今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

今後、異常気象はたびたび起こる!

2010-09-19 10:14:19 | 環境
 今年の猛暑などの異常気象は、温暖化の影響で今後たびたび起こる、という
ことが例証された。今年の猛暑やゲリラ豪雨などの異常気象に関するテレビ報
道が集中的に放映された。9月16日NHK「クロ-ズアップ現代。ス-パ-
猛暑の謎」、9月18日には朝日系「ドキュメンタリ-宣言・・・異常気象ス
ペシャル」とTBS系「飛び出せ!科学くん 緊急SP 巨大台風が日本を襲
う」と集中的に放映された。
 「異常気象スペシャル」は気象基礎講座的な観点からの報道だった。その中
でも台風4号が日本付近で発生し、7時間で沖縄に到達したという指摘は興味
を引いた。一昔前まで、台風は赤道付近のマリアナ海域で発生していた。その
発生地点が北上するだろう、という予測もなされていた。また、台風は海水温
27℃以上で発生するが、今年は津軽海峡まで27℃だったという。この指摘
も無視できないものである。なぜなら日本近海や日本海の地域でも、今後台風
が発生する可能性があるからである。また、ゲリラ豪雨の一因として高層ビル
とヒ-トアイランド現象であると指摘していたのが注目された。一方、海水温
の上昇が異常気象の一因としながら、その理由を指摘しなかったのは物足りな
かった。すなわち温暖化という言葉は一度も出てこなかった。これは意図的な
ものか、どうかは分からないが、作為的なことではなかろうか。
 「巨大台風が日本を襲う」では、水位60cmで車が浮いて流される、台風
やゲリラ豪雨の原因である雲や大雨は人間が作っている、という指摘は興味を
引いた。また、今後は台風は巨大化するとも指摘している。しかし、温暖化と
いう言葉を一度も使わなかったのは意図的なものではないかと推測される。
 NHKの「ス-パ-猛暑の謎」は、冷静な分析の上での判断で、一番信頼で
きる内容だった。その中で、インド洋、太平洋、大西洋という世界中の海水温
が高温だったが、温暖化の影響だとする指摘は興味を引いた。また、ロシアで
は高温のため森林火災が自然発生が多発し、1200軒以上の家屋が焼失した。
インドより北に位置するパキスタンでは大洪水が発生し、2000人以上が死
亡したと報じている。さらに、これ以上の温暖化が続けば、異常気象は今後も
たびたび起こると警告している。その反面、日本では高温、低温のどちらにも
対応するトマトなどの研究開発に取り組んでいる現状も報じている。しかし、
アメリカの種苗会社(GMと思われる)では、これらの研究がかなり進んでい
るとも報じている。
 いずれにしても人類の未来は明るいものではない。マスコミは真実を報道す
る義務がある。情報操作みたいなことは慎むべきではなかろうか。ただ云える
ことは、温暖化の現状を正しく報道しなければ、人類滅亡のA級戦犯に指摘さ
れることだけは間違いないだろう。

驚くべき教育の実体!

2010-09-17 20:24:14 | 幸福の追求
 「子供が18人。1日に3人ずつ殺すと何日で全員殺せるでしょう」、
という割り算の問題を出した問題が発覚した。今年5月、愛知県岡崎市の
小学校で3年生の数学の授業でのことだという。市教委はこの教諭を厳重
注意し、9月15日付で担任を代えたという。(読売新聞、9月16日、
朝刊、参照)
 この報道は、身の毛がよだつ感がする。こういう先生がいること自体、
信じられないことである。多くの立派な先生がいることは知っている。そ
れだけにショックが大きい。その原因の一因を考えてみよう。
 ①お笑い文化の影響か。最近のテレビなどのエンタ-ティメントは、お
笑いが主流である。その内容もダンダン過激化しているような気がする。
最後は「お笑いの世界だから」と世間に甘えているのではなかろうか。そ
こには社会的な影響や倫理観は一顧だにされていない。ただ面白ければい
い、という廃退的な考えしかない。今回の問題は、その延長線上にあるも
のではなかろうか。もしかしたら人類存在の末期現象の一つなのかも知れ
ない。野僧のような老人にとって、お笑い主流の夜のテレビは見たいと思
う番組が少ない。
 ②宗教の影響か。新約聖書、旧約聖書ともに、「神」を信じない人間を
殺しても構わない。むしろ、そういう人間を殺せば神は喜ぶ、と説いてい
る。また、仏教のある派は、「悪人正機説」を説いている。悪人こそ救わ
れる、という意味である。それはブッダの根本思想に反するものである。
ブッダは、悪を認めない次のような思想に疑問を持ち、「善を求めて出家
した」と晩年に述懐している。「この世で切るも殺すも悪を認めない」、
「(生き物および人間を)切断しても、苦しめようとも、悲しませようと
も、悩ませようとも、おののかせようとも、生命を害しようとも、盗みを
なそうとも、他人の家に侵入しようとも、略奪をなそうとも、強盗をなそ
うとも、追はぎになろうとも、このようなことをしても、悪を行ったこと
にはならない。たとえカミソリのような刃のある武器をもって、この地上
の生き物すべてを一つの肉団となそうとも、これによって悪の生ずること
もなく、また悪の報いのくることもない」。ブッダの在世にこのような論
理を堂々と説く一派がいた。主張したのはプ-ラナ・カッサバ(不蘭迦葉
・ふらんかしょう)で、一切の悪や道徳を認めない原始唯物論者である。
悪人正機説は、この思想に近いものである。このような退廃的な考えに同
調できず、ブッダは善を求めて出家したのである。この一点からしても、
悪人正機説を説く一派は仏教とは認められない。それは外道(仏教以外の
宗教)の考え方であると云わざるを得ない。かの先生はこのような殺人を
悪と認めない思想にもとずいているのかも知れない。
 教育とは「人を殺してはいけない」、という正しい教えを根本にすべき
ではなかろうか。

遅れをとった未来都市構想と日本

2010-09-11 09:16:01 | 環境劣化と人類延命の智慧
 「灼熱アジア」第2回中東(砂漠の未来都市)、がNHKで放映された。
この内容は、炭酸ガス、ゼロの未来都市を作り、その技術を輸出する技術
立国を目指す中東の実情を紹介したものである。何よりも驚くのは、石油
大国が中心に動いていることである。石油輸出国が石油後の未来都市構想
にしのぎを削っている姿は異様とも映る。しかし、それらの中東諸国は化
石燃料を燃焼させることによって地球が環境劣化に陥り、温暖化が進んで
いる現状を正しく認識しているからである。その超巨大プロジェクトに世
界中の企業が群がっている。
 日本の企業も参画しているが、環境劣化、温暖化という基本認識が違う
ので、どこまで参画できるのか、はなはだ疑問な一面がある。すなわち、
日本におけるそれらの認識は無に等しい。環境劣化、温暖化という認識が
ゼロに等しいからである。基本的な認識が違う企業はそのうち排除される
可能性がある。世界の技術開発はしのぎをけずっており、日本が高技術国
であるという認識は単なるウヌポレに過ぎずない。
 一方、中東の未来都市計画を見ると、環境劣化に対する甘い認識点もあ
る。たとえば、クリーン・エネルギーの風力発電の機器、太陽光発電の機
器、LNG(液化天然ガス)のプラントなどは、巨大サイクロンの風圧や
竜巻などに耐えられる構造ではない。日本でも風力発電の機器が台風の際、
倒壊したり、破壊されたりしたことがある。
 一般的に云われているのは、風力発電の場合、「風見鶏」のように、風
の向きに順応して風圧を逃がす構造でなければ耐えられないと云われてい
る。風圧をまともに受けて耐えられることは不可能と思われる。またLN
Gなどの各種のプラントも、強固な鉄筋コクンリートの中に収納しなけれ
ば完全な施設とならない。さらに、太陽光発電にしても、たとえばビルの
屋上に機器を設置し、壁とガラス状のもので覆い、風圧に耐える構造にす
る必要があるのではなかろうか。これらの点も技術開発が必要である。さ
らには電線などは地下に埋設する必要がある。
 本欄で何度も主張しているように、首都機能移転はいかなる災害にも耐
えられ、なおかつクリーン・エネルギーで都市を構成せんとするものであ
る。すでにUAE(アラブ首長国連邦)では、未来都市「マスダールシテ
ィ」の建設が始まっている。脱炭酸ガスのクリーンシティの建設である。
技術立国のモデルシティ(牙城)を建設しようとしている。その意味でも
日本はすでに遅れをとっている。
 誰が民主党の代表になろうとも、本欄で何度も主張したように、首都機
能移転構想に取り組まなければ、雇用増大も解決しないし、日本の未来は
開かれないであろう。

民主代表選、個人攻撃やめよ!

2010-09-03 15:44:30 | 政治
 民主党の代表選が始まった。それにつけても個人攻撃がひどすぎる。
特に相手候補の人格や経歴などを全面否定する数人の民主党代議士の
発言は見苦しい。それは民主主義そのものを否定することをも意味し
ている。
 また、長年、行動を共にしてきた元同志の候補を言葉汚くテレビな
どで話す姿は自らの品位を汚す行為にすぎない。なぜなら、元同志の
候補と大同小異の経歴を持っているのではないかと推測されるからで
ある。本物の黄門さまが聞いたら、「品のない黄門さまだな」と驚く
であろう。
 さらに、現参議院議長の発言は非常識である。「(首相に)対抗す
る候補者は相当の覚悟が必要だ。首相を蹴落とそうとするのだから、
敗れた場合、党を去ることも選択肢に入る」と8月23日記者会見を
開いて語っている。現首相の対抗馬は負けたら民主党から出ていけ、
という意味である。(読売新聞8月24日、朝刊)。このような民主
主義を全面否定するような発言は、議長としての適格性に疑問が生ず
る。なぜなら、内閣の提出した法案に反対する議員は、辞職せよ、と
云っているのと同じだからである。もしも代表選で逆の結果が出た場
合、議長を自ら辞任しなければならなくなるであろう。それは自己否
定をも意味している。
 泥仕合といわれる今回の代表選は一部分見苦しい。いずれが勝つに
しても、恐らく、終盤には勝ち馬に乗り遅れるな、という雪崩現象が
出るであろう。