ハリウッドを代表する社会派監督オリバー・ストーンが、アメリカ政府による個人情報監視の実態を暴いた元CIA職員エドワード・スノーデンの実話を、ジョセフ・ゴードン=レビット主演で映画化。2013年6月、イギリスのガーディアン誌が報じたスクープにより、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的監視プログラムの存在が発覚する。ガーディアン誌にその情報を提供したのは、アメリカ国家安全保障局NSAの職員である29歳の青年エドワード・スノーデンだった。国を愛する平凡な若者だったスノーデンが、なぜ輝かしいキャリアと幸せな人生を捨ててまで、世界最強の情報機関に反旗を翻すまでに至ったのか。テロリストのみならず全世界の個人情報が監視されている事実に危機感を募らせていく過程を、パートナーとしてスノーデンを支え続けたリンゼイ・ミルズとの関係も交えながら描き出す。(映画.comより)
やっと見れた。どこでもやってるような顔をして、実はなかなか上映されてなかった映画。たとえば和歌山では、主たる映画館1館で上映が始まり「お!田舎でもやってる!」と喜んだのもつかの間、次週には夜だけの上映になっていたのでした。(ちなみに今週はお昼1回上映になってる)
私は前作のドキュメンタリーを見てないので、残念。きっとドキュメンタリーの方がリアルなのでしょうね。主演はジョゼフ・ゴードン・リヴェット。ここのところの彼は、ドキュメンタリー後の一般映画、それも現存する偉人というパターンが多いですね。
さて、時事ニュースなどでよく流れたので、みなさんご存じとは思いますが、簡単に書いておくと、コンピューターヲタクだったスノーデンが、その優秀さからCIAやNSAへと渡り歩きながら、アメリカの度の過ぎた監視システムに疑問を抱く、というものです。一般人からしても、「それ、必要?」というほどの個人情報(プライバシーも何もありません。パソコンをきちんと切ってあってもたたむのを忘れただけで、服を脱ぐところまで見られているのです)から、国家間の機密情報まで、ありとあらゆるものを収集しています。彼らによると日本のインフラネットワークだって、彼らの意志ひとつでどうとでもできるようです。しかも、それは日本だけに限りません。本当に!?一般人には、にわかには信じられないことです。監視の目的が国防ではなく、もはや世界を支配することになってしまっている・・・スノーデンが衝撃を受けたのはその事実だったようです。
各個人のメールや部屋の中まで監視されていていいわけがありません。あまりの現実に、スノーデン氏は告発を決心するのです。しかし、それが簡単にはいかないことは、素人でも推察できるところ。その辺の息詰まる攻防も描かれています。彼は今もロシアに滞在していて、母国へ帰ってこれるメドはついていないと思うのです。高給取りだっただろうし、自分も優秀だった。彼女もいた。すべてを犠牲にしてでも告発しようとするその勇気はたいしたものだと思います。(ちなみに彼女は後に彼を追ってロシアに来た、と最後に示されます)
凡人で一市民である私なんかは、「別にメールをチェックされててもいいし。いくら秘密があるといっても、国家にとってはどうでもいいことだし、多分国は私なんかに構わない。裸を見られるのはイヤだけど(今なら見た方が吐く・笑)、見ている方が私なんかを気にしているわけないし、そこまでビビらないかなぁ」って思うわけです。どうせ貧乏だから、収入とか知られても別にいいし。国家間の機密なら重大だろうけれど、すべてを犠牲にしてまで暴露するって、すごい決心ですよね。偉いよね。私なら安泰な生活を捨てないかな。まぁ、情報を区別して暴露するってことはできなかったんだろうけれど。
それで、どうなるのでしょうね、彼は。真面目で優秀な彼が、平穏に生きてゆけることを願います。