解糖系はブドウ糖、クエン酸回路は主に脂肪酸を材料としてエネルギーをつくる体の中のシステムです。
向かって左側が「解糖系」、右側が「クエン酸回路」です。
解糖系は糖質由来のブドウ糖を材料にエネルギーをつくります。
酸素を使うことなく瞬発的にエネルギーをつくることができます。
猛ダッシュする時に息を止めているのは、この解糖系でエネルギーをつくっているのです。
解糖系でエネルギーをつくるとブドウ糖がピルビン酸に変換されます。
このピルビン酸はクエン酸回路の材料にもなります。
ですから、ブドウ糖は間接的にクエン酸回路を回してエネルギーをつくることができます。
ところが、解糖系は瞬発的に大きなエネルギーを必要とする時だけに働きます。
解糖系が必要ない時は、余ったブドウ糖は脂肪に変換されてしまいます。
(これが糖質で太る理由です。)
しかも、クエン酸回路に回されなかったピルビン酸は乳酸に変換されてしまいます。
疲労物質のイメージがある(実際は違うという説もあります)乳酸は体を酸性に傾ける酸化の要因となり、悪影響を与えます。
一方、脂肪由来の脂肪酸からクエン酸回路を回すのは効率がいいエネルギー産生です。
脂肪酸がβ酸化されてアセチルCoAとなり、それがクエン酸回路の材料となります。
またアセチルCoAはケトン体の材料となりますが、これはとても使いやすいエネルギー源で脳の活動もまかないます。
ケトン体は効率のいいエネルギー - 小幡歯科医院歯科話 (goo.ne.jp)
しかも、脂肪酸から得られるエネルギー量は解糖系で得られるエネルギーの20倍近くの量になります。
そして脂肪は脂肪細胞に取り込まれて貯蓄のしやすい栄養素です。
効率よく、保存がきいて、得られるエネルギー量の多い脂肪がエネルギー源として最も優れているといえます。
クエン酸回路の周りに小さい文字で書いてあるのがビタミンB群です。
また、クエン酸回路からさらに電子伝達系というエネルギー産生が行われるのですが、このシステムには鉄が必要です。
さらにエネルギー産生システムを動かすには酵素が必要ですが、その材料はタンパク質由来のアミノ酸です。
つまり、脂肪とタンパク質、そしてビタミンBと鉄が揃っていることが元気に過ごす秘訣となるのです。
(続く)
小幡歯科医院