今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

食品への農薬事件はこれからも起こるだろう?

2014-01-30 10:49:37 | 幸福の追求

   冷凍食品への農薬混入事件は一種のテロである。阿部利樹容疑者

は、「給料など待遇面で不満があった」と供述していると報じられて

いる。また、市販されている農薬を使ったともいっている。この事

実は、やろうと思えば誰でもできることを意味している。

 その犯意は、給料などの格差だと云っている。契約社員である容疑

者にすれば、働く時間などが同じなのに、正社員との給料格差は我慢

ができない、という事であろう。本欄で前から云っているように、夫

婦で契約社員の場合、経済的な自立ができない。また、高卒や大卒の

若者が正社員として就職できない、という不満が蔓延しているようで

ある。それは若者の夢を破っていることに他ならない。

   28日の衆議院における海江田氏の代表質問に対し、安倍首相は「自

助、自立を第一に、共助と公助を組み合わせて格差を解消する」、と答

弁している。しかし、若者自体、自立できないではないか。さらに29

日、労働政策審議会の報告書では、派遣制度の根本を見直すことはない

ようである。事実上、無期限に契約社員を使えるお墨付きを会社側に与

える内容である。若者の苦しみを何らわかっていない。

 こんなことでは日本全体が幸福にはなれない。逆に経済的な不満がさ

らに蔓延して食品テロなどが増えるような気がしてならない。いろんな

形で武器なきテロが起きるような気がする。社会不安が国全体を覆う日

がこなければ、と念じている。


NHK会長発言、否定で済まない!

2014-01-27 11:12:53 | 幸福の追求

 NHK新会長の籾井勝人氏は25日、従軍慰安婦問題に関して

「どこの国にもあった」という趣旨を発言した。就任記者会見で

の発言であるだけに、適正判断力の欠如が初めから表立ってしま

った。中立性が一番求められるNHKの会長としての資質が問わ

れる結果となったのである。籾井氏は財界人としては立派な人で

あろう。しかし、言論と放送という民主主義の根幹をなす代表者

には適さないのではなかろうか。表現の自由、不偏不党、多様性

の尊重などを無視するかのような発言は、NHKの会長としてふ

さわしくないと思われる。なぜならNHKは国民の視聴料によっ

て運営されているからである。国民の意識は一様ではない。自民

党から共産党まで国民の政治意識は多様化している。権力を握る

政党だけの意にそうような言動をする人にはNHK会長としてふ

さわしくないと思われる。

 また、「政府が『右』と言うものを『左』と言うわけにはいか

ない」とも籾井氏は云ったと報じられている。公正・中立という

NHKの立場を何もわかっていない。世界は自由と民主主義とい

うレジームに進んでいる。日本と盟友関係にある米国でさえ、日

本の右傾化を警戒している。今一度、外国と戦争したい、という

考えは邪心以外の何物でもない。「積極的平和主義」ではなく、

「平和主義」で日本は活路を開くべきだと考える。こんな発言が

続けば中国や韓国などと、いつになったら和解できるのであろう

か。

 「公共放送」というNHKの立場を守るためには、言論界と民

主主義を正しく認識している大学教授などの人物から会長を選ん

でほしいものである。


細川・小泉路線に期待!

2014-01-16 22:56:12 | 幸福の追求

  細川護煕(もりひろ)元首相が都知事選に名乗りを挙げた。小泉純一郎

元首相とタッグを組むという。メーン政策は脱原発という。これに対し、

都知事選と脱原発は関係ないのではないか、という懐疑論がある。しかし、

この疑問自体がおかしい。密接に関連があるからである。東京近辺の人々は、

東電の福島、柏崎(新潟県)の両原発が発電した電気で豊かな生活をしてき

たのである。言葉を代えれば、都民は原発の危険性を知りながら、福島、新

潟に危険性を押しつけてきたのである。原発が安全といいつつである。真に

原発が安全と思うのであれば、東京湾のどこかに原発を造るべきだったので

ある。そうすればロスなく効率的なはずである。金(補助金)で地方の人々

のホッペを撫でながら原発を押しつけてきた。

 そうゆう欺瞞に満ちた政策としての都政を止めよう、さらには原発という

国策を止めよう、と両氏は訴えているのではなかろうか。そのきっかけは東北

大震災による福島第一原発の大爆発であろう。「原発さえなければ」、といって

自殺した人もいる。土地と家屋があっても帰れない人々は悲惨である。都知事

選出馬を発表した両氏の顔は、大使命を十二分に認識した上での必死の覚悟で

あることを如実に表していたように見える。原発によって出される環境汚染と

健康被害などから都民を守りたい、という一心なのではなかろうか。

 それでは、野僧の見聞等によって原発の影響等を列挙しよう。

 

1. 原発から出る核のゴミの処分地の引き受け地が日本中どこにもない。少な

      くとも、都民は東京都内に処分場を造らせないだろう。望む地は日本中ど

      こにもない。

2.福島での除染によって出る残土や雑草などの汚染物の処分地を東京都内に造

      らせないだろう。勿論、他県はどこも引き受けないだろう。

3.魚は海の中ならどこにでも行く。どこで採れる魚でも、汚染魚の可能性があ

る。都内の魚市場にも出ているのではないかと疑問を呈する人もいる。

4.試験操業によって採れた野菜類等の測定方法などに疑問が呈されている。ま

      た、福島の原発地近くで採れた野菜類を他県に出せば測定外になるのではな

     いか。

5.将来的にはガンが多発するのではないかと危惧されている。それどころか、

  現在すでにガン等が発生しているとも云われている。

6.原発の時代は、すでに時代遅れになっている。

7.無害な地熱発電等に変換すべきである。その中のマグマ発電は現在の日本の

  年間総発電量の3倍は可能といわれている。

8.大容量の蓄電器が未開発である。

9.地熱発電と蓄電器の開発を国の研究機関の総力を挙げて取り組むべきである。

  国は自助努力すべきである。

10.上記の開発特許等を国庫に直接入るようにすべきである。

11.世界各国ともに、エネルギーを自国内で賄えるようにすべきである。太陽

   光や風力発電もあるが、地熱発電が最適であると思われる。共用すれば原

   発はいらない。

12.世界中のいかなる国も、地球の中心めがけて掘り進めば必ずマグマに突き

        当たる。材料費は無料である。輸入する必要もない。いかなる国も資源大

        国なのである。自国の中に宝を持っていることに気づいていない。

13.世界のエネルギー機関は、原発を全部とめても、発電量を確保できると公

   表している。即全廃しても、やっていける。

 

 このように見てくると、細川・小泉両氏の慧眼に敬意を表せざるを得ない。細川

氏は、もしも当選すれば一期で十分に線路を引けるはずである。二期やる必要はな

いだろう。

 細川、小泉両氏は真の憂国の士といえよう。陰ながら見守りたい。


イチロー、運に委ねよ !

2014-01-07 23:28:33 | 幸福の追求

  イチロー選手の動向が注目されている。ヤンキースに留まるのか、トレ

ードかと注目されている。「人間到る所青山あり」である。何も心配するこ

とはない。それは人様が決めることである。その中で1か2を自分で選択で

きるだけである。それが野球界の宿命であろう。神に祈っても何にもならな

い。あくまでも自分の責任であり、自分との戦いでもある。あくまでも自分

自身の問題なのである。与えられた環境の中でいかにして全能力を発揮すべ

きか、そのことだけを考えればいいことである。

  イチローに対して以前から心配していたことが一つだけある。デタラメ

と思われては困るので、その根拠を書こう。拙書「ブッダの予言と最期の自

然災害―大災害を生き延びる方法―」(51頁参照)に、スペインと東大の

田中宏幸准教授が共同研究している山体崩壊観察がある。アフリカ西海岸に

カナリア諸島(スペイン領)がある。その一つの島の山に斜めに断層がある

ことがわかった。もしも巨大な地震などによって山体崩壊があって土塊が

海に崩落すれば500~1000mの巨大な津波が発生するという。対岸の

アメリカの東海岸に到達する時は90mになるだろうと田中氏は予測して

いる。このことが気になっていたのである。この津波がいつ発生するか、誰

にもわからない。また、アフリカ西からアメリカに到達するまでに相当の時

間があると思われるので逃げることは可能であろう。しかし、心配でならな

かったのである。米の東海岸部にはあまり長いしないほうがいいのではなか

ろうか、と野僧は考えている。

  ところで、イチローはここ2・3年不振ぎみである。年のせいではない、

肉体が原因でもない。精神的な張りが無くなったのではないかと考えている。

逆説的には、200本安打を10年連続という記録を達成するのに全神経を使

い果たしたのではないかと考えている。達成した後の虚脱感が原因ではないか

と思っている。初心にかえるべきではなかろうか。イチローは日米で4020

本の安打を記録している。米の最多安打はピート・ローズ氏の4256本である。

日米通算しての安打数は数えないことになっているという。日本の野球界のレ

ベルは米より低いからだという。しかし、王貞治氏のホームラン記録は、米で

も実質的に世界一と認められている。それと同じことで、イチローが4257

本以上打てば、実質的な世界一である。あと237本で世界一となれる。イチ

ローは、そんなことに拘らず、無心で安打を積み重ねればいい。いずれにして

もイチローは球聖なのだ。

  頑張れイチロー !


マンデラとブッダ

2014-01-01 10:03:30 | 幸福の追求

謹賀新年

皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたします。

 平成25年1月元旦

          二王院観成 合掌

 

 

 実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを

以てしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。

怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理であ

る。
           「法句経」(ほっくきょう)

 

(南アフリカのマンデラ元大統領が昨年の1月に死去した。

 彼はアパルトヘイトに反抗し、主権を取り戻した南アフ

リカの英雄である。27年間の監獄生活も体験した。

しかし、大統領になってからは、怨念や憎しみを捨て、

「和解と赦し」の精神でかっての抑圧者に臨み、新たな紛

争と殺戮を防いだ。彼はクリスチャンであったが、彼のこ

の信念は、ブッダの教えと合致し、帰結するものである。

上記の如く、ブッダの教えは普遍的な真理である。)