ミシシッピー川はミネソタ州に始まり、メキシコ湾に注ぐ全長3779km
で、流域には10の州がある。昨年は記録的な増水を続け、6州で洪水
被害を出している。ところが今年は一転して水量が5mも低くなっている
所もあるとテレビ報道されている。同時に大干ばつでトウモロコシが立ち
枯れし、農地が干上がっている映像も報じられている。NOAAによると、
米の中西部の地面の温度が最大記録を示し、土壌の湿度はほとんどな
い、とも報じられている。雨が降らないからである。このため、農作物が
大打撃を受けている。特に、ミネソタ、アイオワ、インディアナ、ウィスコン
シン、オハイオ、カンザス、ミシガン、ミズリー、ネブラスカ、ノース・ダコタ、
サウス・ダコタ、の中西部地方の被害が大きい。米国はコーン、大豆、
小麦の最大輸出国である。今後、世界の食料事情に与える影響の予測
さえできない状況だと、いわれている。
この米の大干ばつは、温暖化による典型的な現象である。今後、時には
大雨、時には大干ばつ、という現象は世界的な規模に波及するはずであ
る。恐らく2050年頃になると、さらなる大干ばつが人類の食物を奪う深刻
な事態となるのを疑う余地がない。
これらによる結論は、各国ともに他国に食料を輸出するだけの余裕がな
くなる時代が遠からずくることを意味している。すなわち、各国ともに、食料
を自給自足しなければ、何も食べられなくことを意味している。工業製品を
輸出して得た金で、食料輸入するから大丈夫だ、という話は、今だけに通
ずるものである。将来をしっかりと見据えなければ、日本民族は自滅するだ
ろう。
将来的には、地底栽培、屋内栽培、トンネル内栽培などが農業の主流と
なるであろう。