冬枯れの中に、元気な緑色で頑張っている植物がある。ジャノヒゲやヒメカンスゲなど冬のほうが目立つもの、ロゼットで地面にへばりつくように頑張っているものもある。竹沼
藤岡市)の堤沿い、観音山丘陵の散歩道脇などで、今の季節に濃い緑色が目立つ写真の植物。何だろうと思い始めていた。スイセン?ヤブラン?オオバジャノヒゲ?ニラ?にも似ている。高崎自然歩道の中山峠付近を歩いている人が「ヒガンバナ」だと話しているのを聞いた。
写真を撮って調べてみると、間違いなく「ヒガンバナ」の葉。「葉見ず、花見ず」という別名があると聞いた事がある。9月の彼岸の頃、いつの間にか伸びた花茎に真っ赤な色の派手な花をつける。花が終わった頃に、葉が芽を出す。スイセンに似たような芽だ。暮れから真冬の時期に葉を全開し養分を蓄える。4月頃には黄色くなって消滅する。鱗茎と呼ぶのだそうだが、タマネギやラッキョウのような形をした「球根」の形で暑い夏をクリアする。
「ヒガンバナ」はヒガンバナ科ヒガンバナ属。ユリ科に区別する見方もある。真っ赤な派手な花で、花弁は反り返り葉がない独特の形状、お墓の近くに咲いているのをよく見るなど、好きな花ではない。一方で、この花の名所も各地にあるようで、人気も有る。
球根はデンプンを多く含み、戦時中は非常食用として栽培されたという。一方で、毒草でもある。コリコンという毒素を持ち間違って食べると下痢や吐き気。この毒素は水に溶けやすいので、長時間水に晒したあとは食べても大丈夫なのだそうだ。