今週の法話

法華宗北海寺住職-二王院観成による仏教用語と法話集です。毎週水曜日に更新いたします。

理想世界になっても核兵器はなくならない!

2018-01-16 10:32:48 | 幸福の追求

 昨年、ノーベル平和賞に国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン

ICAN)が受賞した。平和を熱望する人々に大いなる感銘を与えた。

しかし、結論から云えば、将来理想世界が実現したとしても、核兵器

はなくならないであろう。

 理想世界とは、武力衝突などのない世界であろう。まず、軍隊は各

国から消え、国連軍が創設されなければならない。すなわち世界の平

和を乱す国連軍以外の軍事勢力を排除するのが任務となるだろう。そ

のための戦争は避けられない運命にある。当然、核兵器を持つ狂気の

反乱勢力が出てくる可能性がある。そのためにも国連軍が核兵器を持

っていなければならないことになる。国連軍が負けるわけにはいかな

いからである。

 翻って現実は、世界の大国が勝手気ままにふるまっている。今のま

までは国連軍の創設は不可能である。また、世界各国が認める理想世

界の姿も見えない状況である。国連軍の創設が急務であるが、簡単に

は実現しないであろう。

 また、現実世界は危険に満ちている。北朝鮮の核兵器搭載可能と思

われるロケットが、日本の上空を縦断している。この危機的現実を見

ればわかるように、核戦争の可能性も否定できない状況下にある。し

たがって「核兵器禁止条約」に日本が賛成しないのは当然と云えよう。

 世界の平和と云っても至難のわざである。ブッダの説く絶対平和の

極楽世界を、この世に実現できないものであろうか。

 


温暖化のレッドラインは1.5度か2度か?

2018-01-14 15:10:29 | 幸福の追求

  地球温暖化対策のパリ協定の際、当初地球の平均気温の上昇を2度に抑えること

で提案されたが、島嶼諸国から1.5度に抑えるようにすべきだ、と反論され、1.

度で決着した経緯がある。そこで問題となるのは、温暖化のレッドラインは1.5度

か2度か、という問題点がある。19世紀半ばより始まった産業革命以後の平均気

温の上昇値については諸説ある。その中でも、毎日新聞2017年9月24日付け

の3面に、- CO2「2兆トン以下」 今後の排出総量 対策強化促す 英研究

チーム - との記事が掲載された。この数値が1番正確だと思われる。  

 その内容は、①2015年時点で産業革命以降、0.93度上昇した。②さらに

0.  6度上昇する場合、炭酸ガスの放出量を最大1兆9800億トン、最小9166

億トン以下にする必要がある。③毎年330億トンが放出されており、最小の場合、

約30年後に超えることとなる。④パリ協定では、今世紀中に4度以上上昇すると

見込まれている。

 これらの分析を見た結論は、今世紀中に2度どころか4度も平均気温が上昇する

のは確実な情勢と分析されている。1.5度と2度の論議はすでに無意味なものとな

りつつある。いずれにしても今世紀中にレッドラインを超えることは間違いない状

勢である。

 尚、来世紀をどのくらいの地球人が迎えられるか、という問題については故西丸震

氏が、ある週刊誌に5から10%位の人しか生き延びられないだろう、と書いてい

たのが始まりである。

 現在の異常気象はまだ序の口である。人類は自然の驚異におののくであろう。世界

中で地底都市の研究に入るべきであると考える。