今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

中西衆議院議員の辞職は対岸の火事に非ず

2005-03-16 22:54:40 | 人間の本性
 酒を飲んだ勢いで、若い女性の胸を触ったとして強制
ワイセツで逮捕された中西衆議院議員(40)は、議員
辞職した。政治家としてばかりでなく、一般の人として
も許される行為でないことは分かり切っている。
 しかし、酒を飲んだ上でのことであり、普通の男性な
らば、誰でも陥りやすいことではなかろうか。その意味
からしても、まことにもって同情に耐えない。
 若い中西議員は、前途を嘱望されていただけに残念な
事件だった。何よりも本人自身が痛恨の思いであろう。
 また、大学教授が手鏡で女性のスカートの中をのぞき
見たとして逮捕され、現在裁判中である。
 このように政治家、大学教授といった名誉ある立場に
いる人でも所詮は凡人である。何度もいうように、すべ
ての人間には地獄の心から仏の心にいたる10の心があ
る。当然、色情や金や権力を求めるあまり、人間として
の正当性を見失うことがある。どんな人間でも、男女の
区別なく、その罠にはまりこむ危険性を抱きながら生き
ている。まさに山頂の分水嶺を歩いているようなもので
ある。右から強風が吹けば左の谷底に落ち、左から風が
吹けば右に転落するのと同じである。場合によっては殺
人事件を起こす場合もある。
 ブッダはいっている。
「これらの人々こそ哀れみを与えるべき人(悲器)であ
る」。
 対岸の火事と見ずに、また非難の対象とするのではな
く、自分自身の自戒の契機とすべきではなかろうか。
 中西議員も大学教授も、早く立ち直ってほしい。


 

大気中の二酸化炭素を新燃料とする技術開発を

2005-03-03 11:15:47 | 環境
 人類は温暖化などの原因で滅亡の危機に瀕している。
その危機を脱出する方法は、大気中の二酸化炭素を燃料
として無害な新エネルギーとなるように技術開発するこ
とである。それが大気中の炭酸ガスを抹消させる唯一の
方法ではなかろうか。約43兆トン弱といわれる大気中
の炭素を、資源として転用する技術開発が可能なはずで
ある。
 人類に残された時間はタイムリミットを迎えていると
いっても過言ではない。したがって、10年~15年以
内に技術開発して実用化されなければ、人類の危機は回
避されないだろう。
 それと同時に水素自動車の実用化を急ぐべきである。
約40年後の実用化では遅すぎる。ハイブリットカーで
は、問題解決になり得ない。
 大気中の炭酸ガスなどの抹消と、炭酸ガスを出さない
ようにする技術開発は車の両輪のように不可欠である。
どちらが欠けても人類は延命できない。
 その両者を解決するには、現在の貨幣経済制度の元で
は不可能に近いのではなかろうか。その最大の原因は、
利益追求が第一主義の世界だからである。そうではなく
て、人類の延命策第一主義の世界に変える人類愛に目覚
めた「人類の意思」の問題である。堤王国の統帥が逮捕
されたと報じられている。人類は金を抱えて死滅するつ
もりなのであろうか。
 ブッダはいっている。
「たとえ貨幣の雨を降らすとも、欲望の満たされること
はない」。