今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

米の大干ばつは典型的な予兆現象!

2012-08-24 11:56:53 | 環境

 ミシシッピー川はミネソタ州に始まり、メキシコ湾に注ぐ全長3779km

で、流域には10の州がある。昨年は記録的な増水を続け、6州で洪水

被害を出している。ところが今年は一転して水量が5mも低くなっている

所もあるとテレビ報道されている。同時に大干ばつでトウモロコシが立ち

枯れし、農地が干上がっている映像も報じられている。NOAAによると、

米の中西部の地面の温度が最大記録を示し、土壌の湿度はほとんどな

い、とも報じられている。雨が降らないからである。このため、農作物が

大打撃を受けている。特に、ミネソタ、アイオワ、インディアナ、ウィスコン

シン、オハイオ、カンザス、ミシガン、ミズリー、ネブラスカ、ノース・ダコタ、

サウス・ダコタ、の中西部地方の被害が大きい。米国はコーン、大豆、

小麦の最大輸出国である。今後、世界の食料事情に与える影響の予測

さえできない状況だと、いわれている。

 この米の大干ばつは、温暖化による典型的な現象である。今後、時には

大雨、時には大干ばつ、という現象は世界的な規模に波及するはずであ

る。恐らく2050年頃になると、さらなる大干ばつが人類の食物を奪う深刻

な事態となるのを疑う余地がない。

 これらによる結論は、各国ともに他国に食料を輸出するだけの余裕がな

くなる時代が遠からずくることを意味している。すなわち、各国ともに、食料

を自給自足しなければ、何も食べられなくことを意味している。工業製品を

輸出して得た金で、食料輸入するから大丈夫だ、という話は、今だけに通

ずるものである。将来をしっかりと見据えなければ、日本民族は自滅するだ

ろう。

 将来的には、地底栽培、屋内栽培、トンネル内栽培などが農業の主流と

なるであろう。 


福島原発が直下型地震に襲われれば東京も壊滅する ?

2012-03-14 05:12:14 | 環境
福島第一原発には使用済み核燃料棒が約3000本ある。そのうち1331本
は4号機にある。3.11の時、4号機は点検中で、炉心にあった燃料棒はす
べて使用済み燃料棒を入れているプールに移されていた。1331本とは、
通常時に炉心にある燃料棒の2.5倍になる。ところがM7クラスの直下型
大地震が起こる可能性があると、東北大学の(しょう)大鵬教授は警告し
ている。その時、プールが倒壊して燃料棒が外に飛び出すと、3.11の10
倍以上の放射性物質が大気中に放出され、完全に「お手上げ」となり、
少なくとも東日本は壊滅する。耐震強度を上げるべきだと警告している。
と「週刊現代」(12.3.10号)は「そのとき日本は破滅する? 『福島第一
原発 直下型地震』を予測する東北大学教授に聞く」で報じている。

同教授が根拠としているのは、「地震波トモグラフィー」による研究
の結果、だという。同機は、地震波が伝播する時間を計って地球内部の
構造を画像化し、これをもとに地表から地下200kmまでの地層構造を解
析する機器である。科学の進歩は目覚しい。まさに日進月歩である。ミ
ューオンによる山体観測とマッチングさせれば、素晴らしい技術開発等
が期待される。

 福島原発の近くに双葉断層帯がある。北米プレートの中に太平洋プレ
ートがひずみ込んでおり、その摩擦熱で水分が上昇する。その水分によ
って双葉活断層が滑りやすくなっているという。その結果、M6.8~7.5
の直下型地震が起きやすい状態だという。

 もしもこの大地震が起き、使用済み燃料棒プールが倒壊し、燃料棒が
ラックから抜け出て完全にむき出しになれば、再臨海が起こって核分裂
反応がはじまり、完全にお手上げ状態になる、と京都大学の小出裕章教
授は危惧している。この場合、放射性物質は日本中に拡散し、今度こそ
「死の国」になってしまう、と云われている。

 さらに野僧の心配するのは、プールが倒壊しなくとも、プールに大き
な亀裂が走り、水漏れが発生すれば、上記と同じ現象が起こるのではな
いか、と危惧している。さらには、そのプールにいろんな瓦礫が落下し、
その衝撃などで爆発的な現象が起これば、さらなる被害が発生するので
はないか、と心配である。福島第一原発全体では約3000本の使用済み燃
料棒がプールにあり、炉心のように格納容器に入っているわけではない。
ラックに入っているとはいえ、むき出し状態でプールに入っているだけ
といっても差し支えないのではなかろうか。さらには、ザルに水の状態
は依然として変わっていないものと推測される。その証拠に汚染水は増
える一方だからである。

 ちなみに「少なくとも東日本」、「日本中」、が壊滅すると報じら
れているが、福島第一原発から半径200~300km圏内が危機にさらされる
のではないかと心配している。当然、東京もその中に入ると思われる。
本欄で以前から指摘しているように、政府の「収束宣言」は信じられな
い。

 
  

メタンハイドレートへの期待と不安

2012-02-03 12:21:54 | 環境
 最近、メタンハイドレートやLPG(LPガス)などが注目されるようになった。
好ましい現象である。これは原発の終焉に繋がる代替エネルギーの動きの一
つなのかも知れない。特に、愛知県沖で今月の14日からメタンハイドレート
の試験掘削されると報じられている。しかし、必ずしもメリットばかりでは
ない。大いなる危険性もあることを理解しておく必要があるだろう。
 
 メタンハイドレートとは、生物体が死ぬと自重で海底に蓄積される。その
有機体は分解されてメタンなどの炭化水素に変わる。このゼリー状の水和物
をメタンハイドレートという。深海や大陸棚、大陸の凍結土の中に大量に存
在する。サッカーボールのような多面体の固体中にメタンガスが閉じ込めら
れている。この構造は「一定の低温、高圧のもとでは」安定しているが、温
度を上げるか、圧力を減じると急速に崩壊し、引火爆発する危険性があると
いわれている。

 このメタンハイドレートの資源量は221~1650兆立方メートルで、日本近
海に7兆立方メートルあるといわれている。そもそもメタンガスは、温室効
果ガスとして、二酸化炭素の44倍の働きを持っている。8000年前にノルウエ
ー沖で起きたメタンハイドレートの一連の大爆発によって、埋蔵量の3%にあ
たる3500億トンが大気中に放出されたと云われている。このような大爆発が
いつ起きても不思議ではない、とカリフォルニア州モントレー湾水族館研究
所のメタンハイドレート研究チームのリーダーブリュワー博士は警告してい
る。

 また、多数の船や飛行機が行方不明になった魔界伝説として知られるバミ
ューダ・トライアングル(悪魔の三角地帯)の事件の真犯人は、メタンハイド
レートの大爆発ではないか、と西沢潤一博士は著書「人類は80年で滅亡する」
の中で説いている。シャンペンの栓を抜く時、爆噴するのと同じ状態になる
のではないか、ということらしい。興味ある説である。

 日本近海にある資源、脱原発の完成までの補完資源としてのメタンハイド
レートに期待できるが、究極的な代替エネルギーではないように思える。

科学音痴の原発収束宣言 !

2011-12-20 21:32:50 | 環境
「原発事故は収束」と宣言した現内閣は科学音痴の大臣しかいないのであ
ろうか。馬鹿げている。メルトダウン、メルトスルーという内容を分かって
いるのであろうか。燃料棒の溶けた塊がある限り、高熱を発し、放射性物質
を放射し続けることを知らないのであろうか。ザルに水の状態は以前と大差
ないはずである。こんなことでは諸外国から笑われるだけである。これ以上、
書く気になれない。

福島第一原発のステップ1は達成との宣言は本当か?

2011-07-20 15:59:56 | 環境
 「国民は科学音痴しかいない」、と政府と東電は思っているのだろうか。
1・2・3号機ともにメルトダウンを通り越してメルトスル-していると報
じられている。さらに、メルトダウン後に爆発している。外面から見ただけ
でも爆発は凄まじいことが分かる。ましてや原子炉建屋の内部が相当破壊さ
れているのは推測の域を超えているはずである。
 19日、政府と東電は行程表のステップ1をほぼ達成したと発表し、次の
段階のステップ2の工程表を発表している。しかし、根本的な疑問に対する
解決を証明するものは何ら公表されていない。具体的には、「原子炉 1~
3号機全てで循環注水冷却」が達成されたと発表している。それに対する疑
問を列挙してみよう。

 ①炉心の「圧力容器」に穴があいている。その穴は、メルトダウンによっ
  てできたものである。メルトスル-はすでに政府も東電も認めている。
  その穴は塞がれたのか、そのままなのか。もしも塞いだとすれば、その
  方法と証拠写真などを公表する義務がある。

 ②圧力容器を格納している「格納容器」も破損してしていると報じられて
  いる。たとえば、下部の両足にあたる部分の「圧力抑制室」が破損して
  いる、とも報じられている。その穴のあいた部分を塞いだのか、そのま
  まなのか。もしも塞いだとすれば、その方法と証拠写真などを公表する
  義務がある。

 ③メルトスル-によって、「格納容器」の下部(底)に穴があいてるので
  はないか、とも報じられている。穴があいているのか、あいていないの
  か、という疑問に政府と東電は応える必要がある。穴があいていたとす
  れば、その穴は塞がれたのか、そのままなのか。もしも塞いだとすれば、
  その方法と証拠写真などを公表する義務がある。

 ④「格納容器」には何本もの配管がある。ヒビなどの破損があるはずであ
  る。破損部分があれば、そこから水漏れしているはずである。それをど
  う修理したのか、しなかったのか、という疑問に答える必要がある。

 ようするに、完全な水漏れを防ぐことは不可能なはずである。それを「さ
らり」と、完了したかのような発表は説得性に欠けるものであり、納得でき
ない。何度もいうように、「ザルに水」をかけているような状態は何ら改善
していないのではないかという根本疑問に政府と東電は正直に答える義務が
ある。汚染水は今後も増え続けているはずである。さもなくば、隠密裡に汚
染水を放水する以外に方法はなくなるはずである。それは漁民を泣かせるこ
とを意味する。政府と民主党はどれだけの国民を泣かせることを目標として
いるのであろうか。
 内閣や民主党は、こんないい加減な態度では国民からの信頼を失うであろ
う。ものには限度というものがある。






 

巨大砂嵐は地球劣化の一つ!

2011-07-07 02:07:41 | 環境
 幅80km、高さ1,500m、時速50kmという巨大な砂嵐が
7月6日、米国アリゾナ州で発生した。驚きである。地球の砂漠化も、
とうとうここまで来たか、という思いである。地球が好転するきざし
は閉ざされた感がする。この巨大な自然現象を地球劣化現象の一つと
考え、人類への警告と受け止めるべきである。(「アリゾナの砂嵐」
で検索すると、いろんな動画や写真が見られます)。

世界の目を甘く見るな!

2011-06-16 17:16:08 | 環境
 世界原子力機関(IAEA)の日本人である天野事務局長は、IAEA内で
「天野外し」にあい、窮地に追い込まれている。(本欄参照)。はっきり云え
ば、福島原発事故の資料隠蔽と公表の遅延は、日本政府の故意であると見る世
界的な日本に対する不信感の表れである。これは重大なことを意味している。
はっきり云わなければわからないようである。

 ①日本製の原発輸出は今後、確実に減るだろう。世界各国は、信用を失った
  日本以外から多く輸入するであろう。

 ②今後、日本がIAEAに報告する書類が、いかなる美文、名文であろうと
  も、その一部は恥の上塗りと嘲笑されるであろう。
 
 ③日本国内の新たな原発建設は絶望的になったのではなかろうか。

 ④現在休止中である原発の再発電は可能性が少なくなったのではなかろうか。

 ⑤将来的には、脱原発の方向となるだろう。代替えエネルギ-の動きは早ま
  ると思われる。

 ⑥原発以外の輸出品にも日本への不信の影響が出ると大変なことになる。日
  本経済全体に暗雲がかかるとすれば一大事である。

 これらの原因を演出したのは現内閣である。不必要な隠蔽主義と秘密主義に
偏したからである。一般国民は批判の精神に欠けている。このまま行けば、日
本は沈没してしまうであろう。今後も菅内閣を支持することは、「惚れてしま
えばアバタもエクボ」の類であろう。
 現在、世界中が日本を注視している。

 ①汚染水を完全に浄化できるのか。

 ②汚染土をどう処置するのか。汚染土を校庭の一部に埋設するのは浄化とは
  無縁のことである。その埋設した汚染土によって、今後、どのような影響
  が出るのか、出ないのか。

 ③放射能などによる汚染土、すなわち田畑への影響と人体への影響はどうな
  るのか。

 ④海水の汚染による魚介類への影響は出るのか、出ないのか。

 ⑤川の汚染による飲料水の影響は出るのか、出ないのか。

 ⑤人間の呼吸などによる体内被曝の影響が出るのか、出ないのか。

 ⑥福島第一原発を何の悪影響も出さないで廃炉とすることができるのか、ど
 うか。単なるカバ-で終わらせる気ではないのか。それは真の解決とはなら
 ない。将来の二次被害の種となるからである。

 など、数え切れないくらいである。一つも失敗は許されない。この国難を乗
り切るには、一度ならずも何度も失敗している菅内閣では不可能といえよう。
1日も早く挙国一致の新内閣を組閣し、日本全体が一丸となって対処しなけれ
ば、取り返しのつかない禍根を残すこととなるであろう。
 飽食ボケしている多くの日本人にはわかってもらえないのかも知れない。も
しかしたら、故意に分かろうとしないふりをしているだけなのであろうか。





蓄電機の開発を急げ!

2011-05-25 10:36:48 | 環境
 「蓄電」とは電力を貯めることである。具体的には家庭用の蓄電池もその一つ
である。しかし、都市などの電力を充たすような大蓄電池は世界中どこにも存在
しない、と云われている。その大容量の電力を蓄電するのは、電池というより「
蓄電機(器)」というべきであろう。
 各種の発電機器は、夜だけ止めるというわけにはいかないのか゜現実である。
それらの余力電力を蓄電して、昼間の需要が高い時に、その蓄電力を利用できる
ようになれば、電力供給事情もかなり変わるとも云われている。また、交流送電
から直流送電にするために変換機を通す時に、20%以上のロスが生ずるとも云
われている。
 しかし、日本の10発電会社の間では、すでに余力電力を玉突き的に他電力会
社と融通し合っている。素人判断では、蓄電装置を各社が持っているから融通で
きるのではないのか、という素朴な疑問もある。
 いずれにしても、緊急時に使用できる大蓄電機の開発は必要である。おそらく
世界中で大蓄電機の開発競争が始まるのではなかろうか。政府はこのことを見逃
すべきではない。これも復興策の一つに加えるべきではなかろうか。
 最近の節電に関するマスコミも一般市民も錯綜ぎみである。たとえば、国全体
のために家庭の節電に協力しようと、善良な日本中の国民はいろんな方法ですで
に積極的である。その一方で、現在や夜に節電しても、夏場の電力危機をのり越
えるのとは関係ない、無駄だ、という報道もある。電力需要のピ-クになる昼の
時間帯に節電に協力してほしい、という意味なのであろう。しかし、いまから節
電を各自なりに研究、実行していれば、夏場に役立つだろう、という見方もある
だろう。いずれにしても、政府やマスコミは正しい節電方法と、具体的な有効的
な方法などを国民に知らしめる必要がある。
 ヘルツの一元化や蓄電機の開発など、政府の取り組まなければならない大問題
はいくらでもある。










2100年101億人の予測は外れる

2011-05-09 20:23:50 | 環境
 今年の10月には世界人口は70億人になり、2100年には101億人
になる、という予測を国連は発表した。その予測は、現状のまま進めば、と
いうものである。しかし、その予測は見事に外れるだろう。地球環境が劣化
しているからである。野僧の予測では、2100年を迎えられるのは70億
人の約5%の3億5000万人くらいだと思っている。
 台風の巨大化、竜巻の巨大化、洪水の巨大化、大気の汚染、海水の汚染、
川の汚染、地下水の汚染、南極の氷の融解、世界各地の氷河の融解、温暖化
の加速による世界規模の気温の上昇などによる地球環境の劣化が原因である。
温暖化は信じられない、と云い続けて人類は絶滅するだろう。
 現在すでに台風は巨大化し続けている。竜巻も同じである。これは何を意
味しているのだろうか。現在のところ竜巻は線の状態で被害を与えている。
しかし、台風が巨大化すれば、台風が竜巻と同じような威力となり、面的な
被害となることを意味している。すなわち、今回の三陸津波とほぼ同じよう
な被害状況となる方向になることを意味している。都市部も内陸も、海岸部
の区別なく被害が巨大化するだろう。それを念頭に置くべきである。その意
味からすれば、政府や識者の対応策は貧弱であるといわざるを得ない。
 野僧の著書や本欄で何度も警告しているように、野菜や魚などの物があっ
ても食べられない、という時期を迎えるのはそう遠くないであろう。当然、
金があっても食物を買えない、という時期に移行する。最終的には、毒とわ
かっていても食べざるを得ない、という状態になるだろう。背に腹は代えら
れない、という状態になるだろう。
 また、地球環境の劣化は自然界の劣化とも繋がっている。たとえば、地震
と環境劣化は無関係というのが常識である。しかし、地球自体の環境劣化は
、地球全体の劣化と繋がっているのかも知れない。いずれにしても地球の気
温などによる影響なども異常な様相を見せている。人類は覚悟して取り組む
べきである。2050年頃から人類が滅亡する小の三災は本格化するものと
思われる。


福島原発、これからが大問題!

2011-04-17 23:32:03 | 環境
 「今回の福島原発事故は、チェルノブイリ事故と違い、一人の犠牲者
も出していない」と、保安院の一人が報道陣の前で大見えを切った。こ
れは国民に心配をかけない、という意図から出たものであろう。しかし、
福島原発の事故は終わったわけではない。これから、最重大な事故に繋
がる可能性があるからである。

 ①汚染水は増える一方である。中心部の炉心などを格納している原子
炉格納容器内にも冷却水は使われている。しかし、建屋内の水蒸気爆発
や余震によって、その容器に接続されている配管などが損壊している可
能性が高い。すなわち水漏れしていると思われる。また、使用済み核燃
料棒の一時貯蔵プ-ルも水漏れしている可能性が高い。さらに、それら
に一度水を注入すればそれでよし、というわけにはいかない。燃料棒の
余熱で、だんだん熱くなるので、たえず冷却水を入れる必要がある。い
わば、ザルに水をかけているようなものである。したがって放射性物質
を含んだ汚染水は増える一方と思われる。

 ②使用済み核燃料一時貯蔵プ-ルの冷却水の沸騰による影響が心配で
ある。最近テレビ放映されたそのプ-ルを見ると、冷却水が高温となっ
ているため白煙、すなわち水蒸気が立ち上っていた。また、水蒸気爆発
などの影響で約4000本あるといわれる燃料棒そのものが一部損壊してい
ると東電も認めている。また、水漏れのはげしいプ-ルでは、水の上に
出ている燃料棒が溶ける心配もある。水蒸気爆発以上の事故が起こる可
能性があるかもしれない。

 ③原子炉格納容器内の炉心溶融が心配である。いわゆるメルトダウン
になる可能性は否定しきれないのではないか。炉心内の燃料棒が溶ける
ことである。最悪の場合は、大量の放射性物質が放出されることになる。
このような最悪の事故を想定したくないが、もしも現実となった場合は、
どこにも逃げ場所がない状態となるであろう。

 ④臨界事故の可能性も否定できないのではなかろうか。臨界事故とは、
不始末が原因で偶発的に起こる人為的な事故のことである。臨界事故が
起こると、発生場所から数十メ-トル内にいる作業員は重傷または死亡
にいたる危険性にさらされ、さらに放射性物質が放出される。ただし、
核爆発にいたることはない。たとえば、プルトニュ-ムの球体の上に、
タングステン・カ-バイトの煉瓦を落としただけで臨界事故が発生する。
また、ドライバ-を滑り落としプルトニュ-ム・コアの上に突き刺さっ
て臨界事故を発生したことがある。いずれもアメリカの出来事である。

 ⑤福島原発4基が連鎖的に事故などを起こした場合、史上最大の事故
になる可能性も否定できない。今回の福島原発の事故は、どの国でも経
験したことがない規模である。それだけに、何が起きても不思議でない
状況下にあることを認識しておく必要がある。チェルノブイリどころで
はない、と主張するブログもあるくらいである。

 ⑥余震による偶発性の大事故の可能性もあるのではないか。上記のよ
うに、一つ一つ考えただけでも恐怖である。さらに余震はいまだ止んで
いない。大事故が起こるとすれば、余震が引き金になるのではないかと
心配である。たとえば、建屋全体が崩壊する場合があるかも知れない。
何が起こるか誰もわからない、という状態であろう。

 現在、政府の官房副長官が福島県の飯館町と川俣町の住民に計画避難
をうながす背景には、政府、東電等は上記のような心配をしているから
ではなかろうか。「命あっての物種」という諺がある。とくと考えるべ
きだと思われる。

「フリ-百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」参照。