細川護煕(もりひろ)元首相が都知事選に名乗りを挙げた。小泉純一郎
元首相とタッグを組むという。メーン政策は脱原発という。これに対し、
都知事選と脱原発は関係ないのではないか、という懐疑論がある。しかし、
この疑問自体がおかしい。密接に関連があるからである。東京近辺の人々は、
東電の福島、柏崎(新潟県)の両原発が発電した電気で豊かな生活をしてき
たのである。言葉を代えれば、都民は原発の危険性を知りながら、福島、新
潟に危険性を押しつけてきたのである。原発が安全といいつつである。真に
原発が安全と思うのであれば、東京湾のどこかに原発を造るべきだったので
ある。そうすればロスなく効率的なはずである。金(補助金)で地方の人々
のホッペを撫でながら原発を押しつけてきた。
そうゆう欺瞞に満ちた政策としての都政を止めよう、さらには原発という
国策を止めよう、と両氏は訴えているのではなかろうか。そのきっかけは東北
大震災による福島第一原発の大爆発であろう。「原発さえなければ」、といって
自殺した人もいる。土地と家屋があっても帰れない人々は悲惨である。都知事
選出馬を発表した両氏の顔は、大使命を十二分に認識した上での必死の覚悟で
あることを如実に表していたように見える。原発によって出される環境汚染と
健康被害などから都民を守りたい、という一心なのではなかろうか。
それでは、野僧の見聞等によって原発の影響等を列挙しよう。
1. 原発から出る核のゴミの処分地の引き受け地が日本中どこにもない。少な
くとも、都民は東京都内に処分場を造らせないだろう。望む地は日本中ど
こにもない。
2.福島での除染によって出る残土や雑草などの汚染物の処分地を東京都内に造
らせないだろう。勿論、他県はどこも引き受けないだろう。
3.魚は海の中ならどこにでも行く。どこで採れる魚でも、汚染魚の可能性があ
る。都内の魚市場にも出ているのではないかと疑問を呈する人もいる。
4.試験操業によって採れた野菜類等の測定方法などに疑問が呈されている。ま
た、福島の原発地近くで採れた野菜類を他県に出せば測定外になるのではな
いか。
5.将来的にはガンが多発するのではないかと危惧されている。それどころか、
現在すでにガン等が発生しているとも云われている。
6.原発の時代は、すでに時代遅れになっている。
7.無害な地熱発電等に変換すべきである。その中のマグマ発電は現在の日本の
年間総発電量の3倍は可能といわれている。
8.大容量の蓄電器が未開発である。
9.地熱発電と蓄電器の開発を国の研究機関の総力を挙げて取り組むべきである。
国は自助努力すべきである。
10.上記の開発特許等を国庫に直接入るようにすべきである。
11.世界各国ともに、エネルギーを自国内で賄えるようにすべきである。太陽
光や風力発電もあるが、地熱発電が最適であると思われる。共用すれば原
発はいらない。
12.世界中のいかなる国も、地球の中心めがけて掘り進めば必ずマグマに突き
当たる。材料費は無料である。輸入する必要もない。いかなる国も資源大
国なのである。自国の中に宝を持っていることに気づいていない。
13.世界のエネルギー機関は、原発を全部とめても、発電量を確保できると公
表している。即全廃しても、やっていける。
このように見てくると、細川・小泉両氏の慧眼に敬意を表せざるを得ない。細川
氏は、もしも当選すれば一期で十分に線路を引けるはずである。二期やる必要はな
いだろう。
細川、小泉両氏は真の憂国の士といえよう。陰ながら見守りたい。