今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

秘密法案は世界のレジームに逆行 !

2013-11-05 16:57:28 | 幸福の追求

  特定秘密法案は「自由と民主主義」という世界のレジーム(体制)

の流れに逆行するものである。この法案は国の重大秘密を政府職員

などが漏らした場合、最長10年の懲役が科されるとするものである。

しかし、重大秘密といっても、単に防衛関係だけではない。政府が不都

合と思えば、どんな事項でも特定秘密に指定できるというあいまいで、

政府にとって極めて都合の良い内容である。まさに戦前の状態に戻そう

とするものである。時代錯誤も甚だしい。暴君政治への逆行は許されな

いはずである。廃案にすべきである。

  事実、米国のインターナジヨナル・ニューヨーク・タイムズは、「国民の知

る権利をむしばむ秘密保護法」と批判している。国内的には、「防衛、外交

文書などの歴史的な検証が出来なくなる」、「将来的には、政治家や官僚か

らの回顧談がきけなくなる」などの懸念が指摘されている。(毎日新聞。参

照)同法案は、戦前の治安維持法に匹敵する「悪法」である。大逆事件を思

い出さざるを得ない。同法案が成立すれば、一番困るのはマスコミであろう。

  今回の同法案の提出の真の意図は、原発事故問題に関係しているので

はないかと思っている。安倍首相は、汚染水問題の解決のため、諸外国か

らの知恵を借りたいと発言しているが、福島原発の真実の現状をまず開示

すべきである。メルトダウンした核燃料棒の融解した塊を、どの水で冷やし、

その汚染水はどこに、どう処理しているのか、という現状を公表しなければ、

外国からの助言などは得られるはずがない。口先だけではパフォーマンス

に過ぎない、と云われても仕方ないであろう。それらを秘密事項に指定さ

れたら、再びどこかの原発が事故を起こした場合、対処できないことにな

ることの方が恐怖といえよう。でたらめを隠すために同法案を提出するの

であれば悪法と云わざるを得ない。

  もっと、国民の真の幸福と安寧を真剣に考えてほしい。同法案には絶対

反対である。


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