「ボーダーライン」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラントが主演、ブラントの夫でもある俳優のジョン・クラシンスキーが監督・脚本を手がけ、全米でスマッシュヒットを記録したサスペンスホラー。ブラントが主人公となる一家の母親エヴリンに扮し、エヴリンを支える夫のリーをクラシンスキーが自ら演じ、夫婦共演も果たした。聴覚障害を持つ娘役は、自身も同じ障害を持つ「ワンダーストラック」のミリセント・シモンズ。音に反応して人間を襲う「何か」によって人類が滅亡の危機に瀕した世界で、「決して音を立ててはいけない」というルールを守り、生き延びている家族がいた。彼らは会話に手話を使い、歩くときは裸足で、道には砂を敷き詰め、静寂とともに暮らしていた。しかし、そんな一家を想像を絶する恐怖が襲う。(映画.comより)
発想は斬新でしたね。宣伝も力入ってたし、予告もおもしろかった。”音を立てれない”って、本気で大変だろうし、少しの音でも素早く怪物に襲われるって、怖すぎる。怪獣は盲目らしかったけどね。現実、こういう奴がいると本気で怖いだろうし、その恐怖も描かれていたと思います。ただ、この映画、突っ込みどころも多いんですよね。こんな事態に妊娠するのか、ということはさておいても(愛し合ってるし、まぁそんなこともあるかもしれんとは思う。私だったら作らないけど)、生まれ立ちの赤ん坊がなんでほとんど泣かないんだ、とか、「なんで」と思うことが、結構あるんです。まぁ細かい解説は他にもっといいページがあると思うので、そちらを見てもらうこととして、私個人的には、一番メインに描かれていたはずの”親子(特に父親と娘)の誤解”というか”葛藤”が、言葉・音を発することができなかった分、わかりづらかったと思うのです。
そもそも、娘は聴覚障害なので、家族はもともと手話でコミュニケーションを取っていたって設定、音を立てれない世界で、必要?まぁだから生き残っていたのかもしれませんが。あと、お父さんが何か(食料とか役に立ちそうなものとか)を見つけるために息子を連れて出かけるのですが、お姉ちゃんは「私も行く」と言ったのに「お母さんは君が必要だ」と連れて行ってくれません。そこで、お姉ちゃんは「末の弟のことで、お父さんは私に対して怒ってるんだわ」と思ってしまうってことなんだそうです。確かに、末の弟に関してはお姉ちゃんに責任の一端はあります。でも、私は見ている限りそんなことまで思いませんでした。だって、お母さんは妊娠しているし、女の子がそばにいるほうがいいに決まってる。なにがあるかわからない冒険(?)に男の子だけ連れてゆくのは、ある意味当たり前のこと。それで「家族の葛藤がやがて・・・」とか言われても「そんなの描かれていたかなぁ」って感じでした。お父さん、いろいろ勇敢でした。
もちろん、私がにぶいだけかもしれません。精魂がヒネすぎているのかもしれないし(笑)。それでも、家族一丸となって化け物に立ち向かう姿は感動で、やがて対処法らしきものを発見してゆく過程は爽快ですらありました。エミリー・ブラントが、またいい!さすが。かわいくて魅力的なのに、賢くて強い。「ボーダーライン」しかり、「all you need is kill」しかり。いや、ご主人も魅力的でしたけどね(って、付け加えみたいにすみません)。
ラストは怪しげな終わり方。まさか・・・続編を作ってるってこと、ないよね。