今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

北朝鮮の金一族は亡命以外に道はない

2005-02-24 22:10:03 | 戦争と平和
 「核兵器を製造した」と北朝鮮が宣言しても全世界は
驚いていない。第二次世界大戦後、世界の人々が得たの
は民主主義である。その証拠に、アフガニスタンやイラ
クを攻撃するに際し、世界最強の軍事力を誇るアメリカ
一国だけでは軍隊を投入できなくなった。経済援助など
のあの手この手で米国は同調国を探さざるをえなかった。
国際世論が許さないからである。民主化はさらに進み、
今後の世界政治は、明るさをさらに増すだろう。このよ
うに、軍事力をバックにした一国だけの戦略は過去のも
のとなったのである。
 ヒトラーやスターリンなどの巨悪の独裁者は消えて今
はいない。イラクのフセイン元大統領は囚われの身とな
っている。ミャンマーやイランなどの体制も世界中から
批判されているが、個人的な独裁国家ではない。残って
いるのは北朝鮮の金一族だけである。自国民を虐待して
いる非人道主義ばかりでなく、核兵器を製造したと公言
するに至っては、国際世論が許すはずがない。国際世論
のもとに、米国などが北朝鮮を攻撃すれば、2・3週間
で終わるだろうといわれている。ミサイル基地や地下基
地、兵器庫、燃料タンクなどはピンポイント攻撃される
だろう。もしかしたら、米国は北朝鮮の攻撃計画を詳細
に検討しているのかも知れない。
 もしもそうなれば、北朝鮮もミサイルなどで反撃する
だろう。当然ながら周辺国の一部に多少の被害が出るだ
ろう。
 一方の北朝鮮の被害は壊滅的なものとなるだろう。イ
タリアのムッソリーニと同じような運命を金一族がたど
る可能性があるかも知れない。恐らく、金一族の逃げ場
はなくなるだろう。軍隊も壊滅的な打撃を受けるだろう。
さらに悲惨なのは一般国民であろう。筆舌で尽くせない
ような被害状況になるだろう。精神力だけで戦争に勝て
る時代は過ぎ去った事を知っているのは金正日総書記自
身ではなかろうか。
 理想的な解決法は、金一族が亡命することである。金
一族の生命保証と生活保証などと引き換えに亡命する以
外に金一族が延命する道はないと思われる。それと同時
に北朝鮮の一般国民の生命財産などを守る唯一の方法で
もある。恐らく、亡命先は中国となるのではなかろうか。
金一族に残された時間はそう長くはないだろう。もしか
したら、現在亡命問題も検討されているのかも知れない。
 予測するとすれば、アメリカ軍がイラクから撤退する
時期が北朝鮮の危険な時間帯となるかも知れない。
 ブッダは説いている。
「王であろうと、どんな人でも、極度に暴悪であり、専
ら他人を圧迫することに務めるならば、求道者は、もし
も力があるならば、同情心あり、利益安楽を与える心を
いだいて、それに住し、それにもとずいて彼らが多くの
罪を生じるところの王位・権勢・支配権から彼らを没落
させる」。
「もしも人が反逆を企てたならば、彼を殺さず、迫害せ
ず、他の国土にしりぞけよ。自己を見ること、敵を見る
が如く厳しくあれ」。

京都議定書発効されても人類の危機状況に変わりはない

2005-02-16 23:24:21 | 環境
 2月16日、京都議定書が発効した。しかし、人類の危機的
状況に変化はない。たとえ今後一切の炭酸ガスなどを出さなく
とも、これまでに出し続けてきた炭酸ガスなどで温暖化は更な
る凶刃のように人類を襲うからである。
 何度もいうように、現在の環境破壊を克服するためには、二
つの問題を克服しなければならない。一つは、人類がこれまで
に出し続けてきた炭酸ガスを、大気中から抹消することである。
第二の問題点は、炭酸ガスをできるだけ出さないことである。
 しかし、京都議定書が発効しても、中国やインドなどの開発
途上国は対象外である。また、米国は批准していない。日欧な
どが割り当て目標を達成したとしても、ザルに水を注ぐような
ものである。ましてや、先進国では炭酸ガスの排出量の取引に
躍起になっている。実に馬鹿げた話である。何でも金儲けの材
料にしようという人類の愚かさをさらけ出す結果となっている。
 また、現在大気中に循環している約42兆トン以上の炭素な
どを抹消しようという課題は議論外となっている。
 これらの現実を分析すれば、人類が危機に陥っていることを
認めたくない、という一点に行き着く。まさにブッダのいうよ
うに、「因果の道理を信じないからだ」という言葉が当てはま
る。いつになったら、人類が危機に陥っている事実を、信じる
ようになるのであろうか。
 経済活動に支障をきたすといって批准しない米国、先進国並
みを目指す中国などの動きを見てもわかるように、人類が危機
に瀕している事実を何ら認めていない。
 環境破壊が、やがて信じない人々を目覚めさせる時はそう遠
くない。
 

ゴミのリサイクルは資源の再利用だが、化石燃料を使う点が問題。

2005-02-03 00:10:29 | 環境
 ゴミのリサイクルは、限られた資源を再利用するので
欠くことのできない重要なものである。日本や欧米など
のゴミ(空き缶、鉄くず、プラスチックなど)は、現在
中国に集められている。やがて中国はゴミを引き取らな
くなるだろう。自国のゴミのリサイクルだけで間に合う
ようになるからである。次はインドがゴミの引き受け手
になるだろうとと推測されている。その次は、他の開発
途上国がゴミを引き受けてくれるだろう。いずれにして
も、ゴミの再利用は途切れることはないだろう。
 リサイクルといえば聞こえはいいが、溶かしたりする
際に化石燃料を使うことが問題である。また、化学薬品
を使うことによって出る汚水なども問題として残ってい
る。資源からの直接的な製品化と、リサイクルによる製
品化とは大差ないといわれる由縁である。リサイクルの
メリットは、地球資源の再活用だけが評価されているの
が現状ではなかろうか。
 このゴミ問題は、大別すると二つある。一つは、日・
米・欧の先進国から出るゴミ処理を、中国などの開発途
上国がまかなっている点である。二つめは、ゴミの輸出
は、環境汚染の地球規模の拡散に繋がっている点である。
いわば、世界中をゴミの投げ捨て場としている。
 今後の問題点としては、できるだけゴミを出さない技
術と、リサイクルの効率化であろう。いずれにしても、
地球の大気や海や大地をゴミ捨て場とすることだけは止
めるだけの人知が求められている。

(追記)1月13日の当「今週の法話」の内容をそっく
り朝日新聞社にメールで1月14日に投稿しました。「
レスター・ブラウン氏の地球の未来は楽観的に疑問を呈
する」のことです。返答をお願いしましたが、19日経
過しても、朝日新聞社からは何の返答ももらえませんで
した。今後、朝日新聞に対する意見や苦言などは本欄に
掲載しません。この点、ご報告いたします。