田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ミッドナイト・イン・パリ(midnight in paris)

2012年07月24日 23時00分21秒 | 日記

 

 ウディ・アレン監督が、パリを舞台に撮りあげた幻想的なラブコメディー。1920年代のパリを敬愛する主人公がタイムスリップし、自分が心酔してやまないアーティストたちと巡りあう奇跡の日々をつづる。脚本家として成功しているけれど、実は小説家になりたい主人公にオーウェン・ウィルソン。彼の現実主義の婚約者にレイチェル・マクアダムス。


 なんとも幸せな物語!少しくらいのイヤなことなら、忘れてしまえそうな楽しいお話です。

主人公のオーウェンは、小説を書くことに憧れている、夢見がちなロマンチスト。1920年代の黄金期のパリに憧れ、かの時代に生まれたかったと、今をちょっぴり儚んでいる乙女ちゃんのような男子。

一方のレイチェルは、裕福なおうちに生まれ育ったけれど、現実的な女性。

最初から価値観の違いが次々描かれていて、この二人がどういう経緯で恋に落ちて婚約したのか、少し不思議。

レイチェルの憧れの男性(学生時代の教授。確かに上品な知識人だが、あまりにその知識をひけらかすので、興ざめする。演ずるはマイケル・シーン。彼も多才ですね!)まで現れて、余計ややこしい展開になります。

そして、パリ観光を楽しむ彼らに、いろいろアドヴァイスというか、解説してくれるガイドの女性にカーラ・ブルーニ!今となっては、前大統領夫人ですね。やっぱりきれいでした。

リッチなディナーなんかを楽しむ彼女と離れて、1人夜のパリをさまようオーウェンに、どこからともなく迎えの車が。誘われるままに乗りこむと、着いたところは、なんと憧れの1920年代の華やかなるパリだった!!

不思議なことに、朝になったらいつものホテルに戻ってるのに、また夜になったら行けるのです。何度でも行けるものだから、彼は自分の小説を有名小説家に校正してもらうこともできちゃいます。もちろん、彼女や彼女の両親からは夜な夜な出掛けることを疑われるわけですが。

そして、そこでピカソの愛人(マリオン・コティヤール)に惚れちゃうオーウェン。彼女もまんざらでもなさそう。でも、彼女は「こんな時代はつまらない。ベル・エポックの時代が一番よ!私はそこへ行きたいわ」などと言う。

そこで、オーウェンは彼女を連れて同じようにタイムスリップすることに成功!キャ~、なんて素敵!そこにはロートレックもいるじゃないですか。

しかししかし、そこで出会った文化人たちが言った言葉は・・・「こんな時代はつまらない。やっぱりルネサンスの時代に生まれたかったよ」

そこで、オーウェンはショックを受けます。「そうか、そういうものなのか」

初めて夢見る夢子ちゃんから目が覚めたオーウェン。現実に戻って生きてゆく決心をします。そして、その道理をマリオンにも説くのですが、彼女には理解できません。「私は、この時代がいいの。ここに残るわ」

そして現実に戻り、婚約者との価値観の違いをお互いに確認し合い、別れを選択します。

ラストは「500日のサマー」みたいです。今度こそ、雨のパリを素敵と感じる、価値観を共有できそうな彼女と仲良くなるのかな・・・と思わせぶりでフェイド・アウトしてゆきます。

でも、なんだか幸せな終わり方で、いいなぁ~って思いました。

私は脚本や小説は書いてないから、自分に置き換えれば、往年の名女優や有名俳優、有名監督に次々会える・・・そんな感じでしょうか。う・・ん、それでオーウェンのように、人生の次のステップに行けることはないだろうけれど、やっぱり幸せな気分になって、「帰りたくない」なんて思うかもしれませんね。

ちょけた感じの印象が強いオーウェンが、意外にハマっていたのが拾い物でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする