「気候変動『適応』に苦慮」との「クローズアップ」が毎日新聞(19.1.28号)
に掲載された。その見出しに『自治体拠点整備進まず』、『予測に基づく施策 前例な
く』、『地域ごとの想定必要』などという言葉が踊る。
これは「気候変動適応法」(昨年12月施行)の体制整備がなかなか進まない状況を
報じたものである。それもそのはずである。今後の災害が段々と巨大化するのは確実と
思われる。例えば、水害一つだけを完全に近い形で整備したとしても、災害は一度だけ
で終わるものではない。次の年に同じような災害に襲われるかもしれないし、場合によ
っては同じ年に2度襲われるかも知れないからである。1.5度というレッドラインを
超えれば、どのような巨大な災害が発生する可能性を予測することは非常に困難である。
すなわち、人類がこれまで経験したことのない災害が多発する可能性があると云わざる
を得ない。われわれ人類が経験したことのない地球環境になるからである。その原因を
造ったのは人類である。「便利な生活」、「金儲け第一主義の経済活動」などが地球環境
を破壊したからである。それにも懲りず、今も秒単位で地球環境を破壊し続けている。
ところで22世紀を迎えられる人類はどの位であろうか。①故西丸震哉氏は、現在の
世界人口(70億人)の5~10%位であろう、と推定した。10%といえば7億人で
ある。②西丸説を参考にして野僧は5%(3.5億人)と推定している。③さらに少な
いのは、1億人(0.142%)と推定している論者もいると聞いている。この人々は
10%のエリートを90%の人々が支える、というもので人間牧場と云われているよう
である。野僧の5%3.5億人というのは、まだ多い方なのである。
いずれにしても、人類が経験したことのない災害の規模も分からないし、対策の立て
ようがないのが実情ではなかろうか