そして、ネオナチの頭領は、なんとパトリック・スチュワートなのです。映画ファンなら驚きますねぇ。彼はわりと「正義の人」でしたから。でも、今回も冷静で言動は紳士的な頭領を演じます。落ち着き払っているところが不気味感漂ってます。

そもそもなんで殺人が起きたのか・・・それは、男女の情のもつれみたいです。そうなると、ネオナチ仲間の中でも頭領絶対の奴ばかりではなく、中立っぽい立ち位置になる奴も出てきたり。話はいろんな方向に展開してゆきます。しかしながら、一人、また一人と亡き者にされてゆくあたりは、「ソウ」か「ドント・ブリーズ」そのもので、とっても怖いです。イェルチェン以外にも「マイ・ファニー・レディ」のイモージェン・プーツも出てたりしますが、基本怖いので、心して見ることをおすすめします。

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ハードコア(Hardcore Henry)

2017年04月06日 08時12分08秒 | 日記

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サイボーグ化された男性が愛する妻を救うべく壮絶な戦いに身を投じる姿を、主人公の一人称視点のみで描いた新感覚アクション。ロシア出身の新人監督イリヤ・ナイシュラーが制作したプロモーション映像がネット上で大きな反響を呼び、クラウドファウンディングによって長編映画化が実現。2015年トロント国際映画祭のミッドナイト・マッドネス部門でプレミア上映され、ピープルズチョイス・ミッドナイトマッドネス賞を受賞した。見知らぬ研究施設で目を覚ましたヘンリー。彼の身体は事故によって激しく損傷しており、妻と名乗る女性エステルによって機械の腕と脚が取り付けられる。さらに声帯を取り戻す手術に取り掛かろうとした時、施設を謎の組織が襲撃。脱出を試みたもののエステルをさらわれてしまったヘンリーは、超人的な身体能力を駆使して救出に向かう。「第9地区」のシャルト・コプリー、「イコライザー」のヘイリー・ベネット、「レザボア・ドッグス」のティム・ロスらが出演。(映画.comより)

 

 

 

 すごい映画でしたね~。何がって言うのが難しいくらいなにもかもが斬新で。もはや年寄りにはついてゆけません。そもそも「ハードコア」って何よ、くらいに思っていたのですが、原題は「ハードコア ヘンリー」、この固有名詞が後ろについてるほうがわかりやすかったんじゃないかなぁ。主役はヘンリーさんですから。で、こういうストレンジ・テイストの映画に必ず出てるのが、シャルト・コプリー。やりますねぇ。「第9地区」のコプリーさんや、「チャッピー」も好きでした。なかなか味のある役者さんだと思います。この作品はティム・ロスが出てると話題ですが、ほんの少しです。重要な役ではあるのですが。

さて、具体的にどう、と説明しづらい作品なのですが、ともかくヘンリーは、目が覚めると研究室のベッドみたいなところに寝かされています。自分の記憶も定かではないのですが、目の前には美人過ぎる研究者が(彼女がヘイリー・ベネット。多分「マグニフィセント・セブン」でデンゼル・ワシントンたちを雇った女性じゃないかな)。白衣を着ているのに超ミニスカートで色っぽい。怪しさ満点です(笑)。しかし、彼女が「あなたの妻よ。愛しているわ。命がけであなたを治してみせる」なんて言うものですから、そうなのかなと思っています。彼女によると、瀕死の重傷を負った(いや、死んだのだったかも)愛する人を蘇らせるため、使えなくなった体の部位はすべて機械で置き換えてあるとのこと。定期的に手入れしなければならないし、未知の部分もあるけれど、あなたとの美しい記憶とともに、一緒に生きてゆきましょう、と言うことです。しかし、そんな研究室に不審者が突入してきます。多分、この技術や驚異的に生きているヘンリーが欲しいのです。なんだかわからないけれど、愛する妻を守って逃げなければ!という感じでお話は進んでいきます。

そのうち、なにか知ってそうで、助けてくれる男(コプリー)とも出会い、彼に助言を受けながら、自分の身体能力も生かして共闘。見た目にもえぐいほどの場面が展開していきます。

この映画、結構えぐい。なんとなく近未来的だし、機械の話だと油断していると疲れます。私もこんなにこたえる映画だとは予想していませんでした。そもそも元ネタがyou tubeでバカウケした、というのもわかる気がします。ちらしに「あなたは”この世界”にシンクロする」って書いてあるのですが、私、シンクロしませんでした(笑)。若い人にはお勧めなのかな。

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キングコング 髑髏島の巨神(Kong: Skull Island)

2017年04月04日 07時40分36秒 | 日記

Kingu Kongu: Dokuroto no kyoshin Poster

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1933年に製作された特撮映画の古典「キング・コング」を筆頭に、これまでにも数々の映画で描かれてきたモンスターの王者キングコングの起源を、コングの故郷である髑髏(どくろ)島を舞台に描いたアドベンチャーアクション大作。神話の中だけの存在とされてきた髑髏島が実在することが判明し、未知の生物の探索を目的とする調査遠征隊が派遣される。島内に足を踏み入れた隊員たちは、あちこちに散らばる骸骨や、岩壁に残された巨大な手跡を発見する。やがて彼らの前に、神なる存在である巨大なコングが出現。隊員たちは為す術もなく、凶暴な巨大生物から逃げ惑うが……。「マイティ・ソー」シリーズのトム・ヒドルストンが調査遠征隊の隊長コンラッド役で主演を務め、「ルーム」のブリー・ラーソン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・C・ライリーらが共演する。(映画.comより)

 

 

 

 

 吹き替え版をチビ息子と鑑賞。典型的な「男子」であるチビ息子は、大きなもの・強いものが大好き。ところが「キングコング、見に行く?」と問うと「それ何?」そっか!今はテレビでやってるわけではないし、今の子供はキングコングを知らないんだ!とはっと目覚め、連れて行くことにしました。

はてさて、ものすごい映画に仕上がっていました。これをいきなり見たチビ息子は、これが第一印象。私が子供の時とイメージが違いますね。

まず、コングが大きい!私も何本かコングの映画を見ましたが、これほど大きなコングは初めて。また、「古来、彼らは人間より先に地球に存在した」ことも初めて聞くし、「地球の中は空洞になっていて、実は誰も知らない島(髑髏島)がある」のも初耳。これはしかし、本当に研究されているんですってね。空洞説。今回は、政府の特殊研究機関モナークも出てきます。これは実在する機関だそう。何らか、他の映画でも出てきてたらしいです。

そしてなにより、コングとともに巨大な異生物(怪物)が共存していたこと。これが斬新でした。今までは、コング単独でしか見たことなかったので、かなり驚き。またこの怪物たちの気色悪いこと!うっかり訪ねていって巻き込まれる人類も含め、やった・やられた・食われた・襲われたのシーンの連続でかなりグロな映画でした。これって、R指定ついてたっけ、と思ったくらい。チラシに書かれた「全編、クライマックス」はあながちウソではありません。

そんな恐ろしい島でも、住み着いちゃってる人たちも居ます。昔戦闘機ごと不時着してそのまま生きているのは、ジョン・C・ライリー。ちゃんと英語も覚えています。言葉を話さない原住民みたいな人たちはどこから来たのでしょうね。やっぱりどこかから流れ着いたのかしら。彼らは、それなりに生きる知恵を身につけ、怪獣に襲われないようにうまく共存しています。突然この島に降りたって襲われる面々は、サミュエル・L・ジャクソンやトム・ヒドルストン、ジョン・グッドマンにブリー・ラーソンなど。英国紳士の印象が強いトムヒも、今回ばかりは鍛え上げた体を披露していました。

コングがこの島の守護神であったり、女性(ブリー・ラーソン)と心通わせたりするところは従来通り。最終的には人間たちをトカゲの怪獣から守ってくれます。このおばけトカゲの舌を引っこ抜くところは本当に気持ち悪かったです。思わず「うわ」と声が出るほど。そして、徐々に人数を減らしながらも、逃げ切ろうとする人々。殺された部下たちのため、コングに対し、復讐に燃えるサミュエル。人間模様も様々です。

ともかく、予想したよりエグくてグロい。ちょっと疲れてしまいました。そして、続編をにおわせるラスト。コング単独の続編?それともゴジラとの対戦を指すの?興行成績は、どうだったのでしょうか。無事につながるのでしょうか。期待したいところです。

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