田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

1987、ある闘いの真実(1987)

2018年11月03日 15時12分17秒 | 日記

「1987 korean movie」の画像検索結果

 

「1987 korean movie」の画像検索結果

「1987 korean movie」の画像検索結果

 「ファイ 悪魔に育てられた少年」のチャン・ジュナン監督が、韓国民主化闘争の実話を描いた社会派ドラマ。1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。南営洞警察のパク所長は北分子を徹底的に排除するべく、取り調べを日ごとに激化させていた。そんな中、行き過ぎた取り調べによってソウル大学の学生が死亡してしまう。警察は隠蔽のため遺体の火葬を申請するが、違和感を抱いたチェ検事は検死解剖を命じ、拷問致死だったことが判明。さらに、政府が取り調べ担当刑事2人の逮捕だけで事件を終わらせようとしていることに気づいた新聞記者や刑務所看守らは、真実を公表するべく奔走する。また、殺された大学生の仲間たちも立ち上がり、事態は韓国全土を巻き込む民主化闘争へと展開していく。パク所長を「チェイサー」のキム・ユンソク、チェ検事を「お嬢さん」のハ・ジョンウ、学生デモに立ち上がる大学生を「華麗なるリベンジ」のカン・ドンウォンと豪華キャストが共演した。(映画.comより)

 

 

 

 

 元々、こんな感じの社会派の映画が好きです。歳とともに理解力は落ちているわけですが、それでも軽い映画やリアル過ぎる映画がつづくと、こういう難しい(?)映画も見たくなります。 

 実は少し前に日本でも公開されていた「タクシー運転手 約束は海を越えて」と時系列ではつながっているのだそうです。「タクシー・・・」の舞台が1980年の「光州事件」(反政府運動弾圧。大統領は全斗煥)、今回の舞台は題字通り1987年の民主化運動。ちょうど全斗煥大統領の任期が終わるころで、選挙の話も出てきます。

 昨今は南北対話も進み、世の中はずいぶん変わったように見えるのですが、このころは「北の脅威を排除する」名目で、戦時中の日本の”赤狩り”みたいなことが、まかり通っていたわけです。それで、なんてことない学生が拷問の末殺害されたことが発端となり、国民の間でまっとうな民主化を求める大きなウェイブが起きるわけですね。描写は壮絶です。みんな、それぞれの立場でそれぞれキャリアを築いてきた男たち。みんな”できる男”なんです。脱北者を取り締まる奴、検事、正義感とスクープを求める新聞記者など、その立場と仕事・国に忠実なだけで、誰かが悪いとか、誰かだけが正義、というものでもないのです。ふてぶてしく見えるキム・ユンソクだって、壮絶な過去を持ってます。

 一時期アイドルだったカン・ドンウォン(昔見たなぁ「オオカミの誘惑」とか・笑)が、今、大学生の役で出てきたことにのけぞりながら(若作りのパッツン前髪が痛々しかった)、でもやっぱり男前だと感心したり。ついこないだ録画でみた「お嬢さん」で、すごく勇気のある役をしていたハ・ジョンウと、かわいいお手伝いさん役だったキム・テリが再共演していたり。それを言うと、少し古いけど「チェイサー」で、犯人役だったハ・ジョンウは鮮明に覚えているんだけれど、彼をチェイスするデリヘル嬢派遣のおじさん、彼がキム・ユンソクだったのですね!もう少し若い人だった印象でした。あと、気が付くとそこにいるって感じのユ・ヘジン。私、彼とオ・ダルスの区別がつきません(笑)。神父の格好してるけど思想活動家のソル・ギョングとか、な~んとムン・ソリがユ・ヘジンの姉さん役。いい感じのおばちゃんになってました。

 「そんなことしても世の中変わらんし」と言ってた女子大生キム・テリが、最後はデモに参加したり、リーダーだったカン・ドンウォンの歌が印象的だったりと、大きな大きなウェイブへと発展してゆき、感動のラストとなるわけですが、いやもちろん、実話ですし「光州事件」の映像も映画の途中で挟まれますし、大感動なのですが、個人的には冷めてました。同じようなことが、何度ありましたか。それで、今ちゃんと民主化されていますか。それで何か変わりましたか、と問いたい。ヒトの歴史は繰り返す。大きなデモで、生活は変わりましたか。少しは楽になりましたか。これは日本だって、どこの国だって同じでしょうけれど、犠牲を伴った分、いい方向に変わるのでしょうか。個人的には疑問に思っています。もちろん、映画は名作です。とてもよくできていました。役者たちも素晴らしい!それとは別問題の個人的意見です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする