今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

ヘルツ返還の変電所を増設せよ!

2011-03-31 09:47:48 | 幸福の追求
 現在の日本の電力は、東が50hz、西が60hzと異なっている。
今回の巨大地震や津波などは、今後も起こる可能性がある。特に、原発
が使用不可能となった場合に、東西の電力を融通しあう場面が今後とも
発生する可能性が出てくるだろう。
 その変電施設は、現在、静岡県と長野県に3ヶ所しかない。これでは
不十分である。東西のヘルツの境目の県に、変電所を増設すべきである。
医療などを含む国民の生活と、製造業などに支障をきたさないためであ
る。東電も福島の第一原発の廃炉を表明している。早急に増設する必要
性がでてきたからでもある。西の余剰電力を使えないのはもったいない
ことである。
 ヘルツ返還の変電施設を充実させるべきだと考える。


計画停電は総量規制より、害少規制を!

2011-03-27 14:47:14 | 幸福の追求
 「一を聞いて十を知る」という諺がある。地震と津波の原発の事故による
福島第一原発の1号炉で最初の水蒸気爆発があった。その時点で他の炉の施
設も同様の爆発に類した事態となることを東電は悟るべきだった、と思われ
る。さらに現在は、放射性物質が大気中にも、海水や浄水場からも検出され
ている。今後はより一層の汚染拡大になると知るべきではなかろうか。20
~30km地域の避難している人々が自宅に帰れることができるか、どうか
も疑問となっている。放射能や関連物質による汚染は拡大する一方である現
状を見れば、後者になる可能性が大きいと思われる。
 第一、建物の一部とはいえ爆発等で破壊された建物に大量の水を放射する
ということ事態、諸刃の剣だったのである。たしかに格納容器や使用済み核
燃料のプ-ルは冷やす必要があったのは事実だったと思われる。しかし、注
入した水と放射性物質などが融合することも明白なことだった。大量に水を
注入した以上、当然、汚染水として外部に排出されることも自明の理だった。
いまさら驚くには当たらない。しかし、保安院の説明には驚かされる。海に
汚染水が出ても、海水で薄められるから人体に害とはならない、と説明して
いる。その説明者は無責任極まりない。科学知識はどの程度あるのか疑問で
ある。原発から排出された汚染水は、すでに魚の体内に蓄積され始めている
と思われる。また、海流にのってどこに流されていくのかも自明の理である。
太平洋ばかりでなく、日本海にも達するであろう。すなわち、放射性物質を
体内に蓄積した魚が広範囲に及ぶことを、なぜ考えないのであろうか。最悪
の場合、日本や近隣諸国の漁業に甚大な悪影響を及ぼす事態となれば大変な
こととなるかも知れない。
 東電や保安院の認識が軽薄に思えてならない。しかし、今回のような原発
事故や、解体方法などに関する模範解答がないのも事実である。チェルノブ
イリの処理方法は、結局、投げっぱなしとなっている。もしも、そこに巨大
地震が襲えば、内部崩壊し、放射能や放射性物質が新たに飛散することにな
るだろう。ただし、日本の場合、地震が多発するため、投げっぱなしにする
わけにはいかない。したがって今回の原発事故に対する対処の仕方は、困難
を極めることになると思われる。
 ところで、福島原発の電力供給が不可能となった以上、節電して対処せざ
るを得ない。病院関係だけでも一時的な電力供給をストップすれば、大変な
こととなる。たとえば、3時間の手術予定が4時間以上になることもあるだ
ろう。また、人工透析の時間帯も問題となっている。さらには、工業製品の
製造力の減退も切実な問題となっている。したがって、節電対象は、実害の
比較的に少ない業種から協力してもらう以外に方法はない。
 具体的には、テレビとラジオ、コンビニを午前0時~午前6時まで全国的
に放送停止、または営業停止してもらうよう、政府は協力要請すべきではな
かろうか。しかる後に、法的な規制策をとるべきだと考える。また民主党の
得意とする事業仕分けで、他の業種の規制範囲を広げるべきではなかろうか。
躊躇している時間はもうない。電力の節電方法は、供給能力が回復するまで、
部分停電や総量規制ではなく、害少規制とすべきである、と考える。
                 (読売新聞、3月27日朝刊、参照)

困難な原発の解体

2011-03-24 10:16:03 | 幸福の追求
 放射性廃棄物の関係で野菜が処分されている。農家の方々にとっては
痛恨の極みであろう。それらの方々に何の責任がないのに、お気の毒で
ある。テレビ報道の中で、「農地として再生させるためには土を全部入
れ替えなければならないのだろうか」という農民の発言があった。理の
当然の考えである。しかし、問題はそんな単純なものではない。問題は、
汚染された土をどこに、どう処分するのかということである。
 それと同じことで、福島第一原子力発電所は廃炉となる方向に行って
いる。そうなるであろう。その際、一番の問題点の第一は、放射能や放
射性廃棄物の外部への放射を、いかに抑えることができるかということ
である。第二に、汚染まみれの解体された物体や排水などを、どこに、
どう処分するのか、ということである。相当の分量になるはずである。
山に埋めるのであろうか。海に捨てるのであろうか。どちらも反対され
るだろう。それではどうすれば良いのだろうか。それを研究している施
設が北海道の幌延町(稚内市の南部方向)にある。「幌延深地層研究所」
(☎01632-5-2022)という。通称「ゆめ科学館」と云って
いる。野僧も昨年の夏に見学に行って来た。原発の廃棄物を地下に埋設
する研究施設である。興味津々である。研究は相当進んでいるようであ
る。しかし、福島原発を解体すれば量が多すぎる。第一、第二の問題点
を解決するには問題点が多すぎる。一口に廃炉にすれば問題が解決され
る、とはいかないのが現実である。
 ちなみに幌延町の研究所の隣には、「トナカイ牧場」があり、誰でも
入場できる。また牧場内にレストランがあり、トナカイ料理も食べられ
る。毎年、12月にはトナカイ(エゾシカ)の引く「ソリ」が牧場内を
走り回り、子供たちが楽しんでいるという。同町には「豊富温泉」があ
る。油まじりの泉質であるが、アトピ-などの皮膚病に効くという。一
度訪れることをお勧めしたい。同研究所は危険性は何もない。開館日を
確認してから行くことが肝要である。

ザルに水の放水か?

2011-03-19 01:21:26 | 幸福の追求
 17日、18日の二日間にわたって自衛隊の放水車が福島第一原
発の第3号機に放水した。その効果のほどは推測の域を出ていない。
政府と東京電力は、真実を発表すべきである。国民の知りたいこと
を公表していない。したがって疑心暗鬼が不安を増幅している。す
なわち、1号機から4号機の破損状態を詳細に公表すべきである。
建屋の屋根や側壁が吹き飛んだのはテレビや写真を見れば誰でも分
かる。そんなことではなく、格納容器にヒビが入っているのかどう
か、使用済み核燃料一時プ-ルがどの程度の破損状態なのか、ヒビ
が入っているのかどうか、かなり破壊されているのかどうか、とい
った現状報告がまったくなされていない。
 たとえばヒビが入っていたり、かなり破壊されているとすれば、
放水などは一時的な時間かせぎに過ぎないことになる。ザルに水を
かけるようなものだからである。また、それは単なるパフォ-マンス
に過ぎないことにもなる。滅茶苦茶に壊れている建屋を見ていると、
外部から水をかけただけで解決するとは思えない。放水後に白い水
蒸気が上がったから効果があるというのも解せない。水に燃料棒な
どが覆われていれば水蒸気などは上がるはずがないからである。
 第一、今回の危機は人災と云わざるを得ない。具体的に云えば、
格納容器や使用済み核燃料一時貯蔵プ-ルに冷却水を送るポンプが
津波によって流されなければ、今回の破滅的な事態にはならなかっ
たはずである。津波や竜巻、台風などによってポンブが破壊される
ことを考えなかったことが直接的な原因だからである。危機管理が
まったくなっていない。何事によらず、最悪の事を考えて対処する
のが大原則である。通気性を勘案した鉄筋コンクリ-トの中にポン
プを格納していればこんなことにはならなかったはずである。東京
電力や原発の設計者の責任でもある。
 ところでテレビなどの解説者やコメンテ-タ-の安全コ-ルは、
不安でならない。なぜならば、1号機から4号機の破損状態を完全
に知らないのに、安全だ、安全だ、と云うのは無責任すぎる。チェ
ルノブイリのように、30km以内に住めなくなったら、どう責任
を、解説者やコメンテ-タ-はとるのだろうか。「そのうち何とか
なるだろう」的な発言はやめてもらいたい。
 ともかく、シ-トで壊れた部分を隠す前に、破損状態などをハッ
キリと国民に公表すべきである。避難させられている人々のことを
第一番に考えるべきだと思う。

計画停電はテレビ放映、ネオンの時間制限から

2011-03-17 10:33:52 | 環境
 今回の大震災の政府の対応は遅すぎる。福島第一原発が全滅状態
にあるのが分かった以上、テレビ、ラジオ、商店などのネオンサイ
ン等の時間制限を政府は決断すべきである。非常事態だからである。
 最優先されるのは、一般人の生活であらねばならない。東京電力
は、電力供給を地区別に分けて実施している。しかし、それでは一
般市民の生活がなりたたなくなる。また、工業製品などの製造能力
も減退するゆゆしき状態といえよう。
 何はともあれ、完全復旧するまで、まず日本全国的にテレビ、ラ
ジオ、有線放送などを午前0時から午前6時まで放送禁止とすべき
である。また、商店などのネオンサインは、日没から午前0時まで
と規制すべきである。また、コンビニも午前0時から午前6時まで
営業禁止とすべきである。とりあえず、この3種の時間規制をし、
その後も規制範囲を検討して拡大すべきだと考える。このように節
電して、地区別の時間制限を避けるべきである。
 ただし、テレビとラジオは貴重な情報源であるから、災害情報に
限り放送許可すべきだと考える。電力節減の意味からしても、NH
K一局にまかせるべきではなかろうか。
 優柔不断に費やす時間はない。政府は即決すべきである。その結
果、余力電力を必要な地区に配電する科学力はあるはずである。
 

福島原発の爆発と二つの疑問

2011-03-12 21:57:24 | 幸福の追求
 福島第一原子力発電所の建屋が12日爆発した。これに対し、枝野
官房長官は同夜説明した。鉄筋コンクリ-トのコンクリ-ト部分だけ
が吹き飛んで骨組みの鉄筋だけが残った、という説明である。しかし、
どうしても疑問が残る。それほどの爆発なのに、原子炉の入った格納
容器が壊れなかったという説明に疑問が残る。
 今ひとつは、政府(自治体)の避難指示が10kmから20kmに
拡大すると発表したからである。万一のことを考えて慎重を期するた
めだという説明も疑問が残る。自己矛盾だからである。収納容器が無
事であるならば、住民避難を拡大する必要があるのだろうか。
 原発の危険性については、当初から各識者から指摘されていたこと
である。具体的には、巨大地震、津波、高潮、飛行機などの墜落、テ
ロの目標になるのではないか、というものだった。
 しかし、今回の福島原発が爆発したのは地震によるものであって、
菅政権の責任ではない。また、政権を取ってまだ2年に過ぎないから
でもある。しかし、真実でない発表や説明であれば、その責任は重い
ものとなるだろう。野僧の疑問が杞憂に終わることを祈るのみである。

就職失敗者の自殺増を憂う

2011-03-04 17:40:00 | 幸福の追求
 就職に失敗して自殺した人は昨年424人だったと警察庁は発表した。
20代153人、30代~50代はいずれも70人台、60代は31人、
70代は9人だった。「就職氷河期」が原因と思われる。まことにイタマ
シイ限りである。もしかしたら今年も就職難による自殺が増えるのではな
かろうか。内閣ならびに国会議員は、どうするつもりなのか、特に各党の
対策を是非お聞きしたい。「一に就職、二に就職、三に就職」と口先だけ
のピ-ア-ルでは自殺を防ぐことはできない。国民、特に若者に仕事を与
えること以外に方法はないはずである。大きな国家プロジェクトを立ち上
げるべきである。智慧をすべて出しつくして具体策を提案していただきた
い。

「死刑執行 法相の苦悩」を見て

2011-03-02 12:08:44 | 幸福の追求
NHK教育テレビ「死刑執行 法務大臣の苦悩」が1月27日に放映
された。1981年にフランスでさえ死刑を廃止している。世界的に
は、すでに死刑の存廃論議は終わっているといわれる。死刑に関して
云えば日本は遅れているのが現状である。
 そういった一面からすれば、日本は物質的な文明には熱心だが、精
神的な文化面では背走している。いわゆる先進国の中で日本は恥部席
に座しているようなものである。夜のお笑いだらけの民放テレビを外
人が見れば、日本には賢明な人間はいないのか、と思われるかも知れ
ない。その中でも、「たけし」氏がたまに賢明な見方をしているのが
光る。
 今回のNHKの放映は、前法相の千葉景子氏の話しを中心とした内
容であるが、歴代の法相の苦悩がたんたんとして画かれ考え深いもの
があった。死刑制度であれ、他の刑罰であれ、その目的は国民の平和
と安寧をどう保つか、ということであろう。人間社会の幸福追求とい
う理想社会との関連で論議すべきであろう。その点から云えば、いか
なる殺人も否定した社会であることが理想である。死刑とは、明らか
に国家による殺人である。凶悪犯の殺人を否定するのは当然であるが、
国家も死刑という殺人を止めるべきである。国家がまず手本を示すべ
きである。幼子に赤信号で道を渡ることをしないように教えるのと同
じことである。一切の殺人を否定した社会、それが理想世界である。
理想は追求すべきものであり、理想は実現させるためにある。世界中
で死刑廃止という理想を実現している国は70を超えている。なぜ日
本は死刑制度を廃止することができないのだろうか。
 千葉氏は、菅内閣で法相を継続していなければ、死刑執行書にサイ
ンしなくて済んだとのではないか思うとお気の毒である。