「X-MEN」シリーズの人気キャラクターでヒュー・ジャックマンが演じるウルヴァリンを主人公とした「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」(2009)に続くシリーズ第2弾。カナダで隠遁生活を送っていたウルヴァリンは、ある因縁で結ばれた大物実業家・矢志田に請われて日本を訪れる。しかし、重病を患っていた矢志田はほどなくして死去。ウルヴァリンは矢志田の孫娘マリコと恋に落ちるが、何者かの陰謀により不死身の治癒能力を失うというかつてない状況に追い込まれる。日本が主な舞台となり、本格的な日本ロケも敢行された。マリコ役のTAO、ウルヴァリンを日本へと導くユキオ役の福島リラ、矢志田の息子シンゲンを演じる真田広之ら、日本人キャストも多数出演。監督は「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」「ナイト&デイ」のジェームズ・マンゴールド。(映画.comより)
今回は日本が舞台。予告を見る限りでは随分フェイクに見えたJAPANも、映画本編を見てみると、物語がしっかりしているせいか、思ったより違和感なく見れました。
ただ、日本人なら絶対発想しない「忍者」ね、なんで外人さんたちはこんなに忍者が好きなのかな。今回も大々的に出て来てましたね、忍者集団が。「taxi」シリーズほどコミカルではないとはいえ、頭(かしら)が日本人じゃないのは一目瞭然だったので、変でした。あんな妙な日本語しゃべらせたらいけませんね、忍者集団の頭領に。せっかく女性たちは美しくてカッコよかったのに。まぁ、確かにアクションはすごかったけど。
女性も軒並み武道家だったね、お嬢様さえも。
さて、本題です。
永遠の若さと強靭な体躯を持つウルヴァリンは、その昔日本の若い兵隊を助けました。映画では「ナガサキ」と言ってたように思いますが、実際は愛媛県今治市で撮影されたようです。
その兵隊「矢志田」は、命の恩人ローガンと、刀に誓い再会を約束します。
そして戦後、彼は事業を成功させ大金持ちになります。が、やっとローガンと再会を果たせたのは、いよいよ年老いて死にゆく頃でした。
大財閥の例に漏れず、その遺産や指揮系統を巡っては、まさに血みどろの展開が起きています。矢志田には息子シンゲン(真田広之)がいて、そのシンゲンにはマリコ(tao)という娘がいます。矢志田はマリコに跡を継がせたいと思っていますが、シンゲンは溜飲が下がりません。娘には、婚約者としてアホ政治家のバカ息子をあてがい、なんとか自分の意のままに物事を動かそうと思っています。マリコはそんな現実がつらくて、逃げたいと思っています。
そんなとき、矢志田が死去。盛大な葬儀が執り行われます。が、その最中にマリコの命が狙われ、彼女はウルヴァリンに助けられて命からがら逃げ出すのです。
何百年に渡って矢志田家に仕えて来た忍者集団。彼らはマリコを守ろうとし、わけわからんけど彼女を狙う強~い集団に立ち向かいます。しかして、その勢力は三つ巴にも四つ巴にも見え、誰がどこで糸を引いているのかまったくわかりません。
そんなとき、ウルヴァリンの身体にも異変が起きます。怪我をしても治癒しないのです。何故なんだ・・・。
<ここからネタバレ>
実は矢志田は、ローガンに救われた時からミュータントに強い憧れを抱き、それ以来「ミュータント化すること」に取り憑かれていたのです。莫大な資金を研究に費やし、世界中からアダマンチウムを集め、怪しげな毒蛇ミュータント・ヴァイパーの言いなりになっていたのです。
そして、ローガンとの再会を願ったのも、恩返しなどではなく、その能力を移植することだったのです(その技術はヴァイパーが持っていた)。そして、死んだと見せかけ、実は生きていた!
ローガンが治癒能力を失ったのもヴァイパーの仕業。それがわかるまで、随分時間がかかります(その間にちゃんと恋をしたりするんですけどね・笑)。
ともかく、原因が分かればなんとか解決するのみ。ウルヴァリンも、命を賭けてその原因物質を取り除きます。
元の力を取り戻したウルヴァリンに敵なし。マリコは無事、収まるべきところに収まり、ウルヴァリンは再び流浪の旅に出るのです。
私は、個人的にはなんだかちょっと物悲しかったですね。「グラディエーター」のホアキンを想起しました。成功している父は、どんなにがんばっても自分の方を向いていない。シンゲンだって、本当は優秀な息子だったはず。でも、父はウルヴァリンに取り憑かれ、実の息子を見ていなかったのです、きっと。哀しいですね。
永遠の命かぁ・・・。お金のある人はお金をかけれるから、欲が出るんですね。凡人には大それた思想です。マリコさん、幸せになってね。