田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命(The Place Beyond the Pines)

2013年05月28日 08時10分24秒 | 日記

 

 「ブルーバレンタイン」のデレク・シアンフランス監督&主演ライアン・ゴズリングが再タッグを組み、親の罪が子にも受け継がれるという血の因果を描いたクライムドラマ。かつての恋人ロミーナと再会したルークは、息子ジェイソンが産まれていたことを知り、2人を養うため銀行強盗に手を染める。新米警察官のエイヴリーは、ルークを追いつめるがあるミスを犯し、罪悪感を抱える。しかし、周囲からは評価され複雑な気持ちを胸に、警察の腐敗に立ち向かう。15年後、成長したジェイソンはルークとエイヴリーそれぞれの秘密を知ってしまい、その怒りの矛先は親しくしていたエイヴリーの息子AJへ向けられる。共演にエバ・メンデス、ブラッドリー・クーパー。(映画.comより)

 

 <ネタバレあり>

 見応えありました。それにしても、ライアン・ゴズリングは優男なイメージだったと思うのに(「ラースと、その彼女」では少々エキセントリックでしたが、それでも優男だったと思う)、いつからこんなにタフで男臭い俳優になったのかな。どちらかというと、細身だし繊細な方がイメージが合うと思うんだけどなぁ・・・。このところ、どうも不器用な男が続きますね。

「ブルーバレンタイン」と同じ監督とのこと。私、個人的には「ブルー・・・」にあんまり共感できなかったのですが、今回のライアンは、「ドライヴ」と「ブルーバレンタイン」の彼を足して二で割った様な男。「ドライヴ」の時ほどやり手じゃない。でも、愛情表現の不器用さは「ブルー・・・」のよう。

ライアンは、バイクの曲芸乗りです。ここはニコラス・ケイジみたい。でも、燃えません(笑)。その日暮らしで、地方を転々としていましたが、ある時昔の彼女(エヴァ・メンデス)が自分の子供(♂)を産んでいたことを知り、定住して子供と彼女を守ろうと思い立ちます。

しかし、すでに彼女は新しい彼と平穏な家庭を築いており、そこへ土足で踏み込んではいけなかったのです。そのさじ加減がわからず、どんどん彼女にかかわってゆくライアン。とうとう傷害事件を起こして捕まってしまいます。

元々、お金を手にするため、バイクの腕を見込まれて就職した修理工場の経営者(ベン・メンデルゾーン)と、銀行強盗を働いてしまっていたライアン。ベンに「もう銀行強盗はやらない」と言われても一人で飛び出して行ってしまいます。

そして失敗。逃げに逃げて、最後は民家に。たまたまパトロールしていたブラッドリー・クーパーが彼を追いつめ、ライアンは撃たれて民家の二階から落ち、亡くなってしまいます。

一躍ヒーローになったブラッドリー。しかし、彼はやりきれません。なぜなら、新人だったブラッドリーは、とっさに銃を撃ったのであって、ライアンは無抵抗だったのです。しかし、つい引っ込みがつかなくなって「彼が先に向かってきた」と言ってしまいます。

その上、上司であるレイ・リオッタたちが平気でエヴァたちの家に上がり込み捜索。ライアンが隠させたであろう大金を何食わぬ顔でせしめ、山分け。あまりのことに、意を決して上司に報告するも、却って裏切り者呼ばわりされる始末。こんなことは日常茶飯事なのです。(私事ですが、「ビトレイヤー」と続けて鑑賞した私は、あまりに立て続けに警察の腐敗ぶりを見せつけられ、倒れそうになりました。それぞれの映画に罪はないのですが。)

ブラッドリーの父親は有名な判事。そこで、父に相談し、ある賭けに出ます。そして成功。彼は不正を暴いた正義の人として、今度は刑事ではなく検事事務所へと出世階段を上ってゆきます。

そして15年後・・・。なんの因果か、それぞれの息子ジェイソン(ライアンの息子)とAJ(ブラッドリーの息子)が出会ってしまうのです。それぞれ問題を抱えて。

エヴァの彼氏は、ジェイソンが生まれたときから一緒にいるのに、そして今も一緒にいるのに、やっぱり本当の父親たりえなかったのですね。なんだか悲しいですね。

そして、その後、人生の成功の階段をまっしぐらに上っているブラッドリーですら、自分の過去を正視することから逃げているからか、家庭は崩壊し息子とは疎遠になってしまっています。

子供たちに巡る因果、これに関しては「あの日、欲望の大地で」を思い出しました。思い起こせば、今をときめくジェニファー・ローレンスが出ていたんですよね、関係ないけど(笑)。

ジェイソンは、父親が犯罪者だったことに傷つきますが、昔の雇い主だったベン・メンデルゾーンに会って、彼が他に見たことがないほどのすぐれたバイク乗りだったことを聞き、少し元気になります。そして、父親が乗っていたであろうバイクを探すことになるのです。

ブラッドリーとAJも、立ち直ったでしょうか。本当の親子ですもの、やり直せますよね。

ともかく、よくできた映画でした。ただ一つ、難を言えば、主人公たちの若い頃も15年後も役者が同じなので、不自然でした。特に若い頃のブラッドリー。とてもじゃないけれど、駆け出しの新人には見えませんでした。ものすごく不自然。ここをよく似た若い役者にするべきだったと思いますね。

それにしても、エヴァも若い二人の息子たちも、みんな素晴らしかった。ジェイソン役の子、「アメイジング・スパイダーマン2」に出るらしいので、楽しみです。

コメント
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